ヒト遺伝子想定的生活様式実践法

2023年8月にテーマ・タイトルを変更(旧は外国語関連)
2015年4月にテーマ・タイトルを変更(旧は健康関連)

はじめに・・・

 外国語テーマも長く続かずなので、従来の健康ブログに戻してみようかと思いまして・・・ 備忘録的に残しておくと旧タイトルは「タイ語、漢字を使って覚えるの?」でした。(2023.8月記)

 従来の健康ブログ時に記事を書いていて、何故か、そろそろ外国語でも勉強した方がより良いかなーと思いつきまして、以来ちょこちょこと続けてきましたが、なんとなく、ある事を覚えると別の事を忘れてしまうモードに入ってしまったようで、知識量が停滞しつつあるような感じになりました。

 そこで、本ブログを外国語学習ブログに変更して、自分の備忘録的にまとめておこうかなと思いまして・・・。

 しかしながら、少し飽きたのか内容を増やしすぎたのか、書くのに手間がかかるようになり、時間がとれない時は、別ブログ「単語帳の素材?」にてライトな記事を書くことにしました。(この別ブログも徐々にライトでなくなり、記事を500本ほど書いたところで滞り中・・・)

 なお、健康ブログ時代の記事は、コチラの 入り口 からどうぞ。(2015.4月記)
 最近の健康系記事はカテゴリー「タイ語以外(健康2019)」からどうぞ。

大衆の誤認誘導報道の疑わしい例 (7) 先天性奇形

2013年03月25日 |  誤認誘導の疑い

 〔更新履歴:4/14追加〕


 言及するのを忘れていたけど、3.11から2年経過し、3年目に突入した。健康影響の面ではかなり進展があり、既に福島で小児甲状腺がんが10名ほど出ている模様で個人的に想定していた最悪シナリオ、あるいはそれより悪いものである一方、それ以外の多くの面ではあまり進展がない印象を受ける。

 放置ブログを再生させてから早1年だが、ブログの趣旨からすると残念ながら現況は良いとは言えないようだ。

 元々ブログに記事をまとめ始めたのは、某掲示板が閉鎖される可能性が考えられたためなのだが、その可能性は当面はなくなったように思われる。先週のJ-castニュースの記事から、

2ちゃん元管理人ひろゆき氏は不起訴に 薬物書き込み放置問題で
2013/3/20 12:21
http://www.j-cast.com/2013/03/20170338.html

 この意味でこのブログも役割を終えたような気もするけど、まだまだ●の影響が世間で適切に評価されてるとは考えられないので、継続していくことにも多少意味があるだろう。ということで、引き続き宜しくお願いします。


 さて本題に戻ると、最近(元々3/13頃にアップしようとしていたネタなので、少し時期外れかも・・・)、風疹の流行に関する報道をよくみかけるのだが、前々回記事
NHK番組「ためしてガッテン」 (5) 大動脈解離・腹部大動脈瘤  2013/3/6
で言及した類型に属する別の疑い例として指摘しておこう。


(A)  該当する大衆の誤認誘導効果を有する報道の類型

 風疹といえば、かつては自然流行でほとんどの人が免疫を獲得していた感染症であり、現在50歳以上の人、つまり祖父母になろうかという世代の人なら、風疹や先天性風疹症候群はかなりなじみ深い病気であろう。

 ヒロシマ・ナガサキの例から推測すると、足元で先天性奇形が増加しているのではないかと考えられるのだが、仮にこれが正しいなら、一連の風疹関係の報道は、

なじみ深い病気(現象)との関連をことさらに強調して報道するパターン

に該当していて、●の影響による先天性奇形の増加を先天性風疹症候群のせいに誤認誘導する意図を有した可能性があるだろう。


(B) 疑わしい報道

 幾つか見かけたものを紹介しておくと、「zakzak」と東京新聞から、

妊娠望む女性に異例の注意喚起 風疹流行が拡大 胎児が危ない
2013.03.05
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130305/dms1303050715006-n1.htm

風疹の流行が拡大している。昨年の患者数は全数報告の対象となった2008年以降最多の2353人だったが、今年は昨年をはるかに上回る勢いで増加が続いている。風疹は妊娠初期の女性がかかると、赤ちゃんが難聴や白内障、心疾患などの「先天性風疹症候群(CRS)」になる可能性があるが、その報告も昨年10月以降、6例に上った。流行の中心は成人男性で、背景には過去の予防接種制度がある。専門家は「身近に妊婦や妊娠を望む女性がいる人はぜひワクチン接種を受けてほしい」と訴えている。

 
風疹 近年にない大流行 妊婦は特に注意
2013年3月12日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/health/CK2013031202000140.html

関東地方を中心に、風疹(ふうしん)が流行している。特に妊娠初期の女性が感染すると、胎児が「先天性風疹症候群」になる場合があり、注意が必要だ。妊婦はワクチンを接種できないため、厚生労働省は家族などがワクチンを接種するよう呼び掛けている。 (稲熊美樹)・・・

 最も心配なのは、妊娠中の女性が感染した場合の胎児への影響だ。中枢神経障害のほか、心疾患、白内障や緑内障といった先天性風疹症候群になる可能性がある。昨年は五人、今年も一人報告されている。難聴は母体が感染したときに妊娠一カ月だと、発生率が八割以上になる。妊娠四カ月でも五割ほど。ただ、妊娠五カ月ごろになると、いずれの障害も発生率はゼロに近くなる。


