ヒト遺伝子想定的生活様式実践法

2023年8月にテーマ・タイトルを変更(旧は外国語関連)
2015年4月にテーマ・タイトルを変更(旧は健康関連)

はじめに・・・

 外国語テーマも長く続かずなので、従来の健康ブログに戻してみようかと思いまして・・・ 備忘録的に残しておくと旧タイトルは「タイ語、漢字を使って覚えるの?」でした。(2023.8月記)

 従来の健康ブログ時に記事を書いていて、何故か、そろそろ外国語でも勉強した方がより良いかなーと思いつきまして、以来ちょこちょこと続けてきましたが、なんとなく、ある事を覚えると別の事を忘れてしまうモードに入ってしまったようで、知識量が停滞しつつあるような感じになりました。

 そこで、本ブログを外国語学習ブログに変更して、自分の備忘録的にまとめておこうかなと思いまして・・・。

 しかしながら、少し飽きたのか内容を増やしすぎたのか、書くのに手間がかかるようになり、時間がとれない時は、別ブログ「単語帳の素材?」にてライトな記事を書くことにしました。(この別ブログも徐々にライトでなくなり、記事を500本ほど書いたところで滞り中・・・)

 なお、健康ブログ時代の記事は、コチラの 入り口 からどうぞ。(2015.4月記)
 最近の健康系記事はカテゴリー「タイ語以外(健康2019)」からどうぞ。

BMI と尿酸濃度 (10) 緩めの糖質制限の詳細

2015年02月10日 | タイ語以外(健康2019-21、尿酸)

〔投稿日:2021-7-24、2021-8-1追記〕

 

 前回記事のグラフに関する事項を列挙しておこう。

 

1. 最近のBMI・尿酸値・糖質の制限状況など

下記(2)の時点の特異値を除くと、緩めの糖質制限食下でも従来のBMI-尿酸値のトレンド線に戻った感じがする:

(1) BMI18.5 -尿酸値6.0(従来、普通の糖質食でカロリー低め)
(2) BMI18.2 -尿酸値7.7(糖質制限3か月経過、
多分PFC=23:55:22でC=80g/day)
(3) BMI16.6 -尿酸値5.6(今月糖質制限11か月経過、PFC=17:57:26でC=92g/day)

尿酸関連の特記事項:
(1)の頃:体調良好。サプリなし、毎日飲酒。
  BMIからの推計尿酸値は6.4。

(2)の頃:体調良好でない時あり。ナイアシン500mg/day(皮膚症状対策)

  毎日飲酒(すこし増えたかも)
  BMIからの推計尿酸値は6.3。

(3)の頃:体調良好。アンセリン40mg/day、チーズ20g/day、

  毎日飲酒(元の量に戻ったかな)。肝機能少し悪くなる。
  BMIからの推計尿酸値は5.7。

 

2. 体感からの推論
 
(1)上記1.(2)の時点
 次の二つの主因で尿酸値が1.4ほど推計値から上昇したのかもしれない :

(ア)主燃料の変更(糖質から脂肪酸へ)・変更直後の燃焼非効率性(糖質メインから脂肪酸メインへの 設定変更に時間を要し、変更当初は非効率の故、無駄炊きが増える)により酸素消費が亢進し抗酸化物質である尿酸の需要が上昇(山勘だと、0.5-1.0くらい?)
(イ)ナイアシン摂取(下肢全体に出た皮膚症状への対策のため摂取し、著効)による尿酸値の上昇(山勘だと、0.5-1.0くらい?)

