
★Atomic Heart
(演奏:Mr.Children)
1.Printing
2.Dance Dance Dance
3.ラヴ・コネクション
4.Innocent World
5.クラスメイト
6.Cross Road
7.ジェラシー
8.Asia(エイジア)
9.Rain
10.雨のち晴れ
11.Round About ~孤独の肖像~
12.Over
(1994年)
ここにJ-POPのディスクを採り上げるのははじめてじゃないにせよ久しぶりですね。
このところJ-POPを聴くことが多かった私。。。
何をいまさらといわれるかもしれませんが・・・
先日思うところあって、ミスチルのレコード大賞受賞曲“Innocent World”や“Cross Road”を収録した“アトミックハート”というアルバムを入手しました。
一大モンスター・アルバムであるとは承知していましたが、収録曲のうち知っていたのは実は先の2曲のみ・・・
これらにせよいろんなメディアで聴いたことはありますが、覚えたソースはカラオケで同僚たちが歌っていたものでありました。
それも見よう見まねでしたから・・・こうしてモノホンを聴いたら多分に記憶と違っているところが判明するところとなり・・・
いろんなところで歌ってましたから、答合わせの結果を思うと恥ずかしい点しかとれていないなという思いがします。(^^;)
これは・・・
もはや歴史が評価を定めているディスクですから、いまさら私がどうこう言っても詮ないこと。
逆に・・・
あらゆる論評が出回った後で、それらの一切に目を通すことなく、それなりに最近の音楽シーンもしっているという私がどんな一文を記しても、どなたにもご迷惑をおかけすることはあるまいと気楽に思うところを書いてみようと思ったものです。
上記の2曲は、初期のミスチルについてはベスト盤に収められているようなシングル盤の一部しか知らない私にとっては、今なおミスチルの不動の代表曲であります。
このほかにカラオケでメロディーをなぞれる程度に知っているのは“名もなき詩”“Tomorrow Never Knows”ぐらい・・・でしょうか。(^^;)
いずれもこのバンドが私にとってエポックメイキングな存在と感じられる根拠となる曲ばかり・・・裏を返せば、ミスチルで知っている曲全部とさえいってもいいでしょう。
実は・・・
かみさんが最近の成熟したミスチルを好んでいるために“HOME”というアルバムなど何枚かは我が家にあり、逆に、これらはちゃんと耳にしています。
もちろん出来栄えはどれも素晴らしく、完成度はどんどん高まっています。
特に、思いの丈の伝わりかたについては、ヒューマンな表現力の幅が広がるにつれ顕著な向上を見せており、文句の付けようはいささかもありません。
けれど結論としては・・・
私には初期の曲のようにグッとくるものが感じられない・・・はっきり言って食い足りない印象があるのです。
感じ方の問題なのでどうしようもないのかもしれませんが、プロダクツとしてはレベルが上がったけれど、プロデュースの成果としては初期のそれに及ばない・・・
こと私の場合に限っては、それが偽らざるミスチルのアルバムに関して感じていることです。
さて・・・
このシングル曲しか知らない時代のミスチルの“アトミックハート”。
これを全編通して聴いてみたところ、やはり上の内容を裏打ちする感触を得ました。
また、ミスチルの音楽に関しても一言で言えば私の好きな要素をふんだんに含んでいることが再確認できました。
興味深いことには・・・
私の印象ではこのアルバムのサウンドにあって看板の2曲“Innocent World”と“Cross Road”は浮いてしまっているように感じられました。
特に前者は完全に毛色が違う。。。
さらに奇妙なことには、私にとっては存在を以前から認知していた2曲よりも、これまで知らなかった他の楽曲のサウンドの方が、私には古くから馴染みのある親密な音作りに思われました。
もちろん、はじめて聴く曲たちでしたが・・・そこで鳴っているサウンドがどこかで聞いたことのあるような気がした、いわばお郷が知れるような気がしたために親しみやすさを感じたのだと思います。
聞いているうちにミスチルのメンバーの音楽のルーツ、あるいはプロデューサーの小林武史氏の嗜好が窺い知れて引き込まれてしまいました。
そして・・・
私にはこのアルバムのコンセプトが「イギリスのあらゆるサイケでプログレッシブな音楽へのオマージュ」であるとはっきりと感じられました。
もちろん、それが真実かどうかはわかりません。
先にも記したとおりアルバムの発表以来、私のようにこのアルバムを聞き、私がこの後述べるような観点から評論を書いた人がいるかどうかも知る由はありません。
でも私のこの説には、サウンドから受ける感覚的なエヴィデンスのほかに、物証からも確信に足る自信が持てる気がしているのです。
肝心のサウンド面全般では、特に小林武史氏が作曲に加わった楽曲では、ダークで抑圧された感情が湧き上がってくる感じが表現され、シングル盤によって形成されていたそれまでの私のミスチルのイメージを大幅に変えてくれました。
当然のこととはいえこの音こそが、プロダクションのコンセプトを示唆する端緒を明確に示してくれたのです。
それらは実はあらゆる表現に如実にあらわれている・・・
まずは視覚面から、レコードジャケット。
濃紺の地にバンド名とタイトルだけを書いたシンプルなもの・・・
私には、ビートルズのホワイトアルバムのジャケットが思い起こされてなりません。濃紺の地は、Yesの“こわれもの”から地球を取っ払ったらこんな感じじゃないでしょうか?