 ググッてみると、NHKのニュースでも類似の内容が2月に取り上げられていたようだ。「NHK生活情報ブログ」から、

妊婦が風疹 赤ちゃんに障害
2013年02月01日 (金)
http://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/400/144996.html

去年から続く風疹の大流行が止まりません。こうした中、妊娠初期の女性が風疹になり、生まれた赤ちゃんに障害が出たケースが、相次いで報告されています。流行の現状や対策について、お伝えします。

 しかも、全国で感染者が1名増えただけで何故かニュースになっていたようだ。同じく「NHK生活情報ブログ」から、

先天性風疹症候群 全国7人に
2013年03月16日 (土)
http://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/400/149406.html

風疹が流行するなか、愛知県で、妊娠中に風疹に感染した女性から生まれた赤ちゃんが心臓や目などに障害が出る「先天性風疹症候群」と診断され、去年10月以降、風疹によって障害が出た赤ちゃんは、全国で合わせて7人となりました。


4/16追記:
 8人目についてもわざわざ報道があったようだ。何のためかは分からないが、必死さは感じられる。FNNニュースから、

都内で3月に生まれた赤ちゃん、「先天性風疹症候群」と診断
(04/03 19:09)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00243404.html

 東京都によると、母親が妊娠中に風疹に感染したことが原因で、3月に生まれた赤ちゃんが、目や心臓などに障害が出る「先天性風疹症候群」と診断されていたことがわかった。
 2012年10月以降、母親が風疹にかかった影響で障害が出た赤ちゃんは、全国で8人だという。・・・



(C) コメント

 風疹の流行関係の報道では、通常は次のような感じだろう(これは1週間で感染者数が200人を超えたため大きな扱いになったのであろう。その翌週データ(2/25~3/3)は199人、本日公表された、その翌々週データ(3/4~3/10)は241人)。

風疹患者、5年で最多 1週間で219人、首都圏が過半
2013年3月8日19時32分
http://www.asahi.com/national/update/0308/TKY201303080279.html

【森本未紀】大流行が続く風疹の患者数が、最新の1週間(2月18~24日)で全国で200人を超え、週ごとの感染者数はこの5年で最高になったことが、国立感染症研究所が8日に公表した集計で分かった。患者の7割以上が首都圏で報告されている。流行地域は予防接種率が低かった。・・・

 このような場合は単なる注意喚起の目的の報道とみられ問題ないのだが、違和感が生じるのは、先天性風疹症候群に関し、5人、6人と少ない数字をやたらと強調しているものがある点であろう。先天性奇形自体は一定の割合で出現するものであり(通常なら1000人に1人程度か?)、先天性風疹症候群をことさらに強調する理由はあまりないように感じられる。

 似たような違和感を感じる人もいるようで、ツイッターでみかけたものだと、

わくわく原子力博士@wkwknpdr
NHKニュース 東京の風疹患者 去年1年間を上回る「妊娠中の女性が感染すると赤ちゃんに障害が出るおそれがある『風疹』」なぜかいつもこの枕詞ではじまるのお。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/2013313/k10013182931000.html
2013年3月13日 - 16:58


 ヒロシマ・ナガサキで先天性奇形が増加した点については、例えば、ブログ『「広島の視線 」原爆・ヒロシマ・平和公園・ガイド・花・英語』から、

広島の助産婦の証言 ー 原爆による奇形
2012/10/7(日)
http://blogs.yahoo.co.jp/mitokosei/30256009.html

 ツイッターからだと、

@okanori75  13 Mar
林解剖による長崎の胎児・新生児の奇形割合(年次別) 【1949年9月~1950年】→被爆群22.1%、非被爆群8.9% 【1951年】→被爆群 24.1%、非被爆群16.1% 【1952年】→被爆群17.7%、非被爆群14.6% 【1953年】→被爆群13.6%、非被爆群5.2%

@okanori75
被爆者の胎児・新生児を解剖した林一郎と岡本直正。当時900体近くを解剖した彼らも、無脳症については特に印象深かったらしい。林は無脳症に特徴的にみられた内分泌腺の変化に着目、後にその研究の第1人者となる。(岡本による無脳症の記述。英文)  https://twitter.com/okanori75/status/313638383358447616/photo/1
2013年3月18日 - 6:09

@onodekita
無脳児が増えてくるのは3年後くらいから。フクシマはずっと出し続けているから、増えだしたらピークを迎えないままいくらでも増えると思われる
posted at 21:06:24 of 2013/3/18


 最近の風疹の流行の原因については、以前の記事
「コルチゾール過剰症候群」とステロイド剤の副作用 (7-3)  2012/8/29
でも指摘しているように●の影響のせいだと思われる。しかし、東南アジアから輸入された流行との報道もみかける。「NEWSポストセブン」の記事から、

風疹 首都圏の患者数は昨年の30倍で20~40代男性が圧倒的
2013.03.10 07:00
http://www.news-postseven.com/archives/20130310_175092.html

かつて数年に一度大流行を起こしていた風疹は、1994年の予防接種法の改正で、男女幼児のワクチン接種が定期(無料)になり、罹患数が激減した。しかし2011年以降、患者が増えている。その理由としてベトナムなど東南アジアでの風疹の流行が、日本に入ってきたのではないかと考えられている。 (強調は引用者)

 東南アジアとの人の往来は従来からあるわけで、最近は景気も悪く往来が急増したとも考えられず、仮に東南アジア由来のウイルスが流行しているとしても、何か別の原因があると考えるべきであろう。


