動詞 จับ (ジョージャーン・サラア・ボーバイマイ càp)に対応する日本語動詞は、「つかむ、掴む」と思われる。
(1) 身柄をつかむ、との趣旨で、「(犯人などを)逮捕する」という意味がある。
〈つかむ+犯人〉(จับคนร้าย càp khon ráai)で「(犯人を)逮捕する、捕まえる」。
(2) 「(物などを)つかむ」という意味がある。
〈つかむ+ナイフ〉(จับมีด càp mîit)で「(ナイフを)つかむ、手に持つ」。
(3) 何かの連続する状態をつかむ、との趣旨で、「(ある状態が)し始める」という意味がある。
〈つかむ+熱〉(จับไข้ càp khâi)で「(熱が)出る、出はじめる」、
〈つかむ+さび〉(จับสนิม càp sanǐm)で「(さび)る、はじめる」。
状態を表現するときには、前の状態からの変化を重視するか、状態の継続を重視するかで違いがあるとすると、この場合は、前者に相当するのだろう。
日本語で言うならば、「熱が出る」と「熱がある」(เป็นไข้ pen khâi)との違いという感じだろうか。
(4) 細かな物が大きなものをつかむ、との趣旨で、「(細かな物が)つく」という意味がある。
〈埃+つかむ+目的語sth.〉(ฝุ่นจับ+sth. fùn càp+sth.)あるいは
〈主語sth.+มี+埃+つかむ〉(sth.+มีฝุ่นจับ sth.+mii fùn càp)で「(sth.に埃が)つく」。
(5) 液体などがその物自身をつかむ、との趣旨で、「(液体などが)固まる」という感じの意味がある。
〈มี+露+つかむ+自身〉(มีน้ำค้างจับตัว mii náam kháaŋ càp tua)で「(露が)たまる」
〈มี+水蒸気+つかむ+自身〉(มีไอน้ำจับตัว(เป็นน้ำ) mii ?ai náam càp tua)で「(水蒸気が水として)凝結する」。