ここからも“ビバ・UKロック”を連想できないでしょうか?
私の仮説の信憑性やいかに?(^^;)
次に文字による彼らのUKサウンドへのオマージュとしては・・・
アルバムタイトルの“アトミックハート”からして、かのピンク・フロイドの“原子心母(アトム・ハート・マザー)”を意識していると思われてなりません。
曲名にいたっては・・・
3.ラヴ コネクション ⇒ 曲調はローリング・ストーンズ調。タイトルは彼らの“コネクション”へのオマージュ?
6.Cross Road ⇒ クリームに“CROSSROADS”という泣く子も黙る曲がありましたな。(元はアメリカのブルースですけど・・・)
8.Asia ⇒ 伝説のプログレバンド Asia を思わずにいられません。
9.Rain ⇒ ビートルズに“レイン”、レッド・ツェッペリンに“レイン・ソング”があります。このために雨を降らしたのか?^^
11.Round About ⇒ プログレバンドYesの銘盤“こわれもの”の冒頭の曲が“Round About”そのまんまです。
そして、Yesの“Round About”のダークで粘りのあるリズムから感じる肌合いが、このアルバムの事実上の幕開け2.Dance Dance Danceにそっくりに感じられたりもします。。。
Yesのスティーヴ・ハウのギターの前奏を、ミスチルの1のサンプリングの音になぞらえることもできる・・・
とまで言っては、ちょっと強引でしょうか?(^^;)
歌詞を拾ってみると・・・
2.Dance Dance Danceに「ラヴ&ピース」といやでもレノンを連想させる言葉がある。
4.Innocent Worldには「ticket to ride」というビートルズの曲のタイトルを忍ばせてある。
6.Cross Roadにもやはり「Winding Road」というビートルズ好きなら引っかかる言葉がタイトルと並置されている。
3.ラヴ・コネクションにある「お気に召すまま」という言葉をシェークスピアの「As you like it」と照らし合わせるのはさすがに考えすぎなのかもしれませんが。(^^;)
(アメリカのバンドのジャーニーにも「お気に召すまま」という曲がありますしね。)
そして、サウンドをさらに細かく紐解いていけば・・・
Yesなどのプログレからサイケなころのデヴィッド・ボウイ、そしてビートルズ、ギルバート・オサリバンあたりに至るまでのエッセンスが至るところでこだましているのを聴き取ることができます。
例えば6.Cross Roadや12.Overなどには、ビートルズの“フール・オン・ザ・ヒル”や“ハロー・グッドバイ”、“愛こそはすべて”のフレイバーが織り込まれているように聞こえるのは私だけじゃないはずです。
このアルバムを聴いている間、ずっと以前から私の体にしみこんでいた音楽が羊水のように原石のミスチルを包んでいるさまを思い浮かべました。
当然・・・
製作者の慣れ親しんだ音楽と私のそれ、いわば出自が同じわけですから、いかにはじめて聞いたにせよこれらのサウンドと私の相性がいいことは納得できます。
そして、このころのテイストを多少残しながらもミスチルはミスチルとして成長・成熟して彼ら自身の音楽の純度を高めていき私との共通項は徐々に減った結果が、最近の彼らへの作品に十全に同期できない理由かもしれません。
この頃にしかなかった勢い・・・
ミスチルに限ったことではありませんが、同じ根っこを持った人が画期的なことをおっぱじめた時にはワクワクしますよね。
このアルバムはまさにそんな一瞬を切り取った貴重な記録であり、私にとってもそんな気分を味わいたいときに、折りに触れて聴きかえしたいと思えるものとなりました。
(演奏:Mr.Children)
1.Printing
2.Dance Dance Dance
3.ラヴ・コネクション
4.Innocent World
5.クラスメイト
6.Cross Road
7.ジェラシー
8.Asia(エイジア)
9.Rain
10.雨のち晴れ
11.Round About ~孤独の肖像~
12.Over
(1994年)
ここにJ-POPのディスクを採り上げるのははじめてじゃないにせよ久しぶりですね。
このところJ-POPを聴くことが多かった私。。。
何をいまさらといわれるかもしれませんが・・・
先日思うところあって、ミスチルのレコード大賞受賞曲“Innocent World”や“Cross Road”を収録した“アトミックハート”というアルバムを入手しました。
一大モンスター・アルバムであるとは承知していましたが、収録曲のうち知っていたのは実は先の2曲のみ・・・
