ヒト遺伝子想定的生活様式実践法

2023年8月にテーマ・タイトルを変更(旧は外国語関連)
2015年4月にテーマ・タイトルを変更(旧は健康関連)

はじめに・・・

 外国語テーマも長く続かずなので、従来の健康ブログに戻してみようかと思いまして・・・ 備忘録的に残しておくと旧タイトルは「タイ語、漢字を使って覚えるの?」でした。(2023.8月記)

 従来の健康ブログ時に記事を書いていて、何故か、そろそろ外国語でも勉強した方がより良いかなーと思いつきまして、以来ちょこちょこと続けてきましたが、なんとなく、ある事を覚えると別の事を忘れてしまうモードに入ってしまったようで、知識量が停滞しつつあるような感じになりました。

 そこで、本ブログを外国語学習ブログに変更して、自分の備忘録的にまとめておこうかなと思いまして・・・。

 しかしながら、少し飽きたのか内容を増やしすぎたのか、書くのに手間がかかるようになり、時間がとれない時は、別ブログ「単語帳の素材?」にてライトな記事を書くことにしました。(この別ブログも徐々にライトでなくなり、記事を500本ほど書いたところで滞り中・・・)

 なお、健康ブログ時代の記事は、コチラの 入り口 からどうぞ。(2015.4月記)
 最近の健康系記事はカテゴリー「タイ語以外(健康2019)」からどうぞ。

心臓突然死

2013年06月23日 |  症例(その他)

 以前心臓病(不整脈)について触れたけど(交感神経の緊張と心臓病(不整脈) 2013/5/5)、その時飛ばした突然死について、まとめておこう。未だによく理解できた気がしないけど・・・


 心臓突然死の例は、このあたりでみつかるだろう。ちょっと古いけど、toggetterから、

突然死症例のまとめ
2011-10-18
http://togetter.com/li/202214 (冒頭の例のみ引用。ただし、心臓以外も混じっている)

茨城県で40-50代の急死報告相次ぐ。スーパーの駐車場でなくなる40代など聞いたことがない。・・茨城に住む方からの報告
返信 RT お気に入り
onodekita 2011-10-13 21:40:04

私の知り合いは、野菜炒めの最中菜箸を握ったまんま、倒れてなくなりました。50まであとわずか。東京。@onodekita
grandamaP 2011-10-13 22:29:22


 最近のツイートだと、例えば、

@etosha0824
震災後に心筋梗塞で亡くなった話をちらほら聞いていたが、”朝布団の中で冷たくなっていた”方が大半だった。運動負荷や精神的ストレスがない就寝中って妙だなと思っていた。不整脈ならば整合性があると思う。
2013-06-19


 「朝布団の中で冷たくなっていた」というのが典型例ではないだろうか。藤木龍輔 著「メタボ・生活習慣病の元凶 『酸化ストレス』の恐怖」 (現代書林、2008年7月)によると、就寝中などの低活動時でも、突然死が少ないないとされている。

心臓突然死の死亡直前の生活活動
 就寝中 33%
 入浴中 9%
 休息休憩 7%
 排便など 5% (前掲書19頁)


 心臓突然死については、心室細動経由が多いとされ、原因は酸化ストレスによるものが多いとされている。同書から、

心臓発作による突然死の80%は原因不明の心室細動

   [中略]

 心室細動が起こると心臓は血液を送り出す機能を失い、6秒で失神、3分で脳死するという不整脈です。・・・

 心臓突然死のうちで原因がハッキリしているのは急性心筋梗塞で、20%を占めます。残りの80%は原因不明の心室細動による突然死です。

(1) 40~50代が最も多い
(2) 男性が女性の2倍も多い
(3) 勤務中でないことが多く、就寝中のことも多い
(4) 健康診断や人間ドックで、大きな異常を指摘されていない

 これらが心臓突然死の特徴です。この原因が活性酸素からの酸化ストレスなのです。 (前掲書18頁)


 中年以降なら動脈硬化経由の心筋梗塞も可能性があるだろうが、若者の場合は心室細動が原因ということだろう。

 また、メカニズムについては詳しい記述がないのでよく分からないが、多分

酸化ストレスの亢進 →交感神経の緊張 → 刺激伝導系の不調 →各種の不整脈

ということではないだろうか。特定の不整脈に偏るというより、いろいろな不整脈がみられ、障害部位と体質との兼ね合いによって、ある人には致死的な不整脈になる場合があるということではないだろうか。

 心臓突然死の解説については、gooヘルスケアから、

突然死(心臓麻痺)
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10651100.html

原因は何か
 心臓突然死の原因としては、虚血性(きょけつせい)心疾患と非虚血性心疾患、そしてとくに原因となる心疾患がないものとに分類されます。

   [中略]

 突然死を起こしうる非虚血性心疾患には、心筋症(しんきんしょう)、心筋炎(しんきんえん)、WPW症候群(コラム)、遺伝性(先天性)QT延長症候群(コラム)があり、それらによる心臓突然死の機序は不整脈によるものです。
 突然死を来す不整脈としては、頻度の高いものから順に、心室細動、心静止、高度徐脈(じょみゃく)(洞不全症候群(どうふぜんしょうこうぐん)あるいは房室(ぼうしつ)ブロック)、心室頻拍があります

  [中略]

 近年、はっきりした心疾患がない人に起こる心室細動発作が注目されています。このような心室細動を特発性(とくはつせい)心室細動と呼んでいます。この特発性心室細動には、10歳以下の小児に多いタイプと青 壮年の男性に多いタイプとがあります。前者のタイプは男女に頻度の差はなく、約3分の1に突然死の家族歴があります。運動や精神的緊張が発症の誘因になり ます。
 後者のタイプは、従来、ぽっくり病とか青壮年突然死症候群と呼ばれていました。
 そのなかでも最近報告の多いものが、ブルガダ症候群と呼ばれるものです。


 
 心臓突然死の関連で病気として表面化してくるものとしてまず挙げられるのは、最近「木下黄太のブログ」で記事になったブルガダ症候群だろうか。
 
突然死危険警告、「神の手」を持つ男が不整脈『ブルガダ症候群』と診断。東京専門家セミナー本日受付開始。
2013-06-18
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/e58a01c1860f2f2599ea3190f396f727

「いや、木下さん、今度は、ブルガダ症候群」と言われました。

それはなんですか、と僕 [木下氏] が言うと。

「心臓の調子も去年からずっといまいちなんですよ。それは話していた通りなんですが、今まで通っていた病院の診断が今ひとつなので、K病院いったんですよ。」
 僕は「あそこは、しっかりしていますからね。世田谷ではあそこに行くのはよい判断かも知れません。僕の知人もあそこで1人助かりましたよ。」と答えました。

