ヒト遺伝子想定的生活様式実践法

2023年8月にテーマ・タイトルを変更(旧は外国語関連)
2015年4月にテーマ・タイトルを変更(旧は健康関連)

はじめに・・・

 外国語テーマも長く続かずなので、従来の健康ブログに戻してみようかと思いまして・・・ 備忘録的に残しておくと旧タイトルは「タイ語、漢字を使って覚えるの?」でした。(2023.8月記)

 従来の健康ブログ時に記事を書いていて、何故か、そろそろ外国語でも勉強した方がより良いかなーと思いつきまして、以来ちょこちょこと続けてきましたが、なんとなく、ある事を覚えると別の事を忘れてしまうモードに入ってしまったようで、知識量が停滞しつつあるような感じになりました。

 そこで、本ブログを外国語学習ブログに変更して、自分の備忘録的にまとめておこうかなと思いまして・・・。

 しかしながら、少し飽きたのか内容を増やしすぎたのか、書くのに手間がかかるようになり、時間がとれない時は、別ブログ「単語帳の素材?」にてライトな記事を書くことにしました。(この別ブログも徐々にライトでなくなり、記事を500本ほど書いたところで滞り中・・・)

 なお、健康ブログ時代の記事は、コチラの 入り口 からどうぞ。(2015.4月記)
 最近の健康系記事はカテゴリー「タイ語以外(健康2019)」からどうぞ。

福島の健康調査 (11) 甲状腺検査の結果(2013.11月)

2013年11月12日 |  症例(報道ベース)

 サボりすぎたかな。

 このブログでの話題については、個人的には煮詰まりつつあり、もう少し発展性のありそうな別のことをやり始めたこともあり余り時間がとれないけど、少しペースを落として続ける所存なので、生暖かい目でみてほしいところ。

 

 さて、本日、福島県の「県民健康管理調査」検討委員会の第13回会合が開催され、甲状腺検査の最新の結果が公表されたのでまとめておこう。前回関連の過去記事は、福島の健康調査 (10-1) 甲状腺検査の結果(2013.8月)  2013/8/20


 先ず報道振りは、例えば47NEWSから、

甲状腺がん、8人増え26人に 福島原発事故の影響否定
2013/11/12 20:12
http://www.47news.jp/CN/201311/CN2013111201002048.html

東京電力福島第1原発事故による放射線の影響を調べている福島県の「県民健康管理調査」検討委員会が12日、福島市で開かれた。甲状腺がんと診断が「確定」した子どもは、前回8月の18人から8人増え26人になった。「がんの疑い」は32人(前回は25人)。

 検討委の星北斗座長は記者会見で「現時点で、甲状腺がんが原発事故の影響で明らかに増えているわけではないと理解している」と述べた。

 また、原発事故が起きた2011年3月11日から4カ月間の外部被ばく線量の内訳を公表した。


 今回会合の配布資料については、福島県のサイトから(「県民健康管理調査」検討委員会について
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet;jsessionid=8BA2E7C9BE0A0BEAC77F3248491C33AC?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=24809)、
 
第13回「県民健康管理調査」検討委員会(平成25年11月12日開催) 当日配布資料
資料2 県民健康管理調査「甲状腺検査」の実施状況について
http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/251112siryou2.pdf


 今回は、まだよく読んでいないけど、過去の資料(8~12回会合分)の訂正がなされたようだ:

追加資料1 福島県「県民健康管理調査」検討委員会(甲状腺検査)資料の訂正について
http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/251112tuikasiryou1.pdf


 例によって、一つだけデータを貼り付けておくと、

図1 福島県の甲状腺検査二次検査の細胞診結果概要(2013.9月末現在)
出典)前掲資料2の3頁。


 いつものまとめ表を更新しておくと、

図2 福島県「県民健康管理調査」の甲状腺検査の結果概要(2013.11月)


 比較のため前回分もおいておくと(但し、今回公表の訂正は未反映)、

図3 福島県「県民健康管理調査」の甲状腺検査の結果概要(2013.8月)


 気づきの点を指摘しておくと、以前のものとほとんど変わらないけど、

・2013(H25)年度の検査実施分については、異常判定率がかなり高い(2013年度56.8% vs 2012年度45.3% vs 2011年度36.7%)。
・「がん診断」1人に対応する1次検査者相当数については、前回8月、前々回6月から余り変化がない(今回2,237人vs 前回2,190人 vs 前々回2,170人。なお、10万人当たりでみると今回44.7人 vs 前回45.7人 vs 前々回46.1人)。発生傾向には変化なく、検査修了数の増加に伴い「がん診断」数が増加した模様。


 また、2次検査の実施のスピードは改善がみられるものの、未だに四分の一が未実施であり、迅速に対応していく必要があるだろう。来年4月から検査が二巡目に入る予定のようだが(前掲資料2の6頁以降参照)、未だに1次検査の未実施が12万人前後いるのも気になるところであり、かなりの積み残しが出ると思われる。


 引き続き明らかに異常な事態が続いていると理解している。


とある香港の謎は解けたのか?

2013年08月24日 |  症例(報道ベース)

 やっと週3回目の更新。久しぶり。

 前回記事(ココ)では、国内で空気中を「何か」が舞っていた、舞っているのではないかという話が出てきたけど、この何かはかなり遠くの方まで届いていたようだ。少し古い話だけど、サイト「机の上の空 大沼安史の個人新聞」から、

〔★ フクシマ・NEWS〕 フクイチ発放射性降下物の影響で、アメリカ人、乳児ら1万4000人(推定)死亡 事故後最初の14週の間に チェルノブイリ(17週で1万6500人死亡)に匹敵 米研究チームが学会誌に発表
2011-12-21
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2011/12/post-13bd.html

 米国でフクシマ事故後、最初の14週間に起きた、1万4000人(推定)もの死者の過剰増加が、フクイチ発の放射性物質の降下に関係する――との研究結果が、学会誌「国際保健ジャーナル」の最新号に発表された。・・・

 米国の民間研究・教育機関、「被曝・保健プロジェクト」のジョセフ・マンガーノ所長(疫学者)と、ウエスタン・ミシガン大学のジャネット・シャーマン準教授(内科医・毒物学者)がまとめたもので、この14週間(3ヵ月半)で1万4000人もの過剰死者の発生は、チェルノブイリの時の17週(4ヵ月と1週間)で1万6500人に匹敵するという。・・・


 ちなみに、上記研究報告の著者の1人であるジャネット・シャーマン氏は、「YNNチェルノブイリ報告書」(関連過去記事はココ。ちなみに邦訳がやっと出版された模様:「調査報告 チェルノブイリ被害の全貌」(2013年4月、岩波書店))の編集にたずさわった人である(consulting editorとして)。

 今年に入ってのだと、サイト「低気温のエクスタシー byはなゆー」から、

アメリカ西海岸でも福島原発事故以降に生まれた子供の3分の1に「甲状腺の異変」が発生
2013年4月5日金曜日
http://alcyone-sapporo.blogspot.jp/2013/04/blog-post_9627.html


 やはり、直ちに影響がでるものと、時間の経過とともに影響がでるものがあるのだろう。

 個人的には、空気中を舞っていったものが西風で次の感染症の流行にも関与した可能性があるだろうと推測している。国立感染症研究所のサイト「病原微生物検出情報 (IASR)」から、

百日咳の流行、2012年―米国・ワシントン州
(IASR Vol. 33 p. 248-249: 2012年9月号)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/pertussis-m/pertussis-iasrf/2624-fr3912.html

 2011年中頃から、ワシントン州で百日咳の症例増加が報告されているのを受けて、ワシントン州公衆衛生局は2012年4月3日に百日咳流行宣言を出した。

ワシントン州では6月16日の時点で2012年に入ってからすでに百日咳の症例が2,520例(10万人当たり37.5人)に達している。これは2011年の同時期の13倍の数であり、過去最高の流行を記録した1942年に匹敵する。 (強調は引用者)


 ちなみにワシントン州の位置は、ウィキペディア日本語版から借りてくると(ワシントン州 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%B3%E5%B7%9E)、




 ワシントン州の百日咳の場合は、約1年後に大きな影響として現れたと思われる(免疫力の低下が主因で少し時間がかかるのだろう。易感染性についての過去記事はココ)。


 前置きはこのくらいにして、本題へ。以前にみかけて、「何だろう」と一時期頭に引っかかっていたことがあった記事である。

中国南部で猩紅熱が流行、夏まで感染拡大の恐れも
2011年 06月 21日
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-21814720110621

[香港 21日 ロイター] 中国南部で感染症の猩紅(しょうこう)熱が流行し、香港では子ども1人が死亡、数百人が感染する事態となっているが、現地当局は21日、向こう数週間で状況は一段と悪化する可能性があると警告した。

 香港衛生当局のスポークスマンは「中国本土やマカオでも異例に多い猩紅熱の感染が報告されており、地域的現象である可能性を疑っている」とし、「現時点で流行に衰えの兆しは見えず、夏まで感染者が増え続ける可能性がある」と述べた。

 猩紅熱はA群連鎖球菌によって起こる感染症で、10歳未満の小児がかかることが多い。・・・


 3.11後の流行なわけだけど、西風で空気中を舞っていったとするとほぼ地球一周するわけで時間もかかるし、約3か月後というタイミングも早すぎるのである。

 ちなみに猩紅熱の解説については、gooヘルスケアから、

猩紅熱<感染症>
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10PA0900.html


 自然発生的なものだろうということに落ち着いてほぼ忘れかけていたのだが、次の記事で思い出してしまったのである。ブログ「院長の独り言」から、

香港の高い線量-ホテル室内0.50uSv/hr ディズニーランド 0.26uSv/hr
2013年08月16日
http://onodekita.sblo.jp/article/72566388.html