 この頃は、痩せすぎないように、また、江部康二氏によれば「尿酸値が上昇するのは 摂取エネルギー不足のことが多い」で、かなり食べていたところ 。結果としては、食べ過ぎであった感じ(糖質制限だと食べ過ぎでも太らないので、すぐに分からないのだろう) 。

(2)上記1.(3)の時点
 上記のア・イの要因はなくなったので、推計値付近に回帰したのかもしれない。

 タンパク質の割合を減らしたのは、お腹の調子が悪いことが多くなってきたため。変更直後の燃焼非効率性が解消されると、タンパク質を燃焼する機会・量が減たのかもしれない。このため、タンパク質が吸収されず、腸内の有害菌の餌となり、悪さをしていた可能性が高い。

 実際、タンパク質摂取を体重1kg当たり1.2g/dayだとほぼ問題がなく((3)の頃の数値)、体重1kg当たり1.35g/dayだとだいたい問題が出て、その間だとマチマチの感じ。

 BMI18.2から16.6の低下は、快食・快便になるようタンパク質の摂取量を減らした(ついでに食物繊維は増やした)結果であって、摂取量を守る以外なんの努力もしていない(空腹感もほとんどなし)。
 
(3)現状
 現状では、タンパク質の摂取量を減らして体重1kg当たり1.0g/dayにして、アンセリン摂取を取りやめて観察中。

 

3. 体感からの体質の分析

 全体を整合的に説明できそうなのは、自分の体質は、糖質制限の際に

補酵素NAD(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド)の酸化還元リサイクルの脆弱性が露呈し易い

ということかもしれない。

多くの人にとっては、訳の分からんリサイクルとは思うけど、このリサイクルは個人的な理解だと、
「空きっ腹で酒を飲むと、悪酔いし易い」
という酒飲みにとっての定説?に関連している気がしている。
 
 NADの酸化還元リサイクルは、次のような感じ :

還元型NAD(NADH2+):電位が高くエネルギーを持ちこれを放出して元に戻る
↑(注1)   ↓(注2)
酸化型NAD(NAD+)

注1:アルコールの代謝(エタノール分解、アセトアルデヒド分解)、脂肪酸の代謝(β分解、燃焼)
注2:糖質の代謝(呼吸鎖)
 

 空腹時だと、酸化型NADが減りすぎてアルコール代謝が滞り、エタノールやアセトアルデヒドがいつもより長く漂うことになるので、悪酔いし易くなるのだろう。
 
 飲酒する人が糖質制限をすると、脂肪酸代謝の亢進、糖代謝の低下がおこるから酸化型NADが更に不足し易くなるようだ。

 酸化型NADがかなり不足すると、皮膚症状(色素性痒疹様、悪化したとこはペラグラ様)が出る体質のようで、糖質制限開始後(ナイアシン摂取中止後も)2週間半くらいで問題が出始めた。

 ナイアシンは体内で酸化型NADに代謝されるので、摂取するとボトルネックが解消されることになるのだろう。実際、ナイアシン摂取中は「ナイアシンによるウワバミ化」が起こっている感じでかなりお酒に強くなったところ(採血の前には酒量を落としたけど) 。

 直近の肝機能が少し悪かったのも(酒にも弱くなっている、「糖質制限による下戸化」)、酸化型NADの不足だろうとみている。 (追記:脚注1)
なので、酒量を減らすか、糖質を増やすか、ナイアシンを摂取するかが必要がなりそうだが、タンパク質の役割がよく分からないので、タンパク質の量を減らして様子をみているところ。
 
 
4. まとめ(あとに続く人へ)

(あ)BMI-尿酸値の関係は、緩めの糖質制限によってその傾向が変わらないのだろう
(い)糖質制限の導入期の色素性痒疹には、高容量ナイアシンが著効するかも
(う)糖質制限食がしっくりこない時は、江部康二氏の言説を当てにしない方がよいかも
(え)糖質制限の導入により尿酸値が上昇した後下がらない時は、タンパク質の摂取量を管理するとよいかも
 

(あ)については、Cが90g/dayの緩めの糖質制限だと、BMI-尿酸値の関係のトレンドは変わらないのではないかと思われる。但し、糖尿人がやるような厳しめの制限ならトレンドが変わり、新境地が開けるのかもしれないという可能性は残っている。

 自分はもともと痩せガリの家系の人のようで、BMI 21-22だと尿酸値7.3-7.7くらいと推計される。 肥満の痩せガリの体質の者が緩めの糖質制限を始めたとしても、トレンドは変わらないといことなら、BMI 21-22に落としても高尿酸を脱出するのは難しそう、ということを意味する。