「ええ、そうしたら、心電図の波形を見て、ブルガダ症候群ではないかと言われたんですよ。突然死のシグナルですよ。重い不整脈になる場合があるんです。あきらかに不調だったんです。」

 僕はこの段階でブルガダ症候群を確認しました。1992年にスペインのブルガダ兄弟が特発性心室細動の病気として報告していることから、ブルガダ症候群という名前になって、比較的、新しくわかっている症状です。男性に多く、夜間に発作をおこしやすいとされています。


 同記事でも分かりやすい解説として紹介されていた岡山大学循環器内科のサイトから、

ブルガダ症候群/QT延長症候群/突然死症候群
http://cardio.icn.jp/modules/page/shokogun.html

ブルガダ症候群

   [中略]

1)ブルガダ症候群とは
 ブルガダ症候群は1992年にスペインのブルガダ兄弟が特発性心室細動の病気として報告しました。心電図ではST上昇という波形が特徴的で、現在ではこの波形をブルガダ型心電図、ブルガダ型波形と言ったりします(図1)。特発性心室細動とは、はっきりした原因(例えば心筋梗塞や狭心症や心不全等)が無いのに、心室細動という心臓が全く働くことのできない、直接死につながる重症の不整脈をいきなり起こすと言った病気です。それまで、原因不明の突然死とされていた病気の一部を明らかにしたのです。日本では「ぽっくり病」と用語があり、元気だった人が突然亡くなった場合、特に朝起きてこないので家族が見に行ってみると亡くなっていたというケースが多いと思われます。このぽっくり病のかなりの割合の人がブルガダ症候群に該当すると思われます。もちろん中高年の方では心筋梗塞や脳卒中等で突然命を落とすことが多いですが、20歳代から50歳代の突然死のなかでは比較的大きな要因となっていると考えられます。この病気の特徴は、男性に多く、夜間に心室細動の発作を起こすことです。心室細動が起こると、心臓が血液を全身に送ることができなくなり、意識を失う(失神)、けいれんを起こす、睡眠中なら呼吸がおかしい・息をしていないということで気がつかれます。多くの場合は心室細動が一過性で元々の正常の脈拍に戻り、一時的な症状で終わりますが、不幸にも心室細動が止まらなかった場合、命を落とすことになります。


 また、以前の記事
   〔メモ〕 茨城の小中学生の心蔵の異常の増加(2012.5月調査)  2012/12/29
でも触れたけど、取手の中学生で平時より多発していたQT延長症候群も挙げられるだろう。


 ブルガダ症候群もQT延長症候群も本来は遺伝性の体質が問題となるようだけど、●の影響下では非遺伝性(孤発性)のものも問題となってくるのであろう。


 バンダジェフスキー博士の本を読んだ感じでは、不整脈ではないけど、心筋細胞の損傷が関与する心筋症による突然死もあるのではないかと個人的には考えている。gooヘルスケアから、

心筋症
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10631600.html


〔メモ〕 今年もシーズンが始まったのか・・・

2013年06月14日 |  症例(報道ベース)

 手抜きで短く。

 お知らせ。ブログの更新は、7月中旬まで都合により、多分週一程度、あるいはなくなるかもしれません。ご不便をおかけします。


 本題は終わって後置きに行くと、今日の報道を「47NEWS」から、

大阪で熱中症の疑いで搬送65人 4~94歳
2013/06/14 22:00
http://www.47news.jp/CN/201306/CN2013061401002134.html

 14日午後、大阪市生野区の市立生野中と大阪府松原市の市立天美小などで「熱中症で子どもが倒れた」と119番が相次いだ。各消防への取材に基づき共同通信がまとめたところ、大阪府内で14日に熱中症の疑いで病院に搬送された人は、4~94歳の65人に上った。・・・

大阪管区気象台によると、14日正午の大阪市の気温は33・1度。


 以前の記事(ココ)で触れた、今月初めの福島での熱中症の例は少し特異なものと理解したので、シーズン開始とは思えなかったけど、今回はそう感じさせる内容のものだろう。本物の熱中症も混ざっていそうではあるのだが・・・


 前にも書いたかもしれないけど、個人的には、何らかの理由により、身体の排熱処理が悪くなり5度程度限界値が下がっているのではないかと推測している。なので警戒せずに普段どおりにしていると、バタバタと来るのではないだろうか。

 排熱処理が悪くなるのは、やはり甲状腺の異常(機能亢進系)の影響なのだろうか。経験者の話をみると、例えば、ブログ「LUNAR」から

[日記] 体温調節ができなくなるとき
2008-12-25
http://d.hatena.ne.jp/mizuho0116/20081225/p2


 ついでに昨シーズンの話で、メモしようと思い忘れてしまった例があるので、メモしておこう。この事例は、不可解さを基準に比較してみると、昨シーズンの「不可解大賞」といえるものだったと記憶している。気温がそれほど高くないのに、わりと多数が倒れたらしい。スポニチの記事から、

集団熱中症?大阪の小学校 運動会練習中に救急搬送
2012年9月27日
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2012/09/27/kiji/K20120927004204040.html

 26日午前9時45分ごろ、大阪府豊中市柴原町3丁目の市立桜井谷小で「児童が気分が悪いと訴えている」と119番があった。豊中市消防本部によると児童37人に頭痛や寒け、発熱など熱中症とみられる症状があり、救急搬送した。16人の症状がやや重く、このうち5年生の女児(11)が入院。残る21人は軽症だった。37人は女子児童24人と男子児童13人。

 29日の運動会に向け、1~6年の児童約600人でリレー練習や開会式の練習を開始。その後、児童が症状を訴え始めた。大阪管区気象台によると豊中市の午前9時の気温は23・9度だった。


 瓦礫焼却をまだ実施中のところもあり、汚染の拡散傾向が止まっていないので、件数的には昨年よりも増加が見込まれるのだろう。さて、今シーズンはどのような事例が出現するのだろうか。


福島の健康調査 (9-2) 甲状腺検査の結果(2013.6月)

2013年06月12日 |  症例(報道ベース)

 前回(ココ)からの続きでデータの整理をやっておこう。

 その前に大手メディアの関連記事を紹介しておこう。東洋経済オンラインの記事から、

「福島の子ども、12人甲状腺がん」の謎
2013年06月09日
http://toyokeizai.net/articles/-/14243


 サブタイトルは「がん発見率は定説の85~170倍、なのに原発事故と無関係?」となっている。個人ブログでみかけそうな程度の分析が報道された点を評価して紹介せざるを得ないのが悲しいところだろう。大手メディアにはもっとしっかり踏み込んだものを期待したいのだが・・・


