七月二十一日(木)雨のち曇り。
九州四国地方では、梅雨明け宣言が出たというのに東京横浜は朝からぐずついた天気が続いている。今日で三日連続の東京行である。 今日は六時から新宿で、阿形充規先生が主催する勉強会があり出席した。今日の講師は外交評論家として名高い加瀬英明先生である。講演のテーマは「昭和二十年八月十五日」。いわゆる敗戦の時のエピソードである。
加瀬先生のご尊父は.終戦の年の九月にアメリカ海軍のミズーリ号で行われた、降伏調印式に随行した外務省の加瀬俊一先生である。その時のエピソードを話された。ミズーリ号の艦橋付近に小さな日の丸が九つ描かれていたそうだ。何かと思えばミズーリ号が撃墜した特攻機の数であるという。それを知った時、加瀬先生は涙をこらえるのに必死だったと、後日、ご子息の英明先生に語った。
以下は加瀬先生の講演を抜粋したものである。
みなさんもミズーリ艦上の、あの今見ても屈辱的な降伏調印式の写真や映像を御覧になった方が多いだろうと思います。重光全権、それから私の父と二人の外務省の随員がいます。外務省員は、モーニングにシルクハットをかぶっています。最高の礼装です。ただ、たったひとり、大田三郎という随員が、戦災ですべてを焼け出されてしまったもので、モーニングが間に合わずに、仕方なく真っ白な背広の上下を着ています。私の父も戦災で家を焼かれていたのですが、モーニングは残りましたものの、シルクハットを焼かれてしまったので、人から借りたのですが、ブカブカで、艦上で風が強く飛びそうになって、しばしば片手で押さえています。
一方、わが国の陸海軍軍人は、略装の軍服です。軍人が正式の服装をするときには、いまの警察官のような、固いツバがついた帽子をかぶります。ところが当日の軍人たちは、戦闘帽です。海軍にいたっては、カーキ色の戦闘服です。どうして外務省の一行が正装のモーニングを着ているのに、軍人は略装だったのでしょうか。みなさんの中で答えられる方はおいででしようか。いままでこの写真や映像を見て、不思議に思われた方は、おいででしようか。おいでにならないのかもしれません。
どうしてかというと、重光全権ら外務省の一行は、畏れ多いことですが、天皇陛下を代表する立場でした。外務省の一行は敵に対してではなく、陛下に対して敬意を表して礼服を着たのでした。けれど軍人は、軍を代表していました。仇敵に敬意を払いたくなかったので、略服を着ていたわけです。
非常に感動し、充実した一時間であった。終了後は食事をご馳走になり様々な資料を阿形先生から頂き帰宅した。いつも思うのだが、阿形先生の民族派運動に対する姿勢にはとても尊敬の念を禁じえない。貴重なDVDも七枚もいただいた。いただく方は簡単なものだと思いがちだが、このDVDを何十枚もコピーする作業というものはとても大変なものだ。後輩のためにそういった努力を惜しまない運動の姿勢は驚嘆に値するといつも思う。
十時少し前に帰宅。この時間まで珍しく一杯も飲んでいないので、買っておいたカツオや頂き物のかまぼこを肴に寝酒。充実した一日だった。
九州四国地方では、梅雨明け宣言が出たというのに東京横浜は朝からぐずついた天気が続いている。今日で三日連続の東京行である。 今日は六時から新宿で、阿形充規先生が主催する勉強会があり出席した。今日の講師は外交評論家として名高い加瀬英明先生である。講演のテーマは「昭和二十年八月十五日」。いわゆる敗戦の時のエピソードである。
加瀬先生のご尊父は.終戦の年の九月にアメリカ海軍のミズーリ号で行われた、降伏調印式に随行した外務省の加瀬俊一先生である。その時のエピソードを話された。ミズーリ号の艦橋付近に小さな日の丸が九つ描かれていたそうだ。何かと思えばミズーリ号が撃墜した特攻機の数であるという。それを知った時、加瀬先生は涙をこらえるのに必死だったと、後日、ご子息の英明先生に語った。
以下は加瀬先生の講演を抜粋したものである。
みなさんもミズーリ艦上の、あの今見ても屈辱的な降伏調印式の写真や映像を御覧になった方が多いだろうと思います。重光全権、それから私の父と二人の外務省の随員がいます。外務省員は、モーニングにシルクハットをかぶっています。最高の礼装です。ただ、たったひとり、大田三郎という随員が、戦災ですべてを焼け出されてしまったもので、モーニングが間に合わずに、仕方なく真っ白な背広の上下を着ています。私の父も戦災で家を焼かれていたのですが、モーニングは残りましたものの、シルクハットを焼かれてしまったので、人から借りたのですが、ブカブカで、艦上で風が強く飛びそうになって、しばしば片手で押さえています。
一方、わが国の陸海軍軍人は、略装の軍服です。軍人が正式の服装をするときには、いまの警察官のような、固いツバがついた帽子をかぶります。ところが当日の軍人たちは、戦闘帽です。海軍にいたっては、カーキ色の戦闘服です。どうして外務省の一行が正装のモーニングを着ているのに、軍人は略装だったのでしょうか。みなさんの中で答えられる方はおいででしようか。いままでこの写真や映像を見て、不思議に思われた方は、おいででしようか。おいでにならないのかもしれません。
どうしてかというと、重光全権ら外務省の一行は、畏れ多いことですが、天皇陛下を代表する立場でした。外務省の一行は敵に対してではなく、陛下に対して敬意を表して礼服を着たのでした。けれど軍人は、軍を代表していました。仇敵に敬意を払いたくなかったので、略服を着ていたわけです。
非常に感動し、充実した一時間であった。終了後は食事をご馳走になり様々な資料を阿形先生から頂き帰宅した。いつも思うのだが、阿形先生の民族派運動に対する姿勢にはとても尊敬の念を禁じえない。貴重なDVDも七枚もいただいた。いただく方は簡単なものだと思いがちだが、このDVDを何十枚もコピーする作業というものはとても大変なものだ。後輩のためにそういった努力を惜しまない運動の姿勢は驚嘆に値するといつも思う。
十時少し前に帰宅。この時間まで珍しく一杯も飲んでいないので、買っておいたカツオや頂き物のかまぼこを肴に寝酒。充実した一日だった。