4/16追記:
 上記の説の出所は国立感染症研究所らしい。組織の名称に恥じないよう、「拡大してしまっている」などと言わずに何故拡大したのかを調べないといけないだろう。FNNニュースから、

風疹の流行について、専門家に聞きました。
(04/14 18:31)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00244101.html

 流行の原因は、どこにあるのか。
 国立感染症研究所感染症疫学センターの多屋馨子室長は「2011年ごろに、海外で流行していた風疹ウイルスが、たぶん日本に持ち込まれて、拡大してしまっているという状況だと思います。予防接種法の制度の変遷っていうのがありましたので、それによって、(ワクチンを)受けている方、受けていない方がいらっしゃるということになります」と話した。



 風疹の流行自体が問題といえば問題なのだが、前回2004年の流行では推定で約3.9万人の患者が出たらしいので、現状はまだまだ想定の範囲内で制御可能な状況にあると考えられる。読売新聞の記事から、

パパになる前に予防接種を…風疹流行の兆し
3月21日(木)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130321-00000688-yom-sci

 厚労省によると、風疹の患者は昨年後半から増え始め、この3週間は毎週200人以上が報告されている。都道府県別では今月10日現在、東京が755人、神奈川205人、千葉139人、埼玉132人など、首都圏を中心に流行の兆しをみせており、同省は「推定で約3・9万人の患者が出た2004年以来の流行になる恐れもある」としている。・・・


NHK番組「ためしてガッテン」 (5) 大動脈解離・腹部大動脈瘤

2013年03月06日 |  誤認誘導の疑い

(A) 関連する大衆の誤認誘導効果を有する報道の類型

 今回は、

 なじみ深い病気(現象)との関連をことさらに強調して報道するパターン

に関連すると考えられる。腰痛自体は、かなり多くの人にみられる症状で、なじみ深いものといえるだろう。このような放送があるとなかには「とんでもない腰痛」もなじみ深い病気ととらえてしまう人もいることだろう。


(B) 今回の放送内容

 NHKの番組サイトから、

年間1万人!死に至る腰痛があったとは!?
2013年02月06日放送
http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20130206.html

 全国1000万人以上が悩まされているという腰痛はまさに国民的大問題。
 これまでためしてガッテンでも、腰痛が楽になるウオーキング法など、さまざまな対策をご紹介してきましたが・・・
 実は、ひとくちに腰痛といってもその原因は30種類以上!
 しかも中には、血管の異変から「突然死」につながるケースもあったんです。・・・
 

  詳しい内容は上記URLでみてもらうとして、主要な論点は、多分放送内容のタイトルから考えても、「とんでもない腰痛」とされる大動脈の異変に関する次の部分ではないだろうか。

死に至る「とんでもない腰痛」とは?

 ただのギックリ腰(あるいは慢性腰痛)だと思っていたら命を落としてしまうケースが実際に存在します。
 名付けて「とんでもない腰痛」。・・・
 この「とんでもない腰痛」の原因は、全く違うところにあります。
 それは「大動脈」です。
 しかも、この大動脈が原因の「とんでもない腰痛」には2つのタイプがあります。

1. ギックリ腰のような痛み=「大動脈解離」
 (中略)
2. 慢性腰痛のような痛み=「腹部大動脈瘤(りゅう)」
 (中略)


とんでもない腰痛の見分け方は?

 大動脈解離や腹部大動脈瘤(りゅう)などの危険な痛みを見分けるポイントが「横になって寝ている状態で痛むかどうか?」
 安静にしても「痛みが持続する」、あるいは「時間とともに痛みが強くなる」などの症状がある場合は我慢しすぎず病院を受診することが大切です。


 副次的には上記引用に続く次の「危険な腰痛」部分も関係すると思われる。

 また、「とんでもない腰痛」以外にも、放置しておけない危険な腰痛があります

    ・すい炎
    ・がん
    ・尿路結石
    ・椎体骨折

などです


 残りの部分は、「普通の腰痛」に関する対策が幾つか紹介されている(温める?冷やす?、運動療法)。


(C) コメント

 歳をとれば腰が痛くなるのはわりとあることだろうが、3.11後は特に増加している可能性が高いだろう (この点について過去記事はココ)。実際にもそのような増加がみられるようで、他力本願でいくと、サイト「低気温のエクスタシー byはなゆー」から、

スポーツ選手を含む著名人に「ギックリ腰」が多発している
2013年3月5日火曜日
http://alcyone-sapporo.blogspot.com/2013/03/blog-post_793.html


 腰痛は中高年にとってはなじみ深い症状と思われるが、放送ではその原因は30種類以上と指摘しつつ、この内容が放送されたということは、足元で大動脈の異変が3.11前より増加している可能性があると考えられる。

 なじみ深いものと結び付けることによって、大動脈の異変もなじみ深いものとしたいとの意図があるのかもしれない。


 以前の記事(ココ)でも少し触れたけど、内部被曝があるときには、

「放射性降下物血症」 →「高酸化ストレス血症」の一種 →血管病変

という経路で血管系の病気にになり得るだろうと推測される。

 実際、チェルノブイリの経験でも血管の早期老化が問題となっていたようだ。サイト「原発の危険から子どもを守る北陸医師の会」の「チェルノブイリの健康被害 原子炉大惨事から25年の記録」(セバスチャン・プフル-クバイルほか著、2011.4月)から少し引用すると、

