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プライベートクレジット、高金利の影響表面化の懸念-新たな機会にも 2024年5月10日 13:19 JST

2024-05-10 15:42:27 | 日記

プライベートクレジット、高金利の影響表面化の懸念-新たな機会にも
Paula Seligson、Davide Scigliuzzo
2024年5月10日 13:19 JST

デフォルト率上昇へ-債務条件変更による時間稼ぎは永久には続かず
過剰レバレッジで苦戦の借り手への救済融資が新たな収益機会に

プライベートクレジット運用会社は、高金利の長期化によって一部の企業が債務負担に苦しむことになり、米企業の間でストレスが高まると予想している。

  金融業界の有力者たちは今週、年次ミルケン研究所グローバルカンファレンスのためにビバリーヒルズに集まった。米連邦準備制度理事会(FRB)が、景気動向次第で政策金利が高止まりすることを示唆した数日後だった。

  パネル討論会や非公開の会議では、低金利時代に借金を重ねた借り手の流動性問題が、融資期間延長や利息の支払い繰り延べといった貸し付け条件の変更によって覆い隠されていることへの懸念が表明された。

  昨年にこのような修正が急増したため、これまでのところデフォルト率は低く抑えられているが、これは金利が低下するまでの時間稼ぎだった。しかし利下げ見通しは今や遠のいた。

  また、2019-22年にかけて行われた投資は、金利が長期にわたって低水準で推移することを想定した高レバレッジ投資だったため、隠れたひずみが残っている。

  TCWグループのケイティ・コッチ最高経営責任者(CEO)はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、現在の状態は「永遠には続かない。いずれデフォルト率は上昇するだろう」と語った。

  多くの借り手はまだ収益を伸ばしており、金利上昇を吸収しているが、弱小企業の苦闘は1兆7000億ドル(約265兆円)規模に成長したプライベートクレジット市場にとって最初の本物の試練となるかもしれない。この資金の多くは、15年以上前の金融危機後に運用を開始したファンドが調達したものだ。


  ブルー・アウル・キャピタルのマーク・リプシュルツCEOによれば、景気後退は近年にプライベートクレジットに参入した一部の投資家にとって、明暗を分けるポイントになる可能性がある。

  「一部の運用会社は弱小だったことが分かりシステムから振り落とされるだろう」と同氏は述べた。
救済ローン

  しかし、流動性に行き詰まった借り手に救済タイプの融資を提供することで、ダイレクトレンディングやレバレッジドローン市場の動揺から利益を得ようと準備している企業もある。

  オークツリー・キャピタル・マネジメントはマルチアセット・クレジット・ポートフォリオで、公募で組成されたシンジケートローンへのエクスポージャーを減らし、ローン担保証券(CLO)と現金にシフトしている。同社はプライベートクレジット事業を通じて、流動性を必要とする企業への救済ファイナンスを増やそうとしている。

  ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントやアレス・マネジメントも、いわゆるハイブリッドキャピタルを提供する専用ファンドを持っている。このようなファイナンシングは、既存の優先債務と普通株式の中間に位置するような仕組みになっており、借り手は追加の借り入れで調達した資金を、既存債務の返済や利支払いの一部に充てることができる。

  オークツリーのポートフォリオマネジャー、ダニエル・ポリ氏は、満期を前にして債務を返済できない可能性が出ている企業について「ひどいことになるだろう」と述べ、これらの借り手企業の多くは過剰なレバレッジを抱えていると指摘した。

  TDカウエンのジェフリー・ソロモン社長は、こうした企業に投資している「スポンサー企業は、投資先企業から手を引く前に、より高いバリュエーションが得られるまで待つ用意がある」と指摘。「この市場には、エクイティーを大きくするような債務再編の方法に通じた経験豊富な人間がたくさんいる」と述べた。

原題:Private Credit Stress Brings Anxiety, Opportunity to Milken (1)(抜粋)






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