これらにせよいろんなメディアで聴いたことはありますが、覚えたソースはカラオケで同僚たちが歌っていたものでありました。
それも見よう見まねでしたから・・・こうしてモノホンを聴いたら多分に記憶と違っているところが判明するところとなり・・・
いろんなところで歌ってましたから、答合わせの結果を思うと恥ずかしい点しかとれていないなという思いがします。(^^;)
これは・・・
もはや歴史が評価を定めているディスクですから、いまさら私がどうこう言っても詮ないこと。
逆に・・・
あらゆる論評が出回った後で、それらの一切に目を通すことなく、それなりに最近の音楽シーンもしっているという私がどんな一文を記しても、どなたにもご迷惑をおかけすることはあるまいと気楽に思うところを書いてみようと思ったものです。
上記の2曲は、初期のミスチルについてはベスト盤に収められているようなシングル盤の一部しか知らない私にとっては、今なおミスチルの不動の代表曲であります。
このほかにカラオケでメロディーをなぞれる程度に知っているのは“名もなき詩”“Tomorrow Never Knows”ぐらい・・・でしょうか。(^^;)
いずれもこのバンドが私にとってエポックメイキングな存在と感じられる根拠となる曲ばかり・・・裏を返せば、ミスチルで知っている曲全部とさえいってもいいでしょう。
実は・・・
かみさんが最近の成熟したミスチルを好んでいるために“HOME”というアルバムなど何枚かは我が家にあり、逆に、これらはちゃんと耳にしています。
もちろん出来栄えはどれも素晴らしく、完成度はどんどん高まっています。
特に、思いの丈の伝わりかたについては、ヒューマンな表現力の幅が広がるにつれ顕著な向上を見せており、文句の付けようはいささかもありません。
けれど結論としては・・・
私には初期の曲のようにグッとくるものが感じられない・・・はっきり言って食い足りない印象があるのです。
感じ方の問題なのでどうしようもないのかもしれませんが、プロダクツとしてはレベルが上がったけれど、プロデュースの成果としては初期のそれに及ばない・・・
こと私の場合に限っては、それが偽らざるミスチルのアルバムに関して感じていることです。
さて・・・
このシングル曲しか知らない時代のミスチルの“アトミックハート”。
これを全編通して聴いてみたところ、やはり上の内容を裏打ちする感触を得ました。
また、ミスチルの音楽に関しても一言で言えば私の好きな要素をふんだんに含んでいることが再確認できました。
興味深いことには・・・
私の印象ではこのアルバムのサウンドにあって看板の2曲“Innocent World”と“Cross Road”は浮いてしまっているように感じられました。
特に前者は完全に毛色が違う。。。
さらに奇妙なことには、私にとっては存在を以前から認知していた2曲よりも、これまで知らなかった他の楽曲のサウンドの方が、私には古くから馴染みのある親密な音作りに思われました。
もちろん、はじめて聴く曲たちでしたが・・・そこで鳴っているサウンドがどこかで聞いたことのあるような気がした、いわばお郷が知れるような気がしたために親しみやすさを感じたのだと思います。
聞いているうちにミスチルのメンバーの音楽のルーツ、あるいはプロデューサーの小林武史氏の嗜好が窺い知れて引き込まれてしまいました。
そして・・・
私にはこのアルバムのコンセプトが「イギリスのあらゆるサイケでプログレッシブな音楽へのオマージュ」であるとはっきりと感じられました。
もちろん、それが真実かどうかはわかりません。
先にも記したとおりアルバムの発表以来、私のようにこのアルバムを聞き、私がこの後述べるような観点から評論を書いた人がいるかどうかも知る由はありません。
でも私のこの説には、サウンドから受ける感覚的なエヴィデンスのほかに、物証からも確信に足る自信が持てる気がしているのです。
肝心のサウンド面全般では、特に小林武史氏が作曲に加わった楽曲では、ダークで抑圧された感情が湧き上がってくる感じが表現され、シングル盤によって形成されていたそれまでの私のミスチルのイメージを大幅に変えてくれました。
当然のこととはいえこの音こそが、プロダクションのコンセプトを示唆する端緒を明確に示してくれたのです。
それらは実はあらゆる表現に如実にあらわれている・・・
まずは視覚面から、レコードジャケット。
濃紺の地にバンド名とタイトルだけを書いたシンプルなもの・・・
私には、ビートルズのホワイトアルバムのジャケットが思い起こされてなりません。濃紺の地は、Yesの“こわれもの”から地球を取っ払ったらこんな感じじゃないでしょうか?