(い)については、既出の説明があるので省略。
なお、国内サプリメーカーのビタミンB群を日量3倍増し(ナシアシン120mg/day)では効かなかった点は補足したおこう。

(う)糖質制限の第一人者と言えば江部康二氏だろうけど、彼の経験は、膵臓が疲弊した集団に対し糖質制限を実施した場合のものだろう。同集団は普通の人々(糖質食に適応が進んでいる人々を含む)に比較すると糖質食は向かずに糖質制限食に対応し易い可能性があるだろう。江部氏の言説は大筋は問題ないけど、より細かい話は当てにしても仕方がないことも多いだろう

(え)これは山勘の類だけど、当初減らした糖質をタンパク質で置き換えるイメージで糖質制限を始めたけど、上手くいかなかった。多分、減らした糖質を脂質で置き換えていくというイメージ(タンパク質をそれほど変えない)の方が回り道をせずにすんだのではないかと思っているところ。

 

5. その他雑感

(a) 脚の攣り(課題)
 糖質制限開始後2-3週して明け方にふくらはぎ・足が攣ることが多くなったためサプリ(マルチミネラル)服用開始し、ほぼ防止可能へ。今はサプリ日量の1/3で対応しているが、豆腐製造用のにがりを小まめにとってサプリの代わりにしたいところ。

(b) 体重維持が糖質食より楽
 糖質食だとBMI18.5を維持するのは楽ではなかった。一つには、糖質食のカロリー制限だと消費カロリー>摂取カロリーにする必要があって、そのため、
   基礎代謝の低下→食べる量が同じでも体重増加→食べる量を減らす
という「楽させないぞスパイラル」に陥っていたためだろう。糖質制限食に切り替えると、基礎代謝が上がってそのまま安定化した感じで、強い空腹感を感じることも稀。

 また、糖質制限食だと、脂質割合が5-6割を超えてくるので脂質は必要な量しか吸収されない (脂質は血液に混ざらないので、血液中を移動するには脂質を運ぶ船に乗る必要があるが、船の数は有限で必要数しかない。不要分は排泄へ)ためか、「カロリー計算論」は破綻する感じかな(不要分が出る状態が「高栄養食」で、この状態だと基礎代謝は高いまま調節され、糖質食は「低栄養食」なので状況によっては基礎代謝を低下させる印象)。

(c) 耐寒・耐暑性の向上
 多分基礎代謝の上昇によるものだろう。糖質制限を開始後2-3日で手先・足先がポカポカして喉あたりが張る感じ(甲状腺でホルモン増産のためか)。制限開始前はカロリー制限していたので四肢の血流を絞って省エネしていたのだろう。冷えが解消し冬期間過ごしやすくなる。
夏は、血流増加で散熱もよくなり、皮膚でミネラル分が再吸収されてか汗もサラサラ化して過ごしやすくなった感。
 
(d) 検査数値が多数改善
 8年前くらいの数値に改善した感じ。血圧、ヘモグロビンA1c、眼底、 クレアチニン、心電図(洞性頻脈が所見なしへ)。なお、血圧と心電図は、(3)の頃は運動不足を反省し、 室内体操10分/day(歩くより息があがる程度)を取り入れたため好転したのかもしれない。

(e) エンゲル係数
 当初は高タンパク質の食事なのでかなり上がって何とか給付金が食費に化けた感じがするけど、今は従来と同程度のたんぱく質量なので元に戻ったか、少し高いかくらいだろう。

(f) 痩せた
 現状夕食後だとBMI 17.1くらい。糖質食の集団から導き出した結論を気にしても意味は薄いだろう。体調は良いし、太るよう元に戻す方法も分かっているから、まあいいかという感じ。

(g) タンパク質の計算が面倒(課題)
 タンパク源によって含有量がかなり違うので、暗算が難しい。新しい知見が得られなくなって人体実験を止める頃には、感覚的にはじき出せるようにしたいところ。
 
=================================
注1)いろいろ調べると、酒量は関係なくて、主燃料の変更に伴う燃料貯蔵システムの必然的な変化によるものかもしれない。とりあえずの仮説としては、
 
