先ずは、前回記事で取り上げた動詞 ถอด を用いた例文の解説から。
(ア) แผลแบบนี้ต้องรอให้ถอดเล็บแล้วปล่อยให้เล็บยาวขึ้นมาใหม่
構文としては、แผลแบบนี้ が文の主題になっていて(主題倒置)、残りは、แล้วの後で切れる重文(二つの文)の構造だろう。
前者の文の動詞は、รอให้... (・・・して待つ)、後者の動詞は、ปล่อยให้... (・・・するようほうっておく)かな。แล้ว については、偶に見かける使い方だけど、泰泰の解説だと、
พูดคล้อยตามข้อความต้น (仮訳:先立った内容に従うように言う)
ための แล้ว にあたるだろうか。
ยาวขึ้นで「長くする、伸びる」の意味。
状況としては、例えば、医者が患者(聞き手)に解説している場面だろうか。
直訳すれば、
〈このような傷は、爪を外して待って、新たに爪が長くなるようにほうっておかなければならない。〉
みたいな感じだろうから、
「このような傷は、爪をはがして、新しく伸びてくるのを待つしかない。」(仮訳)
となる感じだろう。動詞 ถอด は、ここでは前回記事の(1)の「(身体から)外す」という意味なのだろう。
(イ) หญิงสาวคิดจะแจ้งเกิดโดยถอดยกทรงเต้นในงานสงกรานต์ แต่วิธีนี้กลับแป๊ก เพราะนอกจากจะไม่ได้เกิดแล้ว ยังโดนข้อหา
อนาจารอีกด้วย
構文としては、หญิงคิด... แต่วิธีนี้กลับแป๊ก เพราะ ~ という感じだから、「女性が・・・と考えたが、その方法は กลับแป๊ก した、なぜなら~」という構造だろう。
แจ้งเกิด は「有名になる」(แจ้ง は「通報する」みたいな意味のことが多いけど、「一般に知らせる」(to make known publicly)みたいな意味もあるらしい。เกิด は「生じる、起こる」)。ยกทรง は、直訳するとスタイルを持ち上げるという感じなので補整着かと思ったら、主には「ブラ」の意味だった。
กลับは、ここでは「かえって」と訳しておくとよい使い方だろうか。แป๊ก は、英語の"back"の音訳で、"to back, backfire"(逆行する、裏目に出る)らしい。
ข้อหา は「嫌疑、容疑」、อนาจาร は「わいせつ」の意味。
直訳してみると、
〈若い女性は、有名になろうと考えた、ソンクラーン祭りでブラを外して踊ることによって、しかし、その方法はかえって裏目に出た、なぜなら、有名にならなかった以外に、わいせつ容疑に出くわしたからだ〉
みたいな感じだから、
「若い女性は、ソンクラーン(タイの新年祝い)の際にトップレスで踊って有名になろうと考えたが、その方法は裏目に出た。なぜなら、有名にはならなかったばかりか、わいせつ容疑で摘発されたからだ。」
という感じだろうか。動詞 ถอด は、ここちらも同じく前回記事の(1)の「(身体から)外す」という意味なのだろう。
さて、表題の動詞 เดือด に入ろう。
この動詞を一番よく見かけるのは、 เดือดร้อน という形ではないだろうか。意味は、「迷惑する、困る、イライラする」、「面倒な」というような意味だろう。
動詞 เดือด(サラエー・ドーデック・サラウー・オーアーン・ドーデック dʉ̀at)に対応する日本語動詞は、「わく、沸く・湧く」と思われる。
動詞「わく」から連想されるべき言回しはには、
勝利にわく、怒りがわく
などがあろう。
(1) 先ずは、「(水が)熱くなる」という意味がある。
〈水+わく〉(น้ำเดือด)で「(水が)沸騰する、熱くなる」。また、
〈点がわく〉(จุดเดือด)で「沸騰点」。
(2) 勝利にわく、とあるように、「(ある種の感情が)高まる、高ぶる」という意味がある。
〈気分+わく〉(อารมณ์เดือด)で「気分が高まる」。
(3) 怒りがわく、とあるように、「(人が)怒る」という意味がある。
〈彼+わく〉(เขาเดือด)で「(彼は)怒る、腹を立てる」。
先ほど少し触れた เดือดร้อน の話に戻ると、後ろの ร้อน という単語の方は「暑い、熱い」という意味でよく知られている。なので、元々は〈沸騰して熱い〉というような意味合いだったと思われる。現在では、そこから転じて「迷惑する」になったのではないだろうか。日本だと季節によっては、近づいていって「ポカポカしていいね」ということもあるのだが、タイは熱帯の国なので、いつも厄介者扱いで・・・
(と、書いてはみたものの、〈腹を立てて熱くなる〉ほどひどいので「迷惑する」ということのような気もしてた・・・)
動詞 เดือด を用いた例文を示しておこう。例によって、解説は次回記事にて。
(ア) คุณนายกำลังเดือดสาวใช้คนใหม่
(イ) หญิงสาวนั่งขบเขี้ยวเคี้ยวฟันอยู่บนรถตลอดทางที่มุ่งสู่ธนาคารศรีสยาม สำนักงานใหญ่ พอถึงที่ อารมณ์ก็เดือดได้ที่เช่นกัน ไม่
ทราบว่าห้องทำงานของคุณกฤตินอยู่ชั้นไหนคะ
後者の文中 ขบเขี้ยวเคี้ยวฟัน は、「歯ぎしりをする(ほど怒る)」という意味。