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フィデリティ、24年の景気後退予想を維持-企業の借り換えショックで 2023年9月2日 5:04 JST ブルームバーグ

2023-09-02 21:14:55 | 日記

フィデリティ、24年の景気後退予想を維持-企業の借り換えショックで
Emily Graffeo、Anya Andrianova
2023年9月2日 5:04 JST ブルームバーグ

フィデリティ・インターナショナルのチーフ投資ストラテジスト、サルマン・アーメド氏は、米連邦公開市場委員会(FOMC)が米経済をソフトランディング(軟着陸)に導いたとの見方がウォール街で高まる中でも、リセッション(景気後退)の予測を維持している。

  アーメド氏によると、金融引き締めの完全な効果と景気下降は、今後6カ月間の企業債務の借り換えの波を受けて、来年に現実のものになる。

  同氏は「このサイクルの終着点は景気後退だ」と指摘。「FOMCがある時点で手を引かなければ、誰もが高い実質金利を支払わなければならなくなる」と述べた。

  フィデリティの470億ドル(約6兆8690億円)のマルチアセット・ビジネスで資産配分戦略に携わっているアーメド氏は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を背景にした金融緩和の時期に企業が借り入れた負債は高金利という新たな時代に満期を迎え、引き締めの遅行効果が最終的に景気を崖っぷちに追い込むとの見通しを示した。

  債務コストの上昇は他の条件が同じであれば、企業が投資や労働者への給与を支払う余力を減らす傾向がある。高い株式バリュエーションとタイトな信用スプレッドは、来るべき景気後退がまだ市場に完全に織り込まれていないことの表れだ。

  アーメド氏は「借り手が金利の圧力を十分に感じていないのは、金利が固定されているためだ。だがその状態がいつまでも続くわけではない。2、3、4%で融資を受けていた企業が、10、11、12%で融資を受けることになる。これは大きなショックだ」と説明した。

  フィデリティは、2024年初頭に襲いかかる借り換えの壁に備えるため、過去2カ月にわたって「中立」としていた現金を「オーバーウエート」に引き上げた。株式は引き続き「アンダーウエート」、投資適格債は高利回り債よりも「オーバーウエート」とし、「オーバーウエート」にしていた政府債については9月に「中立」に変更した。

  ウォール街のエコノミストの多くが景気後退説を撤回する中、アーメド氏の予測は暗い。

  同氏に言わせれば、金利が上昇する中で経済が堅調なのは、金融政策の遅行効果がまだ続いている証拠であり、ソフトランディングの前兆ではないという。

  米国の個人消費と労働市場が驚くほど底堅いため、アーメド氏は景気後退の予測を来年に先送りせざるを得なくなり、景気後退の確率を80%から60%に引き下げたが、景気後退がアーメド氏の基本シナリオであることに変わりはない。

  同氏の論拠は米金融当局者グループの最近の研究によって裏付けられている。歴史を振り返ると、将来の利上げの有無にかかわらず、企業がすでに実施された利上げの影響を完全に感じるには約1年かかるという。

原題:Fidelity International Bets on 2024 Recession on Refinance Shock(抜粋)

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