・主燃料が糖質から脂肪酸に変化した
・痩せて内臓脂肪が一定量以下になった
 
ような場合には、従来の燃料(糖質)貯蔵システム(グリコーゲンの貯蔵)が十分機能しない可能性に備えて異所性脂肪による燃料(脂肪酸)貯蔵システム(脂肪肝、脂肪筋)が稼働し出す感じで、貯蔵された脂肪滴の利用は、各組織でのリポファジー(選択的オートファジーの一種)によるのだろう。
 この線の見立てが合っているとすれば、いわば「善玉脂肪肝」であり肝機能の数値の多少の悪化は気にしなくてよいということになりそう。

BMI と尿酸濃度 (9) BMI尿酸値の散布図を更新

2015年02月09日 | タイ語以外(健康2019-21、尿酸)

〔投稿日:2021-06-26。2021-7-23更新〕

 

 最近のデータを入れたグラフができたので、貼っておこう。

 

 

 緩めの糖質制限(1日当たり糖質90g前後)を開始して3か月経過で血清尿酸値が7.7まで上昇したが、いろいろ工夫をした結果、5.6まで低下した(糖質制限11か月経過)。

 

 糖質制限食においても、糖質食の頃のトレンドが適用になっている

という可能性がある点が新たな発見かもしれない。


BMI と尿酸濃度 (7) 尿酸サンキューず論

2015年02月07日 | タイ語以外(健康2019-21、尿酸)

〔投稿日:2021-3-14〕

 

 いろいろ話をこねくり回してきたけど、現状、高尿酸だけど低下薬を飲みたくない派を支援する考えをまとめておこう。

 

尿酸サンキューず(3Qs)論

Q1:尿酸はヒトの体内で主にどんな役割?
A:主な役割は痛風関節炎を引き起こすことでなく、早期老化の防止なのだろう。
 尿酸は体内で産生可能な強力な抗酸化物質であり、血清尿酸値は酸化ストレスが亢進し過ぎないようバッファーとしてダイナミックに調節され、もって早期老化を防いでいるとみられる(抗酸化での尿酸バッファー説)。
 例えば具体的には、尿酸には中枢神経系の神経細胞を保護する作用があることが平成の間にほぼ定説化しているとみられる。

 

Q2:高尿酸になるのはどんな時?
A:新陳代謝が活性化するとき、あるいは活性化しそうなときに抗酸化物質が多い方が好都合であり、主に以下の7つの場合がある(6及び7は新陳代謝が活性化しそうなときに関連):

(1)脂肪が付き過ぎたとき
  (この上昇はBMI上昇によく相関、BMI3増で尿酸値1.1増が目安。脚注1)
(2)激しい運動をしたとき(例:筋トレなど)
(3)食事を摂取したとき(毎食。一時的なこと多く、変動幅0.5~1.0くらい。脚注2)
(4)アルコールを摂取し過ぎたとき
(5)体のエネルギー源として脂質・タンパク質を利用し過ぎたとき
  (例:絶食・無理なダイエット時など。脚注3)
(6)明け方(毎日定期的に、夕方には低値へ。変動幅0.5~1.0くらい)
(7)過剰なストレスを感じたとき

(3)及び(6)に関しては、尿酸値を高止まりさせずに低い水準に戻すため、水分を十分に摂取する必要がある(2、4などが関係するときも同様。また、脚注4)。

よって、高尿酸によって不都合が生じている人は、水分を十分に摂取しつつ

   体脂肪(肥満)、激しい運動、アルコール摂取、ストレス

の度合いを(糖質食の人は栄養バランスも)管理することが重要であり、 この点が痛風などが生活習慣病と言われる所以でもある。

 

Q3:高尿酸にはどんな対処法?
A:体内での尿酸の出番を減らす必要があり、
 Q2のAからは、可能な範囲で高尿酸の発生要因を減らせば、あるいは、
 Q1のAからは、健康に役立つとされる抗酸化作用がある物を適度に摂取すれば(尿酸代替物(脚注5)と期待しつつバッファー需要を減らすため)、
よいと言えるだろう。

 