 福島県の甲状腺検査のこれまでの公表データの推移をまとめておくと、次のような感じになるだろう。

表 福島県の甲状腺検査の結果の推移 (2012-2013)
公表年月
(会合名)
一次検査二次検査備考
  終了 異変 対象 終了 がん診断 がん割合  
  人 *1 人 *2 人 *3 人 *4 人/10万 *5  
2012.1月
(第5回)
3,765
(1)
1,143
(30.4)
26 - - -  
同4月
(第6回)
38,114
(11)
13,646
(35.8)
186 - - -  
同6月
(第7回)
49,865
(14)
(結果について新規公表なし)  
同9月
(第8回)
80,174
(22)
32,003
(39.9)
425 38
(8.9)
1
(1)
14  
同11月
(第9回)
95,954
(27)
38,327
(39.9)
501 83
(16.6)
2
(1)
13  
2013.2月
(第10回)
133,089
(37)
55,592
(41.8)
735 187
(25.4)
10
(3)
30  
同6月
(第11回)
174,376
(48)
75,313
(43.2)
1,140 383
(33.6)
27
(12)
46  
出典)福島県の「県民健康管理調査」検討委員会の会合資料。
注)
*1 下段は、総数約360千人に対する終了率(%)。
*2 異変数は、A2、B、Cの判定の合計。下段は一次検査終了者に占める異変者の割合(%)。
*3 下段は、対象者に占める終了者の割合(%)。
*4 「悪性ないし悪性疑い」の数。良性結節を除く。下段はがん診断の確定数(人)。
*5 次を10万人当たりに換算したもの: 一次終了者数×二次終了率÷がん診断数。

 以下は、過去の調査に基づく数値(調査地域・年)。
長崎 (2000年) *a 250 2.4% - - - -  
チェルノブイリ
(1991-1996年) *b
120,332 35.2% - - 64人 53人 *6  
小児甲状腺がんの発症率 *c - - - 0.1~
0.2人 
 
出典) *a "Urinary iodine levels and thyroid diseases in children; comparison between Nagasaki and Chernobyl." http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11789565
*b 講演「チェルノブイリ原発事故後の健康問題」 平成12年2月29日長崎大学山下俊一 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/tyoki/bunka5/siryo5 /siryo42.htm
*c 鈴木真一氏(福島医科大教授)談話。
注)
*6 内訳は、高汚染地(ベラルーシ・ゴメリ地域。寄与度16.3%)では10万人当たり198人、それ以外の地域(寄与度83.7%)では同25人。

 

 甲状腺の異変率についてみれば、以前の記事(ココ)でも触れた2000年の長崎での調査を基準に考えれば、最初から何かおかしかったのだろう。最初の公表データ(2012年1月の検討委員会第5回会合の際)で既に3割を超えていたのだから(30.4% vs 2.4%)。

 同年4月の際には、1990年代のチェルノブイリの調査と同等の異変率だったのだから(35.8% vs 35.2%)、明らかにおかしいと考えるべきであろう。

 甲状腺がんの発生率についてみれば、1人や2人だとなんとも言えないが、今年2月の第10回会合の際には、がん又はがん疑いとの診断が10人に達し、チェルノブイリの中程度の汚染地と同等の割合になったのだから(10万人当たり30人 vs 同25人)、明らかにおかしいと考えるべきであろう


 最後に、本来大手メディアが手がけるべき甲状腺がんの発生についての統計的分析については、他力本願でいくと、ブログ「めげ猫「タマ」の日記」から、

福島県 甲状腺癌は12人 疑いは15人―偶然に起こる確率は1.3%―
2013/06/05(水) 20:25:16
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-721.html

・・・でも、福島県の方は

 ①癌が見つかるようになるのに4年位かかる
 ②機器も良くなって、以前より見つかりやすい
 ③比較するものがない

と説明し、異常なデータであることを認めませんでした。
「成人の発生率と同じ」
とも言っています。そこで、

 ①検査精度がよいので4年後に見つかる癌が見つかる。
 ②発生率は成人と同じとする

として、7人以上から甲状腺検査で癌が見つかる確率を計算したら1.3%でした。福島県の怪しげな説明を信じても偶然に起こるとは思えません。


 ある種の前提をおいて二項分布で確率を計算したところ、確率1.3%の事象ということとなったらしい。そのような事象は滅多に起きないことだと思うが、がん疑い分を考慮に入れた上で子供の発生率を用いることにすれば、更に低い確率の事象となるであろう。つまり、福島の子供達に明らかに異常なことが起きていると考えるべきであろう。


福島の健康調査 (9-1) 甲状腺検査の結果(2013.6月)

2013年06月08日 |  症例(報道ベース)

〔更新履歴:6/9報道追加〕


 今週5日、福島県の「県民健康管理調査」検討委員会の第11回会合が開かれ、新たな情報が公表されたのでまとめとおこう。

 今回は、甲状腺検査について。過去記事をおさらいしておくと長くなりそうなので、文末の関連記事をどうぞ。

A. 関係報道

 例えば、次があるだろう。5日の独自取材による東京新聞朝刊の2面記事(いわゆる前打ち)をウェッブ化したものだと思うけど、

甲状腺がん「確定」12人 福島の18歳以下、9人増
2013/6/5
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013060502000133.html

 多分これを参考にしたであろう通信社(共同通信)の記事は、初出のものは更新されてみつからないので、初出らしい記事を引用したブログ「Nuclear F.C : 原発のウソ」の記事から、

甲状腺がん「確定」12人に 福島18歳以下、疑いは15人
2013/6/5
http://blog.livedoor.jp/ryoma307/archives/7158004.html

 ついでに、福島民報は1日遅れたのか、

放射線の影響否定 甲状腺がん診断確定12人に
2013/06/06
http://www.minpo.jp/news/detail/201306068849


・6/9追記: 一つ報道を貼るのを忘れていたが、こんな指摘もなされたいたようだ。朝日新聞の記事を引用したサイト「低気温のエクスタシー byはなゆー」の記事から、

福島の子供の甲状腺癌発症は「原発からの距離に比例する傾向がある」
2013年6月6日
http://alcyone-sapporo.blogspot.jp/2013/06/blog-post_4867.html


 各社とも、甲状腺腫瘍で悪性及びその疑い診断の数が急増した点が見出しになっていたようだ。


B. 公表資料

 詳しい資料については、福島県のサイトから(「県民健康管理調査」検討委員会について http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=24809)、

第11回「県民健康管理調査」検討委員会(平成25年6月5日開催)
資料2 県民健康管理調査「甲状腺検査」の実施状況及び検査結果等について
http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/250605siryou2.pdf (pdfファイル)


