イスラエルの対イラン報復、石油施設攻撃を「協議中」とバイデン氏
Henry Meyer
2024年10月3日 20:59 JST 更新日時 2024年10月4日 3:03 JST
バイデン氏発言で原油相場急伸、3日中にあるとは想定してないとも
イスラエルはヒズボラ掃討継続、ベイルート医療施設など空爆
Smoke rises from the site of an Israeli airstrike near Marjaayoun, Lebanon, on Oct. 3. Photographer: Carl Court/Getty Images
イスラエルは、親イラン民兵組織ヒズボラの掃討作戦を一段と進めた。レバノン南部で戦闘を続ける一方、ベイルートに空爆を実施。また米国とその同盟国は、イランに対するイスラエル報復攻撃に備えている。
レバノンの保健省など現地当局によると、イスラエルはヒズボラが関与する医療施設を空爆し、ベイルート中心部で9人が死亡。イスラエル軍は3日、レバノン南部のビントジュベイルでヒズボラが使用していた地方政府庁舎を夜間に空爆し、15人のヒズボラ戦闘員を殺害したと発表した。さらにレバノン南部の一部地域の住民に対し、即時退避を指示した。
戦闘が激化する中で、イランが1日夜に仕掛けた大規模なミサイル攻撃に対してイスラエルがいつ、どの程度の報復攻撃を行うのかに国際的な注目が集まっている。攻撃でイスラエルが被った人的・物的損害は軽微だったが、同国と米国は受け入れられないエスカレートだと非難し、イスラエルは報復する意向を示している。
次に何が起きるのか、バイデン大統領も不透明性を強めた。イスラエルによるイラン石油施設への攻撃を米国は支持するかとホワイトハウスの外で記者団に問われ、「それをわれわれは協議中だ」と回答。「それはちょっと、だと思う。まあともかく」と続けた。
イスラエルによるイラン石油施設攻撃を協議中、バイデン氏が発言
LEBANON-ISRAEL-PALESTINIAN-CONFLICT
イスラエル軍の空爆で破壊された建物(3日、ベイルート)
Source: AFP/Getty Images
エネルギーインフラを標的とする可能性が依然検討されていることを示唆したバイデン氏の発言を受けて、原油相場は急騰。この反応は、イラン核施設への攻撃を米国は支持しないとバイデン氏が明言したのとは対照的だ。同氏はまた、イスラエルの報復が3日中にあるとは想定していないとも述べた。
原油先物が急伸、イスラエル報復の可能性巡るバイデン米大統領発言で
米国家安全保障会議(NSC)にバイデン氏発言について複数回にわたり説明を求めたが、応答は得られていない。米国とその同盟国は、さらなる報復の連鎖を招き、米国やその他の国を巻き込む中東の全面戦争に発展する事態を避けつつ、イスラエルに認めるイランへの対応を協議している。
ワシントン近東政策研究所のアラブ・イスラエル関係を専門とするプロジェクトのディレクターを務めるデービッド・マコフスキー氏は「イスラエルが軍事的行動を取ることに全く疑いはない」と述べ、「米国はイスラエルの対応の規模に恐らく影響を及ぼせるだろうが、イスラエルが攻撃するかしないかを決定付ける影響力はない」との見解を示した。
レバノン軍は3日、国内南部の拠点の一つがイスラエルの空爆に遭い、兵士1人が死亡したと明らかにした。一方、イスラエル軍は2日にレバノン南部でヒズボラの部隊と交戦し、兵士8人が死亡したと発表。これは今週初めに地上侵攻を開始して以降、初の死傷者だった。
Iran’s Oil and Gas Assets: What to Watch
Sources: Bloomberg (oil refineries and terminals); US Department of Energy Global Oil & Gas Features Database (pipelines and fields)
Note: Oil refineries and terminals are sized by capacity.
原題:Israel Strikes Hezbollah as Biden Comments Send Oil Surging(抜粋)
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