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注1) 糖質食の人のBMI増減の場合。 糖質制限食による減量(同食への移行期に起き易い)では、上記要因(5)の効果も大きいので尿酸値が変わらず、あるいは逆に上昇することもある。
また、この対比との関連で言えば、糖質食の栄養理論の下で半世紀以上「食べ過ぎ・運動不足」が脂肪増加の原因とされてきたが、 最近では「糖質の摂取し過ぎ(・食べ過ぎ)」が原因とも言われている。

注2) 糖質食の場合。

注3) 即ち(体質を考えずに)糖質の摂取を少なくし過ぎたときであり、糖質食の人では問題となり易い。 他方、糖質制限食の人に関しては、これを推進している著名な医師は
「糖質制限開始後の尿酸値上昇については、3-12ヶ月程度で基準値に戻る場合が多い」
としているので、その人に合っている厳しめの糖質制限を中長期的に実施した場合には、 何らかの適応化による尿酸値低下のため、この高尿酸の発生要因(5)は効かなくなるのかもしれない。 しかしながら、現状、何%の人が向いていて、どの程度の制限の厳しさが必要かについて詳しくは分かっていない模様。

注4) 上記要因(3)に関しては、普段の食事よりプリン体を多く摂取することは上昇のピークを高めそうなので、痛風発作中の人、その常連者は注意した方がよい(高尿酸にするため吸収したプリン体を即座に利用する経路があるため。 また、この点からもプリン体の摂取制限は普段の尿酸値を低くすることとほとんど関係がないとうかがえる)。 

注5)
「尿酸代替物」とは、体内で抗酸化作用を引き起こす物質で、継続的にあると血清尿酸値を低下させるものをいう(代表例は女性ホルモン、ビタミンC、アンセリンなど)。


BMI と尿酸濃度 (5) 高尿酸の発生要因(改訂版)

2015年02月05日 | タイ語以外(健康2019-21、尿酸)

〔投稿日:2020-10-7。最終更新:2020-10-25〕

 

 前回記事の、7つの高尿酸の発生要因をまとめたQ&A風の文章について、脂肪が付き過ぎたことを解消するために、最近では糖質制限による減量をする人も多いようなので、これに関する注意書きを加えるなどして改訂しておこう。

 

Q:高尿酸となるのはどんな時?

A:新陳代謝が活性化するとき、あるいは活性化しそうなときに抗酸化物質が多い方が好都合であり、主に以下の7つの場合がある(6及び7は新陳代謝が活性化しそうなときに関連):

(1)脂肪が付き過ぎたとき
  (この上昇はBMI上昇によく相関、BMI3増で尿酸値1.1増が目安。脚注1)

(2)激しい運動をしたとき(例:筋トレなど)
(3)食事を摂取したとき(毎食。一時的なこと多く、変動幅0.5~1.0くらい。脚注2)
(4)アルコールを摂取し過ぎたとき
(5)体のエネルギー源として脂質・タンパク質を利用し過ぎたとき
  (例:絶食・無理なダイエット時など。脚注3)

(6)明け方(毎日定期的に、夕方には低値へ。変動幅0.5~1.0くらい)
(7)過剰なストレスを感じたとき


(3)及び(6)に関しては、尿酸値を高止まりさせずに低い水準に戻すため、水分を十分に摂取する必要がある(2、4などが関係するときも同様。また、脚注4)。


よって、高尿酸によって不都合が生じている人は、水分を十分に摂取しつつ

体脂肪(肥満)、激しい運動、アルコール摂取、ストレス

の度合いを(糖質食の人は栄養バランスも)管理することが重要であり、この点が痛風などが生活習慣病と言われる所以でもある。

 

--------------------------------------------
注1) 糖質食の人のBMI増減の場合。糖質制限食による減量(同食への移行期に起き易い)では、上記要因(5)の効果も大きいので尿酸値が変わらず、あるいは逆に上昇することもある。また、この対比との関連で言えば、糖質食の栄養理論の下で半世紀以上「食べ過ぎ・運動不足」が脂肪増加の原因とされてきたが、最近では「糖質の摂取し過ぎ(・食べ過ぎ)」が原因とも言われている。