第2章 汚染除去作業員
http://isinokai.churaumi.me/2012/03/07/hapter2/

2.1 放射線被ばくによる早期老化作用
(中略)

ロシアとベラル-シ、ウクライナの汚染除去作業員での調査では、成人病の発病時期が正常老化作用で現れるよりも10~15年早く見られた15)。 まとめると次のようになる。

血管の老化が早まった-特に脳の血管-そして冠動脈16)。
老人性白内障、眼底血管の動脈硬化、そして早期視野狭窄17)。
中枢神経系障害のため高次知的認知能力の喪失18)。
抗酸化システム-外的損害因子による細胞染色体の損傷の修復を担う-の安定性の喪失19)。


 噂話のレベルだと、少し古いけどツイッターから、

@KinositaKouta
@onodekita 同一ビル内で、突然死と大動脈解離が別々におきた。港区。海岸べりビル。清掃工場から近い。三十代の女性と、男性。
Jul 4, 2012


 ついでにYNNチェルノブイリ報告書 (これについての過去記事はココ) に関し、関係しそうな部分いわゆる勝手訳のURLだけ紹介しておこう。
 
セシウムで心臓・血管が傷つけられ、高血圧・虚血性心疾患・動脈硬化・脳卒中-ヤブロコフ「心臓および血管に関する病気」から
日時 2011 年 10 月 23 日
http://www.asyura2.com/11/genpatu17/msg/707.html


 ちなみに、大動脈の異変の解説については、gooヘルスケアから、

大動脈解離 http://health.goo.ne.jp/medical/search/10660400.html

大動脈瘤 http://health.goo.ne.jp/medical/search/10660300.html


 放送では「普通の腰痛」の対策には言及しているけど、何故か「とんでもない腰痛」の対策には触れていないようだ。放送のタイトルから考えれば当然すべきと思うのだが。内部被曝の危険性を指摘しつつ、よい子は食べて応援はしない方がよい、と解説したならば、内容に一貫性も出てかなり素晴らしいものになったことだろう。


 ちなみに普通の腰痛の対策部分に言及すれば、基本は温めた方がよいと個人的には感じている。腰痛がするということは、どこかが損傷しているはずで、とりあえず免疫力を高める必要があるからだ。しかし、損傷部分の修復反応が強すぎて痛く寝れないほどならば、冷やして反応を和らげ、睡眠時間を確保するということも必要だろう。


 なお、「とんでもない腰痛」を「普通の腰痛」(ぎっくり腰)、「危険な腰痛」(尿路結石)との関連でみれば、3.11前の事例なのだけど、次の経験談がかなり参考になるだろう。サイト「花水木法律事務所」のブログから、

大動脈解離顛末記(1) 2011年12月 2日 (金)
http://hanamizukilaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-c43e.html
大動脈解離顛末記(2) 2011年12月 9日 (金)
http://hanamizukilaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-3b95.html
大動脈解離顛末記(3) 2011年12月22日 (木)
http://hanamizukilaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-cf7a.html
大動脈解離顛末記(4) 2012年1月13日 (金)
http://hanamizukilaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-548e.html
大動脈解離顛末記(5) 2012年1月27日 (金)
http://hanamizukilaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-729d.html


 上記の最後の記事では、次のように指摘されている。

要するに、思い当たる節がないのである。あのときトイレの中に悪魔がいて、命を奪う相手を探していた、という話の方が、腑に落ちる。


 トイレの中の「悪魔」なるものは、3.11前だと生まれつきの体質やそれまでの生活習慣から生じたモノのような気がするけど、3.11後には「悪魔」は東北関東の各地にかなりばら蒔かれたので、体内に取り込まないようにかなり注意して生活する必要があるだろう。


大衆の誤認誘導効果を有する報道の諸類型 (2) 隠れ○○

2013年01月31日 |  誤認誘導の疑い

 前回記事(ココ)で「隠れ冷え性」と「隠れ睡眠障害」に触れたけど、大手メディアでも「隠れ○○症」という報道をみつけたので、整理しておこう。


(A)  該当する大衆の誤認誘導効果を有する報道の類型

 類型化すると、こんな感じだろうか。

・ある病気(現象)では自覚のない人々が多いことをことさらに強調して報道するパターン (「隠れ○○症」と表現されることが多い)

 この背景としては、3.11前であれば多くの場合病気になる人には何かしらの理由があった筈だが(遺伝、病気がちの体質、不摂生、過労など)、●の影響の場合は、かつて健康であった人にも前兆がないまま突如発症することが多いだろう。見えないし臭いもしないし(味はするようだが)、人によって影響の出る部分が異なるし。つまり、多くの人の場合は、およそ自覚がないだろう。
 
 ウェッブ上を観察していると、現状、足元で病気が増えているような印象を受ける。2011年10月の調査(厚生労働省平成23年患者調査)によれば、他力本願でツイッターから、

@t_m_tweet 12月8日 of 2012
'@onodekita 厚生労働省平成23年患者調査http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/11/index.html、推計値ではなく患者数をみてみました。福島県等一部地域が除外されても心疾患、高脂血症、糖尿病は増加しています。 隠せない事実ですね。http://twitter.com/t_m_tweet/status/276951023803846656/photo/1 [下図参照]

図 平均伸び率(1996~2008年)を超えて2011年に増加した疾病

 

 高血圧がみごとな形状のグラフのようで・・・

 このような例年以上の増加部分は、個人的には●の影響が主因ではないかと疑っているけど、このような可能性すら認めたくない人々からすると、自覚のない病気、つまり「隠れ○○症」が増加しているという方向の説明になるのだろう。


