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白雲去来

蜷川正大の日々是口実

開戦とニュース歌謡。

2019-12-17 15:18:47 | 日記
十二月八日(日)晴れ。開戦記念日。

昨日の酒が残っていて中々起きられなかった。何十年とこんなことを繰り返しているのだろう。反省は、サルでも出来るか・・・。今日は、開戦記念日である。NHKラジオの前身JOAKは、開戦の日から「ニュース歌謡」という番組を作った。いわゆる戦意高揚のための番組で、戦時中、大本営発表など大きなニュースの内容を織り込んで短時間で作詞・作曲され、放送された歌である。

番組のプロデューサーは丸山鉄雄。昭和十六年十二月八日(太平洋戦争開戦の日)の夜に「ニュース歌謡」の第一番の歌は、真珠湾奇襲攻撃を歌った『宣戦布告』で、野村俊夫作詞、古関裕而作曲、伊藤久夫・霧島昇の唄で放送された。以後、『太平洋の凱歌』、『香港陥落』『陥ちたぞマニラ』などの歌が矢継ぎ早に作詞、作曲され一流歌手の歌唱で全国に放送された。

その「ニュース歌謡」の中で最も有名なのが、開戦の二日後に、イギリスが不沈戦艦と誇った、プリンス・オブ・ウェールズとレパルスを撃沈させた「マレー沖海戦」を歌った『英国東洋艦隊潰滅』(高橋掬太郎作詞、古関裕而作曲、藤山一郎唄)だろう。この二隻の戦艦の撃沈は、単に戦果というよりも、イギリスの殖民地支配に苦しむインドをはじめアジア、アフリカの国々の人たちに独立の象徴的な出来事として映ったのである。ちなみに、現在読んでいる『古関裕而ー流行作曲家と激動の昭和』(刑部芳則著・中央公論新社)によると、番組プロデューサーの丸山鉄雄は、政治思想学者として有名な丸山真男の兄とのこと。左翼学者として有名な弟と戦意高揚に努めた兄、「兄弟で活躍した場所が真逆なのが面白い」と著者は書いている。

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