つくば市・つくば研究支援センター主催の知的資産経営報告書作成セミナー(全3回シリーズ)、モデル企業選定による個別支援事業がはじまります。
関東経済産業局管内で、都道府県以外の団体が、独自予算をつけて知的資産経営報告書の作成支援をすることは、他には例がないことです。
そのため、この事業に関与する私としては、ものすごい重圧を感じています。と同時に、当事業の初年度である、今年こそが勝負の年であると考えています。
今年の事業成果に関し、今回は、参加しなかった事業者の方々が評価をすることによって、来年度以降の発展につながっていきます。その際、社長同士の口コミによって、どんどん広がっていくことが期待できます。そのためにも、「知的資産経営に取り組むことは、非常に意味のあることだ」という意識を持ってもらうことができる支援を行っていきたいです。
最終的には、「知的資産経営のつくばモデル」、これを全国に発信することができれば、地域のイノベーションにもつながっていくと思います。
産業観光とは、歴史的文化的に価値のある産業文化財(工場遺跡や古い機械器具など)、稼働中の生産現場(工場や工房など)、そこでの生産物(工業製品や工芸品、民芸品など)などを通して、モノづくりの心や地域の歴史にふれる観光活動をいいます。産業には、製造業の第二次産業だけでなく、農業や漁業などの第一次産業、情報・流通や交通などの第三次産業も含まれます。
今、宮城県のある地域において、この産業観光を進めるべく、産業観光研究会を立ち上げ、ビジネスモデルの構築に取り掛かっております。
その際、大事な視点は、地域の「宝」は何か?ということです。
自分たちにとっては当たり前のことが、地域外の人にとっては、「宝」に見えることがいっぱいあります。
しかも、その「宝」は、有形のものだけでなく、それを生み出した背景にこそあります。
まさに、「知的資産」を見つけ出し、それを「産業観光」というビジネスモデルにブラッシュアップしていくことで、地域活性化につながっていきます。
そして、「なにもない」ではなく、「すでにある、しかし、気づいていない」ということを地域の人々が認識することが何より大事です。
知的資産経営の考え方は、地域資源を活用した事業展開にも応用することができます。
その地域が過去から現在まで育んできた強み、現在から未来で活かしていきたい強みを明確にし、地域の価値創造ストーリーを描くことで、地域資源を活用したビジネスモデルを描くことができます。
これは、その地域にある、日本ならでは製品等を海外展開を行う際にも、大いに応用できると思います。
日本というくくりでは、弱みに見えてしまう地域資源も、世界というくくりで見ると強みに見えることが多いと思います。
特に、その地域に昔からあるものは、地域にとってみると、何の変哲もない、当たり前のこと、それゆえ、価値を見出すことができなくなってしまっています。
そのため、思い切って、海外の目にさらすことで、自分の地域の真の価値に気づかせてくれることにつながると思います。
日本の各地には、まだまだ、世界に誇ることができる製品(サービス)が多くあります。
我々日本人が、それに気づいていないだけです。
まさに、地域の知的資産、これも企業同様、掘り起こしていくことで、地域を活性化させていくことができます。
最近、事業承継に関連するような案件が増えてきています。
初代経営者が60代に入り、後継者問題を真剣に考え始めてきております。
その際、自分の息子に継がせる場合が一番多いのですが、ネックになるのは、親子間でのコミュニケーション不足です。
そこで、登場するのが、「知的資産経営報告書」です。
この作成を親子で一緒に取り組んでいただけると、自社の状況を二人で見直すことになり、自然と親子間での理解が進むという、大きな効果を生み出します。
その結果、何を引き継ぎ、何を変えていくのか、これも明らかになり、後継者として、明確な立ち位置で進んでいくことができます。
さらに、支援者としても、後継者とともに、一緒に未来を考えていくことができます。
まさに、支援者冥利につきます。
本日、つくば市・つくば研究支援センター主催、「知的資産経営報告書作成プロセスセミナー」が開催され、講師を務めさせていただきました。
関東経済産業局管内における、地方自治体レベルの知的資産セミナーは、当セミナーが「初」です。さらに、知的資産経営報告書の作成も支援していこうということで、本日は、かなり力が入りました。
本日のセミナーを聞いていただいた結果、すぐにでも知的資産経営に取り組みたいという申し出が多くの企業から申し出があり、嬉しい悲鳴です。
予想以上の申し出ですが、大変だけど、それでも知的資産経営報告書を作成し、それをもとに、自社を持続的に発展させたいという各社の熱い思いを感じました。
これからが正念場です。このような企業の思いを活かすため、知的資産経営支援に全身全霊をかたむけていくことをあたためて誓った夜でした。