 盆休みを利用して、香港に行ってきました。以前より、インドネシア、タイ、オーストラリアに在住の方から、どの国のホテル、土地も0.2-0.3uSv/hr程度あるとは聞いておりました。では、香港はどうか。線量計を3つ用意して、測定してみました。

香港ディズニーランド(スモールワールド前)0.26μSv/hr
  [写真略]
建物の中でも、それほど変わりませんでした。

黄埔地区のホテル+空港への移動バス車内
  [写真略]
室内で 0.3-0.4uSv/hr、バス車内で 0.18-0.2uSv/hr と日本国内(熊本)と比較してもどう考えても高いです。

 
 上記記事のコメント欄によれば(上から2番目)、次のような事故が2010年5月にあったらしい。同コメントで言及されていたブログ「中国語翻訳者のつぶやき」の記事から、

放射能漏れ事故の報道に見る中国の隠蔽体質
2010-06-18
http://zhongwenfanyi.blog69.fc2.com/blog-entry-206.html

 15日に、香港から気になるニュースが入ってきました。

 香港中華電力有限公司は15日朝、中国深センにある大亜湾原子力発電所で先月、微量の放射能が漏れたことを認めたのです。

  [中略]

 大亜湾原子力発電所は香港の東側にある深セン市龍崗区の半島の付け根にあり、浙江省にある秦山発電所に続く中国で二番目に古い原子力発電所です。2002年に同原発の近くに完成した嶺澳原子力発電所と合わせて、4基の発電ユニットが稼動しており、主に香港、深セン、広州などの広東経済圏への電力供給を一手に引き受けています。

 このためここで突発的な事故が発生して電力供給が止まると、広東経済圏としては大きな痛手をこうむることになりますし、放射能が環境中に漏れ出せば、香港や、深セン地域に甚大な被害が出るのは確実とされています。

 ことの重大性を中国政府は認識したのでしょうか、先の香港中華電力有限公司の説明に続き、同日に原発の大陸側の実際の運営会社である大亜湾核電運営公司の責任者が、そして翌日の16日には国の原発安全管理機関である国家核電安全局の責任者が相次いで記者会見を行いました。

 記者会見において両責任者は、5月23日から28日にかけて大亜湾原子力発電所の2号発電ユニットの原子炉で、微量の放射能の増加が認められたと公表したのです。これと同時に、「これらの放射能は、国際原子力機関が定める放射能事故の水準にも達していなかった。現在すでに原子炉の状況は安定しており、環境内にも漏れ出していない」と強調しました。・・・


 香港の猩紅熱も1年後、米国ワシントン州の百日咳も一年後(なお、感染症の種類は、以前からのその地域での病原菌動向によって異なると思われる)。何故か、猩紅熱の流行の理由を説明する丁度良いタイミングで起きているような気がするわけである。多分気のせいだろう。


 仮に中国南部での猩紅熱の流行を「大亜湾のせい」と仮定すると、次の件が個人的にしっくりするわけである。ブログ「台湾に避難したけれど」から、

香港で日本の粉ミルクが販売停止された件(2012年の記事)
2013年04月19日
http://ameblo.jp/tebazaki/entry-11514269512.html (リンクはココ。引用は、幾つかあるうちの冒頭のもの)

政府が日本製2種類の粉ミルクを摂取しないよう勧告 2012-08-08 (17:45)

http://www.singtao.com/breakingnews/20120808a175605.asp
食品衛生局が市販されてる14種のベビー用粉ミルクの試料を検査したら、6種のヨードが基準量を下回ってた。
和光堂と森永の2種は標準量通り摂取した場合、WHOが提唱するヨード摂取量をめっちゃ下回り、
赤ちゃんの甲状腺機能や脳の発達に影響を与える可能性がある。
食品衛生局長は父母らに対し、赤ちゃんにこれら2種を与えないよう勧告した。
食品安全センターは既に輸入業者へ回収を指示、センターでは調査を進め、市販の全ての粉ミルクをヲチする。
当局は金曜夜から、これら2種を摂取したことのある赤ちゃんの血液検査を開始。
明日(9日)から指定の母子健康センターでの予約受付を開始する。


 この粉ミルクの件での個人的な謎は、香港当局がベビー用粉ミルクのヨウ素含有量を何故検査するに至ったのかという点である。似たようなことを思った人は他にもいたようで、ブログ「ざまあみやがれい!」から、

日本製粉ミルク 香港で飲用中止・販売停止のワケ……「ヨウ素」WHO基準を満たさず乳児の甲状腺・脳に影響の可能性‎: 商品名 和光堂「はいはい」森永乳業「はぐくみ」
2012年08月10日
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65818855.html

 僕[ブログ主]が不思議なのは、なぜ今頃、「日本から輸入している森永乳業と和光堂の粉ミルク2製品」について、香港政府が対応したのかということですね。ちょっとそれが報道からはわからない。

(ここ最近日本からの輸出が始まったということなのだろうか。それとも香港で基準が見直されたりしたのだろうか)


 3.11を受けて検査するといのも少し不可解で、香港の公務員は優秀だからということに個人的理解ではなっていたのだけれど・・・(ある程度経済が発展した国・地域で小規模の場合、その公務員は優秀だと個人的に感じている。なぜなら、規模が小さいと利権も少ないし、利権に流されていては祖国がなくなってしまう危機感があるからだろう。現在の香港はよく知らないけど・・・)。

 しかしながら最近では、足元で事故があって、3.11もあったので、香港人が普段どの程度ヨウ素を摂取しているのかに当局としても興味がわいてきたという説が一番しっくりきているのである。このことわざは、中華由来なのだろう。サイト「故事ことわざ辞典」から、

二度あることは三度ある
http://kotowaza-allguide.com/ni/nidoarukotowasando.html


 最後に、次のような断片的な事実を蓄積していくと、香港も現在も「何か」が舞っているのかもしれないと感じろ光線に曝されている気分になるけど、まあ考えすぎだろう。

AKB小林香菜が体調不良で休演
2013年8月16日
http://www.daily.co.jp/newsflash/gossip/2013/08/16/0006254988.shtml

 小林は11日に香港で行われた握手会に、秋元才加と参加していた。14日未明にブログを更新して「昨日の朝、香港から帰って来ました。日帰り状態で海外にいたの?ってくらい(笑)」と書き込んだように12日早朝に帰国するなど、精力的に仕事を続けていた。


 ついでに噂話をツイッターから、

yuna@yunaka930  8月17日
一年前の春、香港在住の姉の家へ行った時、どこもかしこも0、2~0、3あって驚きました。ただ、お風呂場だけ低くて0、16くらい、あとディズニーランドの新しくできた、トイストーリーだけ0、09マイクロでした。トイストーリーは、シンセン事故があった後にできた所です。@onodekita


子供のいびきが増えているのか?

2013年08月22日 |  症例(報道ベース)

 福島の甲状腺検査の話の続きはサボっていたのでキャッチアップに時間がかかるので、元の流れに戻ろう。前々回記事(ココ)で二重あごについて触れたので、その関連で今回は、次のツイートで知った、いびきについて。

@tomotan2012 8月1日
@onodekita 今トクダネで最近いびきをかく子供が増えてるってやってます。


 放送はみていないので放送内容をググッてみると、サイト「TVログサーチ」から、

要注意!子供のいびき徹底調査 - 情報プレゼンター とくダネ!
放送日2013年8月1日
http://www.kuunel.jp/content.html?t=7578160

いびきに悩む3人の子供たち 原因は?専門医と徹底検査 - 情報プレゼンター とくダネ!
放送日2013年8月1日
http://www.kuunel.jp/content.html?t=7578174

いびきの原因は小さいあご? 現代の子供に増殖中 対策も - 情報プレゼンター とくダネ!
放送日2013年8月1日
http://www.kuunel.jp/content.html?t=7578205


 詳しい内容は上記URLをみてもらうとして、放送ではいびきをかく3人の子供(5歳男子、女子9歳、6歳男子)が出てきたようだ。大場俊彦氏(慶友銀座クリニック院長)の見立てをまとめておくと、

(1) 5歳男子(鈴木さん)
 内視鏡チェックを受けたところ、扁桃腺が非常に大きくなっており気道が確保されていない状態だった。そもそもいびきとは睡眠時に空気の通り道が狭められ鼻の奥や喉の粘膜が振動することで、扁桃腺が肥大していることが原因の1つとなっている。

(2) 女子9歳(小林さん)
 扁桃腺が大きくなっており、さらに鼻のアデノイドという扁桃腺の一種も肥大化している。これもいびきの原因の1つになっている。・・・口と鼻の両方で扁桃腺が大きくなって気道が塞がれている・・・

(3) 6歳男子(山本さん)
 舌の付け根についた脂肪により寝ると重みで舌が落ち込み喉を塞いでしまうという。・・・顎が小さく舌が収まりきらないため喉に落ち込みやすくなっていた。この小さな顎が子どものいびきの大きな要因の1つとなっていた。


 先ず(1)と(2)については、その原因が扁桃腺の肥大とされている。この点の解説については、gooヘルスケアから、

扁桃肥大<のどの病気>
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10F30100.html

扁桃肥大とはどんな病気か

 一般的に扁桃腺と呼ばれているのは、のどちんこ(口蓋垂(こうがいすい))の両側に見える口蓋扁桃(こうがいへんとう)(図12)が代表的なものですが、そのほか鼻の奥にある咽頭扁桃(いんとうへんとう)(アデノイド)、耳管扁桃(じかんへんとう)、舌根扁桃(ぜつこんへんとう)などがあります(図13)。
 これらの扁桃が、通常よりも大きくなった状態を扁桃肥大といいます。 ・・・