(B) これまでの類型のまとめ

 自分でもよく分からなくなつてきたので、これまでブログ記事化した類型をまとめておくと、今回の入れて計5つになるようだ。

・ある病気(現象)の従来からの増加(又は減少)傾向をことさらに強調して報道するパターン

・ある病気の最近増加は「ストレス」が原因であるとことさらに強調して報道するパターン
・ある病気(現象)は老化が原因であることをことさらに強調して報道するパターン
・ある病気(現象)は冷えが原因であることをことさらに強調して報道するパターン

・ある病気(現象)では自覚のない人々が多いことをことさらに強調して報道するパターン
 

(C) 今回の類型の疑わしい報道

 今回紹介するのは、大手メディアの「隠れ高血圧」の記事である。フリーペーパーの記事なら笑っておしまいにもできそうだが、この場合はちょっと見過ごすことはできないかな。NHK生活情報ブログから、

"隠れ"高血圧に注意
2012年11月12日 (月)
http://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/400/137490.html

「高血圧」というと、よく耳にする病気なので、日頃から気をつけている人も多いと思いますが、“隠れ”高血圧と呼ばれるものがあり注意が必要です。「健康診断で血圧の値が正常だったので問題ない」、「私は昔から低血圧タイプだから・・・」と安心している人、実は、高血圧のリスクを抱えているけれども、気がついていないだけの“隠れ”高血圧かもしれません。・・・

 
 上記記事には、茨城県在住の40代男性と千葉市在住の50代女性との2つの例が出てくるけど、長くなるので詳しくは上記URLでどうぞ。

 2人の高血圧の原因については、男性の場合には、当然ストレスを強調していた。上記記事から、

高血圧の治療が専門で、東京都健康長寿医療センターの桑島巌医師によると、ストレスは高血圧の要因の1つで、職場で高血圧になっている仕事熱心な人が増えているということでした。職場でストレスを多く感じて高血圧になっている人は、健康診断を受ける時は待ち時間などもあり、仕事のストレスから解放されて血圧が低く出る傾向にあるようです。

 女性(丸山さん)の場合は、閉経の影響ということだろう。上記記事から、

丸山さんは、どうして、突然、高血圧になったのでしょうか。桑島厳医師は、「女性の場合、エストロゲンという女性ホルモンの関係で高血圧や動脈硬化になるのが若干、予防されているが、そのホルモンが減るなどする45歳から50歳くらいで体調が変わり、血圧が上がるケースが多い。若いころ、特に低血圧だと思って安心しきっていた人は、いつの間にか高血圧になる場合が多いので定期的な検診が必要です」を説明してくれました。


(D) コメント

 高血圧の関連では前々回のブログ記事(ココ)があるけど、その他他力本願で、関連しそうなものをまとめておこう。

 高血圧の増加については、交感神経の緊張が関与していると個人的には考えているのだけど、関連のツイートから、

@dr_chasiba 12月12日 of 2012
東日本大震災により慢性腎疾患患者の血圧上昇がみられたとする論文抄録http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23224028  交感神経の緊張が慢性腎疾患患者ではより増強されたのではないかと示唆

 ちなみに上記URLの論文のタイトルは、

Acute changes in home blood pressure after the Great East Japan Earthquake among patients with chronic kidney disease in Fukushima City.
Clin Exp Nephrol. 2012 Dec 6. [Epub ahead of print]


 最近みかけた、高血圧関連の野呂美加氏の話。「木下黄太のブログ」から、

「バス待ちの間に逝った」「乳搾りしていて逝った」チェルノ突然死との類似。カフェイン、珈琲で心臓注意。
2013-01-30 00:00:00
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/73c705487a71185f57630a57fd7a04c2

[野呂氏が木下氏に宛てたとみられるメールの一部]
心臓の異常は、子供達の高血圧が発見されて騒いでいました。家族関係も全部調べていました。日本のレベルの低さに驚きます。遺伝ではない、地域の子どもに高血圧が起こっている、という話と、太り気味というか太っている人が、ころころ心臓死していくのと、病院はてんこもりだったように思います。


 この話で思い出したのが、栃木の小中学生の間で高血圧が増加しいるという話。サイト「低温のエクスタシー byはなゆー」から、

【不審】栃木県大田原市の中学生の5人に1人が「高血圧」と判明
2012年7月18日水曜日
http://alcyone-sapporo.blogspot.jp/2012/07/blog-post_9945.html


 上記記事では、下野新聞の報道が引用されているけど、それによれば、大田原市の中学生で高血圧が特に増加しているらしい(2006年度に9.3% →2011年度に20.6%とほぼ倍増)。

 いろいろと繋がってくる。真実であれば、当然のことなのだが・・・

 「隠れ高血圧」などと細かいことにはこだわらず、被ばくの自覚がなくいろいろな病気が発症している可能性が高いのだから、「隠れ●の影響」と大手メディアで報道してほしいものだと感じるのだが、どうだろうか。


大衆の誤認誘導報道の疑わしい例 (6) アレルギー(3歳児)

2013年01月14日 |  誤認誘導の疑い

 何故このタイミングなのか、という不可解な記事をみかけたので、疑い例としてメモしておこう。

(A)  該当する大衆の誤認誘導効果を有する報道の類型

ある病気(現象)の従来からの増加傾向をことさらに強調して報道するパターン

に該当するものと考えられる。


(B) 疑わしい報道

 最近、従来路線を軌道修正中なのかとの印象もする、東京新聞から、

アレルギー3歳児 倍増 都まとめ 過去10年
2013年1月11日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013011102000101.html

