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大原 浩(国際投資アナリスト)の意見をもう一度

2024-04-26 11:41:21 | 日記
大原 浩(国際投資アナリスト)の意見をもう一度

 3月1日公開「日米ともに株価史上最高値、でも日経平均がダウ平均を上回ったことの方が重要」で述べたように、米国は1989年バブルピーク当時の日本とほぼ同じ状態である。その頃、日本は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と浮かれていたが、現在の米国はまさに「US・アズ・ナンバーワン」とはしゃいでいるのだ。

 それに対して、現在の日本はその当時「ジャパン・アズ・ナンバーワン」騒ぎの中で意気消沈していた米国と同じ状態である。前記「日米ともに株価史上最高値、でも日経平均がダウ平均を上回ったことの方が重要」4ページ目「現在の米国は『バブル期の日本』」で述べたように、日経平均のバブル期最高値を付けたその日のダウ平均は「たったの」2753ドルであった。ポイント数で言えば、14分の1程度であったのである。

 また、現在の4万ドル程度から考えればやはり14分の一程度であったが、だれもそれを「激安」だとは考えなかったのだ。まだ「IT・インターネットブーム」や「『新型金融』の勃興」前夜だったからである。

 同じように、現在は「日本の製造業」や4月10日公開「トヨタ生産システムの根源『なぜなぜ分析』はバフェット流にも通じる『外野の意見に耳を傾けるな! 』という鉄則」で述べたような製造業のノウハウ(哲学)を応用した多種多様な産業が、世界を席巻する前夜である。

 つまり、「大原浩の逆説チャンネル<第36回>世界の混迷の中で、『ガラパゴス日本』が発展する。ITから製造業へ。円安も追い風だ」で述べたようにこれまで世界の発展の中で「ガラパゴス」と揶揄され沈滞していた「日本だけ」が浮上すると考えられる。

 結局、昨年7月20日公開「世界が駄目な時には『ガラパゴス』日本が繁栄するのだから、目先の株価変動などに振り回されるな!」ということなのだ。




「ジャパン・アズ・ナンバーワン」

 バブル期の「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という言葉は、日本人を舞い上がらせ「悪い結果」をもたらした。しかし、日本が「明るい未来」へと歩みを進めているのにも関わらず、「暗い過去」をいまだに引きずっている日本人にはむしろ「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という言葉で勇気づけたい。

 今回の「ジャパン・アズ・ナンバーワン」は、GDPで米国を追い抜くなどという「量の拡大」ではなく、「質の向上」である。

 「日本品質」がその象徴であり、「日本品質」は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と誇っても良いだろう。また、「治安の良さ」、「社会の安定性」も「ジャパン・アズ・ナンバーワン」である。これまではこの「ジャパン・アズ・ナンバーワン」が、経済の発展に結び付きにくかったが、デフレが終わりインフレが急速に進行する中で大きな武器になる。

 日本の長所は、前記「1400年の歴史、世界最古の会社が日本に存在している…!」で述べた金剛組を筆頭とした老舗企業だ。そして4月9日公開「日経平均が30年で50万円になってもおかしくない、これからの『日本の黄金時代』は老舗企業が繫栄する」で述べたように、インフレ期には「老舗企業」が大きな武器になる。

 老舗企業の多さでも「ジャパン・アズ・ナンバーワン」なのだ。
「日本以外全部沈没」

 「ジャパン・アズ・ナンバーワン」は、日本独自の成長と同時に「日本以外の国々の衰退」によっても後押しされる。

 2年以上前の、2022年1月8日公開「2022年、世界の危機を展望すると、日本以外全部沈没なのか?」で述べた状況がますます明確になっている。

 例えば、前記「中国は崩壊か? それとも『失われる50年』か? いずれにせよ日本のバブル崩壊以上の惨劇が待っている」の惨状についてはよく知られるようになってきたので、改めて説明する必要は無いだろう。

 また、ノルドストリーム爆破や「経済制裁」による(安価な)エネルギーの途絶、中国経済不調が打撃となっている上に、昨年9月11日公開「ドイツを見よ!  EV化の惨めな結末~フォルクスワーゲン減産、結局、脱炭素は『三流国』への道?」なのがドイツである。これまで欧州経済の牽引車とされてきた同国の状況が示すように、EUも極めて厳しい状況に追い込まれている。

 米国については、これまで述べたように、いつバブルが崩壊するのかわからない状況だ。

 さらには、これから予想される世界的インフレ、高金利の打撃を最も強く受けるのが、社会・経済基盤がまだ未熟な新興国である。

 このように考えると、「日本の素晴らしさ」がよくわかる。バブル期に「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と舞い上がったことは大いに反省すべきことであるが、羹に懲りて膾を吹くことも無意味だ。

 世界がバブルに浮かれる中で日本だけが「失われた30年」の長いトンネルを抜けてきたことは、これからの「追い風」になる。

 今のような沈滞ムードの中でこそ、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と主張したい。


大原 浩(国際投資アナリスト)


※ここからは個人的な意見です。
上記のような、意見、或いは考え方は、現状を見ていないのではないか?という評価を受けることが多いと考えますが、果たしてそうなんでしょうか?

それぞれの業種で、それなりに実績を出してきた、人たちが述べている考え方は、見過ごすには大きいことかもしれません。

過去の偉業を行った人々は、圧倒的な非難や中傷を受けて、尚且つ主張を曲げずに、主張を続けてきた人々だと思います。

以上は、個人的な意見ですので、考慮してください。※

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