白雲去来

蜷川正大の日々是口実

ミズリー号の秘話。

2016-07-22 11:33:11 | 日記
七月二十一日(木)雨のち曇り。

九州四国地方では、梅雨明け宣言が出たというのに東京横浜は朝からぐずついた天気が続いている。今日で三日連続の東京行である。 今日は六時から新宿で、阿形充規先生が主催する勉強会があり出席した。今日の講師は外交評論家として名高い加瀬英明先生である。講演のテーマは「昭和二十年八月十五日」。いわゆる敗戦の時のエピソードである。

加瀬先生のご尊父は.終戦の年の九月にアメリカ海軍のミズーリ号で行われた、降伏調印式に随行した外務省の加瀬俊一先生である。その時のエピソードを話された。ミズーリ号の艦橋付近に小さな日の丸が九つ描かれていたそうだ。何かと思えばミズーリ号が撃墜した特攻機の数であるという。それを知った時、加瀬先生は涙をこらえるのに必死だったと、後日、ご子息の英明先生に語った。

以下は加瀬先生の講演を抜粋したものである。

みなさんもミズーリ艦上の、あの今見ても屈辱的な降伏調印式の写真や映像を御覧になった方が多いだろうと思います。重光全権、それから私の父と二人の外務省の随員がいます。外務省員は、モーニングにシルクハットをかぶっています。最高の礼装です。ただ、たったひとり、大田三郎という随員が、戦災ですべてを焼け出されてしまったもので、モーニングが間に合わずに、仕方なく真っ白な背広の上下を着ています。私の父も戦災で家を焼かれていたのですが、モーニングは残りましたものの、シルクハットを焼かれてしまったので、人から借りたのですが、ブカブカで、艦上で風が強く飛びそうになって、しばしば片手で押さえています。

一方、わが国の陸海軍軍人は、略装の軍服です。軍人が正式の服装をするときには、いまの警察官のような、固いツバがついた帽子をかぶります。ところが当日の軍人たちは、戦闘帽です。海軍にいたっては、カーキ色の戦闘服です。どうして外務省の一行が正装のモーニングを着ているのに、軍人は略装だったのでしょうか。みなさんの中で答えられる方はおいででしようか。いままでこの写真や映像を見て、不思議に思われた方は、おいででしようか。おいでにならないのかもしれません。

どうしてかというと、重光全権ら外務省の一行は、畏れ多いことですが、天皇陛下を代表する立場でした。外務省の一行は敵に対してではなく、陛下に対して敬意を表して礼服を着たのでした。けれど軍人は、軍を代表していました。仇敵に敬意を払いたくなかったので、略服を着ていたわけです。

非常に感動し、充実した一時間であった。終了後は食事をご馳走になり様々な資料を阿形先生から頂き帰宅した。いつも思うのだが、阿形先生の民族派運動に対する姿勢にはとても尊敬の念を禁じえない。貴重なDVDも七枚もいただいた。いただく方は簡単なものだと思いがちだが、このDVDを何十枚もコピーする作業というものはとても大変なものだ。後輩のためにそういった努力を惜しまない運動の姿勢は驚嘆に値するといつも思う。

十時少し前に帰宅。この時間まで珍しく一杯も飲んでいないので、買っておいたカツオや頂き物のかまぼこを肴に寝酒。充実した一日だった。

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仲裁裁定所は、諸刃の剣。

2016-07-22 10:58:23 | 日記
七月二十日(水)晴れ。

午前中に知り合いのマスコミ関係者から、今週発売になる「週刊文春」にて東京都知事選挙に立候補している鳥越俊一郎の女性スキャンダルが報道されるということを聞いた。この時期に「週刊文春」が、真偽のほどは別として都知事戦の最中に有力候補者のスキャンダルを報じるという事は、それなりの覚悟と、実証に基づいたものであるに違いあるまい。聞くところによれば「文春」の取材スタッフは、かなり優秀な人達が揃ってるという。

