ヒト遺伝子想定的生活様式実践法

2023年8月にテーマ・タイトルを変更(旧は外国語関連)
2015年4月にテーマ・タイトルを変更(旧は健康関連)

動詞 หมด (mòt、なくなる)

2015年05月18日 |  動詞編

 まずは、前回の動詞 เลื่อน(lʉ̂an、ずらす・うごかす)を用いた例文の解説から。
(ア) การลงคะแนนเสียงเลือกตั้งทั่วไปจะต้องเลื่อนเวลาออกไปหากปรากฏว่าผู้สมัครรับเลือกตั้งคนหนึ่งคนใดเสียชีวิต

 構文としては、เลื่อน を動詞とする文に、หาก 以下の条件節(条件を表す副詞節)が付いた形といえるだろう。
内容としては、公職選挙に関する法律レベルにあるべき規則だと思われるけど、日本では、聞いたことがない内容だけど、タイにはあるのだろうか?

 直訳してみると、
  〈総選挙の投票は、延期しなければならない、もし明らかになった場合には、立候補者の誰か一名が命を失ったということが〉
みたいな感じだろうから、
  「総選挙の投票は、立候補者のいずれか一名が死亡したことが明らかになった場合には、延期しなければならない。
という意味だろう(タイのドラマを動画サイトで見ていると拳銃を撃つ場面が多いように感じるので、これも拳銃所持の許可がわりと簡単に手に入るという社会情勢を反映しているのだろう思っている。仮に、このような法律の規定がタイにあるならば、接戦の選挙戦だと無投票当選をねらって刺客を放つというのも簡単にできそうな気もするので、そういったことを防止する規定なのかもしれない)。
動詞 เลื่อน は、ここでは前回記事の(3)の「延期する」という意味なのだろう。

 語句については、いずれもよく使われるものだが、การลงคะแนนเสียง(票を投じること)で「投票」、เลือกตั้งทั่วไป(一般の選挙)で多分「総選挙」、ผู้สมัครรับเลือกตั้ง(選ぶのを受けることに応募した人)で「立候補者」、เสียชีวิต で「命を失う」。

(イ) เณรเคาะประตูได้ยินเสียง "เชิญ" เลื่อนประตูออก เห็นหลวงพ่อกำลังนั่งจิบชาอ่านหนังสือพิมพ์

 構文としては、〈 เคาะ して、ได้ยิน して、เลื่อน して、เห็น した〉というダラダラした文という感じたろう。

直訳してみると、
  〈小僧は、戸をノックして、「どうぞ」という声が聞こえて、戸を動かし出して、見えた、偉い僧侶が座ってお茶をすすり新聞を読んでいるところ〉
みたいな感じだから、
  「戸をノックすると『どうぞ』という返事が聞こえたので、小僧が戸を開くと、高僧が座ってお茶をすすりながら、新聞を読んでいるのがみえた
という感じだろうか。動詞 เลื่อน は、ここでは前回記事の(1)の「動かす」という意味なのだろう。
語句については、เคาะ は「たたく、ノックする」、หลวงพ่อ で「尊敬すべき僧」、จิบ で「すする、味わう」。



 さて、表題の動詞 หมด に入ろう。
この単語は、サバイバル会話では、重要なものといえるだろう(逆に言えば、いまままで紹介した単語は、その用途では何にも役立たないということだ)。

 役立ちそうな場面としては、二つが思い浮かぶ。一つは、物を買うのに価格交渉をしている場面。一つでは値段が思ったほど下がらないようなら、数量値引きを求めるわけだ。気に入った商品が複数あるならば、指差して次のように言うわけだ。
  ทั้งหมดเท่าไร ครัว/คะ (全部でいくらですか?)
ここで หมด は、副詞の意味(「全て」)で使われているのかな。

 もう一つは、屋台で人気のメニューの昼飯を食べるような場合だ。自分がよく行くところだと、注文が通ると、普通は何かそれらしい返事があるか(例えば、จ้า とか。書かれたところをみたことないので声調は不正確かもしれない)、あるいは座って待てという趣旨で、空いている席を指さされることが多いような気がする。で、注文がはじかれる時は、多くの場合は、次のように言われるわけだ。
  หมดแล่ว

  さて、動詞 หมด(ホーヒープ・モーマー・ドーデック mòt)に対応する日本語動詞は、「なくなる、無くなる」と思われる。

 動詞「なくなる」から連想されるべき言回しはには、
  資金がなくなる、夢がなくなる
などがあろう。


(1) 先ずは、資金がなくなる、とあるように、用意していた資源が利用されてなくなるというような趣旨で、「(物などが)無くなる」という意味がある。
この場合、無くなる原因の動作を表す動詞と一緒に使われる傾向がある。例としては、
  〈使う+紙+なくなる〉( ใช้กระดาษหมด )で「(紙を使って)無くなる」、
  〈売る+本+なくなる〉( ชายหนังสือหมด )で「(本が売れて)無くなる」。


(2) 人がたち去りいなくなるというような趣旨で、「(人などが)いなくなる」という意味がある。
この場合、無くなる原因の動作を表す動詞と一緒に使われる傾向がある。例としては、
  〈人+去る+なくなる〉( คนไปกันหมด )で「(人が去り)いなくなる」。


(3) 一定のお金・時間がなくなるという趣旨で、「(お金・時間を)使う」という意味がある。
  〈なくなる+時間〉( หมดเวลา )で「(時間を)使う、費やす」。


(4) 能力など不定形のものがなくなるというような趣旨で、「(能力・機会などを)失う」という意味がある。
  〈なくなる+自信〉( หมดความเชื่อมั่น )で「(自信を)失う」、
  〈なくなる+機会〉( หมดโอกาส )で「(機会を)失う」。


(5) なくなった後の状態を表現することを重視する趣旨で、「(権限などが)ない」という意味がある。
  〈なくなる+権利〉( หมดสิทธิ )で「(権利が)ない」。


 上述のサバイバル会話の話に戻ってみよう
自分がタイ語学習に挑戦するのは今回で2回目なのだけど、1回目と2回目の間は相当の間隔(5年以上)があって、その間は、かなり適当なサバイバル会話しかできなかったのだ。
2回目を始める直前の時期には、前者の表現は覚えていたけど、後者は意味が思い出せなかったのだ(よく行く屋台だったので、おばちゃんの表情でなんとなく趣旨はわかったので、そこの屋台では ข้าวมันไก่(鶏油飯)しか食べないから、回れ右して・・・)。


 最後に、動詞 หมด を用いた例文については、以下のとおり。例によって、解説は次回記事にて。
(ア) ซื่อกินไม่หมดคดกินไม่นาน

(イ) ชาวสวนจำหน่ายไม่หมดต้องทำเป็นมะม่วงกวนเก็บไว้รับประทานได้นาน ๆ


コメント    この記事についてブログを書く
« 動詞 เลื่อน (lʉ̀an、ずらす・うごかす) | トップ | 二重動詞 動詞+ไป (離れて・完了・継続) »

 動詞編」カテゴリの最新記事