原因は何か

 扁桃は、生まれた時には痕跡(こんせき)程度ですが、さまざまな外からの刺激により活発な免疫反応が起こって肥大すると考えられています。
 口蓋扁桃、咽頭扁桃は、母体からの免疫が薄れる1歳すぎから相前後して生理的に大きさを増します。口蓋扁桃は2~3歳ころより肥大が始まり、7~8歳で最大になり、9~10歳ころには自然に小さくなります。咽頭扁桃は、口蓋扁桃より1~2年先行して大きくなり、6~7歳ころに肥大のピークがあります。 ・・・


 3.11後は、どうも東北・関東地方を中心に空気中に「何か」が舞っているようで、集団でみれば、口鼻腔・喉咽頭で活発な免疫反応が惹起されている人々がいつもより多いはずで、肥大化している子供の割合も多くなっているのではないだろうか。

 肥大化だけなら手に負える範囲とみられかもしれないが(いびきも困りものだが・・・)、手に負えずに病気になってしまう人も多いようだ。他力本願でいくと、ブログ「院長の独り言」から、

扁桃炎の増加は、亜急性の被曝症状ではないか。
2013年05月31日
http://onodekita.sblo.jp/article/68664396.html

 芸能人の扁桃炎、扁桃周囲炎の報道を非常に多く見ます。フクシマ以前であれば、このような病気でタレントが活動を対しすることなど、あり得なかった-と言うよりも、表に出せない病気のいいわけとしても使えなかったでしょう。扁桃炎で1週間入院だってよ。なんてことは、嘘だとばれるので、だいたい虫垂炎になっていたはずです。ところが、・・・


 このあたりの発症のメカニズムについては、個人的意見を上記記事のコメント欄に投稿しておいたので、興味があればどうぞ(上から3番目)。
 

 そう言えば、直接の関連はないけど、チェルノブイリの例によれば、最も多い疾病群は呼吸器系の疾患だったような記憶がある。


 残りの(3)については、原因は舌が大きいか、あるいはあごが小さいということだろう。子供のことなのでこの子の場合は単なる肥満が原因かもしれないが、この点については、前者は前々回の記事 二重あごが増えているのか?  2013/8/13、後者については、過去の記事 子供の成長遅れの原因は何か? 2012/10/15 などが関連している可能性もあるのではないだろうか(要は、舌の肥大は甲状腺の異常?、小さいあごは骨の成長障害?)。


 最後に、ググッた際に放送内容へのもっともな批判の記事をみつけたので、参考までに置いておこう。ブログ「コーチング歯医者」から、

フジテレビとくダネ!「こどものいびき急増!」
2013年8月 1日 (木)
http://ideshika.cocolog-wbs.com/coach/2013/08/post-e6d5.html

取材が甘いですね。
  [中略] 
残念。


 なんとなくだが、空気中を舞ってるものは強烈なものらしいので、口呼吸を直した位では改善がみられないかもしれないと思われる。

 
 こうしてみると怪しい放送内容だったようだが、いずれにしろ、子供のいびきが増加している点は間違いがなさそうだ。


福島の健康調査 (10-1) 甲状腺検査の結果(2013.8月)

2013年08月20日 |  症例(報道ベース)

 本日、福島県の「県民健康管理調査」検討委員会の第12回会合が開催され、甲状腺検査の最新の結果が公表されたのでまとめておこう。前回関連の過去記事は、福島の健康調査 (9-1) 甲状腺検査の結果(2013.6月)  2013/6/8


 先ず関連の報道振りは、例えば朝日新聞から、

福島の子どもの甲状腺がん、疑い含め44人に 16人増
2013年8月20日20時31分
http://www.asahi.com/national/update/0820/TKY201308200364.html

【大岩ゆり、野瀬輝彦】福島県は20日、東京電力福島第一原発事故の発生当時18歳以下だった子どものうち、44人が甲状腺がんやその疑いがあると診断されたと発表した。6月から16人増えた。県は「被曝(ひばく)の影響は考えられない」とした。ただし、県の検査や説明に対して県民の間に疑問や不安の声もあるため、県は、専門家による新たな部会を作り、検査に問題がないか検証することになった。

・・・累計ではこれまでに結果が判明した約19万3千人のうち18人が甲状腺がん、25人が疑いありと診断された。1人は疑いがあったが良性だった。・・・


 今回会合の配布資料については、福島県のサイトから(「県民健康管理調査」検討委員会について
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet;jsessionid=050D054B969C712FDB5E5898D8D20683?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=24809)、
 
第12回「県民健康管理調査」検討委員会(平成25年8月20日開催) 当日配布資料
資料2 県民健康管理調査「甲状腺検査」の実施状況について
http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/250820siryou2.pdf


 一つだけデータを抜粋して貼り付けておくと、

図1 福島県の甲状腺検査二次検査の検査数推移と結果概要(2013.7月末現在)
出典)前掲資料5頁。




 いつものまとめ表を更新しておくと、

図2 福島県「県民健康管理調査」の甲状腺検査の結果概要(2013.8月)


 比較のため前回分もおいておくと、

図3 福島県「県民健康管理調査」の甲状腺検査の結果概要(2013.6月)


 気づきの点を指摘しておくと、

・2013(H25)年度の検査実施分(いわき市、須賀川市、相馬市などが対象地域)については、異常判定率がかなり高い(2013年59.1% vs 2012年45.3% vs 2011年36.6%)。

・「がん診断」1人に対応する1次検査者相当数については、前回6月から余り変化がない(今回2,190人 vs 前回2,170人)。発生傾向には変化なく、検査終了数の増加に伴い「がん診断」数が増加した模様。


 以前から、2次検査の実施のスピードが遅いと指摘しているけど(未だに約4割が未実施)、やっと検査機関を増やしたようだ。しかし、参議院選挙後というタイミングは、何も意味がないと考えてよいのだろうか(図1によれば、同選挙の前月から何故か検査数も増えてるし・・・)。前掲資料から、

 なお、福島県立医科大学以外にも、郡山市の星総合病院においては7月24日から、いわき市の福島労災病院においては7月26日から、それぞれ2次検査を実施している。(前掲資料3頁)


 明らかに異常な事態が進行しているはずだが、福島県側は未だにこんな戯言を言っているとは・・・。仮に専門部会を設けても、何の意味があるのだろうか(早く被曝の影響の可能性ありとして、方針変更すべきだろう)。冒頭の記事から再掲しておくと、

・・・県は「被曝(ひばく)の影響は考えられない」とした。


〔メモ〕 今年もシーズンが始まったのか・・・

2013年06月14日 |  症例(報道ベース)

 手抜きで短く。

 お知らせ。ブログの更新は、7月中旬まで都合により、多分週一程度、あるいはなくなるかもしれません。ご不便をおかけします。


 本題は終わって後置きに行くと、今日の報道を「47NEWS」から、

大阪で熱中症の疑いで搬送65人 4~94歳
2013/06/14 22:00
http://www.47news.jp/CN/201306/CN2013061401002134.html

 14日午後、大阪市生野区の市立生野中と大阪府松原市の市立天美小などで「熱中症で子どもが倒れた」と119番が相次いだ。各消防への取材に基づき共同通信がまとめたところ、大阪府内で14日に熱中症の疑いで病院に搬送された人は、4~94歳の65人に上った。・・・

大阪管区気象台によると、14日正午の大阪市の気温は33・1度。


 以前の記事(ココ)で触れた、今月初めの福島での熱中症の例は少し特異なものと理解したので、シーズン開始とは思えなかったけど、今回はそう感じさせる内容のものだろう。本物の熱中症も混ざっていそうではあるのだが・・・


 前にも書いたかもしれないけど、個人的には、何らかの理由により、身体の排熱処理が悪くなり5度程度限界値が下がっているのではないかと推測している。なので警戒せずに普段どおりにしていると、バタバタと来るのではないだろうか。

 排熱処理が悪くなるのは、やはり甲状腺の異常(機能亢進系)の影響なのだろうか。経験者の話をみると、例えば、ブログ「LUNAR」から

[日記] 体温調節ができなくなるとき
2008-12-25
http://d.hatena.ne.jp/mizuho0116/20081225/p2


 ついでに昨シーズンの話で、メモしようと思い忘れてしまった例があるので、メモしておこう。この事例は、不可解さを基準に比較してみると、昨シーズンの「不可解大賞」といえるものだったと記憶している。気温がそれほど高くないのに、わりと多数が倒れたらしい。スポニチの記事から、

集団熱中症?大阪の小学校 運動会練習中に救急搬送
2012年9月27日
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2012/09/27/kiji/K20120927004204040.html

 26日午前9時45分ごろ、大阪府豊中市柴原町3丁目の市立桜井谷小で「児童が気分が悪いと訴えている」と119番があった。豊中市消防本部によると児童37人に頭痛や寒け、発熱など熱中症とみられる症状があり、救急搬送した。16人の症状がやや重く、このうち5年生の女児(11)が入院。残る21人は軽症だった。37人は女子児童24人と男子児童13人。

 29日の運動会に向け、1~6年の児童約600人でリレー練習や開会式の練習を開始。その後、児童が症状を訴え始めた。大阪管区気象台によると豊中市の午前9時の気温は23・9度だった。


 瓦礫焼却をまだ実施中のところもあり、汚染の拡散傾向が止まっていないので、件数的には昨年よりも増加が見込まれるのだろう。さて、今シーズンはどのような事例が出現するのだろうか。


福島の健康調査 (9-2) 甲状腺検査の結果(2013.6月)

2013年06月12日 |  症例(報道ベース)

 前回(ココ)からの続きでデータの整理をやっておこう。

 その前に大手メディアの関連記事を紹介しておこう。東洋経済オンラインの記事から、

「福島の子ども、12人甲状腺がん」の謎
2013年06月09日
http://toyokeizai.net/articles/-/14243


 サブタイトルは「がん発見率は定説の85~170倍、なのに原発事故と無関係?」となっている。個人ブログでみかけそうな程度の分析が報道された点を評価して紹介せざるを得ないのが悲しいところだろう。大手メディアにはもっとしっかり踏み込んだものを期待したいのだが・・・


