日向の夢

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水月-迷心- この世界に降りそそぐ光と 感想

2005年06月07日 21時50分02秒 | 
水月~迷心~ この世界に降りそそぐ光と の感想。


著者の蕪木統文氏の前作「水月~この世界に足りないもの~」も大好きなのですが、今回もとてもおもしろく、通学電車の往復一回で読み終わってしまいました。あぁ、おもしろい分だけ、さっさと読み終わってしまったあとのむなしさもまた格別ですなぁ。

表紙を見てもらえばわかるとおり、今回は雪さんメインのお話です。「この世界に足りないもの」とパラダイムノベルス版の水月が基本的に花梨エンドだったので、まさに待ってました! という人も多いのではないでしょうか。そして表紙どおり、たしかに雪さんの出番は多いです。
というよりも、他のキャラの出番が極端に少ない、と言った方が適切でしょうかね。花梨:ちょい役  和泉:ちょい役  那波:ちょい役  つまり、ヒロインのほとんどがちょい役。逆に、庄一・鈴蘭兄妹が頑張ってる感じでしょうか。とくに鈴蘭は、ノベル版三冊ではおそらく初登場。「わはー」が、物語に唯一のにぎやかさを添えています。しかも・・・(後述)

さて、完璧に割を食っているのがアリス・マリア姉妹。登場が巻頭・巻末のイラストのみという薄幸っぷり。「この世界に足りないもの」では一応登場して、セリフもあったのに・・・存在抹消。大本のストーリーから外れているキャラは不利ですねー。

さて、もうすこし中身について。「水月」だけあって、難解です。僕は「水月」をやったことがないのでわかりませんが、完全オリジナルなようです。といっても曲解というわけではなく、「違った視点」から見た「水月」ということらしいです。

冒頭、いきなり知らない人が喋ってます。気にしないで華麗にスルーしましょう。ただ、パラダイム版を読んだ人は何故か感ずるものがあるのではないでしょうか。
意識を取り戻してから、硬く握られたまま絶対に開かない右手の拳。伏線! あぁー、そうだったのかーっていう伏線。
空き巣と泥棒のはなし。伏線! でも、なにがなにやらさっぱりも分からない・・・。えーっと、時間跳躍?
透矢の父親と母親と、雪さんの母親。山の民。常人の数十倍の筋力
那波と庄一の語るマヨイガ、桃源郷、ユートピア。結局のところさっぱりも理解できなかったけど、雪さんがいるんならマヨイガだろうが桃源郷だろうがユートピアだろうがぁ! うん、行きたい。
前述のとおり右手がつかえない透矢、夕食には焼き魚。なんと、雪さんから口移し「あーん」と食べさせてもらうのである! 最後あたりでその背景も書かれている。こんなことになるなら、伏線関係なく右手も左手も骨折していいんじゃないだろーかと思った。
たしか「この世界に足りないもの」にもあった風船ウサギの話。でも、今回は伏線! 伏線なんだけど・・・多分口が開いたままふさがらないのではないかと。


最後に、大事なことを。

えー、水月といえば、○ゲーとして有名です。それが原因なのかは知りませんが、「この世界に足りないもの」では、何故か主人公が目覚めた直後に○を漏らしてしまうという悲しい事態が起こっています。それを見た雪さんが、いろいろあって最後に「それでしたら、雪もここで透矢さまと同じことをします」とも言っています。

えー、凹んだり期待したり大変だったんですよ。

そ・れ・が!

今回も○ネタがはいってるんですよ! 今回のターゲットは鈴蘭なんですよ!
しかも風呂場で! 犯人は透矢!

さらに飲○プレイ! スーパー変態!

っという超おもしろい作品なので、皆さん是非是非読んでみてくださいねー。