日曜日に家内の実家に行き、例によって野菜をごっそり供給して頂きました。帰りに近くのジャズ喫茶に立ち寄ることにしました。新興住宅地にあり、ちょっと見ただけでは喫茶店には見えません。店内にはアルテックの音響システムが設置されていましたが、私の眼を惹いたのは真空管のコレクションです。お客のリクエストによっては石ではなく真空管のアンプからも音を出してくれます。
前から聞いていた通り、オーナーの前職は技術者です。理系好みの小物が飾ってあり、私が最も関心を持ったのが手回し式の「タイガー計算機」です。教師用の巨大計算尺は持っていますが、この機械式のデジタル計算機は使ったことがありません。
帰宅して、この計算機を製造していた会社の資料館で「20世紀の産業遺物 :手廻し式計算機器の変遷」を見ると、1965年製造の計算機らしい。オーナーにメールを書くと、直ぐに返信があって、次回訪問する時に操作させて頂けるらしい。嬉しい。この計算機の操作方法をYouTubeに投稿してくれたひともいます。
以下の動画は英語ですが、カバーを外して歯車(pin wheel)が回転して、加算・繰り上がる様子が見えます。
このタイガー計算機のことを友人に話したら、「家にもある」と聞いてびっくりしました。早速、その計算機を見せてもらったら、TigerではなくてBUSICOM製で二度びっくりしました。以下の画像はクリックすると拡大します。
この計算機に動力を与えているハンドルは右側にあります。
左利きの人は操作し難かったでしょう。
左側面からは歯車が見えます。
背面にはアルミのネームプレートがあり、この計算機の品名「BUSICOM HL-21」が印刷してあります。シリアルナンバーは「313690」です。念のため、底面も撮影しました。
この計算機の所有者も長い間操作したことが無かったので、私が「タイガー手廻計算器使用法」を印刷して傍に置き、動かしてみました。タイガーでもBUSICOMでも操作方法は変りませんでした。
割り算では、ある数をnで割るのはn回引き算します。ハンドルを加算とは反対方向に回転し、(n+1)回廻すと「チン」とベルが鳴るので、ハンドルを戻すと答えが表示されます。ちんちん電車と似た音、可愛い奴です。
さて機械式の手回し計算機の代名詞「タイガー計算機」を製造していた株式会社タイガーは電卓戦争には敗れましたが、運送業務関連の会社として生き残っています。
一方のビジコン社は機械式から電卓開発に進み、インテルと提携することになります。ここから生まれたのが世界最初のマイクロプロセッサ4004です。こちらのサイトにはBusicom HL-21の詳しい説明がありますが、その最後に以下のような評価がされています。
Busicom were the inspiration to Intel to produce the 4004 microprocessor in 1971. This evolved through the 8008, 8088, 8086, 80286, 80386, 80486, to the Pentium microprocessor.
So perhaps we could say that this calculator is the ancestor of the PC !!
この BUSICOM HL-21 がPCの先駆者であり、ビジコン社も浅草橋で生き残っています。
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前から聞いていた通り、オーナーの前職は技術者です。理系好みの小物が飾ってあり、私が最も関心を持ったのが手回し式の「タイガー計算機」です。教師用の巨大計算尺は持っていますが、この機械式のデジタル計算機は使ったことがありません。
帰宅して、この計算機を製造していた会社の資料館で「20世紀の産業遺物 :手廻し式計算機器の変遷」を見ると、1965年製造の計算機らしい。オーナーにメールを書くと、直ぐに返信があって、次回訪問する時に操作させて頂けるらしい。嬉しい。この計算機の操作方法をYouTubeに投稿してくれたひともいます。
以下の動画は英語ですが、カバーを外して歯車(pin wheel)が回転して、加算・繰り上がる様子が見えます。
このタイガー計算機のことを友人に話したら、「家にもある」と聞いてびっくりしました。早速、その計算機を見せてもらったら、TigerではなくてBUSICOM製で二度びっくりしました。以下の画像はクリックすると拡大します。
この計算機に動力を与えているハンドルは右側にあります。
左利きの人は操作し難かったでしょう。
左側面からは歯車が見えます。
背面にはアルミのネームプレートがあり、この計算機の品名「BUSICOM HL-21」が印刷してあります。シリアルナンバーは「313690」です。念のため、底面も撮影しました。
この計算機の所有者も長い間操作したことが無かったので、私が「タイガー手廻計算器使用法」を印刷して傍に置き、動かしてみました。タイガーでもBUSICOMでも操作方法は変りませんでした。
割り算では、ある数をnで割るのはn回引き算します。ハンドルを加算とは反対方向に回転し、(n+1)回廻すと「チン」とベルが鳴るので、ハンドルを戻すと答えが表示されます。ちんちん電車と似た音、可愛い奴です。
さて機械式の手回し計算機の代名詞「タイガー計算機」を製造していた株式会社タイガーは電卓戦争には敗れましたが、運送業務関連の会社として生き残っています。
一方のビジコン社は機械式から電卓開発に進み、インテルと提携することになります。ここから生まれたのが世界最初のマイクロプロセッサ4004です。こちらのサイトにはBusicom HL-21の詳しい説明がありますが、その最後に以下のような評価がされています。
Busicom were the inspiration to Intel to produce the 4004 microprocessor in 1971. This evolved through the 8008, 8088, 8086, 80286, 80386, 80486, to the Pentium microprocessor.
So perhaps we could say that this calculator is the ancestor of the PC !!
この BUSICOM HL-21 がPCの先駆者であり、ビジコン社も浅草橋で生き残っています。
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操作した経験がおありなのですね。それは羨ましい。
その計算機は保存されていますか?
つまりこれを電気の力で、すごい勢いで回しているのが目前にあるパソコンというわけで、原理は同じですよね。
機会があれば、一度実物を見てみたいです。
その計算機は、親父が当時勤めていた会社のもので、私が見たのはおそらく50年近く前。親父が会社を退職したのは38年前。不明ですが、残っていないでしょうね。
件のジャズ喫茶は東京から新幹線で1時間、徒歩15で行けます。週末にまた行って、取材します。
また家内の実家で野菜ももらえますね。
昔はどこにでも転がっていたのに、今となっては貴重な品々が沢山ありますね。この機械式計算機は演算速度は遅いですが、教育的な価値は極めて高いと思うようになりました。
CPUの動作原理が眼で見て分かるでしょう。