編集長の新谷さんとは取材を通じてずいぶん前からお付き合いがあるが、苦労人だし人脈も幅広い。まして昨今のセンテンス・スプリングスは、「文春砲」と異名をとるほど政財界やマスコミ陣に恐れられている。くどいようだが、ともすれば選挙妨害になるようなこの時期に、鳥越のスキャンダルを公表するのだから、よほどの自信がなければ記事にはしないと思う。それを読んだ時の鳥越の顔が見てみたいものだ。

午後から東京行。私が役員の末席を汚している大行社の役員会議に出席。僭越ながら皆さんの前でご挨拶をさせていただいた。先日、中国が主張る南シナ海における、いわゆる九段線が、まったく根拠のないものという裁定がオランダのハーグ仲裁裁定所から出た。もちろん中国は否定しているが、日本を始めとする国際世論は中国が裁判の結果を受け入れなければ先進国とは言えないという論評している。しかしこの仲裁裁定所による裁定は、わが国とっては諸刃の剣と成りうるものである。もし、韓国が竹島の領有権を訴え出たらどうなるだろう。 百%日本が勝つという保証は無い。考えたくはないが、反日的な裁判官が選ばれたらどうなるであろう。日本の竹島における領有が根拠のないものと判断されたら、果たして日本はその裁定を受け入れるだろうか。

沖の鳥島にしてもそうだ。中国や韓国台湾が、あれは島ではなく岩ではないか、と訴え出たならどうなるだろうか。これも日本の主張が百%通ると言う保証は全くない。古い話で恐縮だが、満州事変におけるリットン調査団のことが脳裏をよぎった。ともすれば、裁判というものは、きわめて政治的でもあり、政治に左右される場合が多いからである。

終了後、昨日同様六本木に転戦。 二時間ほど同志の方々と共に飲み、申し訳ないことに横浜まで送っていただき帰宅。

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日本橋の「誠」へ。

2016-07-22 10:27:19 | 日記
七月十九日(火)晴れ。

朝食は典型的な昭和飯。昨夜子供たちが茹でておいたスパゲッティーを玉ねぎとウインナーとで一緒に炒めてケチャップで味付け、それに目玉焼き、マルシンのハンバーグ、キャベツの千切り添。私にとって昔風のスパゲティーナポリタンは一品料理ではなくいつも料理の添えものである。たまに下町のレストランなどに行くと、頼んだ料理の付け合わせにケチャップで炒めたマカロニやスパゲッティーが添えられていると何故か頬が緩む。もちろん目玉焼きやキャベツの千切りにはソースをかける。これが私風の昭和飯。

今日は五時半よりお世話になっている方に招かれて、日本橋にあるのステーキの名店として名高い「誠」での夕食。最近は不如意続きなので鉄板焼きなど、とんとご無沙汰である。ご招待されていてお金のことを言うのは少々はしたないが「誠」は、私のような浪人風情の行けるような店では無い。店のオーナーに聞けば政財界の方々から、スポーツ選手や芸能人、昔は白洲次郎さんまで来ていたらしい。そういえば随分前に連れて来ていただいた時に、旧ご皇族の方とご一緒になったことがあった。またここのオーナーは「塩の魔術師」としても有名である。フライパンをあおる若い衆のところにお客様と話をしながらパーッと塩を放り投げる。まさに名人芸である。

今日は総勢五名でカウンターに陣取った。泡モノから始まって、焼酎、赤ワイン。ヒレ肉やロース肉、牛タンなど最高の肉を味わった。ジジムサいかもしれないが。この歳になれば、命の洗濯という言葉がで当てはまる。その後揃って六本木に転戦。横浜で小中学校の同級生が個人タクシーをしていることを思い出して、格安料金で迎えに来て頂き、思い出話に花を咲かせながら宅に戻った。良い一日、いや特別な一日だった。

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