 幾つかデータを貼り付けておくと、

図1 福島県の甲状腺検査一次検査の結果概要(2013.3月末現在)
出典)前掲資料5頁。



図2 福島県の甲状腺検査二次検査の実施状況(2013.5.27現在)
出典)前掲資料9頁(一部改編)。




図3 福島県の甲状腺検査二次検査の結果概要(2013.5.27現在)
出典)前掲資料11頁。




 これらの表は一覧性がなくわかりにくいので、過去記事
   福島の健康調査 (8) 甲状腺検査の結果(2012.11月) 2112/11/20
でも掲載したまとめ表を更新しておくと、

図4 福島県「県民健康管理調査」の甲状腺検査の結果概要(2013.6月)
出典)前掲資料から作成。


 前回2月の第10回会合のときは表の更新をサボったので、それもあげてあくと、

図5 福島県「県民健康管理調査」の甲状腺検査の結果概要(2013.2月)
出典)第11回「県民健康管理調査」検討委員会(2013/2/13開催)の資料から作成。


C. コメント

 甲状腺の異常率(A2、B及びC判定の割合)は、今回若干増加したものの40%前半で安定しており、これまでと似たような傾向であったことが確認できる(前回2月41.8% → 6月43.2%)。

 他方、1次検査対象の子供約2,200人に1人の割合(10万人あたり46人の割合)で悪性及びその疑いが出現していて、かなり急増している(前回2月は約3,400人に1人の割合(10万人あたり30人の割合))。数値が安定せずに急増する理由は、未だに2次検査終了率が33.6%と低いこと、全員に細胞診を実施していないことなど影響していると考えられる。何かを隠すために小細工をしているのではないかという疑いを晴らすためにも、以前の過去記事(福島の健康調査 (6) 甲状腺の細胞診  2012/9/15)でも指摘しているように、早急に終了できるよう体制を整えるべきだろう。


 より大きな課題に目を向けると、甲状腺腫瘍で悪性又はその疑いが既に27名(うち、がん確定診断が12名)に達していることから、既に、福島の子供達が甲状腺がん発症のリスク集団であることは明らかであろう(小児甲状腺がんの発症は通常10万人あたり0.1~0.2人とされている)。他の疾患の発病も考え合わせれば、現状の方針を見直し、チェルノブイリで採用された基準で(放射線管理区域相当以上の高汚染地からは避難など)、福島の子供達の移住(あるいは学童疎開)を検討し順次開始していく必要があるだろう。

 また、現状の検査体制は、異常がないことを確認する目的の下で構築された検査体制なので、これも早急に改める必要があるだろう。特に、1次検査の終了者は、計画されていたとおりとはいえ今年2月から6月の間で約4万人増のみであり、未だに約19万の子供達が検査を待っている状況にある。2次検査はこの4ヶ月でかなり増えたが、3分の2が未だ終了していない。また、通常の場合に検査間隔が2年は空き過ぎていると言えるだろう。移住者及び残留者に対し、甲状腺がんがチェルノブイリより高い割合で発症し得るとの前提の下で、がん早期発見のための検査体制に改めるべきであろう。


 あとは他力本願で、みつけた有用そうな関係記事を貼っておこう。松崎道幸氏(深川市立病院医師)及びユーリ・バンダジェフスキー博士のコメントについては、それぞれ『木下黄太のブログ 「福島第一原発を考えます」』の記事から(同記事で言及された福島の子供の甲状腺がん発症率には少し違和感が残るけど・・・)、

こどもの甲状腺がん、12人確定と15人疑いは、通常罹患率の160倍の恐怖。健康異常が深刻、明確化する福島。
2013-06-05 06:33:00
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/6e30bf486cdd7cf7914b23be58b92aef

バンダジェフスキー博士から、福島でこどもの甲状腺がん大幅増加について、ベラルーシ・ゴメリとの比較。
2013-06-05 15:26:23
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/45fa28d0eebc0ee7d9bbd3deb359861b


 検討委員会の会合の詳しい模様については、議事録はまだ公表されていないので、ブログ「みんな楽しくHappy♡がいい♪」の記事から、

<FFTV速報 前半>委員会新メンバーと甲状腺検査6/5 第11回福島県「県民健康管理調査」検討委員会を傍聴して(内容書き出し)
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3036.html (「後半」は甲状腺と関係ないので略)


 前掲図2の中段の、28例の年齢・性分布の図というのは資料をみただけでは意味が全くわからなかったのだが、この記事を読んで、個人的にはその疑問が解けたわけである(まさか、そんな内容を示唆する資料とは・・・)。

 また、上記記事では、今回の会合で甲状腺検査の目的が変更されたとの指摘があるけど、単なる言葉遊びで終わるのではなく、実態がどのように改善されるかが問題ではないかとの印象を受ける。
 
 
 ついでに、今日見つけた野呂美加氏の重要な指摘については(前掲図2及び3の郡山部分に関連)、サイト「低気温のエクスタシー byはなゆー」から、

【福島の子供の甲状腺】都合の悪いデーターは参院選終了後に発表される
http://alcyone-sapporo.blogspot.jp/2013/06/blog-post_279.html


 上記記事をみて、そう言えば昨年2月に甲状腺がん疑いにかかる週刊文春の記事が話題になったけど(過去記事 福島の健康調査 (4) 甲状腺検査 2012/6/21 参照)、あの子供達も震災時には郡山だったことを思い出した。関係報道を再掲しておくと、J-CASTニュースから、

郡山の4歳児と7歳児に甲状腺がんの疑い!?チェルノブイリと同じ健康被害か
2012/2/23 18:38
http://www.j-cast.com/tv/2012/02/23123195.html?p=all


つづく。但し、新規の点はなくてデータを整理の趣旨)


〔関連記事〕
福島の子供の甲状腺の異常  2012/5/12
甲状腺の異常 〔YNNチェルノブイリ報告から〕  2012/5/30

福島の健康調査 (4) 甲状腺検査 2012/6/21 (既出)
福島の健康調査 (5) 甲状腺検査  2012/9/12
福島の健康調査 (6) 甲状腺の細胞診  2012/9/15 (既出)
福島の健康調査 (8) 甲状腺検査の結果(2012.11月) 2012/11/20 (既出)

〔メモ〕 福島の甲状腺検査への批判 2012/11/30 


〔おさらいメモ〕 ストレス反応とセリエ説

2013年06月04日 |  関連(生物学医学)

〔更新履歴:6/9例示追加〕


 他力本願で、最近眺めていた本
 永井 明 「適応上手」(角川書店、2004.7月)
から、ストレスに関するハンス・セリエ博士の説についてメモしておこう。彼は、セリエ博士の下で学んだことがあるらしい。

 同説のおさらいは、過去記事をどうぞ: ストレス反応と副腎機能 (1) セリエ説 2012/7/31
今回新たな点はないような気もするので、おさらいがメインという感じだろう。


 とりあえず、用語の使い方から。

「ストレス刺激(ストレッサー)」― ストレス回路を動かす外部からの刺激。
「ストレス状態」― ストレス回路が作動した結果、心身に不都合が生じた状態。
「ストレス反応」― これら一連の反応の総称。 (前掲書43頁)