 福島県の甲状腺検査のこれまでの公表データの推移をまとめておくと、次のような感じになるだろう。

表 福島県の甲状腺検査の結果の推移 (2012-2013)
公表年月
(会合名)
一次検査二次検査備考
  終了 異変 対象 終了 がん診断 がん割合  
  人 *1 人 *2 人 *3 人 *4 人/10万 *5  
2012.1月
(第5回)
3,765
(1)
1,143
(30.4)
26 - - -  
同4月
(第6回)
38,114
(11)
13,646
(35.8)
186 - - -  
同6月
(第7回)
49,865
(14)
(結果について新規公表なし)  
同9月
(第8回)
80,174
(22)
32,003
(39.9)
425 38
(8.9)
1
(1)
14  
同11月
(第9回)
95,954
(27)
38,327
(39.9)
501 83
(16.6)
2
(1)
13  
2013.2月
(第10回)
133,089
(37)
55,592
(41.8)
735 187
(25.4)
10
(3)
30  
同6月
(第11回)
174,376
(48)
75,313
(43.2)
1,140 383
(33.6)
27
(12)
46  
出典)福島県の「県民健康管理調査」検討委員会の会合資料。
注)
*1 下段は、総数約360千人に対する終了率(%)。
*2 異変数は、A2、B、Cの判定の合計。下段は一次検査終了者に占める異変者の割合(%)。
*3 下段は、対象者に占める終了者の割合(%)。
*4 「悪性ないし悪性疑い」の数。良性結節を除く。下段はがん診断の確定数(人)。
*5 次を10万人当たりに換算したもの: 一次終了者数×二次終了率÷がん診断数。

 以下は、過去の調査に基づく数値(調査地域・年)。
長崎 (2000年) *a 250 2.4% - - - -  
チェルノブイリ
(1991-1996年) *b
120,332 35.2% - - 64人 53人 *6  
小児甲状腺がんの発症率 *c - - - 0.1~
0.2人 
 
出典) *a "Urinary iodine levels and thyroid diseases in children; comparison between Nagasaki and Chernobyl." http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11789565
*b 講演「チェルノブイリ原発事故後の健康問題」 平成12年2月29日長崎大学山下俊一 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/tyoki/bunka5/siryo5 /siryo42.htm
*c 鈴木真一氏(福島医科大教授)談話。
注)
*6 内訳は、高汚染地(ベラルーシ・ゴメリ地域。寄与度16.3%)では10万人当たり198人、それ以外の地域(寄与度83.7%)では同25人。

 

 甲状腺の異変率についてみれば、以前の記事(ココ)でも触れた2000年の長崎での調査を基準に考えれば、最初から何かおかしかったのだろう。最初の公表データ(2012年1月の検討委員会第5回会合の際)で既に3割を超えていたのだから(30.4% vs 2.4%)。

 同年4月の際には、1990年代のチェルノブイリの調査と同等の異変率だったのだから(35.8% vs 35.2%)、明らかにおかしいと考えるべきであろう。

 甲状腺がんの発生率についてみれば、1人や2人だとなんとも言えないが、今年2月の第10回会合の際には、がん又はがん疑いとの診断が10人に達し、チェルノブイリの中程度の汚染地と同等の割合になったのだから(10万人当たり30人 vs 同25人)、明らかにおかしいと考えるべきであろう


 最後に、本来大手メディアが手がけるべき甲状腺がんの発生についての統計的分析については、他力本願でいくと、ブログ「めげ猫「タマ」の日記」から、

福島県 甲状腺癌は12人 疑いは15人―偶然に起こる確率は1.3%―
2013/06/05(水) 20:25:16
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-721.html

・・・でも、福島県の方は

 ①癌が見つかるようになるのに4年位かかる
 ②機器も良くなって、以前より見つかりやすい
 ③比較するものがない

と説明し、異常なデータであることを認めませんでした。
「成人の発生率と同じ」
とも言っています。そこで、

 ①検査精度がよいので4年後に見つかる癌が見つかる。
 ②発生率は成人と同じとする

として、7人以上から甲状腺検査で癌が見つかる確率を計算したら1.3%でした。福島県の怪しげな説明を信じても偶然に起こるとは思えません。


 ある種の前提をおいて二項分布で確率を計算したところ、確率1.3%の事象ということとなったらしい。そのような事象は滅多に起きないことだと思うが、がん疑い分を考慮に入れた上で子供の発生率を用いることにすれば、更に低い確率の事象となるであろう。つまり、福島の子供達に明らかに異常なことが起きていると考えるべきであろう。


福島の健康調査 (9-1) 甲状腺検査の結果(2013.6月)

2013年06月08日 |  症例(報道ベース)

〔更新履歴:6/9報道追加〕


 今週5日、福島県の「県民健康管理調査」検討委員会の第11回会合が開かれ、新たな情報が公表されたのでまとめとおこう。

 今回は、甲状腺検査について。過去記事をおさらいしておくと長くなりそうなので、文末の関連記事をどうぞ。

A. 関係報道

 例えば、次があるだろう。5日の独自取材による東京新聞朝刊の2面記事(いわゆる前打ち)をウェッブ化したものだと思うけど、

甲状腺がん「確定」12人 福島の18歳以下、9人増
2013/6/5
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013060502000133.html

 多分これを参考にしたであろう通信社(共同通信)の記事は、初出のものは更新されてみつからないので、初出らしい記事を引用したブログ「Nuclear F.C : 原発のウソ」の記事から、

甲状腺がん「確定」12人に 福島18歳以下、疑いは15人
2013/6/5
http://blog.livedoor.jp/ryoma307/archives/7158004.html

 ついでに、福島民報は1日遅れたのか、

放射線の影響否定 甲状腺がん診断確定12人に
2013/06/06
http://www.minpo.jp/news/detail/201306068849


・6/9追記: 一つ報道を貼るのを忘れていたが、こんな指摘もなされたいたようだ。朝日新聞の記事を引用したサイト「低気温のエクスタシー byはなゆー」の記事から、

福島の子供の甲状腺癌発症は「原発からの距離に比例する傾向がある」
2013年6月6日
http://alcyone-sapporo.blogspot.jp/2013/06/blog-post_4867.html


 各社とも、甲状腺腫瘍で悪性及びその疑い診断の数が急増した点が見出しになっていたようだ。


B. 公表資料

 詳しい資料については、福島県のサイトから(「県民健康管理調査」検討委員会について http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=24809)、

第11回「県民健康管理調査」検討委員会(平成25年6月5日開催)
資料2 県民健康管理調査「甲状腺検査」の実施状況及び検査結果等について
http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/250605siryou2.pdf (pdfファイル)


 幾つかデータを貼り付けておくと、

図1 福島県の甲状腺検査一次検査の結果概要(2013.3月末現在)
出典)前掲資料5頁。



図2 福島県の甲状腺検査二次検査の実施状況(2013.5.27現在)
出典)前掲資料9頁(一部改編)。




図3 福島県の甲状腺検査二次検査の結果概要(2013.5.27現在)
出典)前掲資料11頁。




 これらの表は一覧性がなくわかりにくいので、過去記事
   福島の健康調査 (8) 甲状腺検査の結果(2012.11月) 2112/11/20
でも掲載したまとめ表を更新しておくと、

図4 福島県「県民健康管理調査」の甲状腺検査の結果概要(2013.6月)
出典)前掲資料から作成。


 前回2月の第10回会合のときは表の更新をサボったので、それもあげてあくと、

図5 福島県「県民健康管理調査」の甲状腺検査の結果概要(2013.2月)
出典)第11回「県民健康管理調査」検討委員会(2013/2/13開催)の資料から作成。


C. コメント

 甲状腺の異常率(A2、B及びC判定の割合)は、今回若干増加したものの40%前半で安定しており、これまでと似たような傾向であったことが確認できる(前回2月41.8% → 6月43.2%)。

 他方、1次検査対象の子供約2,200人に1人の割合(10万人あたり46人の割合)で悪性及びその疑いが出現していて、かなり急増している(前回2月は約3,400人に1人の割合(10万人あたり30人の割合))。数値が安定せずに急増する理由は、未だに2次検査終了率が33.6%と低いこと、全員に細胞診を実施していないことなど影響していると考えられる。何かを隠すために小細工をしているのではないかという疑いを晴らすためにも、以前の過去記事(福島の健康調査 (6) 甲状腺の細胞診  2012/9/15)でも指摘しているように、早急に終了できるよう体制を整えるべきだろう。


 より大きな課題に目を向けると、甲状腺腫瘍で悪性又はその疑いが既に27名(うち、がん確定診断が12名)に達していることから、既に、福島の子供達が甲状腺がん発症のリスク集団であることは明らかであろう(小児甲状腺がんの発症は通常10万人あたり0.1~0.2人とされている)。他の疾患の発病も考え合わせれば、現状の方針を見直し、チェルノブイリで採用された基準で(放射線管理区域相当以上の高汚染地からは避難など)、福島の子供達の移住(あるいは学童疎開)を検討し順次開始していく必要があるだろう。

 また、現状の検査体制は、異常がないことを確認する目的の下で構築された検査体制なので、これも早急に改める必要があるだろう。特に、1次検査の終了者は、計画されていたとおりとはいえ今年2月から6月の間で約4万人増のみであり、未だに約19万の子供達が検査を待っている状況にある。2次検査はこの4ヶ月でかなり増えたが、3分の2が未だ終了していない。また、通常の場合に検査間隔が2年は空き過ぎていると言えるだろう。移住者及び残留者に対し、甲状腺がんがチェルノブイリより高い割合で発症し得るとの前提の下で、がん早期発見のための検査体制に改めるべきであろう。


