北海タイムス物語が面白かったので、同じ作者の作品を探して読んだのだがこちらも面白かった。
北海タイムス物語は前半の主人公がヘタレすぎてイラッとしたが、こちらはそういう演出的な展開はなされず終始一貫バンカラな主人公像であっという間に読めた。
主人公たち新入生が旧制高校時代の応援歌を覚えさせられ、それが好きになる描写があって良いなと思った。
歌の歌詞が昔の言葉なのだが品格があって良い。
大木敦夫の「戦友別杯の歌」を思い出した。
私も昔大学で小さな体育会系クラブに入って、やはり新入生歓迎会のために校歌と応援歌を覚えさせられた事があって、いい歳になってから何かの拍子にふと、その歌が頭に浮かんで来ることがある。
ただ、気になったのは主人公が柔道をやるために北海道大学に入学した、と言い切ってほとんど授業に出ずに柔道の練習に専念している描写がなされているが、それってプロみたいなもんでおかしくないかと思った。
先輩たちは勉強もして、資格を取ったり就職したりしているようだし、ライバル校の選手も同様なのではないだろうか。
勉強しつつ部活に取り組む人と、24時間部活のみに取り組んでいる人では成果もかわってくるだろう。
七帝柔道と言うのはプロもないし、テレビ等でも放送されないし(多分)、スポーツ推薦入学もないようで、商業化されていないので問題にならないようだが、学生のスポーツ活動としては増田さんのような取り組みはフェアではないと思う。
Google Mapを開いてでてくる地名を時々検索して確認しながら読んでいたのだが、ちょっと北海道、札幌に行きたくなった。どころか住んでみたいな、と思った。