 先ずは、ストレスとは何かについて。

ストレスとは何か

 ストレスというとふつう、「精神的な重圧感」と理解されているようだ。それはそれで間違いではないのだが、正確とも言えない。いわゆる精神的なプレッシャーだけでなく、暑さ寒さ、湿気乾燥、空腹満腹、身体的な痛み、騒音、混雑など・・・極端なことをいえば、ぼくたちを取り巻く自然、社会環境のすべてがストレスを起こしうるのである。

 こうしたストレス刺激がぼくたちのからだに加わると、体内ではまず、大脳新皮質が「どんな刺激が、どの程度の強さで加わっているのか」を認識し、間脳の一部である視床下部というところに信号を送り、脳下垂体から副腎皮質と自律神経系に至るストレス回路を回転させる。ここで重要なのは、刺激の種類にかかわらず(非特異的に)、体内ではじめに起こる反応は基本的にいつも同じ(特異的)―「大脳新皮質→視床下部→脳下垂体→副腎皮質・自律神経系」の順で回路が作動しはじめる。

 仮に強度10の空腹というストレス刺激が加わっても、同じ強度の騒音ストレス刺激が加わっても、からだは同じストレス回路を10回転させ、それらの刺激を適正に処理しようとする。つまり、外部からの異なった刺激に対して同じ仕組みで「適応」しようとするのである。

 [中略]

 「ストレス反応はもともとからだを守るための防衛、適応反応だ。病的反応(いわゆるストレス状態)として心身に不具合が現れてくるのは、その適正バランスがなんらかの理由で崩れたときである。」

 例えば、「寒さ」というストレス刺激にさらされているとしよう。そのときまず皮膚でそれを感知し、「寒い」ことを大脳に伝える。すると、大脳新皮質はストレス回路を回転させるように指令を出し、自律神経系・内分泌系を働かせる。その結果、皮膚表面の毛細血管は収縮し、体温の放出を防ごうとする。また、たとえば筋肉運動によって熱の生産を促す「震え」も同じメカニズムで生じる。

 では、ストレスの何が問題かというと、10の強さの刺激に対して5回転しかしない(刺激強度を5と過少に評価する)、逆に20回転もしてしまう(刺激強度を20と過剰に評価する)。「不適応状態」になり、そのギャップが心身に歪みを生じさせてしまうことだ。一般的には、この状態をいわゆる「ストレス」と言っているわけである。

 なぜ、そうしたことが起こるのか。それは、ぼくたち人間が他の動物に比べてとても大きくなった大脳新皮質をもっていて、良くも悪くもあれこれ感じ考えてしまうためだ。

 動物実験では同じ強さのストレス刺激に対しては、生理的に見合ったストレス反応を生じる。人間の場合はそうならず、ストレス刺激強度の認識の仕方は、百人の人がいれば百通り。・・・ (前掲書40-42頁)


 上記の例の寒さと違い、●の影響の場合、匂いも味もしないので五感に反応しないことが多いだろうから、刺激強度への順応といってもより難しいのかもしれない。この意味で、ガイガーカウンターで空間線量を測ることは、目安が得られることとなり、よいとも考えられる。


 セリエ説の主要な点について。

 セリエ博士の提唱したストレス学説の基本軸となる考え方にGeneral Adaptation Syndrome (GAS) というのがある。日本語訳では「汎適応症候群」。
 
 体外から何らかのストレス刺激が加わると、ぼくたちのからだはそれに対して適応(一定の状態を維持)しようと反応しつづける。ストレス学=ホメオスターシスの動的メカニズムを解き明かす学問と捉えてもいいかもしれない。ストレス反応は固定的なものではなく、時間の経過によって、刻々その姿を変えていくということだ。

 セリエ博士は、いろいろな有害物質(ストレス刺激)によって、体内にはいつも「副腎皮質の肥大」、「リンパ組織の萎縮」、「消化器の潰瘍」という三つの変化が起こることを見つけ、それをストレス反応と呼んだ。

 しかし、研究をすすめていくうち、その変化はじつはストレス反応の一部、初期の反応に過ぎないことに気づいた。ストレス刺激が加わると、たしかに三つの変化は起きる。だが、そのまま刺激が加わりつづけると体内の様子が変わってくる。時間の経過により、ストレス反応はその姿を変えていくことがわかったのである。

 セリエ博士はその変化を、「警告反応期」、「抵抗期」、「疲憊(ひはい)期」の三つの時期に分けて説明している。 (前掲書54-55頁)


 以下三つの時期について詳しい解説は端折って、代わりに短いのを置いておこう。ついでに、冒頭の過去記事でも紹介した記事から、三つの時期の図も借りておこう(京都府精神保健福祉総合センターのサイトの記事「〈ストレス〉 ストレスの仕組み-生物、心理、社会的に見た場合-」 http://www.pref.kyoto.jp/health/health/health09_b.html から)。

図 警告反応期、抵抗期、疲憊期について
注)実線の縦軸は抵抗力の強さ、横軸は時間軸を示す。
出典)前掲記事から。



 あるストレス刺激が加わるとき、生体の抵抗力はいったん低下するが、多くの場合、また持ち直す(警告反応期)。そして、その刺激に対する抵抗力は以前より増加する(抵抗期)。外界の変化に適応するわけだ。ただ、そうした刺激が加わりつづけると、やがて適応エネルギーは涸渇し、抵抗力は不可逆的に低下、心身ともに疲労困憊状態に陥る(疲憊期)。 (前掲書157頁)



 低汚染地から高汚染地を訪問すると、いろいろ反応があらわれる人がいる。典型的なものだと、例えば、ツイッターから、

@trust_5  [北海道在住のヒト]
@kado_kado_ginza @onodekita 私も東京に一泊した1週間後から強烈な頭痛を伴う、高熱が続きました。インフルも陰性、風邪でもないって医者に言われました。疲労、っていう診断。そもそもこの10年くらい発熱などなかったのに。2012年1月の話。
2013/03/20


 このヒトは多分、警告反応が出たということだろう(警告反応が出る前に低汚染地に戻っていたようだけど・・・)。他方、東京に住む多くの人々は、既に警告反応期を過ぎ、余り症状も出ていないようにも見受けられるので、抵抗期にあるということではないだろうか。

 想像するに、●の影響が各個人の耐性限度を超えているということであれば、いずれ疲憊期に陥ってしまう可能性があるだろう。そのような人々にとって、その時期は5年後が多いということかもしれない。ツイッターから、