 あとは他力本願で、みつけた有用そうな関係記事を貼っておこう。松崎道幸氏(深川市立病院医師)及びユーリ・バンダジェフスキー博士のコメントについては、それぞれ『木下黄太のブログ 「福島第一原発を考えます」』の記事から(同記事で言及された福島の子供の甲状腺がん発症率には少し違和感が残るけど・・・)、

こどもの甲状腺がん、12人確定と15人疑いは、通常罹患率の160倍の恐怖。健康異常が深刻、明確化する福島。
2013-06-05 06:33:00
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/6e30bf486cdd7cf7914b23be58b92aef

バンダジェフスキー博士から、福島でこどもの甲状腺がん大幅増加について、ベラルーシ・ゴメリとの比較。
2013-06-05 15:26:23
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/45fa28d0eebc0ee7d9bbd3deb359861b


 検討委員会の会合の詳しい模様については、議事録はまだ公表されていないので、ブログ「みんな楽しくHappy♡がいい♪」の記事から、

<FFTV速報 前半>委員会新メンバーと甲状腺検査6/5 第11回福島県「県民健康管理調査」検討委員会を傍聴して(内容書き出し)
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3036.html (「後半」は甲状腺と関係ないので略)


 前掲図2の中段の、28例の年齢・性分布の図というのは資料をみただけでは意味が全くわからなかったのだが、この記事を読んで、個人的にはその疑問が解けたわけである(まさか、そんな内容を示唆する資料とは・・・)。

 また、上記記事では、今回の会合で甲状腺検査の目的が変更されたとの指摘があるけど、単なる言葉遊びで終わるのではなく、実態がどのように改善されるかが問題ではないかとの印象を受ける。
 
 
 ついでに、今日見つけた野呂美加氏の重要な指摘については(前掲図2及び3の郡山部分に関連)、サイト「低気温のエクスタシー byはなゆー」から、

【福島の子供の甲状腺】都合の悪いデーターは参院選終了後に発表される
http://alcyone-sapporo.blogspot.jp/2013/06/blog-post_279.html


 上記記事をみて、そう言えば昨年2月に甲状腺がん疑いにかかる週刊文春の記事が話題になったけど(過去記事 福島の健康調査 (4) 甲状腺検査 2012/6/21 参照)、あの子供達も震災時には郡山だったことを思い出した。関係報道を再掲しておくと、J-CASTニュースから、

郡山の4歳児と7歳児に甲状腺がんの疑い!?チェルノブイリと同じ健康被害か
2012/2/23 18:38
http://www.j-cast.com/tv/2012/02/23123195.html?p=all


つづく。但し、新規の点はなくてデータを整理の趣旨)


〔関連記事〕
福島の子供の甲状腺の異常  2012/5/12
甲状腺の異常 〔YNNチェルノブイリ報告から〕  2012/5/30

福島の健康調査 (4) 甲状腺検査 2012/6/21 (既出)
福島の健康調査 (5) 甲状腺検査  2012/9/12
福島の健康調査 (6) 甲状腺の細胞診  2012/9/15 (既出)
福島の健康調査 (8) 甲状腺検査の結果(2012.11月) 2012/11/20 (既出)

〔メモ〕 福島の甲状腺検査への批判 2012/11/30 


〔メモ〕 NHK被災者1000人アンケート調査 (2013.3月)

2013年04月03日 |  症例(報道ベース)

 先日みかけた3.11に関するアンケート調査の結果を忘れないようにメモしておこう。

 元の記事はサイトから既に削除されているようなのでニュースとしての放送は3/9か?)、それを引用したブログ「四季の庭 四季の空」の記事から、

被災者の7割 心や体の不調訴え NHK『NEWS WEB』より
2013-03-10
http://blog.goo.ne.jp/yamanami729/e/c240db255f34dc0b1a3a749c71fb7561

 NHKが、岩手・宮城・福島の3県の1000人余りの被災者にアンケートを行ったところ、この1年で、7割が震災や事故の影響で心や体に何らかの不調を訴え、高齢者だけでなく特に40代や50代の働き盛りの世代でも体調が悪化していることが分かりました。・・・


 3.11から2年経過し、NHKが被災者約1000人に対しアンケート調査を実施した際に、健康影響も調べたらしい。ググッてみると、関連記事と調査結果の詳細をNHKのサイトから、

1000人調査から見える被災地の現実
(3月10日 19時35分)
http://www3.nhk.or.jp/news/2013shinsai/2013_0310_02.html

震災2年のアンケート

 NHKでは、被災地の現状がどうなっているのか、時間が経つにつれてどのように変化していくのか把握しようと、被害が大きかった岩手・宮城・福島の3県で、震災の2週間後から、継続的に被災した人たちにアンケートを行ってきました。7回目の今回は郵送や対面で行い、去年12月から先月までの間に、1006人の方から回答をいただきました。

 [中略]

働き盛りに心身の不調

 こうした状況は、被災者の心や体にも影響をあたえていました。震災直後から、ケアの必要性が言われてきた高齢者。この1年に何らかの心身の不調を訴えた人は75%と、歯止めがかかっていませんでした。そのうえ、40代50代の働き盛りの世代でも72%がなんらかの不調を訴えていました。地域や職場、そして家庭において復興の担い手として取り組み続けてきた人たちが、この1年で体調を悪化させていたのです。




東日本大震災2年 被災者1000人アンケート
http://www3.nhk.or.jp/news/2013shinsai/enquete2013.html (結果の概要)
http://www3.nhk.or.jp/news/2013shinsai/infographic/tohoku2yrs_report.pdf (pdfファイル。結果詳細)


 結果詳細から健康影響の部分をみてみると(質問の内容は「3 心身の状況や家族について」のうち「(6) いまも震災・原発事故による心身への影響がありますか。」)


   (上記資料14頁)


 上掲の表によれば、2年目の症状のうち上位の項目は、次の通り。

a. 気分が沈みがち (36.8%)
b. よく眠れない (31.7%)
c. 意欲がわかない (27.8%)
d. 薬が必要になった (25.4%)
e. 血圧が上がった (22.8%)
f. 飲酒や喫煙の量が増えた (19.6%)
g. 歩きにくくなった (18.7%)


 aとcは精神症状の一種でうつ病(depression)に、fの一部はアルコール依存症(alcohol abuse)に関連し、いずれもチェルノブイリの例では増えたとされている(下図参照)。eは高血圧に関連し、これもチェルノブイリの例でも増えたとされている(この点は過去記事 大衆の誤認誘導効果を有する報道の諸類型 (2) 隠れ○○  2013/1/31 を参照)

 bはいわゆる不眠だが、これもチェルノブイリの例でも増えたようだし、gは多くは筋力低下が関係していると思われるが、筋肉には放射性セシウムが蓄積しやすいらしい。dはよく分からないけど、いずれにせよ病気が増えたということだろう。

図 チェルブイリ事故の清掃作業員における精神異常の有病率 (一般人との比較)
(出典:ウクライナ政府報告書「Twenty-five Years after Chornobyl Accident: Safety for the Future」2011、160頁)


 これらの関連性はまったくの偶然なのか、あるいは何か理由があるのだろうか。


 結果詳細に戻り、もう少しみておくと、
 

   (上記資料15頁)


 上段の「健康状態の変化の年代別分析」によれば、30歳以下では2年目で改善した人が多いようだが、40歳以上では、むしろ悪化した人が多いようだ。

 下段の「2年目の健康状態と地域別分析」では、福島では「良好」の割合人がなり少なく、「不調」の割合をみると、岩手、宮城、福島の順で大きくなっていたようだ(それぞれ26.4%、30.5%、46.3%)。


 冒頭のニュースに戻ると、被災者の心身の不調の原因は、次のように分析されている。冒頭ブログ記事から、

 被災した人たちの健康状態の調査に当たっている東北大学の辻一郎教授は「復興の道筋が見えないことが、中高年の心身の不調につながっていて、アルコール依存やうつに悪化していくのを防がなくてはならない。医療的なケアだけでは解決しないので経済対策や雇用対策などを進めることが最大の薬になる」と指摘しています。 (強調は引用者)


 果たして本当だろうか。例えば、復興の不透明さと「歩きにくくなった」こととの間には、何の関係があるのだろうか。


〔メモ〕 岩手における脳卒中、高血圧の増加 (2013.1月調査)

2013年04月02日 |  症例(報道ベース)

 以前のブログ記事
   岩手における高血圧、脳血管疾患(2012.3月調査)  2013/1/28
で触れた調査(岩手医科大の寺山靖夫氏のチームによるもの)の続報のようなものをみかけたので、忘れないようにメモしておこう。朝日新聞から、

震災1年境に脳卒中5倍増 岩手沿岸部、学会が改善要求
2013年4月1日18時8分
http://www.asahi.com/national/update/0401/TKY201304010114.html (非会員は一部のみ閲覧可)

【辻外記子】東日本大震災被災地の岩手県沿岸部で、震災直後から1年後までと、1年後から10カ月間を比べると、脳卒中患者が約5倍に増えていることが、岩手医科大学の調査でわかった。日本脳卒中学会は患者の増加を防ぐため、国に被災者の健康環境の改善を求める声明を出した。


 上記記事の脳卒中のデータを表にしておくと、

表 岩手の被災地における脳卒中患者数
(山田町、大槌町、陸前高田市)
期  間脳卒中患者数 (人)月平均 (人)
2011年4月~2012年3月 12 0.9
2012年4月~2013年1月
の10カ月
52 5.2
出典) 岩手医科大調査(医師から聴取)。
2013/4/1朝日、http://www.asahi.com/national/update/0401/TKY201304010114.html

 

