アジアの国による新元素の発見は初めてのことなので、歴史的快挙といってもいいでしょう。
これまで、新元素の発見はアメリカ、ロシア、ドイツの三ヵ国によって独占されてきました。今回、日本の理化学研究所の新元素探索チーム(森田浩介グループディレクター;九州大学大学院理学研究院教授)によって原子番号113番の元素が発見され、国際純正・応用化学連合(IUPC;International Union of Pure and Applied Chemistry)によって『新元素』と認定されました。この新元素は、2016年6月9日、元素名:ニホニウム(Nihonium)、元素記号:Nhとする案が理化学研究所によって提示されました。
新元素は国際純正応用化学連合(IUPAC)によって認証され、IUPACの規定により命名権が与えられたものによって元素名と元素記号の案が発表されます。IUPACは数か月間パブリックレビューを行い、集めたコメントを参考に入れ、元素名と元素記号を決定します。
ほぼ同時に発表された新元素には以下の三つがあり、元素名は各命名権者からの案が提示され、IUPACが原子番号113番の元素、115番の元素、117番の元素、118番の元素の元素名と元素記号の案についてパブリックレビューを開始。募集したパブリック・コメントを参考に、元素名と元素記号がIUPCによって決定されます。決定には数か月かかるようです。
#115:
2004年2月2日、ロシアのドゥブナ合同原子核研究所とアメリカのローレンス・リバモア国立研究所の同研究チームが系統名「ウンウンペンチウム」の生成に成功。2016年6月8日、元素名:モスコビウム(Moscovium )、元素記号:Mc が提示された。
#117:
2010年4月9日、ロシアのドゥブナ合同原子核研究所の実験により系統名「ウンウンセプチウム」を生成したことが発表され、2016年6月9日、元素名:テネシン(Tennessine)、元素記号:Ts が提示された。
#118:
2006年10月9日、ドゥブナ合同原子核研究所とアメリカのローレンス・リバモア国立研究所の共同研究チームが2012年5月30日に「元素名:リバモリウム(livermorium)、元素記号:Lv」とされた116番と118番(元素系統名「ウンウンオクチウム」)を同時に発見。2016年6月8日、118番は元素名;オガネソン(oganesson)、元素記号:Ogが提示された。
≪元素周期表≫
7月16日(土)の朝日新聞に、東京エレクトロン株式会社の「元素周期表カルタ」プレゼント」が掲載されていました。インターネットでも応募できるとありましたが、指定された朝日新聞のサイトにアクセスしてみると、朝日新聞デジタル会員でなければ応募できない仕組みとなっていました。そうであるならば、新聞にそのように明記しておくべきだと思います。これは広告なので、明記すべき責任は東京エレクトンだとは思いますが、朝日新聞側でも広告原稿の校正はきちんとやってもらいたいものです。
【関係資料】
○ 理化学研究所 仁科加速器研究センター/113番元素特設ページ
○ 文部科学省 「一家に1枚 周期表」第9版
【関係サイト】
○ 朝日新聞イー・ポスト
○ 東京エレクトロン株式会社」 げんそ博士の元素周期表 スペシャルサイト
【関連サイト】
○ レア・アース/元素