@tokaiama
巨大放射能事故が起きたのはチェリャビンスク [中略] チェルノブイリに次いで三回目だ。低線量被曝の影響には五年という潜伏期間があり、7年目にピークを迎え、その後数十年に渡って子供達の致死的病気や異常が続く。遺伝障害は7世代に及ぶ 被害は全地球上
2013/3/6 (強調は引用者)


 汚染地に住んでいる場合、現在症状が一旦消失していても、それは抵抗期に入っている可能性があるとも考えられる。従って、移住し、あるいは少しでも抵抗期が長続きするよう、できる限り転地療養に努めることが必要なのかもしれない。

 

・6/9追記:
 低汚染地から高汚染地を訪問した場合の例示については、「典型的な」例と書きつつ非典型だよなと最初から気づいていたのだが(探しきれなかったっス)、反省し補足しておこう。

 先週末に福島で盛大にお祭りが開催されたらしいが、熱中症の人がかなり出たらしい。中日新聞と福島民報から、

福島、東北六魂祭に25万人 千人がパレード
2013年6月2日 19時33分
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2013060201001970.html

福島市内、大混雑
2013/06/02 11:11
http://www.minpo.jp/news/detail/201306028785

 福島市によると、六魂祭の来場者のうち、熱中症とみられる症状で手当てを受けた人は45人で、このうち1人は重症だった。


 この45人の中には、他県からの訪問者が多くいた可能性があるだろう。福島の当日(1日)の最高気温は25度だったらしく、旅行による疲れだけでは説明がつかないということかもしれない。

 仮に抵抗期にない人には影響が出易いと考えれば、市民を怒らせた次の行為は必要だったと理解できるのかもしれない(むやみに近寄らないのが最善策だが・・・)。ブログ「みんな楽しくHappy♡がいい♪」の記事から、

「我々はそれを知らされない」広瀬隆氏6/3脱原発テント裁判を考える講演会(内容書き出し)
2013-06-05
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3033.html

 ここでお祭りをやる、お祭りをやる前に、つまり六魂祭をやる前に福島県が何をしたかというと、「ここを除染をした」っていうんです。
 わかります?それで福島市の人達は本当に内心で怒った。あたりまえですよ。他から人が来るために除染をした。
 そこに住んでいるんですよ!祭りが終わったらまた放っておくんですよ。それが今の状態なんです。


 この例だけだと、ちょっと漠然とし過ぎてるような気もするので、福島へ行った場合の例について、某掲示板の緊急自然災害板から(この辺りを当初探していたのだが・・・)、

313 : 地震雷火事名無し(茸)[sage] 投稿日:2013/03/05(火) 22:54:51.32 ID:CJd1WPAo0 [1/1回(PC)]
  311以降の自分のまわりの人の病気

  友人の父親が突然死60代@埼玉県
  親が肺炎にかかる@東京都

  姉が福島に行ってから動悸が止まらず。医者の診断では不整脈あり。心臓には問題ない。心筋に何かあるかもとのこと。原因は心理的なものでは…(おいっ…)とのこと。@東京都

  毎年、年賀状の喪中ハガキは0~1枚。
  今年、5枚。

984 : 地震雷火事名無し(鹿児島県)[sage] 投稿日:2013/03/15(金) 22:45:58.51 ID:kysSkL130 [2/2回(PC)]
  しかしこっちじゃ危機感ない人多すぎる。
  旦那さんは福島に単身赴任。
  とくに心配していない。
  本人は東京へ遊びに行って最終日に高熱出した。
  被ばくの懸念はしていない。

  他に子連れ一家でねずみーもあり。
  関東長期帰省もあり。

  外国の出来事のように思っている節がある。 (強調は引用者)


 レス984には、低汚染地(鹿児島)から東京へ行った場合に該当するだろう。福島についてもう一つみておくと、同板から、

123 : 地震雷火事名無し(やわらか銀行)[] 投稿日:2013/03/18(月) 21:12:37.93 ID:YN45D0RB0 [1/1回(PC)]
  >>35
  私は食べ物にもすぐ反応するカナリア体質ですが、
  どうしても移動しなくてはならず福島通過したことがあるんですが、
  熟睡していたら、突然胸が締め付けられるような激しい痛みで目覚めました
  慌ててガイガー取り出したら、警報がびーびー鳴り止みませんでした。
  外を見ると福島通過中だとわかり、自分の身体が反応したんだと分かりました。
  長いこと苦しみがとれず、ここで死ぬのかなと思いました。
  [以下省略]

124 : 地震雷火事名無し(東日本)[sage] 投稿日:2013/03/18(月) 21:26:10.30 ID:7KrPh5oc0 [2/2回(PC)]
  >>123
  移動中の福島でも反応が出るなんてすごいな。
  当方は福島通過時は何も反応が出ないし東京と同じ状態だったんで拍子抜けしたんだが。
  さすがに福島県内で外に居る時はN95マスクに帽子、眼鏡でフード被って防御はしてたけど。
  今、反応が出なくても反動で何年後かに一気に被曝症状が襲ってくるかも知れない。 (強調は引用者)


 レス124のヒトは、東京在住のようだが、問題なかったらしい。もともと強い体質のヒトなのかもしれないし、あるいは、東京在住のため抵抗期に既に入っており、ある程度の予防もするなどストレス刺激の捉え方が丁度よい塩梅だったということかもしれない。


 次に、低汚染地(関西など)から東京へ行った場合の例について、直接関係ない情報も有益そうなので削除せず掲載してみると、同板から、

927 : 地震雷火事名無し(神奈川県)[sage] 投稿日:2013/02/13(水) 04:12:28.64 ID:h8geDRY+0 [1/2回(PC)]
  老けてない人もいるよね。
  気をつけてる人はずっとキレイなのかな?

  頭がボーとしていて、モヤがかかってるみたい。
  よくイライラするし忘れっぽい。
  鍵を忘れたり、車に付けっ放しにしたり、サザエさん状態は日常茶飯事………、
  それと平成23年の記憶がほとんどない。
  ショック過ぎて農が忘れたいのかもしれないけど。
  一昨日の記憶は怪しい。
  思考力がほとんどない。わからない。頭にはいってこない。会話がズレる。
  どうしたらいいか考えると眠くなって疲れる。
  見た目が老けたくらいで仕事できてる芸能人はまだ健康だと思うよ。

932 : 地震雷火事名無し(茸)[sage] 投稿日:2013/02/13(水) 08:46:01.37 ID:SgaVVdEA0 [1/4回(PC)]
  927は放射性物質吸い込んだときの典型的だよね。考えられなくなり、頭がぼーっとするの

933 : 地震雷火事名無し(神奈川県)[sage] 投稿日:2013/02/13(水) 08:48:08.81 ID:h8geDRY+0 [2/2回(PC)]
  >>932
  そうなんだ…
  確かに3月20前後、外にいた。コストコの屋上駐車場にいたんだよなぁ。