 また、この被災3市町では、従来の傾向と同じく今年1月の時点でも、過去に脳卒中になったことがなく、不眠などの問題を抱える人々については血圧の数値が悪化していたらしい。前述の記事から、

・・・過去に脳卒中になったことがなく、不眠などの問題を抱える3市町の約千人のデータを分析。13年1月の最高血圧(収縮期)は平均155で、最低血圧(拡張期)は平均93だった。いずれも12年4月と比べて悪化していた。

 チェルノブイリの事例によれば、脳卒中も高血圧も増加したとされているけど、ただの偶然だろうか。


 上記記事で言及されている日本脳卒中学会の声明は、ググッた限りだと、一昨年7月に出されたもののようだ。関連記事を朝日新聞から、声明を同学会のサイト (http://www.jsts.gr.jp/) から、

被災者に高血圧増加 岩手医大調査「栄養指導など必要」
2011年7月31日
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201107310195.html

 東日本大震災の被災地で高血圧の人の割合が増えていることが岩手医科大などの調査でわかった。血圧が高いと脳卒中の発症が増えることから日本脳卒中学会は31日、注意を呼びかけ、政府に被災者の生活改善や脳卒中予防体制の整備などを求める声明を出した。


日本脳卒中学会声明 (2011/7/31付け)
http://www.jsts.gr.jp/img/seimei.pdf (pdfファイル)

・・・この様に、被災地における高血圧有病率と血圧レベルの上昇は、元来、脳卒中多発地方である被災地を抱える東北地方の脳卒中発症が近々圧倒的に増加する事を強く示唆しています。
 [中略]
 日本脳卒中学会は、政府に対し速やかな「被災者の生活・健康環境の改善」と「強力で有効な脳卒中予防体制の整備」を強く要望するものです。


 同声明では、高血圧持ちの被災者が増加していることを背景として、脳卒中予防体制の整備を要望するものだったようだ。現状、確かに脳卒中が増加しているようなので、かなり先見の明があったという気がする。

 仮にチェルノブイリの経験に詳しい人がいて、政府の推進する「食べて応援」の中止と高汚染地ならば避難の権利の付与を求めるという趣旨の声明なのであれば、かなり素晴らしいものといえるだろう。


 この3市町の一つ、大槌町といって思い出すのは、次の過去のブログ記事だ。
   〔メモ〕 被災地高齢者における歩行困難の増加  2012/10/30
同町では、仮設高齢者に心身不調が多かったらしい。いろいろ健康影響がみられるようなので「医学的実験の場」にならないよう、先ずは詳細な汚染地図を作成しチェルノブイリ基準で評価しておいた方がよいのではないだろうか。大槌町に関し、今日の朝日新聞から、

「大槌を社会的実験の場に」 支援の臂さんに聞く復興
2013年4月2日14時26分
http://www.asahi.com/national/update/0330/TKY201303300255.html (非会員は一部のみ閲覧可)


岩手における高血圧、脳血管疾患の増加 (2012.3~8月調査)

2013年01月28日 |  症例(報道ベース)

 過去記事

岩手における高血圧 2011.11月調査  2012/4/23

に関連しているものをみかけたので、追加でメモしておこう。

 先ず、みかけたものは、ツイッターから、

@jrmmnisi 1月25日
NHK被災地の高血圧「当初は震災直後のショックによるものと思われていたが、予想に反して高血圧患者は増加。仮設住宅で震災後まったく検査を受けていない人たちが多いことが原因」っていう医師の話。アナウンサーは「運動不足になったり食事が偏ったりしていることも原因に」だって。

 ツイートの元となった放送内容については多分、サイト「TVでた蔵」から、

NHKニュース おはよう日本
2013年1月25日放送 5:00 - 6:00 NHK総合
http://datazoo.jp/tv/NHK%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9+%E3%81%8A%E3%81%AF%E3%82%88%E3%81%86%E6%97%A5%E6%9C%AC/618818/2

(リポート) 増える被災者の高血圧 その対策は―

被災地の岩手県では東日本大震災以降高血圧の患者が増え続けその40%以上が必要な治療を受けていない。そこでこうした患者に対して被災地から離れた病院からインターネットを使って血圧を管理する試みが始まっている。そのうち陸前高田市の仮設住宅に住む男性のもと訪ね、感想を聞いた。そしてその男性が測定した血圧の情報は盛岡の岩手医科大学に転送される。またこのシステムを運営しているのはこの大学の寺山靖夫教授らのチームだ。


 これでは内容が余り良くわからないけど、ググッた感じだと新しいネタということではなく、多分同じ研究チーム(岩手医科大の寺山氏のチーム。冒頭の過去記事もこのチーム)による少し古い話題のおさらいのような感じだろうか。昨年11月の読売新聞から、
 
高血圧 岩手沿岸で増
2012年11月17日
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=68226

 東日本大震災で被災した岩手県沿岸部で、震災前に比べて高血圧の治療者が増加していることが、岩手医大の調査で分かった。

 県内3病院を調べたところ、今年3月から約半年間で、脳梗塞と脳出血の患者が4人から34人に急増したことも判明した。・・・

 同大神経内科・老年科の寺山靖夫教授らの調査で判明した。陸前高田、大槌、山田の3市町で、住民が2010年度に受診した健康診断の結果と、震災1年後の今年3月に行った診断の結果について計3993人分を比較した。その結果、高血圧の治療者が陸前高田市で33・4%から37・3%と3・9ポイント増。大槌町も3・7ポイント、山田町も3・1ポイント増えていた。・・・

 また、この3市町にある三つの病院で患者を調べたところ、震災1年後の今年3月時点で脳梗塞と脳出血を発症したのは4人だったが、8月末は34人(速報値)に増えていた (強調は引用者)


 陸前高田、大槌、山田の3市町の住民約4千人を調査してみたところ、高血圧治療者が1割ほど増えていたらしい。また、同3市町にある三つの病院において、脳血管疾患(脳梗塞・脳出血)の患者が急増していたらしい(4人→34人)。

 チェルノブイリの経験では、高血圧も脳血管疾患も増加したらしいのだが・・・。

 寺山氏の分析によれば、これらの増加は次のような理由のためとされているが、果たしてどうだろうか。上記記事から、

 寺山教授によると、震災直後、避難所生活を余儀なくされた被災者は、心的ストレスや弁当などの味付けの濃い食事、薬不足、運動不足などが原因で高血圧が続いたとみられる。

 また、仮設住宅に移って薬不足は解消されたが、運動不足や、人とのつながりが薄れたことによる精神的なストレスで、脳梗塞などを発症した可能性が高いという。
 

 ついでに、岩手医科大の寺山氏のチームに関連した記事を日経BPから、

【遠隔医療学会】被災地での定期的な血圧測定、携帯回線でデータ自動収集
2012/10/29 19:24
http://www.nikkeibp.co.jp/article/dho/20121029/328544/?ST=print

 
 ついでに別件のツイートをメモしておくと、こちらは、NHKの盛岡ローカルで紹介されたとみられる盛岡市立病院による調査。高血圧患者が2割ほど増加したということだろうか。

@motonosuke0328 1月21日
NNHK盛岡の報告、テレビニュース「被災地高血圧患者の割合」。~3カ月後48.7、6カ月後55.1、1年後58.6。盛岡市立病院佐々木診療部長調べ。関西や新潟の震災では見られなかった傾向であり、この増加は当初、予測できず、と。福島県ではどうなのか。ストレスか被曝か。因果関係は?


〔メモ〕 精神症状の発現とコルチゾールの過剰

2013年01月22日 |  症例(報道ベース)

 本来なら「コルチゾール過剰症候群 (11) 精神症状」の項で扱うべきだろうが、カキ氷でも食べる頃になりそうで忘れてしまうだろうから、メモしておこう。

 ストレスで分泌されるホルモンが精神症状に関連しているという先週金曜日の記事をそれぞれNHKと日経新聞から、

うつ病の発症メカニズム解明
1月18日 6時42分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130118/k10014881231000.html

 研究を行ったのは、名古屋市にある名城大学の鍋島俊隆特任教授と名古屋大学などからなる研究グループです。

 研究グループでは、うつ病などを発症しやすくしたマウスを、集団と一匹ずつ隔離した場合に分けて、それぞれヒトの思春期に当たる時期から3週間にわたって飼育しました。
 そうしたところ、集団飼育したマウスには異常は見られなかったものの、隔離したマウスには、▽認知力が低下する、▽動きに活発さがなくなるなど、うつ病や統合失調症の症状が見られ、脳を刺激する「ドーパミン」という物質を作る遺伝子の働きが大幅に低下していたということです。

 こうした症状は、集団飼育に戻しても治らなかった一方で、飼育の前に、あらかじめストレスで分泌されるホルモンの働きを抑えておくと現れなかったということです。
 こうしたことから研究グループは、ストレスによって脳の活動を調節する遺伝子の働きが低下してうつ病などが発症するというメカニズムが初めて分かったとしています。 (強調は引用者)

思春期のストレスがうつ病の一因に 名城大、マウスで解明
2013/1/18 4:00
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO50710740Y3A110C1CR8000/

 名古屋大学や京都大学などとの共同研究成果。18日付の米科学誌サイエンスに掲載される。・・・

 研究チームは精神疾患の発症に関係するとされる遺伝子を持つマウスを人為的に作製。人間の思春期にあたる生後5~8週に集団から隔離して飼育した。音に過敏に反応したり、意欲が低下したりするなどの症状が表れた。集団で飼育した場合はマウスの行動に異常はなかった。

 発症したマウスは血液中のストレスホルモンの量が増えていた。注意力や意思決定に関係する神経回路で、神経伝達物質のドーパミンが減り、働きが鈍っていることがわかった。一方、幻覚や妄想にかかわるとされる脳の部分では、刺激を受けるとドーパミンが増えた。


