那須太社 錦輔 の日記

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歴史に消えた参謀 吉田茂の軍事顧問 辰巳栄一

2011-08-24 01:57:32 | 読書感想文
今、読んでいる最中。
新聞紙上で連載されていたときは戦後のGHQと渡り合ったところが印象に残っていたが、今のところ、まだ駐英武官としての辰巳氏を描くところまで。

つくづく戦前・戦中・戦後の歴史を自分は知らない、という事を感じる。
日独伊軍事同盟も途中でいったん止められていたとか、その間の欧州の戦況と我が国の首脳陣の判断とか、なるほどと思わされる。
独ソ不可侵、日ソ不可侵をむすんで、その上で日独伊同盟を結んで米英と均衡を保とうとした、とか、けっして当時の我が国首脳陣が無為無策だったわけではない事がわかる。

しかしヒトラーが英国侵攻をあきらめ、ソ連に攻め込むともうどうしたらいいのか分からなくなる。

本書では親英米派の辰巳将軍の行動をほめているが、私としては不満。

独ソ戦でドイツが不利な展開となって、やはりドイツにつくのは不味いと、辰巳将軍が上申しているが、その時点でインド洋に連合艦隊を派遣し、エチオピアのイタリア軍と連携して、エジプトのロンメルを支援。
インド洋経由の米軍のソ連支援を遮断して、ロンメル軍団とイラクを北上、バクーからスターリングラードを攻撃、ソ連降伏、英国降伏、そうなれば米国が原爆を持ち出しても抑止できたのではないだろうか。

辰巳将軍の伝記では、米英は強いからやりあったらだめだ、という判断をほめすぎ。

針の穴を通すような、狭い道だが、我が国が勝てる道もあった。

そういう選択肢を一切考慮せず、米英と戦ったらだめ。
それを理解しない陸軍は、深く考えもせず無理押しした。
みたいな、事ばかり書いていてちょっと面白くない。
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