ヒト遺伝子想定的生活様式実践法

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糖質制限食で不健康が解消しないときは?

2024年02月04日 | その他健康・医療

 現在のこのブログのテーマは、生物進化と免疫系に関する知識を使って健康を推進(不健康を解消)しようというものである。このために西原-安保説に立脚すると、

ヒトの進化過程でみられた生活様式に則り平時の免疫力(基礎免疫力)を高く維持する必要がある

ということになると考えている。

 現在のブログ・タイトルは、生物進化の面を強調する感じで「ヒト遺伝子想定的生活様式実践法」となっているけど、別の方向から免疫系の面を主軸にした感じの表現にすると

 「免疫力消耗的生活習慣排除実践法」

になるのかもしれない。平時の免疫力のおよその高さは個人の体質で規定されているとみられ短期的に変更もかなり難しいだろうから、不健康モードにある際は、基礎免疫力仮説を前提として、免疫力を消耗する悪しき生活習慣(免疫力消耗的生活習慣、免疫消耗)を排除しておくことが重要だろうという見方である。

 

 前回記事は、このような認識に基づいて方策を検討するために、考え方を整理しておこうという趣旨のものである。

 西洋薬の中でも効き目のあるとされる抗生物質でも細菌の増殖を抑えるだけであり(殺菌作用はない)、免疫力が低下していては期待される効果が得られないであろう。また、免疫力が高まっていても、その時期が重要である。インフルエンザにかかり高熱が(注1)、あるいは何かにアレルギー症状が出ている際に免疫力が高まっているのは間違いないが、不健康モードに入ってからの免疫力の高まりは症状の軽重とは関係してくるが、健康を維持する段階(それぞれの症状の出る前の段階)のものとは別物と言えるだろう。

 

注1)ついでに高熱の意義を書いておこう。体温40度、深部体温39度程度の高熱になると、免疫力が高まるのは当然として、細胞分裂が平時の1/200くらいになるという説もあり(細胞内において酵素類の活性が高まりミトコンドリアの活動が円滑・活発化するほか、熱ショックタンパク質によるタンパク質の修復やオートファジーが活性化するなどのため細胞寿命が延びるものと思われる)、宿主の細胞分裂を自らの増殖に利用するウイルスの場合、増殖が抑えられることとなる。

 

 以上の考え方を逆にたどれば、次のような流れが推奨されることになるだろうか:

 不健康を解消したい
 → 高い基礎免疫力が役立ちそう
 → そのためには免疫消耗の排除なら手軽に出来そう
 → 免疫消耗はヒトの進化過程でみられた生活様式だと少なそう(特殊な体質でない場合。注2)

 

注2)特殊な体質の人は、ヒトの進化過程でみられた生活様式をそれほど重要視せずに、体質にあった免疫消耗を排除する策を考慮する必要があるだろう。例えば、超小食で体調が良いなら、それでかまわない(食事量については、免疫力を消耗させる要因になり得るが、一般的にはある程度以上摂らないと問題が出やすいことから当初は考慮外の扱いにした方が良いだろう)。
 

 

 さて、糖質制限食で不健康モードが解消しないときは、どうすべきか?

 免疫消耗の排除的に考えると、食性よりも「体を暖めて冷やさない」という点がより重要であろう(ヒトは恒温動物の故)。2-3日間食べなくとも死ぬことは稀だろうが、2-3時間体を冷やして風邪を引き更に無理をして肺炎になり死にそうになるというのはあり得るパターンであろう。

 上記疑問については、以前に某ブログのとある記事を見ていて考えたことがあって、その際に投稿したコメントの主要部を(手直しするのも面倒なので手抜きをして)再掲して回答の代わりにしておこう(昨年4月の時点の認識に基づくもので、用語の使い方は現在と異なる部分は、適宜類推されたし。コメントの文脈としては、アトピーなどのために糖質制限食を始めて機能性低血糖があることが判明し改善したがアトピーは変わりがなかったという人に向けたもの):

 

アレルギー症状は免疫系の荒技処理モード

・ヒトの体内で老廃物・異物の除去は、普段は不快な症状なく行われている(穏便処理モード、平時モードと言える)

・普段の免疫力(基礎免疫力)が低下する、異物が過剰になるなどして除去処理に支障が出てくると、免疫力を増強するスイッチが入り、不快な症状が出現し易くなる(荒技処理モード)

・このような不快な症状の代表例としては発熱、倦怠感があるが、とある一定範囲のものはアレルギー症状と呼ばれている(アトピーの場合は異物を体表から追い出す動きが原型となる症状と、花粉症などの即時型アレルギーの場合は異物を入れないよう洗い流す吐き出す動きが原型となる症状と解される)

・ステロイドなどの免疫抑制剤を使うと、増強された免疫力(増強免疫力)を削ぐことができ不快な症状が軽快することがあるものの、基礎免疫力という本質は変化していないことから免疫力増強スイッチを切ることに繋がらないことも多い(根治には脱免疫抑制剤が必要ではないか?)

 

基礎免疫力を高く維持するには?

・普段の疫を免れる力(基礎免疫力)は、外来体の侵入防御能力と、老廃物・異物の除去能力の余力という二つの能力の兼ね合いで決まると解される(荒技処理モード時の手法についてみれば、例えば、発熱やアトピーは除去能力の増強効果を、倦怠感(必須活動以外の活動制限)や即時型アレルギーは老廃物・異物の抑制効果をもたらすのだろう)

・これら二つの能力(侵入防御と除去能の余力)を高く維持する手法としては、ヒトの御先祖様から引き継いだ遺伝子が想定している生活様式をなぞる(ことにより遺伝子が持つであろう自動制御機能を最大限引き出す)のが、手軽で安上がりだろう

・そうすると、前者の能力を高く維持する手法としては、

-夏井式療法(皮脂防御を温存するノー石鹸・ノーシャンプー法。皮脂が出にくい体質なら代替物を補充するワセリン頻回塗布)、
-西原式療法(粘膜防御を劣化させる局所低体温を避けるために、口呼吸を多用しない、冷飲食をしない)などがあるだろう。

・後者の能力を高く維持する手法としては、先ず

-江部式食事療法(糖質制限)
があげられる。その他としては、安保式療法と解される
-低体温の解消(江部式食事療法でも起こり得るほか、適度な運動、十分な日光浴、入浴など)、
-過剰なストレスが生じないメリハリのある生活(御先祖様のように、日中活動・夜間休息が基本。骨休め不足のハリハリ生活は交感神経優位を、一日中不活発のまま心安からに過ごすメリメリ生活は副交感神経優位を過剰に招き易く不適)などがあるだろう。ついでに、遺伝子想定的生活様式により健康を維持する観点からは無視することができそうもないので、カズンズ式療法と解される
-笑いの絶えない生活(「笑う門に福来る」とあるように御先祖様の遊動生活は笑いに満ちていて基礎免疫力も高水準だったと推測される一方、現代はストレス社会で笑いが減り、本来の能力が発揮できていないのだろう)も追加しておこう。(了)

 

 思ったより長くなったので、そろそろこの辺りで・・・。要は、不健康モードを解消するためには、先ずは現代生活で起こり易い免疫消耗(免疫力消耗的な生活習慣)を回避した方が良いだろう、ということである(その主な回避策は上記の再掲文を参照。注3)。

注3)糖質制限の次に実践した方が良いのは、口呼吸の多用の是正(鼻呼吸の常態化)、冷飲食の回避だろうか。

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