 二つの記事の主な内容をまとめておくと、

 (1) 遺伝子操作マウスを隔離飼育(3週間) 
→(2) 過剰なストレスのため血中の抗ストレスホルモンが増加
→(3) 注意力や意思決定に関係する神経回路においてドーパミンが減少
→(4) 認知力が低下する、動きに活発さがなくなるなどの症状(うつ病や統合失調症の症状に類似)

いうことらしい。

 関係の論文がサイエンスに掲載されたらしいのでくぐってみると、他力本願によれば、ブログ「Hashigozakura」の次の記事に同論文の要旨(英文)が紹介されているようだ。

うつ病発症メカニズム解明⇒思春期のストレスがうつ病の一因に|名城大学・鍋島俊隆特任教授らの研究成果
2013/01/19
http://hashigozakura.wordpress.com/2013/01/19/%E3%81%86%E3%81%A4%E7%97%85%E7%99%BA%E7%97%87%E3%83%A1%E3%82%AB%E3%83%8B%E3%82%BA%E3%83%A0%E8%A7%A3%E6%98%8E%E2%87%92%E6%80%9D%E6%98%A5%E6%9C%9F%E3%81%AE%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%81%8C/

 ちなみに、同論文のタイトルは(なお、和訳は仮訳)、

“Adolescent Stress―Induced Epigenetic Control of Dopaminergic Neurons via Glucocorticoids”
思春期ストレス - 糖質コルチコイド経由で誘発されたドーパミン作動性ニューロンの後成的制御
Science 18 January 2013: Vol. 339 no. 6117 pp. 335-339

 この要旨を読む限りでは、上記(3)については、ドーパミン作動性ニューロンの遺伝子の変化によるものらしく、また、「ストレスで分泌されるホルモン」というのは糖質コルチコイドのことらしい。但し、この遺伝子の変化は、通常マウスでは発現せず、糖質コルチコイド受容体の拮抗剤の投与で阻止可能ということらしい。なお、用語をおさらいしておくと、糖質コルチコイドの代表的なものの一つがコルチゾールである(詳しくは、過去記事ココ)。

 また、上記(4)の症状については、同要旨では「several neurochemical and behavioral deficits」(幾つかの神経化学的な及び行動的な障害)と表現されていて、これらを研究グループが「うつ病に似ている」と判断したようだ(マウスのうつ病と統合失調症をどう区別したのか興味あるところだが・・・)。

 問診もせずにうつ病と決め付けるのはマウス道に反するだろうから、冒頭の二つの記事にある「うつ病」のタイトルは言い過ぎの感があり、精神症状という用語の方が適当かもしれない。また、予め行った遺伝子操作が実験全体にどう影響しているかよくわからないので、NHKの記事のタイトル(「発症メカニズム解明」)は、その可能性もあるかもしれないが、この点も言い過ぎのような印象を受ける。


 いずれにせよ、今回の報告(論文)において、コルチゾールの過剰が精神症状(特に子供について)をもたらす可能性があることが動物実験で実証された点には大きな意味があるだろうと考えられる。

 以前のブログ記事で、3.11で被災した動物(犬)でコルチゾールの過剰がみられたとの報告についての報道を紹介した(過去記事ココ。ちなみに、被災犬の場合には、学習能力や愛着行動が低下していたらしいので、これも「神経化学的な及び行動的な障害」の一種とみられるであろうか)。個人的には、その過剰は●の影響の可能性があると考えているところ、今回の報告とあわせると、

●の影響 →体内でのコルチゾールの過剰 →精神症状の発現

という流れが明確になったとも考えられる。

 実際、3.11後において、東北の子供達におかしな状況が起きている点や被ばくと精神的疾患との関連性については、次のような過去記事でも紹介してきたところ。

〔メモ〕福島の子供のメンタル症状と糖尿病  2012-5-17
〔メモ〕仙台市の全小中生ストレス調査  2012-5-12
ぜんそく、胃潰瘍、PTSDなど精神的疾患は関連するのか・・・  2012-05-27


 今回の報告において、ストレス環境(隔離飼育)下でのマウスの飼育期間は3週間で、発現した精神症状は通常環境(集団飼育)に戻しても回復しなかったということだが、マウスの3週間は、ヒトにするとどの程度の期間にあたるのだろうか。既に22か月が経過しており、福島やその周辺の子供達のことが気にかかる。


2012年における子供の視力の低下

2013年01月13日 |  症例(報道ベース)

 昨年末に文部科学省の学校保健統計の速報(2012年度分)が公表されたようなのでみておこう。今回は先ず、子供の視力についてである(関連の過去記事はココ)。

 同速報に関する報道については、例えば日テレNEWSから、

視力低下の小中学生、最多~文科省
2012年12月25日 19:59
http://news24.jp/articles/2012/12/25/07220152.html

 文科省が行った5歳から17歳までの子供の健康状態の調査で、視力1.0未満の小中学生が調査開始以来、最も多くなったことがわかった。

 この調査は、文科省が毎年、満5歳から17歳までの子供の健康状態や発育を調べているもの。視力1.0未満の子供の割合は年々増えており、今年は小学生で30.68%、中学生で54.38%と調査開始以来、最多となった。これはパソコンや携帯電話など電子メディアの利用時間が増えていることが要因とみられている。


 同速報について、文部科学省のサイトから入手できる。
 
文部科学省 学校保健統計調査
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa05/hoken/1268826.htm


 過去記事の例にならい、11歳児でみることとし、更に今回は小学生全体も追加しつつ、データ(裸眼視力1.0未満の割合)を下に時系列のグラフを作ってみると(11歳児についてはウェッブ上で入手できるデータは残念ながら1989年度以降から)、



 最近のデータ部分を表にまとめておくと、

表 小学生・11歳児の裸眼視力1.0以下の割合
(全国平均、2007~2012年度)
年度小学生 (%)11歳児 (%)
2007 28.07 39.61
2008 29.87 41.40
2009 29.71 41.13
2010 29.91 41.88
2011 29.91 42.31
2012 30.68 43.31
出典)文部科学省資料(学校保健統計調査)。

 

 上図で「小学生」の方の推移をみてると、3年後(1989年)から増加が目立つような気がするが、体感的にもそうなのかもしれない。某掲示板の緊急自然災害板から、

93 名前:地震雷火事名無し(やわらか銀行) 投稿日:2013/01/06(日) 23:10:16.56 ID:Ppd5lnQH0
  >>25
  それ、そもそも風邪じゃないよね?
  自分はホットスポットに住んでる時、ずっとそんな感じだった。

  最近、急激に視力が低下した。
  もともとド近眼なのに。。まだ悪くなれるとは。。
  思えば、小学生の時、急に視力が低下したけど、あれはチェルノのせいかも。
  小学校1年生の時に、チェルノ事故。
  4年生ぐらいのときに、急に視力が落ちて、0.3ぐらい。
  6年生の時には、0.1ぐらいになってた。
  ファミコンとかは一切してない。
  あと、アトピーにもなった。 (強調は引用者)


 3.11後における子供の視力の低下は、噂話でもチラホラ聞こえてきている感じだろう。同掲示板の放射能板から、

8 名前:名無しに影響はない(大阪府) 投稿日:2013/01/12(土) 17:05:14.13 ID:Xg6+sf9U
  関東の学校では・・

  ponyo_ponyo_horiyan@horiyan_presage
  春日部に住んでる子が、突発性難聴になりましたよ。やっぱアレが原因?

  コウモリ‏@koumori8931qq
  川口市ですがうちの子が通っている小学校では、メガネをかける子供が
  去年急に増えたそうです。@horiyan_presage @onodekita  2013年1月11日

  G子‏@junpepemonashi
  @koumori8931qq @horiyan_presage @onodekitaママ友にも震災後、たまたま
  突発性難聴 になった方が一人。さいたま市です。

  Ryo原発いらない!‏@ryohummingbird
  @koumori8931qq 取手市の隣の利根町で小学生が医者に老眼と言われた子がいました
  そんなことってあるんでしょうか、、子供で老眼?
  [以下略] (強調は引用者)

 

 チェルノブイリの経験では、子供達における視力の異常や白血病の急増が、高汚染地から避難する契機となったと記憶しているが、今後果たしてどうなるのだろうか。


〔メモ〕 福島での施設入所高齢者の死者数の増加(2011.3~10月)

2013年01月09日 |  症例(報道ベース)

 ちょっとサボり過ぎたか・・・

 去年のニュースだけど、データには意味がありそうなので、短くメモをしておこう。福島民友の記事から、

入所高齢者の死「3倍増」 避難区域・34施設 
2012年12月29日 福島民友ニュース
http://www.minyu-net.com/news/news/1229/news2.html

 東京電力福島第1原発事故で避難を余儀なくされた避難区域の34高齢者施設の入所者のうち、昨年3~10月に亡くなったのは295人(津波被災32人を含む)で、前年同期の109人と比べ3倍近く増加していることが28日、福島医大公衆衛生学講座の安村誠司教授の調査で分かった。・・・

 震災発生後、これら施設では入所者の死亡が増加傾向を示し、死亡率は前年の3.5~1.4倍で推移、半年以上たった昨年10月でも約2倍に上った。亡くなった原因の4割は肺炎だった。・・・


 これを読んで個人的に思い出すのは、どこかの電力会社社員のヤラセ意見聴取会での発言である。

「原発事故で死んでない論」は許されない (東京新聞「こちら特報部」)
8月12日
http://www.asyura2.com/12/genpatu26/msg/469.html