 東京都がまとめた「アレルギー疾患に関する三歳児全都調査報告書」(二〇〇九年度版)によると、三歳児の食物アレルギーに関する罹患(りかん)率は過去十年で二倍以上に増えている。

 都は五年ごとにアレルギー疾患に関する調査を行っており、食物アレルギーの罹患率は一九九九年度が7・1%、二〇〇四年度が8・5%、〇九年度は14・4%だった。アレルギー性鼻炎も同様に倍増している。

 一方、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、ぜんそくは大きな変化がなかった。アレルギー疾患全体の罹患率では十年で2%増にとどまっている (強調は引用者)


(C) コメント

 先ず、不可解なのが、ちょっと古めのネタ(2010年4月に公表された「アレルギー疾患に関する三歳児全都調査報告書」)を何故このタイミングで報道したのかという点である。

 東京新聞の紙面をみると何か意味があると分かるかもしれないが、背景としては、足元で幼児のアレルギーが増加しているということではないか、と一つ考えられる。

 実際、3.11後にアレルギーが悪化したという話はよく耳にする。ブックマークの中から簡単に出てくる資料だと、サイト「SAVE CHILD」の記事でOurPlanetTVの番組を紹介した内容のものから、

【アンケート結果】関東全域で健康被害広がる~500件の異変報告から
2011.7.20
http://savechild.net/archives/5568.html

 また、アトピーなどのアレルギーの悪化や完治していた病気などの再発、生理の不調、ほくろや紫斑ができるなど、ストレスなどとは到底無関係の症状も多数報告されている。この他、放射能との関連はわからないとしながらも、福島県内の2人の女性から、安定期に流産した、出産直前に死産したなど、胎児に関する報 告があった。 (強調は引用者)


 また、冒頭記事では、3歳児のアレルギー疾患全体の罹患率は10年間で2%増にとどまるのに、何故か食物アレルギーの罹患率が2倍になった点が見出しになるなど、増加がいたずらに強調され過ぎていると言えるだろう。実態は、2009年秋には複数のアレルギーを持つ3歳児が特に増加していたということではないだろうかと思われる。


 冒頭記事で引用された東京都の調査については、東京都のサイトから、

アレルギー疾患を持つ子供に関する調査をしました
保育所等を対象とした児童施設調査及び3歳児全都調査
報道発表資料 平成22年4月22日
http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2010/04/60k4m100.htm


 調査の全体は、次の2本立てになっているようで、前者が保育所・幼稚園という施設を、後者が3歳児を対象としたもののようである。

・アレルギー疾患に関する児童施設調査
・アレルギー疾患に関する3歳児全都調査

 
 冒頭記事自体は、アレルギー疾患に関する3歳児全都調査報告書のまとめを文書化したもののようだ。そのまとめを同報告書の概要版から(http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2010/04/DATA/60k4m102.pdf。pdfファイル)、





 次回の東京都による調査は2014年秋で、その結果が2015年春には公表されると見込まれる。従来からある各種の要因のほか、●の影響も寄与するだろうから、アレルギー3歳児の割合の増加が予想されるだろう。


大衆の誤認誘導報道の疑わしい例 (5) 腰痛

2013年01月03日 |  誤認誘導の疑い

 先ずは、時候の御挨拶(Season's Greetings)。

 さて、とある地方紙の大晦日の朝刊1面トップでみかけたネタを紹介しておこう。このネタは、地方紙のネットワークで配信されたようで、多くの地方紙で記事になっていたようだ。

(A)  該当する大衆の誤認誘導効果を有する報道の類型

・ある病気(現象)は従来から「ストレス」が原因であるとことさらに強調して報道するパターン
あるいは
・ある病気(現象)は従来から原因不明のものが多いことをことさらに強調して報道するパターン

に該当するものと言えるだろう。特に、前者について言えば、今回記事では、ストレスの種類を「心理的なストレス」に限定して言及しているので、被曝による酸化ストレスは除外されることとなり、誤認度が高いともいえるだろう。


(B) 今回紹介する「疑わしい報道」

 ウェッブ上では東京新聞の記事が充実しているようなので、同新聞から、

腰痛にストレス関与 安静有効と限らず 画像検査大半不要
2012年12月31日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012123102000092.html

 日本整形外科学会と日本腰痛学会は、腰痛の発症や慢性化には心理的なストレスが関与しており、画像検査などでも原因が特定できない腰痛が大半を占めるとの診療ガイドライン(指針)をまとめた。

 [中略]

 指針によると、腰痛は発熱や胸部痛といった危険信号の有無などで(1)がんや外傷、感染などの重い脊椎疾患が疑われるもの(2)まひやしびれ、筋力の低下など神経症状を伴うもの(3)原因が特定できない非特異的腰痛-に分類することが重要とした。

 非特異的腰痛は、いわゆるぎっくり腰やストレスが原因となっているものを含み、全体の85%を占めるとの研究があるという。

 非特異的腰痛は、職場での人間関係や仕事量の多さ、仕事上の不満、うつ状態など心理社会的要因が関与している強い証拠があると指摘、ストレスを軽減するためにものの考え方を変える認知行動療法などの精神医学療法が有効だとした。・・・


