銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

理想の温度を考える

2020-01-22 07:23:00 | 銭湯考

銭湯に限らず家(うち)風呂でもそうなのですが、みんなが理想とする温度は何度だろうと考えることがあります。
お風呂というのは基本的に多くの人と共有するものなので、そうした基準が明確な方が好ましいのではないかと思うからです。


しかし、現実にはみんながそれぞれ違った好みを持っており、その日の体調によって求める温度も違ったりします。
一つの結論として申し上げるのは困難ではないかというのが個人的な見解なのですが、それを承知の上であえて断言するならば42℃が一つの目安となるのではないかと思っています。


その理由としてあげられるのが人の体温です。
日本人の平均は36.8℃ぐらいらしいのですが、世界的に見ても、だいたいそれぐらいの温度です。
それでは、なぜ人の平熱は37℃に維持されるのかというと実はハッキリした理由は分からないのですが、体内の酵素を活性化させる上で37℃はもっとも好ましい温度だと言われています。


人に限らずですが、生命を維持するためには代謝し続けなければなりません。その代謝する際に使われる酵素は温度が高いほど活発に動いてくれます。
ただ、高ければ高いほどいいのかというとそうではなく、42℃を境に鈍化し始めます。
脳も42℃を越えるとダメージを受け始めるのでこれも好ましくありません。
体温は上昇する過程は好ましいのですが、一定の温度を越えるとむしろ害になります。


人がエネルギーを生み出す75%ほどが体温維持のために使われているので、それだけ体温を保持するというのは生きるためのウエイトを占めてることを意味しています。
そうした熱を自ら作り出すのではなく、体外から熱を取り込むことで代謝を活性化させリラックスする。
それが本能的にお風呂を欲する理由ではないかと思うのです。


お風呂の歴史は日本に限っていえば平安時代から始まり、蒸し風呂から湯船に浸かるものへと進化し、現在はサウナや岩盤浴といった多様な形式が生まれましたが、何百年を振り返っても、その体を温めるという本質に変わりはありません。
やはり体を温めることがあらゆる時代を通して人々に多幸感をもたらしてくれたようです。
また銭湯を通して清潔になり、社交場として人々と交流する。
今はサブカルチャーの取り込みが潮流として見られますが、そのような発展は今後もみられるのではないかと思います。


理想とする温度。すでに結論として出していますが、42℃は科学的な知見から考えても、経験的にもこれぐらいが苦なく入れる温度かなと思います。
ただ、やはりもっと高い温度を求める気持ちも当然あります。
人間というのは限界以上を求める生き物で、もっと刺激がほしいと感じると、さらなる高みを目指します。
自分の限界は45℃なのですが、玄人の域に達すると47、8℃でも気持ちよさそうな表情で入ってる人もいます。
いつか自分もその領域に達することができたならと思いつつ、ぬる湯に浸かる日々を過ごしています。













日の出湯(東京・月島)

