日向の夢

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本の感想:2冊

2007年03月18日 02時17分34秒 | 
あまりに久しぶりなのですが、本の感想など書きたくなったので最近読んだ2冊の分をお送りします。
ちなみに2冊とも、この間BOOKOFFで購入したもの。



”文学少女”と死にたがりの道化  野村美月

この人の「卓球場シリーズ」が好きだったのですが、それ以後の本は手にする機会がありませんでした。
が、なんの縁か再び野村さんの本を手に取ることになりました。

この本は「文学少女」と、語り部兼おやつ係の「僕」という2人の文芸部員を軸に話が展開します。
序盤は文芸部に舞いこんだラブレター代理執筆依頼について。
中盤は依頼者がじつは逝っちゃってるんじゃないかという疑問について。
終盤は1人目の解決について。
最期に2人目の解決を。

ここまで書いてストーリーを要約する能力が完全に無いことがわかってしまいましたが、要は読んでみれば分かるってことです。

そんなに厚い本ではなく、文章もリズムが良いのでスラスラと読めました。僕視点で出来事を追っていくのでそんなに文学少女の出番は多くなかったように思いますが、彼女の「ボケ」がいい刺激になっていて読んでいて楽しかったですね。

話はちょっと推理寄りでしょうか。別な言い方をすれば、「富士見ミステリー」で出てても違和感ないってかんじでしょうか。むしろ、「あぁー、富士見ミステリーがちゃんとミステリーっぽいものやってる」と感心するかもしれません。そして、野村さんにしてはけっこう重い話でした。
推理役はもちろん文学少女。被害者は「僕」。加害者は犯人と依頼主。しかし話の中心が2転3転する(ブレているのではなく)ので、その流れを追っていくのが大変でした。終盤に入るにつれ、人物の立ち位置が激しく変わります。


一番のオススメポイントはやはり「文学少女」でしょう。いや、ここで書いてないだけでちゃんと名前はありますが(ついでに言えば「僕」にも名前はあります)。
これがねー、すっげーいいんだ。もし明日本屋に行く用事があってそのときにこの本を見つけたら、ぜひとも139Pの挿絵を見て欲しいですね。絵の人も上手くてですねー、奇跡のバランスで「清楚さ」と「エロさ」が表現されてるんですよ。最高でしたね。
あぁ、あとしゃべり方も個人的に○でした。記号的に言えば委員長タイプ。でも普段は子供っぽいかんじ。欲を言えば始終冷静なほうが好みなのですが、締めるところは(パッと見)ちゃんと締めているので問題なし。
ついでに言えば主食は本。というか物語。作中で「僕」に「妖怪」って言われてたけど、あれはどういう意味だったんだろ・・・。




GOSICK<Ⅱ>  桜庭一樹

2冊目はGOSICKの2巻。これは富士見ミステリーの中で割と普通の推理物だっていうんで1巻を買った・・・・・んじゃなくて、多分ヴィクトリカが可愛かったから買ったんでしょう。けっこう昔のことなので忘れました。

で、偶然2巻を見つけたので勢いで買ってしまいました。表紙が可愛いってのは若干反則ですよねー。

でも、やはりすごいですね。冒頭部、主人公が友人の女の子と一緒に買い物をするくだりがあるんですが、そこからしてちゃんと情景を浮かべられるくらいの風景描写がなされていました。僕はそういう「話」とあんまり関係の無い部分は読み飛ばすことが多いのですが、はたと気づいて、「せっかくこんなにちゃんと書いてあるんだからしっかり読もうか・・・」ともう一度読み直しました。読みながら脳裏に浮かべるのは家々の立ち並ぶ中を歩いていく少年と少女。たまにはこういう風にゆっくり読書するのもいいなーとか思っていました。

しかしそれもつかの間。ヴィクトリカが登場してからは情景描写なんかなにするものぞと速読モードに切り替わりまして、どんどん読み進めてしまいました。一番にはやはりヴィクトリカが可愛すぎるのが原因なのですよ。やること為すことかわいいんだ、コレが。主人公を「君」と呼ぶことだけでお腹一杯です。

あぁ、そうだ。この2巻のストーリーですが、ヴィクトリカの母親にまつわる話で、主な舞台はその母親の故郷です。暗号じみた新聞広告を知ったヴィクトリカが一人出かけようとするところを主人公が見つけ、半ば強引についていきます。
そこで起きる殺人×2と、昔の殺人×1が解決すべき事件なのですが、解決編はいたってシンプルだったなー。とくに昔の殺人のほうは、あれ? っと思っているうちに犯人が自白しちゃって、そのあと説明があって・・・うーん、自分で考えることはあまりしない方ですが、拍子抜けだったかも。

でもまぁ、この作品の魅力はヴィクトリカの可愛さと雰囲気だと思っているので大丈夫。400p近くあるのですが、途中でだらけることなく読みきれたのもポイントです。





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