スカーレット手帖

機嫌のいい観客

シレンとラギ

2012-06-18 | 観劇ライブ記
さあ、また間が空いてしまいましたが、観劇メモですわ。


初めていってきました!劇団☆新感線の舞台♡
その名もいのうえ歌舞伎「シレンとラギ



主演は藤原竜也と永作博美。
毎回ながらシズル感のあるキャストだなぁ。



正直、わたしは新感線はゲキシネでしか見たことがなくて、
見た演目だけで言えば

・メタルマクベス
・五右衛門ロック
・蜉蝣峠
・蛮幽記
・薔薇とサムライ

ぐらい。
この中だとメタルマクベスが一番好きだったかなぁ。内野聖陽の存在感がね…
蛮幽記もよかったですけど。上川隆也さんが… (やはり生え抜き舞台俳優は実力が違うぞ)
本公演時のチケットは、あまりまじめに取ろうとしなかったこともあったんだけど
(どうせ取れないから)、今回は舞台好きの同僚からダブりチケットを買えたので
ありがたく青山劇場に出向いてまいりました。

青山劇場、初めて行ったけど割りかし歴史がありそうだ。
近くにある青山学院大学をながめながら、
こんなところに毎日通う学園生活をしていた人の価値観てすごそう、
なんて想いにふけってしまうよね。
あすなろ白書ー!


そんなわけで、肝心の舞台なのですが、
さすがでございます。
金がかかっています。
迫力がとてもあります。

個人的に思うに、藤原竜也と森山未来は、テレビではなんかいまいちなんだけど
舞台に上がった瞬間に燦然と輝く発光体のような人たちなんだよね。
藤原竜也の、もう30なのに、みずみずしい少年っぷりは一体なんなんだ。
あと意外に背が高いからねー、永作さんとのコントラストが映えます。

あと、高橋克実さんね。
この人、バラエティで見慣れすぎていて、しかもそれがハマりすぎているために
舞台でワルモノっぽい振る舞いをされてもちょっと見始めは笑ってしまうんですけど、
役者だねー ほんとに。存在感がとてもあります。キモイです。


ここからネタバレなんですが、(反転plz)


あー、やっぱり親子ね。
って、シナリオは大体序盤で読めます。
そりゃそうだろー
20年前に産んだ子を捨てた毒使いで伝説の殺し屋の女と
天性の技を持つ若きソルジャーって。
そりゃあ親子だろと。
どうでもいいけど永作さんは出産以降、母文脈の作品が多いですね。
でも20才の息子と知らず恋に落ちてしまうということへの説得力は
永作博美だから出る、という感じかな。芯があり強いんだけど、儚そうで孤独そうでミステリアス。
あて書きですねぇ。

でも、そこからがすごかった。演出が。
近親相姦してしまったー!! というシレンの心象風景ね。
追いつめられて、自分の産んだ子がそのまま上に乗ってきて、
さらにその父も加えて同衾の悪夢、というところがね… すごかったね。
かなり後味がわるいんだけれど、凄みを感じましたです。
これぞいのうえ歌舞伎というかんじ?
第一幕終了時の桜吹雪の舞い感もたまらなかったです。

血で人を救う、そのために異端のふたりが旅に出る、
という結末は、
まあ、ふたりとも殺すのでないのならばそれしかないんだろう
というまとめ方だなぁ と思ったのですが、
私はこの際、ふたりとも殺してしまってもいいんじゃないかな とちょっと思いました。
だってその方が美しいじゃないか。おう、異論は認める。
でも新感線の舞台はいつも、わりと大団円(生かす方向)でまとめる気がします。
そういう精神なんだね。




ネタバレ以上。
まだまだ東京公演は続くようですね。
商業演劇のトップ、劇団新感線。観れてよかった。
次回も機会があればぜひチケットとりたい。または、取ってくれた人から買いたいです。
今回は自分採点、80点です。

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