スケルトンハウス‐きまぐれCafe

生活とビジネス

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『三寒四温』は死語?!

2015-03-07 08:23:13 | 日記・エッセイ・コラム

 二月下旬から三月上旬になると、暖かい日が続いたり、「寒の戻り」と呼ばれる寒い日が続いたりを繰り返しています。そんな中、『三寒四温(さんかんしおん)』という言葉を久し振りに聞きました。それはTVからでした。

 『三寒四温』という言葉は、私が小学生低学年のころの理科の授業で教わりました。意味は、冬季の気温現象で、寒い日が三日続いたあと、暖かい日が四日続くことで、これが繰り返されることだと。
 したがって、春先の今の気象変化を指した言葉ではないと思っていました。
 しかし、その当時から私の周りの大人たちは、春先の気温の周期的変化について、「寒の戻り」とともに「三寒四温」と言っていたことを覚えています。
 最近の天気予報、TVニュースなどでも、春季であるにも関わらず、この言葉が使われているようです。


 『三寒四温』とは冬季に寒い日が3日ほど続くと、そのあと4日ほど温暖な日が続き、また寒くなるというように7日周期で寒暖が繰り返される現象と定義されています。朝鮮半島や中国北東部に典型的に現れる現象で、日本でもみられますが、中国や朝鮮半島のようにはっきりとはしていません。一般に寒い日は晴れで、暖かい日は天気が悪い。
 日本でも以前は冬の気候の特徴として使われていましたが、最近では春先に使われることが多くなっているようです。

 春先という言い回しも、次の新たな疑問を呼んでしまうほどとても曖昧な表現です。感覚的には立春から春分あたり、つまり2月から3月中旬を指していると考えればいいと思います。

 先に述べたように、『三寒四温』という言葉は、もともとは中国北東部や朝鮮半島における諺であって、シベリア高気圧の勢力がほぼ7日の周期で強まったり弱まったりするからおきると考えられています。

 しかし、日本付近の天候はシベリア高気圧だけでなく、太平洋高気圧の影響も受けるので、日本では『三寒四温』がはっきりと現れることはありません。

 このため、日本の冬季における諺としては廃れてきているようです。

 近年では本来の意味から外れて、『春先に低気圧と高気圧が交互にやってきたときの気温の周期的な変化』、もっと平易に言うと、『春先(2月下旬頃から3月中旬頃の期間)において、寒い日と暖かい日を繰り返しながら、だんだんと暖かい春の陽気に近づいていく様子を表す』という意味合いで使用されることが多くなっているようです。
 ただし、この変化は凡そ4~5日周期となります。
①移動性高気圧が通過すると気温が上り、
②次の日には雨を伴った低気圧が近づき、
③三日目は雨が上がるが強い西風が吹き、気温が下がり、
④四日目には移動性高気圧が近づき、風が弱くなり、しだいに気温が上がる。


<兵庫県南部(神戸)の2015年2月22日~3月7日の天気>

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<兵庫県南部(神戸)の2015年3月8日~14日の予報天気>

201503tenki-3

<過去の天気図 2015年3月1日~3月7日>

02_20150301-07tenki-2

 この凡そ4~5日周期の春先の気象変化を一言で言い表す言葉、諺もないようなので、日数的にも本来の季節とも合致しないという曖昧さはあっても、「三寒四温」を『日本において、春先に低気圧と高気圧が交互にやってきたときの気温の周期的な変化』という意味で使ってもいいのではないかと思います。


【関係サイト】

 ○ 気象庁HP「気温に関する用語」

 ○ 日本気象協会 tenki.jp







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