白雲去来

蜷川正大の日々是口実

師匠が食べているのを見ているだけの役。

2022-02-26 14:50:52 | 日記

2月17日(木)晴れ。

またブログを一週間もズルしてしまった。たいして忙しくもないが、暇でもない。そういえば、私の機関誌の印刷だが、文章の校正も色の校正も無しの一発勝負でお願いしている。つまり、こちらから入力したデーターを印刷会社はそのまま印刷する。なぜ確認をしないのかと言えば、校正、色校正をすると値段が高くなることに加えて、時間がかかるからである。当然ながら誤字脱字はこちらの自己責任。それでもたまに、双方のパソコンの相性が悪いのか、字の形や、こちらが送った表紙の色と大分違うものが送られてきたりすると、ガッカリしてしまう。まあどうしても、使えない、読めないというほどではないので、我慢して使ってしまう。表紙の色の具合などは、こちらのこだわりで、読む人たちにはそれほど気にならないのだろうが、作り手のこだわりと言うものがある。

夜は、久しぶりにお世話になっている方と、自宅近くの「浜一寿司」にて時局を肴に談論風発の一献会。まだこの時期ではカツオがない。早く青葉の季節になって、早くこっちへコイコイ、クチボソ、タナゴ、ではなかった初鰹。私が子供の頃に戦前から活躍していた古川緑波(ロッパ)と言う人がいた。この人の食へのこだわりは凄いものがあったそうだ。戦争末期の昭和19年、物資不足のために食堂や料理屋の営業が次々に禁止されていく。ホテルなどでは事前に注文が必要で、一人分の内容も決まっていた。ロッパはどうしても二人分食べたいがためにホテルへ劇団員を連れて行く。ただロッパが食べるのを見ているだけの役で。(「週刊朝日」2014・9・26日の書評より)。空腹を抱えて、人が食べているのを見ているだけと言うのは、ほとんど修行に近い。


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