注2) 糖質食の場合。

注3) 即ち(体質を考えずに)糖質の摂取を少なくし過ぎたときであり、糖質食の人では問題となり易い。他方、糖質制限食の人に関しては、これを推進している著名な医師は

「糖質制限開始後の尿酸値上昇については、3-12ヶ月程度で基準値に戻る場合が多い」

としているので、その人に合っている厳しめの糖質制限を中長期的に実施した場合には、何らかの適応化による尿酸値低下のため、この高尿酸の発生要因(5)は効かなくなるのかもしれない。しかしながら、現状、何%の人が向いていて、どの程度の制限の厳しさが必要かについて詳しくは分かっていない模様。


注4) 上記要因(3)に関しては、普段の食事よりプリン体を多く摂取することは上昇のピークを高めそうなので、痛風発作中の人、その常連者は注意した方がよい(高尿酸にするため吸収したプリン体を即座に利用する経路があるため。また、この点からもプリン体の摂取制限は普段の尿酸値を低くすることとほとんど関係がないとうかがえる)。


BMI と尿酸濃度 (4) 短期的な上昇要因

2015年02月04日 | タイ語以外(健康2019-21、尿酸)

〔投稿日:2020-7-12〕


 
 前回記事の中で高尿酸の出現要因として、

脂肪、激しい運動、アルコール、ストレス、過剰な脂質・タンパク質

の5つを取り上げたけど、これらは食習慣、運動習慣、飲酒習慣、仕事などの活動環境と関連していることが多いと思われ、いわば中長期的な要因と言えるだろう。

他方、この5つ以外にも次のような血清尿酸値の上昇要因があり、これらは多くの場合短期的な要因であるとみられる:

・食事摂取による高尿酸
・明け方(毎日)における高尿酸

 

 以上の計7つの高尿酸の出現要因をまとめてQ&A風の文章を書いてみると、前回記事のQ&Aの改訂版として次のようになるだろうか:

 

 

Q 高尿酸となるのはどんな時?
A 従来、高尿酸となるのは尿酸プール(体内にあると仮想)の調節に失敗したときと言われることが多かったように思う(尿酸プール調節失敗論)。これは、昭和の時代に尿酸は「不要な老廃物」という考えが主流だったことを引きずっていることによるものだろう。

 平成が終わり令和の時代となり、高尿酸となるのは自律神経が最適に調節した結果と読める報告が既に十分蓄積されているような気がする。

 高尿酸は自律神経系が腎再吸収や生成の調節により作り出している(自律神経高尿酸誘導論)と考えることとすると、その誘導の意図を読み解いておく必要があるだろう。

 

 結論から言えば、新陳代謝が活性化するときは酸化的損傷を減らすため抗酸化物質が多い方が好都合であり(活性化しそうなときも同様)、自律神経系は生体の組織を長持ちさせるために高尿酸環境を準備していると考えられる(尿酸長寿誘導説を基礎とした考え方)。

 

 新陳代謝の活性化により高尿酸となる時を具体的な場面でみれば、以下の7つの場合がある:

(1)脂肪が付き過ぎたとき
(2)激しい運動をしたとき
(3)食事を摂取したとき(毎食)
(4)アルコールを分解するとき
(5)脂質タンパク質をエネルギー源として分解するとき

(6)明け方(毎日定期的に)
(7)過剰なストレスを感じたとき

 

