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モルガンVS.ゴールドマン 割れる相場の見方(NY特急便) 米州総局 宮本岳則 NY特急便2021年2月17日 8:09 (2021年2月17日 8:18更新)

2021-02-17 14:00:44 | 日記
モルガンVS.ゴールドマン 割れる相場の見方(NY特急便)
米州総局 宮本岳則
NY特急便2021年2月17日 8:09 (2021年2月17日 8:18更新)


モルガンのストラテジストは米株の先行きに慎重=ロイター
16日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が最高値を更新した。ハイテク株は総じてさえなかったものの、銀行や資本財など景気敏感銘柄がけん引役となった。景気回復期待から出遅れ銘柄にマネーが流れ込み、相場はさらなる高値を目指す――。まさに強気派の決まり文句通りの展開だ。慎重派の立場は苦しい。

「株価指数は良いニュースの大半を織り込んでいる」。米モルガン・スタンレーの米株ストラテジスト、マイケル・ウィルソン氏は16日のリポートであえてこう強調した。同氏はS&P500種株価指数の2021年高値予想を3900としている。一方、16日の終値は3932.54。早くも目標を達成してしまった形だが、これ以上の上昇余地はないとして予想を変えなかった。

ヘッジファンドのリスク選好度は過去最高水準にあり、個人投資家も同様だ――。ウィルソン氏のリポートには、あらゆる投資家が借り入れで投資規模を膨らませている様子がグラフで示されていた。足元の株高はショックへの耐性が弱いとして、顧客に警戒を呼びかけたいようだ。もっとも、こうしたメッセージは投資家にあまり届いていないようにみえる。

米バンク・オブ・アメリカが16日に公表した2月のグローバル投資家調査は、株式市場の楽観ムードを映していた。ポートフォリオに占める現金の比率は3.8%で、2013年3月以来の低水準だった。投資家はリスク回避的になると現金比率を高める傾向にある。足元では「現金はゴミ」と言わんばかりに、リスク資産へマネーを振り向けている。株式と商品への資金配分は11年2月以来の高水準だ。

多くの投資家は高値を警戒しながらも「買う理由」を探している。カネ余りと低金利で資金の振り向け先として株式を選好せざるを得ないからだ。

投資家に「買い安心感」を提供しているのが、米ゴールドマン・サックスの米株ストラテジスト、デービッド・コスティン氏だ。同氏のS&P500の21年目標値は4300で、16日終値比で1割弱の上昇余地がある。

コスティン氏が出したメモは強気材料のオンパレードだった。まず企業業績。S&P500指数の構成銘柄の20年10~12月期決算は、84%の企業が発表を終え、前年同期比2%増益となっている。事前のアナリスト予想は11%減益だった。ゴールドマンは好調な企業業績を受けて、21年のS&P500銘柄の1株利益予想を2%引き上げた。足元で半導体など原材料コストの上昇が懸念されているが、売上高増などで吸収できるとみる。
「(バイデン政権による)財政出動は次の上昇のカタリスト(きっかけ)になりえる」。コスティン氏はこう強調する。家計への現金給付は個人投資家の米株買い需要につながるという。ゴールドマンは個人投資家の好む銘柄を集めたインデックスを作り、機関投資家に提示している。こうした強気トークは、迷える投資家の耳に心地よく響くだろう。

ウォール街には「株式相場は不安の壁をよじ登る」という相場格言がある。慎重派が市場参加者の中にいる間は相場はなかなか崩れず、強気相場は長続きするという意味だ。裏返せば、慎重論を唱えている人たちが強気に転じたときこそが相場の天井となる。数少ない慎重派となったモルガンの動向に注目が集まる。
(ニューヨーク=宮本岳則)

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