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【日本市況】株は大幅続伸、米景気懸念が後退-債券は大幅安 2024年8月16日 14:23 JST 更新日時 2024年8月16日 16:13 JST

2024-08-16 17:00:28 | 日記

【日本市況】株は大幅続伸、米景気懸念が後退-債券は大幅安
田村康剛、山中英典、酒井大輔
2024年8月16日 14:23 JST 更新日時 2024年8月16日 16:13 JST

16日の日本市場では株式が大幅続伸。良好な経済指標を受けて米国の景気後退懸念が和らぎ、リスク選好ムードが広がった。東証33業種は全て高く、東証株価指数(TOPIX)と日経平均株価は週間ベースで2020年4月以来の上昇率となった。

  米国では7月の小売売上高が市場予想を大きく上回ったほか、ウォルマートが通期の売上高見通しを引き上げ、消費の底堅さが確認された。新規失業保険申請件数が予想外の減少となったことも米景気の軟着陸期待につながり、米金利スワップ市場が織り込む9月の利下げ幅は一時の50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)近くから30bp程度に縮小した。

  みずほ証券の倉持靖彦マーケットストラテジストは、7月の雇用統計で米国のリセッション(景気後退)懸念が高まったものの、失業保険と小売売上高を見る限りそれが解消されたと指摘。「イレギュラーな要因も加わり日経平均は急落してファンダメンタルズと乖離(かいり)していたが、落ち着きつつある」と話した。

  米国の大幅な利下げ観測が後退する中、債券相場は大幅下落(金利は上昇)。金融市場が落ち着きを取り戻し、日本銀行による早期の追加利上げの可能性が再び意識されたことも重しとなった。一方、リスク選好の売りで前日に全面安となった円相場は下げが一服し、対ドルでは2週間ぶり安値水準の149円台前半から148円台後半へ小幅に戻した。  
16日の国内株式・債券・為替相場の動き

TOPIXの終値は前日比3%高の2678.60
日経平均株価は3.6%高の3万8062円67銭

長期国債先物9月物終値は前日比40銭安の144円83銭
新発10年債利回りは4bp高い0.875%

円は対ドルで0.2%高の148円97銭(午後3時41分時点)、前日の海外市場で一時149円39銭と2日以来の安値まで下落

株式

  東京株式相場は5連騰。過度の米景気懸念が和らぐ中、為替の円安基調が業績にプラスとなる電機や機械、自動車などの輸出関連株が買われ、米金利上昇が好感された銀行、保険といった金融株も上昇した。 

  T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジストは、円安と堅調な米経済指標を受けて輸出関連株が上昇と指摘。ここ1カ月の間に大きく売られた株は、市場が暴落から落ち着くにつれて買い戻されているとの認識を示した。

  日立製作所やトヨタ自動車などがTOPIXの上昇をけん引し、東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体関連株も高い。指数構成銘柄2132のうち、1875銘柄が上昇し、下落は207銘柄にとどまった。相場が月初の歴史的急落から持ち直す中、東証33業種は週間でも全て上昇した。

   ゴールドマン・サックス証券のチーフ日本株ストラテジスト、ブルース・カーク氏は米国の景気や大統領選挙、日本の自民党総裁選、中東などの地政学リスクといった不透明材料がある中でも、海外投資家は日本株の調整を買いの好機と捉えているとの見方を示した。

ゴールドマン、日本株の調整は海外勢の買い好機-長期ストーリー不変
TOPIXの日中推移


債券

  債券相場は大幅下落。堅調な経済統計を受け9月の大幅な利下げ観測が後退した米国で金利が上昇した流れを引き継いだ。10年物価連動国債入札は無難な結果となり、相場への影響は限定的だった。

  岡三証券の長谷川直也チーフ債券ストラテジストは、物価連動債入札について「事前に警戒されていた割に最低価格は予想を上回り、無難に終えたのではないか」と分析。債券相場は米金利動向をにらみつつ、株価が大きく戻しているため、日銀の利上げ期待は徐々に高まってくるとの見方も示した。

  入札結果によると、最低落札価格は104円30銭と、市場予想104円00銭を上回った。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は2.96倍と、前回の4.27倍から低下した。

日本債券: 10年物価連動国債の過去の入札結果 (表)  

新発国債利回り(午後3時時点)
2年債 5年債 10年債 20年債 30年債 40年債
0.350% 0.490% 0.875% 1.685% 2.040% 2.280%
前日比 +3.5bp +4.5bp +4.0bp +4.0bp +2.0bp +2.5bp


先物中心限月の推移


為替

  東京外国為替市場の円相場は1ドル=148円台後半に水準を切り上げて推移。前日の米国市場で強い経済指標を受けて2週間ぶりに149円台に下落したことから、円売りポジションの持ち高調整が優勢となった。

  りそなホールディングス市場企画部の井口慶一シニアストラテジストは、円相場が149円台まで下落したことで「いったん利益確定の動きも出ている」と指摘。一方、日本株の大幅続伸を背景に投資家心理が改善していることは円の重しで、「お盆休みの最中ということもあり、方向感を持った動きが出づらい」と話していた。
前日からのドル・円相場の推移



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