 上記(1)~(5)は新陳代謝が活性化する場合であり、(6)及び(7)は新陳代謝の活性化が見込まれる場合である。

分かりにくい点を補足してみると、(1)は、脂肪過多になると脂肪組織によって全身で慢性炎症が引き起こされるという経過となる(多分ヒトの飢餓対策機構の一環で、飢餓時に新陳代謝を先送りした分の遅れを飽食時に取り戻し、更に次の飢餓に備えて新陳代謝を前倒ししているものと推測。脂肪過多かどうかはその人の体質に依存)。
(3)は、食物が通過することによる消化系臓器の新陳代謝の亢進と、消化の際に組織障害性の高い生化学反応もあることの両方によるのだろう(普段は消化が一段落すると元の尿酸水準に復帰。食事前後の変動幅は0.5~1.0くらいか)。
(4)及び(5)は、分解経路に組織障害性の高い生化学反応もあることによる。
(6)は、バイオリズム(概日リズム)による周期的な動きであり、明け方高値夕方低値を示すことによる(活発な日中活動のための準備の一環であり、体内時計に従い起床前にコルチゾール(抗ストレス・ホルモン)が多くなるなどに伴うもの。明け方夕方間の変動幅は0.5~1.0くらい)。
(7)については、ヒトのストレスの原型が大型動物に襲われそうで生命の危険が生じたこと、その応答の原型が活発な運動(闘うか逃げるか)の準備することであるようで、これらを反映したことによるのだろう(抗ストレス・ホルモンが多くなり尿酸値も上昇)。

 

(3)及び(6)の高尿酸の場合は多くは一時的なものなのでり、尿酸値を高止まりさせずに元の低い水準に戻すため、水分を十分に摂取する必要があるだろう。

 

以上をまとめると、高尿酸によって不都合が生じている人は、水分を十分に摂取しつつ、
脂肪、激しい運動、アルコール、ストレス、過剰な脂質・タンパク質
を管理することが重要である。このことが、痛風などが生活習慣病と言われる所以でもある。

 

ついでに言えば、西洋薬により高尿酸環境を強制的に解消する方法よりは、
尿酸代替物(ビタミンC、アンセリン、ポリフェノールなどの抗酸化物質)を補充して高尿酸環境をなくす方が、尿酸の働きを何が代替するのか明快であり、より望ましい。


BMI と尿酸濃度 (3) 尿酸の役割

2015年02月03日 | タイ語以外(健康2019-21、尿酸)

〔投稿日:2020-6-27〕

 

 前回記事で述べた健康法がなぜ効くのかをQ&A風にまとめると、次のような感じとなるだろう。


Q 体内での尿酸の役割は何ですか?

A 従来、不要な老廃物とみて痛風を引き起こすことなどの理由から悪いイメージを持たれることが多かったが、尿酸はビタミンCより強力な抗酸化物質であり、最近は良い面があるとする報告も増えている。
尿酸を善いイメージで整理すると、例えば次のような議論を展開できる(尿酸長寿誘導説):

 

 尿酸値レベルが高い動物ほど長寿であるという報告がある(図参照)。

      図 (次のサイトの記事「なぜ,ヒトは病気になるのか?-2」、

https://www.yodosha.co.jp/jikkenigaku/evolutionary_medicine/vol2n1.html の図4から)

 

これを素直に解釈すると、ヒトにおける尿酸の主な役割は

生体の組織を長持ちさせること(早期老化の防止)

とみることができる。尿酸は抗酸化物質の一つであり、抗酸化物質はだいたいそんな機能を持つことが多いだろう。

 

ヒトにおいて、酸化損傷を防止して組織を長持ちさせるために高尿酸環境を準備する必要がある場合は、それほど多くなくて限られている:

(1)新陳代謝が活性化する時(すなわち脂肪が増えたとき、激しい運動をしたとき)
(2)アルコールを分解するとき
(3)過剰なストレスを感じるとき
(4)脂質・タンパク質をエネルギー源として利用するとき

 

従って、高尿酸によって不都合が生じている人は、
脂肪、激しい運動、アルコール、ストレス、過剰な脂質・タンパク質
を管理することが重要である。このことが、痛風などが生活習慣病と言われる所以でもある。

 

ついでに言えば、西洋薬により高尿酸環境を強制的に解消する方法よりは、尿酸代替物(ビタミンC、アンセリン、ポリフェノールなどの抗酸化物質)を補充して高尿酸環境をなくす方が、尿酸の働きを何が代替するのか明快であり、より望ましい。


BMI と尿酸濃度 (2) 痛風を防ぐ健康法

2015年02月02日 | タイ語以外(健康2019-21、尿酸)

〔投稿日:2020-6-13〕

 前回投稿から早や半年以上。

 その間、いろいろ尿酸の話をこねくり回していたところ、やっとブレそうもない結論に達したような気がする。
なので、前回書いた結論のようなことは一旦忘れるとこにしよう(また思い出したら、その時に解説予定)。