  やられたか。スピルリナ飲んできます

934 : 地震雷火事名無し(茸)[sage] 投稿日:2013/02/13(水) 09:27:32.14 ID:SgaVVdEA0 [2/4回(PC)]
  >>933
  自分も元神奈川県民だけど、
  たまにデトックスで、今だったら兵庫真ん中より西に旅行すると(北九州の近く除く)アタマがクリアーになると思うよ。本当は引っ越しがいいけど、難しいなら。
  中国のガスは意外にデマじゃんと身をもってわかるw

935 : 地震雷火事名無し(関東・甲信越)[] 投稿日:2013/02/13(水) 09:50:01.15 ID:GiF53mv7O [1/2回(携帯)]
  >>934
  関西への避難民だが、たまに東京へ行くとアタマが痛くなる。耳鳴りなんかもあるし@姫路

937 : 地震雷火事名無し(dion軍)[] 投稿日:2013/02/13(水) 09:53:46.60 ID:pbGTdy870 [1/3回(PC)]
  東京に1週間いたら頭がニキビだらけになったよ 空気が汚染されすぎじゃね
  頭にニキビなんて出来たことがなかったけどね (強調は引用者)


 レス935のヒトは、低汚染地(姫路)から東京へ行った場合で、レス937のヒトは、居住地不明だが東京へ行って頭皮に湿疹がてきたということらしい。


「コルチゾール過剰症候群」 (9) 筋力低下

2013年06月01日 |  症例(その他)

 心臓病の脇道は休止として、久しぶりにこのシリーズも進めておこう。はじめての方は次の過去記事参照: コルチゾール過剰原因説 2012/8/8


(9) 筋力低下

 先ず、コルチゾールの作用のおさらいから。

 コルチゾールの作用は大きく分けると3種類で、抗ストレス作用、エネルギー源の産生、エネルギー消費の抑制となる。このうち、エネルギー源の産生には2種類あって、一つはタンパク質などから糖を合成することであり(糖新生)、もう一つは脂肪を分解することである(得られた脂肪酸とグリセロールについては、前者は細胞でエネルギーに、後者は糖新生の原料に)。詳しくは、過去記事を参照: ストレス反応と副腎機能 (2) 抗ストレス・ホルモン 2012/8/5


 コルチゾール過剰の環境にあれば、エネルギー消費を抑制する観点から、闘争・逃避に即座に役立たないタンパク質の合成が抑制され、また、体内で糖分が足りないと判断されるときには、糖新生が行われることとなる。糖新生の原材料であるタンパク質は主に筋肉からのものなので、筋肉においては、タンパク質の新規補充も抑制されつつ糖新生の亢進した状態となり、これが長期にわたると筋肉の機能低下が顕在化することとなるだろう。


 ステロイド剤による筋障害は、ステロイド筋症(あるいはステロイド・ミオパチー)と呼ばれている。筋肉が萎縮するということらしい。サイト『筋疾患百科事典』から、

Ⅱ.筋原性疾患(myopathies) - 8. ステロイドミオパチー(steroid myopathy)
http://www.jmda.or.jp/6/hyakka/kin240.htm#%3CB%3E%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%9F%E3%82%AA%E3%83%91%E3%83%81%E3%83%BC%3C/B%3E

 Cushing症候群や、治療としてのステロイド投与で、近位筋優位の筋力低下をみることがあります。ステロイド投与開始して3ヶ月以降に症状が出現することが多いのですが、投与量、投与期間と症状は必ずしも一致しません。ステロイドを減量するか、中止することにより筋力は回復します。
 血清クレアチンキナーゼ(CK)値は正常か、軽度上昇程度です。筋生検ではタイプ2(白筋)線維萎縮を中心とした筋原性変化をみます。

 
 筋萎縮についての分子生物学的なモデルについては、日本リウマチ財団ニュース(http://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/rm220/news.html)の記事から、

日本リウマチ財団ニュースNo.109  2011年11月号
ステロイド治癒の現在 ステロイド治療薬の今後を占う
http://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/rm220/pdf/news109.pdf

図 ステロイド筋症の分子機構(仮説)
注)「異化プロセス」はタンパク質の分解、「同化プロセス」はタンパク質の合成の意味。
出典)前掲資料4頁。



[田中廣壽 氏(東京大学医科学研究所付属病院アレルギー・免疫科准教授)]
 骨格筋量の調節機構に関する理解はこの10 年くらいで飛躍的に高まっています。成人では,筋タンパクの合成と分解のバランスによって規定されているようです。
 最近では,筋萎縮はある種の遺伝子発現プログラムによってきわめて精緻に制御される能動的プロセスであるとされています。筋肉の遺伝子発現に与えるステロイドの作用を見ると,ステロイド受容体は複数の遺伝子発現プログラムを合理的に動かして,ユビキチン- プロテアゾーム依存性タンパク分解,オートファジーを促進させ,その一方でタンパク合成を抑制するのです。タンパク合成のカギ分子はmTORといわれるセリンスレオニンキナーゼですが,実はこのmTORを活性化すると,タンパク合成が上がると同時にステロイド受容体の働きをブロックすることがわかりました。ですので,GR[(ステロイド受容体)]とmTORはシーソーみたいな関係です。
 GRはタンパク分解,mTORは合成の,各々カギ分子として互いの働きを抑制しあっています。進化の過程では,飢餓などによってストレス時にステロイドが分泌され,骨格筋の分解によってエネルギーをうまく取り出す機能が重要だったのでしょう。もちろん,ちゃんと食べると,それこそインスリンなどを介してmTORが活性化され,筋萎縮のプロセスもシャットダウンされる。このように,ステロイドが巧妙に筋肉を使って代謝をコントロールしていることが分かりました(Shimizu, et al., Cell Metab. 2011;13:170)([上図参照])。この研究成果から,ステロイドによる筋萎縮に対するmTOR 活性化療法という新しい治療法開発のヒントが得られたわけです。 (前掲資料4頁)


 筋萎縮が起きると、場合によっては筋細胞が破壊されることもあるだろう。心筋の場合は再生しないといわれているが(そのため一旦壊れると問題が大きい)、骨格筋の場合は、再生するとされているが、それにも自ずと限度がある。特に、高齢者では、加齢による筋力低下とともに再生能力も低下しているはずで、問題化しやすいと思われる。日本筋ジストロフィー協会のサイトから、

筋肉再生の報道について
2002/10/02
http://www.jmda.or.jp/6/saisei20020924.htm

筋細胞の再生について

    筋ジス研究班班長 清水輝夫

  [中略]