(C) コメント

 個人的に腰痛に注目しているのは、原爆被爆者生存者のとあるデータをみて以来である。そのデータを最初にどのサイトでみかけたのかは憶えていないが、ブックマークしているものだと、例えば「olivenews」から、

【日本の原爆被爆生存者と一般住民の罹病率と比較】
 2012/02/08 18:55
http://www.olivenews.net/news_30/newsdisp.php?n=123643 (表2を参照)

 原爆被爆生存者の3割弱が腰痛で悩んでいたということらしい(比較した一般住民では1割以下)。


 腰痛の原因として心理的なストレスを強調する類の記事は、以前からあるようだ。「47news」の一昨年8月の記事から、

腰痛にストレスが関与 再発、慢性化の要因に 日常活動維持が大切
2011.08.30 (共同通信 戸部大)
http://www.47news.jp/feature/medical/2011/08/post-570.html

 大多数の人が経験する腰痛。再発や慢性化も多く、やっかいな症状だ。従来は背骨に問題があるとして、腰にできるだけ負担を掛けずに安静を保つことが大事だとされてきた。しかし最近は、痛みに対する不安や仕事上のストレスといった心理的な影響が注目され、ストレスを解消しながら、できるだけ日常活動を維持する方が良いとの考えに変わってきたという。 (強調は引用者)


 今回は、関係する学会(日本整形外科学会、日本腰痛学会)が診療ガイドラインを作成したことが記事化の主な背景のようだが、使い古したネタにみえるのに何故朝刊の1面トップに持ってきたのだろうか(これは「とある地方紙」だけの問題かもしれないが・・・)。また、個人的にみかけた記事では、何故か最後に福島県立医大の整形外科の教授の談話で締めてあった点も、何か意味があるのだろうか。1面トップ記事なのでネットで拾えると思い保存しなかったので、その部分については他力本願で、「加茂整形外科医院」(石川県所在)のブログ「心療整形外科」から、

よくなってきたけどもう一歩だ
2012年 12月 31日
http://junk2004.exblog.jp/19760772/ (北国新聞掲載版の今回記事画像が閲覧可能。内容は一番詳細か?。なお、「MPS」については後述)


 後者の点(福島県立医大教授の談話で締め)については、どうも「非特異的腰痛は・・・全体の85%を占めるとの研究」というのは、菊地臣一・福島県立医大理事長兼学長の研究らしいことが影響しているのかもしれない。「かたこり整体院」(東京都所在)のブログから、

病院でよくならない腰痛の原因は?
2012-03-23
http://ameblo.jp/kata39/theme-10051831016.html

福島県立医科大学学長・菊地臣一医師(整形外科)がテレビの取材で、
   『85%の腰痛は原因がわからない』
と仰っていました。


 冒頭の記事では、原因不明のものが、あたかも主因は「心理的ストレス」のような記事に変身しているので、かなり違和感を感じる。例えば、「守屋カイロプラクティック・オフィス」(山形県所在)のブログ『「脳‐身体‐心」の治療室』のブログ主も、同様に何らかの違和感を感じたと読み取れるだろう。

腰痛診察の在り方が変わるか!?
 2013-01-03 11:47
http://mchiro.exblog.jp/19084989/

 こうした事例にも、医学的に不確かな時代の流行というものが見え隠れする。盛んに「椎間板ヘルニア」などの構造的問題を指摘してきたものが、この診療ガイドラインでは対極にある「心理的問題」を強調している。

確かに「精神・心理的要因」は重要な因子だろうと思う。だからといって、85%の腰痛を「生物・心理・社会的要因」とし、「心理的ストレス」を強調して終わりにしてはならない。


 腰痛の診療については、従来から、いろいろと問題点が指摘されている。例えば、「うみかぜカイロプラクティック」(神奈川県所在)のサイトから、

間違いだらけの腰痛治療!? -あなたはまだ時代遅れの説明を受けていませんか!?
http://www.umikaze-chiro.com/index.php?%E9%96%93%E9%81%95%E3%81%84%E3%81%A0%E3%82%89%E3%81%91%E3%81%AE%E8%85%B0%E7%97%9B%E6%B2%BB%E7%99%82!%3F (図表が多いので引用略)


 個人的な理解では今のところ、腰痛の多くは筋肉の損傷・劣化が原因であろうと考えている。この点については、前出ブログの病院本体のサイトから、

加茂整形外科医院  リウマチ・ペインクリニック・心療内科
http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/

 ところが医療現場では未だ100年前の間違った理論を引きずっているのです。その理由は何でしょうか。
 構造と痛みは別問題です。
 レントゲンやMRIは痛みを伴うことのある特異的な疾患(悪性腫瘍、感染症、骨折、リウマチ及び周辺の炎症性疾患)を除外する意味しかありません。・・・
 筋骨格系の痛みやしびれのほとんどは筋性疼痛(攣り、引っ張り、こわばり、凝り、痙攣、攣縮、スパズム)です。筋肉の微小損傷が始まりです。
 不意の外傷、過度な労働やスポーツ、姿勢や生活習慣が原因となります。

 [中略]
 MPS(筋筋膜性疼痛症候群)やトリガーポイントという言葉はネットを通して広がりつつあります。整形外科やペインクリニックで扱うほとんどの疾患はMPSなのです。それが間違った診断をされていることが多いのです。・・・