2020-01-22 07:22:00 | 銭湯



#日の出湯








✔お湯がめちゃくちゃ熱い
✔常連客でにぎわう
✔けっこう狭い












#月島駅

▲東京メトロ有楽町線の月島駅






▲地図でみると、右端にある佃という場所をめざす。名前のとおり佃煮が生まれた場所だ。
月島はもんじゃ焼きでも有名で、東京のソウルフード発祥の地と言えるだろう


▲月島自体は、東京駅から南東にある埋め立て地。すぐ上には築地がみえ、下は築地市場の移転先である豊洲である


▲改札口をでた現在地。赤の点線をたどって6番出口にむかう


▲写真左の階段をのぼってもいいが、今回はエレベーターを使った


▲ここから上がり、


▲出ると佃大橋の下に出る


▲目指す方向は右。横断歩道を渡る


▲左の横断歩道も渡り


▲渡ったところ


▲進んだ先にセブンイレブンがみえる


▲そのセブンイレブンを左折




▲突き当たり


▲右に進んでもいいが


▲左の小道を横切る。月島は、こうした狭い路地が編み目のように続いている




▲出たところ


▲右を向いて


▲先を進むと


▲赤い欄干(らんかん)の佃小橋がみえてくる。その後ろにあるのが日の出湯だ





▲佃小橋を渡る




▲右を見ると


▲江戸時代の遺構が残っているらしい


▲なんだかよく分からないけど


▲佃小橋を渡り


▲マンションの右をまわると


▲入り口がみえてくる。
奥にあるのが住吉神社だ


▲マンションの入り口もある


▲ここの正月は2日のみ休みだった


▲色々とやってるみたい


▲与党野党問わず、あらゆる政党のポスターが張ってある




▲到着


入り口は写真の通り男女に分かれていて、男湯は右側。扉を開けると、ちょうど高齢の男性が出てくるところだった。
下足箱はかなり狭く、入り口で出てくるところを待ってると男性から「すみません」と恐縮される。
下足箱に靴を預けて左側の扉を開けると、フロントタイプの番台。


出典:東京銭湯ホームページ引用


左側には券売機があるが止まったままで、受付で支払いをする。
座るのは白髪であるが50代半ばから後半ぐらいの男性。
ちょっと気の強そうな話し方にも聞こえるが、言葉は丁寧。
貸しタオルをお願いすると、貸しタオルはないが販売してるということで、そちらをいただくことに。
この日は3日ということで石鹸を頂いた。




▲開けると中はこんな感じ


▲完成したらこうなる(上手くいけば)


のれんをくぐって中に入ると、こちらもけっこう狭い脱衣場。左右にロッカーがあり、手前には冷蔵庫と扇風機。
真ん中に椅子が背中合わせでおいてあった。マッサージチェアもあり、奥左に体重計。右に洗面台。
狭いけど人が多かったので、着替えるのにひと苦労した。


出典:東京銭湯ホームページ引用


浴室の扉を開けると、間仕切り側に浴槽が並び、右にカラン。カランは横に並ぶもので、三列。ただ、奥はかなり短い。立ちシャワーはその前にあった。
天井も当然ながら低かった。


出典:東京銭湯ホームページ引用


出典:東京銭湯ホームページ引用


浴槽は、手前からぬる湯で電気風呂もあって43℃ぐらい
奥隣がジェットバスで水まくらは生きており、温度は45℃前後。
そしてさらに奥が少し広めで深浴槽。こちらはたぶん47℃。
一番奥は空っぽだったが、もしかすると稼働してるときは水風呂だったのかもしれない。


最初はなにも確認せずにとりあえず深浴槽に入ってみたのだが、めちゃくちゃ熱くて内心(アツい!!)と叫んだが、さり気なくみてくる常連客の目を気にして「これぐらいがちょうどいいわ」とハッタリかまして涼しい顔で我慢することに。
しかし、さすがにこの温度になるとすぐに皮膚が赤くなってヒリヒリする。
常連客たちはというと、躊躇なく肩まで浸かってあつ湯を堪能していた。さすが江戸っ子である。


客層は上述したように、高齢者ばかり。
ここらへんは高層マンションが林立するが、そうしたマンションの住民たちはこうした銭湯には来ないのだろう。
たしかになんとなく、一見さんを寄せ付けない独特の雰囲気もあり、自分のようなよそ者にはちょっと敷居の高い銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 月島
経路 住吉神社を目指す
周辺の環境 川や公園、神社

●空間演出
建物外観 マンション
壁画・眺望 なし
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 脱衣場の真ん中
脱衣所 せまい
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 電気風呂、ジェットバス
サウナ なし
温度 43~47℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 ふつう
清潔さ ふつう
貸しタオル なし(購入140円)
備え付け あり

◆人
受付 50代半ばぐらいの男性
客層 高齢者


【案内】

住所
〒104-0051
中央区佃1−6−7

電話番号
03-3532-1629

アクセス
東京メトロ有楽町線「月島」駅下車、徒歩4分

休日
第2・第4木曜

営業時間
15:00−24:00

※東京銭湯ホームページ転載