ここからも“ビバ・UKロック”を連想できないでしょうか?
私の仮説の信憑性やいかに?(^^;)
次に文字による彼らのUKサウンドへのオマージュとしては・・・
アルバムタイトルの“アトミックハート”からして、かのピンク・フロイドの“原子心母(アトム・ハート・マザー)”を意識していると思われてなりません。
曲名にいたっては・・・
3.ラヴ コネクション ⇒ 曲調はローリング・ストーンズ調。タイトルは彼らの“コネクション”へのオマージュ?
6.Cross Road ⇒ クリームに“CROSSROADS”という泣く子も黙る曲がありましたな。(元はアメリカのブルースですけど・・・)
8.Asia ⇒ 伝説のプログレバンド Asia を思わずにいられません。
9.Rain ⇒ ビートルズに“レイン”、レッド・ツェッペリンに“レイン・ソング”があります。このために雨を降らしたのか?^^
11.Round About ⇒ プログレバンドYesの銘盤“こわれもの”の冒頭の曲が“Round About”そのまんまです。
そして、Yesの“Round About”のダークで粘りのあるリズムから感じる肌合いが、このアルバムの事実上の幕開け2.Dance Dance Danceにそっくりに感じられたりもします。。。
Yesのスティーヴ・ハウのギターの前奏を、ミスチルの1のサンプリングの音になぞらえることもできる・・・
とまで言っては、ちょっと強引でしょうか?(^^;)
歌詞を拾ってみると・・・
2.Dance Dance Danceに「ラヴ&ピース」といやでもレノンを連想させる言葉がある。
4.Innocent Worldには「ticket to ride」というビートルズの曲のタイトルを忍ばせてある。
6.Cross Roadにもやはり「Winding Road」というビートルズ好きなら引っかかる言葉がタイトルと並置されている。
3.ラヴ・コネクションにある「お気に召すまま」という言葉をシェークスピアの「As you like it」と照らし合わせるのはさすがに考えすぎなのかもしれませんが。(^^;)
(アメリカのバンドのジャーニーにも「お気に召すまま」という曲がありますしね。)
そして、サウンドをさらに細かく紐解いていけば・・・
Yesなどのプログレからサイケなころのデヴィッド・ボウイ、そしてビートルズ、ギルバート・オサリバンあたりに至るまでのエッセンスが至るところでこだましているのを聴き取ることができます。
例えば6.Cross Roadや12.Overなどには、ビートルズの“フール・オン・ザ・ヒル”や“ハロー・グッドバイ”、“愛こそはすべて”のフレイバーが織り込まれているように聞こえるのは私だけじゃないはずです。
このアルバムを聴いている間、ずっと以前から私の体にしみこんでいた音楽が羊水のように原石のミスチルを包んでいるさまを思い浮かべました。
当然・・・
製作者の慣れ親しんだ音楽と私のそれ、いわば出自が同じわけですから、いかにはじめて聞いたにせよこれらのサウンドと私の相性がいいことは納得できます。
そして、このころのテイストを多少残しながらもミスチルはミスチルとして成長・成熟して彼ら自身の音楽の純度を高めていき私との共通項は徐々に減った結果が、最近の彼らへの作品に十全に同期できない理由かもしれません。
この頃にしかなかった勢い・・・
ミスチルに限ったことではありませんが、同じ根っこを持った人が画期的なことをおっぱじめた時にはワクワクしますよね。
このアルバムはまさにそんな一瞬を切り取った貴重な記録であり、私にとってもそんな気分を味わいたいときに、折りに触れて聴きかえしたいと思えるものとなりました。
ミスチルで検索してふらっと寄らせていただきました。
ミスチル好きとして
これからも度々お邪魔します!
ものすごくきまぐれに、そのときに気になったディスクやコンサートについてアップしています。
よろしければ、またぜひおいでください。(^^)/
デビューから聴いてるミスチルが息の長いアーティストとして残った。
まだ、小室哲哉が活躍する前だったのか、まともに聴けるアーティストもいた。その1つがミスチル。
良い歌い手はこれからも歌い続けられる。賞味期限は切れてないですね。
理不尽にも思えますが、品質が伴っているものだけがこれを克服できるのは確かであるような気がします。
テレマンとバッハの関係を考えればよくわかりますが、いっときは忘れられたとまでいわれるバッハがいまこれだけ礼賛されて、テレマンにせよ録音メディアの発展と、最近の古楽器復興のムーブメントがなかりせば、ほんとうに忘れられちゃったかもしれないような気がしますから。。。
山根康広・・・
わたしもあの1曲だけなら、カラオケで歌えます。^^