 

 新たな結論を「痛風を防ぐ健康法」として手短に書いておくと、

血清尿酸値が7.0mg/dl(417μM/l)以上ある人は、断酒(あるいは減酒)しつつ、ゼイ肉を落しべし

 


 結局何の新鮮味もないものに落ち着いたのだけれど、さすがに今更この内容では役に立ちそうもないので、数値目標を入れて尾ひれを付けると、次のようになる(飲酒については、近親者でも応答がバラバラで定量的には不明のため省略):

 

(1)断酒(あるいは減酒)しつつ、尿酸値 6.8mg/dlを目指してゼイ肉を落とすべし
(2)当面の目標となるBMI(Body Mass Index)は、BMI 1.0kg/m2減当たり尿酸値0.37mg/dl減とみて求めるべし(例:尿酸値が7.9ならば、目標BMIは3.0を減じたもの)
(3)ゼイ肉落とすとBMIが18.5kg/m2を割りそうときは、体質が合いそうなら「サプリメントによる尿酸代替物補充法」の利用も考えるべし(尿酸代替物の例:ビタミンC、アンセリンなど)

 


ゼイ肉により尿酸値が上昇するのだろう(適量超の酒によっても)。
そうして、御先祖様から伝わりし古巻物(遺伝子)が想定している体型から外れると尿酸値が7.0を超える感じと思われる。
デブ気質では超デブ手前まで無問題で、細ガリ気質の中肉はダメかもしれんということだろう。

尿酸は何らかの働きをするために増えるようなのだが、奥ゆかしいので、代わりに働く物を派遣すると、自ら減ってくれる。
尿酸代替物は、ビタミンC、アンセリンなどだけど、サプリの効きめは体質によるので、あとは自分で調べてみてほしい。

 

 要は、持病がなくて酒飲まないなら、尿酸値は「ゼイ肉のバロメーター」みたいなので、痩せてみたら、ということ・・・

 

 次回以降は、そこに至った背景の話を解説していこう。


BMI と尿酸濃度 (1) はじめに

2015年02月01日 | タイ語以外(健康2019-21、尿酸)

(注:ブログテーマは既に健康関係でなくなっているので、目立たないよう沈み込んだ位置に記事を追加することにしました。本記事以降で特に投稿日に言及のある記事は、その時に投稿されたものです。)

〔投稿日:2019-11-17〕

 


 今年5月に久しぶりに痛風の発作に見舞われた。

 過去の経験から減量すればよいだろうと感じたので、これを主な対処法とし、他にも巷で言われている対処法を幾つかとったところ、発作発生の心配がない状況に至ったところ(血清尿酸値は 6.0mg/dl)。



 この過程で幾つかの謎が浮かび上がってきたので、ちょっと調べてみたらいろいろ判明したような気がするので、備忘録的に記録しておこうと思った次第である。



 分かったことの中で一番ためになりそうな点は、

自分の体質の場合、血清尿酸値を制御するためには BMI(Body Mass Index) が 19.6 を超えると太り過ぎにあたる(下図参照)

ということだろう。

 

 理由は長くなるので後回しにして、今後の記事で書くだろう結論を頭出ししておくと、次のような感じだろう:


・体内の血清尿酸値については、自律神経系がコントロールしようとしているとみられる。
・尿酸には独自の生理活性があり、自律神経系がコントロールしようとする目的は早過ぎる老化(早期老化)の防止と考えるのが自然だろう。

・血清尿酸値が 7.0mg/dl 以上だが、特段の尿酸代謝障害もなく尿酸濃度に対し自律神経による細かいコントロールが効いているタイプの人々がいる、という可能性が高い。
・このタイプの人が長期間にわたり尿酸降下薬を服薬すると、早期老化に見舞われ早死にする可能性がある。

・人の体質には個人差があり、痩せ系の人々では Body Mass Index (BMI)= 20.0 でも肥満と整理した方がよい場合がある、という可能性が高い(別の言い方をすると「血清尿酸値を制御するための BMI は、巷で言われている数値より顕著に低いものとなる人々がいる、という可能性が高い」)。


(つづく)