 骨格筋は、胎児の時期そして生まれて成長する過程で、未分化な細胞が分裂して数を増した後に、細胞同士が融合して大きな長い細胞に分化することによりつくられる。分化した細胞は次に成熟して、収縮するはたらきをもった筋細胞ができあがる。成熟した筋細胞は、その中に収縮をになう微細な構造がぎっしりつまっているために、収縮できるわけである。このような分化した筋細胞や成熟した筋細胞は、もはや分裂しないと考えられていた。
 一方、骨格筋に損傷が起きた場合には、その骨格筋を修復するために再生が起こる。この再生には、成熟筋細胞のかたわらで分裂せずに寄り添うようにして存在している未分化な衛星細胞が、中心的な役割を果たす。すなわち筋細胞の損傷などにより、衛星細胞が活動状態になり分裂して数を増す。分裂した細胞同士は分化して融合し、さらに成熟することにより、もとのように骨格筋を再生する。しかし衛星細胞はある程度までしか分裂しないため、損傷した箇所が大きい場合には、再生はある程度までは起きても、損傷箇所すべてを修復するには至らない。


 3.11後の状況の参考になるかもしれないので、ステロイド剤による筋力低下の具体例をみておこう。最初は、何故か動物の場合から(紹介しないとうなされそうで・・・)。ブログ「フェレットの飼い主さん御注意を!悪質獣医がいます気をつけて!」から、

実例ケース2 ・ Bさんの被害 (ステロイド長期大量投与)
2006/4/22
http://blogs.yahoo.co.jp/puratina9999/3094811.html

 Bさんのフェレットは6歳。もう老齢でした。・・・

・・・実は、それはステロイドの副作用で、後ろ足の筋肉が溶解したため、歩きにくくなっていたようなのですが、悪徳獣医は、それを、検査もしないで「神経の病気、脊髄神経の問題、腰も痛いです。」などと言って、さらにステロイドを投与し続けたのです。


 次は、人の場合で、免疫疾患(SLE。全身性エリテマトーデス)でステロイド剤を摂取していた例をみておこう(但し、3.11前)。ブログ「一歩一歩!振り返れば、人生はらせん階段」から、

「ステロイドによる骨格筋の筋力低下」についてのアンケート
2010年 10月 23日
http://ippoippo51.exblog.jp/14844674

 実は、「ステロイドによる骨格筋の筋力低下」は、ステロイドを服用し始めた25年前から私を悩ませていた副作用の一つだった。
入院してステロイド12錠で治療を始めたが、しばらくして、歩行中に違和感を覚えるようになったのだ。床の踏み心地が変なのだ。何か、ふわふわした感じがするのだ。安定感がないような感じ。滑ってこけそうな感じ。
だから、病院の廊下を歩くときは、必ず手すりを持って歩くようにしていた。
主治医に告げたら、「ステロイドの副作用で筋力が低下しているのだと思うから、転ばないように気をつけてください。」と言われた。病院のお風呂で鏡に裸姿を映して見たとき、お尻の筋肉がゲッソリと落ちていることに気がついた。

 退院後、股関節の激痛が度々起こり、「すわ、骨頭壊死か?」と心配したが、整形外科で診てもらうと筋力低下が引き起こしている痛みだと言われた。ステロイド減量と運動による筋力強化が解決方法だが、当時はSLEも安定せず、腎臓が悪くて安静状態で、我慢するよりなかった。

 やがてステロイドが減り、少しずつ働けるようになり、趣味のハイキングや軽い登山を始めたら、しばらくして、膝に痛みが出るようになり、これも「すわ、変形性膝関節症か?」と心配したら、膝の半月板損傷とのことで、手術した。
半月板が壊れるような激しい運動はしていないから、軽い登山が原因ではないかと思う。膝に負担がかかったのに、筋力低下で支えきれなかったので、半月板に負荷がかかり、痛んだのではないかと思っている。


 最後に、免疫疾患(多発性筋炎)でステロイド剤を摂取していた例を紹介しておこう。ブログ「自作PC」から、3.11後の例だと思うけど、

ステロイドミオパチーと筋炎
2011年11月30日
http://jisakupc.ddo.jp/2011/11/miopachy.html

 私の場合は、上肢近位筋の筋肉痛や脱力は一時的(数日)で終わりましたが、下肢近位筋(主に大腿部)は今のところ筋肉痛の様な痛みはありませんが、時々『ピリッ!』とした感覚が走ります。この感覚は入院中にも有り、この時には皮膚の表面近くが酷く痛かったのを覚えています。

 脱力もこれに合わせるように強くなってきました。またそれに伴い筋肉の質が変わってきた様に思えます。固かった筋肉質が、ぷよぷよの柔らかい筋肉質に変わって来た感じが致します。

  [中略]

 それと、筋肉の萎縮も同様に感じ取れます。同じ体制で物を掴んでいると、その形のまま萎縮してしまいます。手の平がお椀の形の様に成り痙ってしまったり頻繁にこの症状が出て来ます。

  [中略]

 ついでにオマケが有るようで、かなりキツイ肩こりが出て来ます。


 ちなみに、多発性筋炎の解説については、gooヘルスケアから、

多発性筋炎、皮膚筋炎
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10T10200.html


 以上の例によれば、筋力低下が本態だが、筋力低下が引き起こす関連の症状にも悩むこととなるらしい。


 3.11後における筋力低下の疑わしい症例をみておこう。手抜きで過去記事発掘にたよると、高齢者については、次で言及した例が関連している可能性があるだろう。

   〔メモ〕 被災地高齢者における歩行困難の増加 2012/10/30

 この流れだと、「足腰フラフラ病」というのが出てきた次の過去記事も関連しているのかもしれない。

   NHK番組「ためしてガッテン」 (4) 姿勢制御系(体性感覚)の機能低下 2012/12/8


 また、子供については、次の過去記事で指摘した運動能力の低下が関連しているのかもしれない。

   子供の体力・運動能力(2011年) 2012/10/13


 以上の例であっても、個々にみれば、全てがコルチゾール過剰のせいではなく、他の要因も多分寄与しているのだろう。コルチゾール過剰経由の影響とそれ以外の経路の影響を区別するのは難しいと思われが、最も影響がある要因は、筋肉にとある核種が蓄積することと考えるのが妥当なのかもしれない。以前にも紹介した記事だが、朝日新聞から、

筋肉のセシウム蓄積は血液の数十倍 警戒区域の牛を調査
2011年11月25日15時7分
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201111250281.html
 

 このような核種濃縮経路以外の要因も考えられるだろう。例えば、高齢者の場合は、うつ病経由(これが増加する点はまた別の機会に)あるいは慢性疲労症候群経由(関係の過去記事はココ)で活動が減った結果歩けなくなってしまったとか、骨粗しょう症経由(関係の過去記事はココ)で骨折した結果歩けなくなってしまったとかも混じっている可能性があるだろう。また、子供の場合は、成長障害の経路(関係の過去記事はココ)や甲状腺疾患が関係していることもあると思われる。