 将来のエネルギー政策を決める政府の意見聴取会で先月、中部電力の社員が「(福島原発事故で)放射能の直接的な影響で亡くなった人は一人もいない」と発言した。この場に限らない。最近、ちまたでよく耳にする「原発事故で死んだ人はいない」論。そこでは避難を強いられた地域住民の苦しみは置き去りだ。どうか思い出してほしい。原発事故がなかったら、死なずにすんだ人たちがいる。(中山洋子)・・・ (強調は引用者)


 冒頭記事のデータは、「原発事故で死んだ人はいない」論に対しては良い反論になっているだろう。

 しかし、原子力村のヒトならば、事故の間接的な影響かもしれないが「放射能の直接的な影響」を示したものではないと言い出しそうではある。この点については、福島医大の調査なので、直接的な影響に踏み込むような分析はあまり期待できないかもしれない。

 また、冒頭記事によれば、肺炎が死因の4割を占めたとされている。この点については、2011年に肺炎が3大死因に入ったことが思い出される。医療情報誌「集中」のサイトから、
 
高齢化の影響で3大死因の一角に「肺炎」が登場
2012年6月11日
http://medical-confidential.com/confidential/2012/06/3-4.html

 日本人の3大死因といえば、がん(悪性新生物)、心疾患、脳血管疾患だった。ところが、脳血管疾患に代わり、肺炎が3位に入った。厚生労働書が6月5日に公表した2011年の人口動態統計で明らかになった。肺炎は1975年に不慮の事故を抜き4位が続いていた。・・・

 ついでに、死因別死亡率の長期的な推移については、サイト「社会実情データ図録」から、

図録▽死因別死亡率の長期推移(1899年~)
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2080.html (冒頭の図参照)


 今後については、●の影響で肺炎も脳血管疾患も増えそうだけど、グラフの形状からすると肺炎の方が勢いがあるようにみえるが、果たしてどうだろうか。


〔メモ〕 2012年における骨髄移植数の増加

2012年12月31日 |  症例(報道ベース)

 大晦日だし、短く。最近はいつも短い気がするけど・・・

 今日のとある地方紙で、次のプレスリリースを元にしたと思われる短い記事をみかけたので、メモしておこう。骨髄移植推進財団のサイト「骨髄バンク」から(同サイトのトップ頁は、http://www.jmdp.or.jp/)、

日本骨髄バンクを介した骨髄及び末梢血幹細胞移植が1万5千例に到達
2012(平成24)年12月13日発信
http://www.jmdp.or.jp/documents/file/07_about_us/press/press_12_12_13.pdf (pdfファイル)

 2012年12月12日、日本骨髄バンクを介した骨髄及び末梢血幹細胞移植数が累計で1万5千例に到達しました。2008年12月に骨髄移植数が1万例に達して以来、約4年で1万5千例に到達しました。・・・


 個人的に注目したのは、今年に入っての骨髄移植数の増加である。上記URLの資料から(同3頁)、

図 骨髄移植数の推移 (1993-2012。2012年は12/12まで)


 ちなみに、ここ5年程のデータを表にまとめておくと、同財団の月刊報告誌「MONTHLY JMDP」から(同誌のURLは、http://www.jmdp.or.jp/about_us/publishing/monthlyreport.html)、

表 骨髄移植数の推移 (2008-2012)
暦 年骨 髄 移 植 数
2008 1,104
2009 1,216
2010 1,213
2011 1,215
2012 1,251 *1
出典) 骨髄移植推進財団の月刊報告誌「MONTHLY JMDP」から。URLは、
 http://www.jmdp.or.jp/about_us/publishing/monthlyreport.html
注) *1 2012年は、11月末までのデータ (そのペースは1,365例/12か月)。

 

 骨髄移植数は、ここ3年ほど年間1,220例弱で安定していたが、今年に入って増加し、11月末までの実績によれば、1,251例となっている。冒頭プレスリリースによれば、今年は1,340例を超える見込みとされている。

 つまり、今年に入って、何らかの理由により、白血病などの造血系の疾患が増加している可能性が高い、ということだろう。


 最後に、ウェッブ上で冒頭プレスリリースの関連記事を探してみると、余りないようだけど、livedoor newsから、

日本骨髄バンクを介した骨髄及び末梢血幹細胞移植が1万5千例に到達
PR TIMES 2012年12月13日18時12分
http://news.livedoor.com/article/detail/7230703/


〔メモ〕 茨城の小中学生の心蔵の異常の増加(2012.5月調査)

2012年12月29日 |  症例(報道ベース)

[更新履歴:12/23表追加]


 広く知れわたっていると思うけど、重要なので短く他力本願でメモをしておこう。

 ●の影響に関するバンダジェフスキー説を正しいものとして取り扱っている人にとっては想定の範囲内だと思うけど、実際に出てくるとやはりちょっとショックなものがあるだろう。東京新聞から、
  
73人が「要精密検査」 取手市内24校心臓検診
2012年12月26日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20121226/CK2012122602000145.html

 心臓検診は取手市教委が毎年五月中に小学一年生、中学一年生に実施している。公表したのは「生活クラブ生協取手支部」(根岸裕美子代表)、「放射NO!ネットワーク取手」(本木洋子代表)、「とりで生活者ネットワーク」(黒沢仁美代表)の三団体で、市教委などの資料を基に調べた。

 それによると、一二年度に一次検診を受けた小中学生千六百五十五人のうち、七十三人が要精密検査と診断された。一一年度の二十八人から二・六倍になり、中学生だけで見ると、十七人から五十五人と三倍強に増えていた。

 また、心臓に何らかの既往症が認められる児童・生徒も一〇年度の九人から一一年度二十一人、一二年度二十四人と推移。突然死の危険性が指摘される「QT延長症候群」とその疑いのある診断結果が、一〇年度の一人、一一年度の二人から八人へと急増していた。・・・


 公的なデータにより心臓疾患の増加が明確に確認できるのは、これまでのところ記憶の限りだと、

・宮城県での東北大の調査による心不全の増加 (2011.3-4月)
・福島県の心疾患死亡率が増加し全国1位へ (2011年)

あたりだろうか(関連の過去記事はココ)。他には、増加がはっきりとは分からないけど、原発作業員や除染作業員の心疾患での死亡報道も関連性がありそうと言えるだろう。今回は、従来のように高齢者が中心の話ではなくて、子供達での話である点に特徴があるだろう。


・12/30追記: 冒頭記事に出てきたデータを表にまとめておくと、

表 茨城県取手市での小中学生の心臓検診における異常
(2008-2012年度、小学1年、中学1年が対象)
項目/年度20082009201020112012
被検診者 N.A. N.A. N.A. N.A. 1,655人
要精密検査者 N.A. N.A. N.A. 28人 73人
心臓に何らかの既往症が認められた者 9人 *1 12人 *1 9人 21人 24人
QT延長症候群・その疑い者 N.A. N.A. 1人 2人 8人
出典) 東京新聞『73人が「要精密検査」 取手市内24校心臓検診』(2012年12月26 日)。
なお、*1は、後述のツイート https://twitter.com/HirasawaNochuri/status/284546037975220224 から。

 

 個人的に子供達の心臓に影響が出るらしいとのバンダジェフスキー説を知ったのは、クリス・バズビー博士の次のメッセージ動画だと記憶している。かなり分かりやすいので、未見の方には一見の価値はあると思われる。

#福島 の子供達に心臓病増加の危機! #セシウム が影響! バズビー博士(字幕)
http://www.youtube.com/watch?hl=ja&v=OmTz_VuFovQ&gl=JP

 この動画は福島の子供達について語ったものだが、今回のデータによれば、茨城で明らかな影響がみられているようなので、茨城より高汚染地ではより被害の大きい問題として出現する可能性があるだろう。

 ちなみに、記事に出てくる「QT延長症候群」については、解説を難病医学研究財団のサイト「難病情報センター」から、
 
家族性突然死症候群 (QT延長症候群)
http://www.nanbyou.or.jp/entry/66

1. 家族性突然死症候群(QT延長症候群)とは

 突然、脈が乱れて立ち眩みや意識を失う発作が起こる遺伝性の病気です。意識を失う発作が止まらない場合は死亡することがあります。しかし、発作がないときは自覚症状は全くありません。また、検査をしても心電図のQTといわれる波形の部分が正常に比べて長い以外は異常が見つかりません(図1)。このような心電図の特徴からこの病気は「QT延長症候群」と呼ばれています。・・・

 この病気については、これまでは遺伝性のものが多いとされていたようだが、今回見つかった増加部分については多くは孤発性のものと理解してよいと推測されるだろう。

 冒頭の東京新聞の記事に関し、いろいろ後追い報道があったようだけど、朝日新聞の記事を元にデータをグラフ化したツイートを紹介しておこう(同記事が閲覧不可のため)。ツイッターから、

https://twitter.com/HirasawaNochuri/status/284546037975220224
@HirasawaNochuri
@onodekita さま、取手市続報です。データが5年分に増えて傾向がより明確<=心電図検査は法定[心臓疾病や異常、小中で増加か 生協など指摘 茨城](朝日新聞2012/12/27 00:44)
   http://digital.asahi.com/area/ibaraki/articles/TKY201212260917.html [会員のみ閲覧可能]
   https://twitter.com/HirasawaNochuri/status/284546037975220224/photo/1 [グラフ。データは心臓に何らかの既往症が認められた児童・生徒の数か?]


 更に他力本願で、冒頭記事に関連し、いろいろ資料をまとめていたブログ記事をメモしておくと、

ブログ「みんな楽しくHappy♡がいい♪」から、
茨城・小中学生の心臓に異常が認められるケースが急増
2012-12-26(14:40)
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2669.html (リンクはココ

「正しい情報を探すブログ」から、
茨城県取手市、心臓検診で異常報告が倍増!放射能による臓器不調の可能性が大!福島でも異常報告増加!
2012年12月29日 13時41分05秒
http://ameblo.jp/kennkou1/entry-11435240975.html (リンクはココ