中国恒大、米ドル債の利払い再び見送り
理財商品は10%支払い
グローバルマーケット
2021年9月30日 17:26 (2021年9月30日 18:11更新)
【香港=ナラヤナン・ソマスンダラム、上海=土居倫之】中国の不動産大手、中国恒大集団が欧米市場で発行した米ドル債の利払いを再び見送ったことがわかった。恒大の米ドル債投資家2人が明らかにした。同社は29日に米ドル債の金利5000万ドル弱の支払期限を迎えていた。一方、個人向け投資商品は元本の10%を30日に支払ったと発表した。
恒大の広報担当はドル建て債の利払いの有無について「把握していない」とした。恒大は23日の米ドル債の利払いも見送った。いずれも公式に債務不履行(デフォルト)と認定されるまで利払い日から30日間の猶予期間がある。
恒大は29日、傘下の地方銀行、盛京銀行の株式19.93%を約99億元(約1700億円)で売却すると発表した。ただこの売却代金は盛京銀に対する債務の返済に充てるよう銀行側が要求しており、利払いに充当できないもようだ。
一方、恒大は30日、グループ傘下の恒大財富の投資商品のうち、9月に満期が到来した分については元本の10%を投資家の口座に振り込んだと発表した。同商品は焦げ付き懸念から投資家が広東省深圳市の恒大本社ビルに押し寄せて抗議する事態となっていた。
格付け会社フィッチ・レーティングスは29日、恒大をダブルCからシングルCに格下げした。信用不安の高まりで恒大は本業の住宅事業が不振に陥っており、1兆9665億元(約34兆円)にのぼる負債圧縮の道筋は見えていない。
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