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動詞 เลื่อน (lʉ̀an、ずらす・うごかす)

2015年05月16日 |  動詞編

 最初は、前回記事で言及した動詞 เดือด を使った例文の解説から。
(ア) คุณนายกำลังเดือดสาวใช้คนใหม่

 คุณนาย は、英語で言えは"Madam, Mrs."にあるる語で、日本語だと「ご婦人、奥様、夫人」とかだろうか( นาย だけだと、この文脈だと"Mister, Mr."の趣旨)。สาวใช้ で「家政婦、お手伝い」の意味。

 全体としては、
  「夫人は、新しい家政婦に怒っている。
という意味だろう。動詞 เดือด は、ここでは前回記事の(3)の「怒る」という意味なのだろう。


(イ) หญิงสาวนั่งขบเขี้ยวเคี้ยวฟันอยู่บนรถตลอดทางที่มุ่งสู่ธนาคารศรีสยาม สำนักงานใหญ่ พอถึงที่ อารมณ์ก็เดือดได้ที่เช่นกัน  ไม่ทราบว่าห้องทำงานของคุณกฤตินอยู่ชั้นไหนคะ

 小説か何かの一節で、3つの文からなるようにみえる。
最初の文で、นั่ง は「(乗り物に)乗る」という感じだろうか。ขบเขี้ยวเคี้ยวฟัน は、「歯ぎしりをする(ほど怒る)」という意味(ちなみに、ขบเคี้ยว は共に「噛む」という意味。เขี้ยว は「犬歯」)。มุ่งสู่... で、「・・・へ向かう」という意味か。ศรีสยาม は固有名詞(架空の銀行の名前)。
พอ ではじまる文中の เช่น は何だろう(誰か教えてほしいところ。余りピンと来ていないのだけど、辻褄を合わせると、動詞で「(性格などを)よく知っている」という感じか・・・)。
ไม่ทราบ ではじまる文で、กฤติน は人名。

 直訳してみると、
  〈若い女性は、乗って歯ぎしりするほど怒っていた、車の上でずっと、スリィサイアム銀行本店に向かっているところ。/到着するとすぐに、気分が高まった、よく知っているように。/知らなかった、クリィティンさんの仕事の部屋がどの階にあるのか〉
みたいな感じだから、
  「若い女性は、スリィサイアム銀行本店に向かうに車に乗っている間ずっと、ひどく怒っていた。着くとすぐに、いつものように気分が高まってきた。しかし、クリィティンさんの職場が何階にあるのかは、知らなかった。」(仮訳)
という意味だろうか。動詞 เดือด は、ここでは前回記事の(2)の「高まる」という意味なのだろう。


 さて、表題の動詞 เลื่อน に入ろう。

 この動詞は、昨年勉強ノートを見返すと、このシリーズで扱っている動詞の覚え方で2番目に取り扱った単語のようだ(すっかり忘れていた)。なので、もう少し早めに記事にしておくべきだったのだろう(最初に記事にした ค้าง が2番目だとばっかり思っていて・・・。1番目は ตั้ง なのだけど、これはいずれ終わりの方で・・・)。

 この動詞は、一時期、謎の動詞という位置づけだったのだ。タイ文字が少し読めるようになってからタイに行く機会があると、看板などの文字が妙に気になって、長らく立ち止まって読み込んでしまうということが多々あった。
店先のドアに何かタイ語で表示があることがあるのだが、日本で言えば、「押」「引」とかの字が入ったヤツだ。タイ語の押す・引くなら、単語集でも最初のほうに出てきていたのでそのうち分かったのだけど・・・
 時間がかかったのが、この เลื่อน である。当時買ったばかりの分厚いタイ英辞書で引いてみても、その部分だけ何故か英訳がなかったのだ。わずかに、タイ語で動かすみたいな意味だとの短い説明があるのみで、よく理解できなかったのだ。「『ドアを動かす』という意味ならば、ドアを押すや引くも、その一種だよな。押すは、前に動かすだし、引くは、後ろに動かすだし」とか思ったりして・・・。当時まだ、タイ文字のタイプができなくて、ネット上のタイ語辞書とかは使えなかったのも一因だろう。


 結局よく分からないけど、 เลื่อน は動詞で意味は多分「横に引く」という感じかなと思っていると、タイ語と英語との両方の表示を書いてあるドアに出会ったのだ。ここで初めて言いたい意味が、英語の動詞「slide」だと分かった訳だ(日本だと、「スライド」なんていう表示はあるのだろうか、あるいは矢印の表示で済ませているのか? よく分からんな)。
 しばらくすると、เลื่อน には、昇進するとか、延期するとかいう意味があることが分かり、困ってしまった訳だ。意味合いが増えると大脳のメモリー不足で覚えられないためだ。そこで เลื่อน の項を辞書で引いて、どうやって覚えたら良いものかと思案していると・・・。時間がかかって、ようやく、元の「うごかす」でよいと気がついたわけだ(その後、เดิน の方を「うごかす」にしたので、こちらの動詞は「ずらす・うごかす」に変更。また、เลื่อน は名詞だと「そり」の意味があり、滑らせるの意味合いをも含む「ずらす」としっくりくるし)。


 与太話はさておき、動詞 เลื่อน (サラエー・ローリン・サラウー・オーアーン・ノーネーン・マイエーク lʉ̀an)に対応する日本語動詞は、
  「ずらす・うごかす、[漢字なし]・動かす」
と思われる。

 動詞「ずらす・うごかす」から連想されるべき言回しはには、
  机をずらす(うごかす)、日程をずらす(うごかす)
などがあろう。


(1) 先ずは、机をずらす(うごかす)、とあるように、「(物を)動かす」という意味がある
 泰泰の解説だと、
  เคลื่อนหรือย้ายจากที่เดิมโดยลักษณะอาการต่างๆ เช่น ลาก เสือกไส ยกขึ้น กดลง. (仮訳:引きずる、押しのける、持ち上げる、押し下げるなどのいろいろな形態によって元の場所から動かし、又は移動させること)
となっているようだ。例としては、
  〈ずらす+椅子〉( เลื่อนเก้าอี้ )で「(椅子を)ずらす、動かす」。


(2) 役職をうごかすという趣旨で、「昇進する」という意味がある。
ここでは、何故か、降格するといった悪い方向の場合は含まないらしい。例としては、
  〈ずらす+役職+ペン...〉( เลื่อนตำแหน่งเป็น... )で「(・・・に)昇進する」。


(3) 日程をずらす(うごかす)、との言回しにあるように、「(日時などを)変更する」という意味がある。
この場合、延期すると訳しているような場合もあるようだけど、泰泰の解説をみると、日時の後倒し(延期)の他、日時の前倒しも含むようだ(明確に区別する必要があるなら、それぞれ เลื่อนให้ช้าลงเลื่อนให้เร็วขื้น となる模様)。
例としては、
  〈ずらす+pen+火曜日〉( เลื่อนเป็นวันอังคาร )で「(火曜日に)変える」、
  〈ずらす+pai +もう3日〉( เลื่อนไปอีกสามวัน )で「(3日間)延期する」。


 動詞 เลื่อน を用いた例文については、以下のとおり。例によって、解説は次回記事にて。
(ア) การลงคะแนนเสียงเลือกตั้งทั่วไปจะต้องเลื่อนเวลาออกไปหากปรากฏว่าผู้สมัครรับเลือกตั้งคนหนึ่งคนใดเสียชีวิต

(イ) เณรเคาะประตูได้ยินเสียง "เชิญ" เลื่อนประตูออก เห็นหลวงพ่อกำลังนั่งจิบชาอ่านหนังสือพิมพ์


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