
ブログ仲間に教えてもらって、NHKのBShiで「風を食べる生物~生命を創(つく)る男 テオ・ヤンセンの挑戦~」を視聴することが出来ました。再放送も今日(1/3)の午後2:00~午後3:00(60分)で見られます。科学未来館のテオ・ヤンセン展を見ただけでは分からなかったことが盛り込まれて、大変有益な番組でした。

例えば、クランクシャフトをどの様に製作しているか、簡単な自作のパイプベンダーで易々と作り上げています。

ベアリングはPVC(塩ビ)のパイプを簡単な治具を使って短く切断し、これを熱してから型に押し付けて成型しています。彼のアトリエは日曜大工の道具で満たされていました。黄色いPVCのパイプが大量に在庫されているのも驚きでした。オランダでもいずれPVCのパイプがEUの統一規格で灰色になるそうですが、彼は黄色でなければ作る気がしないのです。
テオ・ヤンセンさんの創作活動の原点がコンウェイのライフゲーム(Conway's Game of Life)であったとはこの番組で初めて知りました。彼がこのゲームを楽しんだり、ゲームのプログラムを作ったのはあのATARIのマシンだったのでしょう。そして彼の創作活動を生命の発生・進化になぞらえる路線が確定するのです。最後の難関、生命の増殖はYouTubeだというのがいかにも現代的です。
私の見解では彼の作り出しているのは生命ではなくて"Kinetic sculpture"または"Kinetic art"です。機械はエネルギーを投入して何らかの有用な働きを取り出す人工物ですが、砂浜の生き物たちはその存在と動きで人びとに感動を与えるアートなのです。
動く芸術の先行者にはアレクサンダー・カルダー(Alexander Calder、1898年7月22日 - 1976年11月11日)がいますね。彼も技術者出身のアーティストです。
日本では新宮晋さんです。彼の作品に初めて接したのは横浜に係留されている日本丸のすぐそばでした。他には新宿駅西口広場や関西空港でも見ることが出来ます。昨今の日本では不況の影響で大型のパブリックアートを作るのが難しくなっています。以下は台北の作品群です。
新宮晋さんは風も得意ですが、水を扱うのも好きですね。
カルダーさんや新宮さんの作品が簡単な機構でありながら、予測し得ない複雑な動きで私達を楽しませてくれるのは、意識するしないは別にして「カオス」のお陰です。
テオ・ヤンセンさんの作品のベースにあるのは簡単な4節リンク機構です。番組の中でも紹介されていますが、彼はPCで沢山のシミュレーションの結果、あの「神聖な数値」を見出しました。リンクの最適な設計は19世紀の技術者が情熱を傾けましたが、電気的なアクチュエータとプログラムを得意とする現在の機械技術者にはかえって難しい課題です。試行錯誤ではなくて、これを数学的に解く事は実は難しいのです。
テオさんはBMWのCMにも出演していますが、BMWのミュージアムには素敵な展示がありました。
この話題はまだまだ続きます。
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例えば、クランクシャフトをどの様に製作しているか、簡単な自作のパイプベンダーで易々と作り上げています。

ベアリングはPVC(塩ビ)のパイプを簡単な治具を使って短く切断し、これを熱してから型に押し付けて成型しています。彼のアトリエは日曜大工の道具で満たされていました。黄色いPVCのパイプが大量に在庫されているのも驚きでした。オランダでもいずれPVCのパイプがEUの統一規格で灰色になるそうですが、彼は黄色でなければ作る気がしないのです。
テオ・ヤンセンさんの創作活動の原点がコンウェイのライフゲーム(Conway's Game of Life)であったとはこの番組で初めて知りました。彼がこのゲームを楽しんだり、ゲームのプログラムを作ったのはあのATARIのマシンだったのでしょう。そして彼の創作活動を生命の発生・進化になぞらえる路線が確定するのです。最後の難関、生命の増殖はYouTubeだというのがいかにも現代的です。
私の見解では彼の作り出しているのは生命ではなくて"Kinetic sculpture"または"Kinetic art"です。機械はエネルギーを投入して何らかの有用な働きを取り出す人工物ですが、砂浜の生き物たちはその存在と動きで人びとに感動を与えるアートなのです。
動く芸術の先行者にはアレクサンダー・カルダー(Alexander Calder、1898年7月22日 - 1976年11月11日)がいますね。彼も技術者出身のアーティストです。
日本では新宮晋さんです。彼の作品に初めて接したのは横浜に係留されている日本丸のすぐそばでした。他には新宿駅西口広場や関西空港でも見ることが出来ます。昨今の日本では不況の影響で大型のパブリックアートを作るのが難しくなっています。以下は台北の作品群です。
新宮晋さんは風も得意ですが、水を扱うのも好きですね。
カルダーさんや新宮さんの作品が簡単な機構でありながら、予測し得ない複雑な動きで私達を楽しませてくれるのは、意識するしないは別にして「カオス」のお陰です。
テオ・ヤンセンさんの作品のベースにあるのは簡単な4節リンク機構です。番組の中でも紹介されていますが、彼はPCで沢山のシミュレーションの結果、あの「神聖な数値」を見出しました。リンクの最適な設計は19世紀の技術者が情熱を傾けましたが、電気的なアクチュエータとプログラムを得意とする現在の機械技術者にはかえって難しい課題です。試行錯誤ではなくて、これを数学的に解く事は実は難しいのです。
テオさんはBMWのCMにも出演していますが、BMWのミュージアムには素敵な展示がありました。
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