 MPS(筋筋膜性疼痛症候群)については、筋筋膜性疼痛症候群(MPS)研究会のサイトから、

筋筋膜性疼痛症候群とは?
http://www.jmps.jp/general/whatsmps

概要
 筋筋膜性疼痛症候群(きんきんまくせい とうつうしょうこうぐん、Myofascial Pain Syndrome:MPS)は、筋肉が原因となって痛みやしびれを引き起こす病気です。 日本では筋痛症とも呼ばれることもあります。

 [中略]
 通常、我々が急激に重い物を持ったり、無理な姿勢等により繰り返し筋肉に負荷をかけると筋肉に微小損傷が発生します。いわゆる筋肉痛の状態です。通常、この痛みは数日程度で自己回復をします。しかし、さらに、繰り返し筋肉に負荷を与えたり、寒冷にさらされたりりて血行の悪い状態を作ると、その部分が痙攣(けいれん)状態になり短期間で自己回復できなくなります。この状態が筋筋膜性疼痛症候群(MPS)になった状態です。


 バンダジェフスキー博士の説に従うと、体内に取り込まれた放射性セシウムは筋肉に蓄積しやすく(動物の場合については、次の朝日新聞の記事参照)、筋肉はその影響を受けやすいとされている。また、筋肉(心筋、骨格筋)は特殊な細胞であり、細胞分裂しないとされている。これらの点を踏まえれば、仮にMPSが腰痛の原因の大半を占めるのであれば(腰痛MPS主因説)、●の影響により腰痛が増えるだろうと容易に推測できるのではないだろうか。

筋肉のセシウム蓄積は血液の数十倍 警戒区域の牛を調査
2011年11月25日15時7分
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201111250281.html


 腰痛は、3.11後に増えているような気が個人的にはしている。著名人で最初に気になったのは、記憶の限りでは、コブクロのヒトだろうか。スポニチから、

コブクロ活動休止…小渕 ジストニアで半年間の療養
2011年8月29日 06:00
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2011/08/29/kiji/K20110829001506910.html

 人気男性デュオ「コブクロ」が28日、札幌市で行った全国ツアー最終公演で、半年間の活動休止を発表した。ギター兼ボーカルの小渕健太郎(34)が高音域の声を出しづらい「発声時頸部(けいぶ)ジストニア」を発症し、約半年間の療養が必要と診断されたため。相方の黒田俊介(34)も持病の腰痛がツアー中に悪化したことなどを理由に休養する。


 最近みかけて気になって覚えているのは、我が国を代表する一家のヒト。高齢が原因の可能性が高いとは思うが、一家の人々には、持病(心臓病)の悪化、マイコプラズマ肺炎とかも出ていて、ある種の傾向が現れている、とみられるのかもしれない。

皇后さま、腰痛「時に痛い」 宮内庁が文書回答を訂正
2012/10/22 18:35
http://www.47news.jp/CN/201210/CN2012102201001889.html


 腰痛について、個人的に特に心配しているのは、浅田選手である。似たような指摘を、フィギュアスケートGPファイナル(昨年12月上旬にロシアのソチで開催)の関連の流れで、某掲示板の緊急自然災害板から、

216 : 地震雷火事名無し(東京都)[sage] : 投稿日:2012/12/11 11:31:17 ID:xJ9nO+vT0 [1/1回(PC)]
  >>212
  持病の腰痛悪化の人もいたぞな。写真のクマをみると疑ってしまうが・・・

  フィギュア:真央 腰痛は「だいぶマシになりました」
  http://mainichi.jp/sponichi/news/20121211spn00m050005000c.html
   拡大photo http://mainichi.jp/graph/2012/12/11/20121211spn00m050005000c/001.html

  浅田真央:帰国後腰の検査へ「年を取ったなあと思います」
  http://mainichi.jp/sponichi/news/20121210spn00m050006000c.html

  ちなみに、腰痛がトップじゃ。

  【日本の原爆被爆生存者と一般住民の罹病率と比較】
  http://www.olivenews.net/news_30/newsdisp.php?n=123643 (表2を)

  彼女がペイン・アピールするのは、多分今回が初めてなので、かなり良くないはず。
  早めに危険派にならないと、2014までもつのだろうか?本来、その次もある人材のような。


 確か昨年夏頃に「いわしの味噌煮」が好物とかの報道があり心配していたのだが、フィギュアスケート全日本選手権(昨年12月下旬に札幌市で開催)の関連記事によれば、最近では「刺し身」「海鮮丼」が試合後の自分への御褒美のようにうかがわれる。某掲示板の放射能板での指摘から、

435 : 名無しに影響はない(家)[sage] : 投稿日:2012/12/24 22:07:19 ID:T8obSXFp [1/4回]
  浅田、羽生らがイブの舞 フィギュア・エキシビ

  >浅田は「自分へのご褒美は今夜のお刺し身。海鮮丼が楽しみ」と笑いを誘った。

  ttp://www.chunichi.co.jp/s/chuspo/article/2012122401001614.html [リンク切れ]

  安全厨確定。(南マグロ丼とかチリ産サーモン丼でない限り)

 なお、上記リンクは切れているようなので、類似の記事を河北新報から、

浅田、羽生らがイブの舞 フィギュア代表がエキシビ
2012年12月24日月曜日
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/12/2012122401001614.htm


 12月上旬の国際試合での腰痛悪化の原因は、報道によれば試合前の練習のし過ぎということとされているようだが、11月下旬の国際試合(NHK杯)でも優勝しているので、その際に海鮮丼を食した可能性もあるだろう。ちなみに、NHK杯の開催地は、仙台市であった。


NHK番組「ためしてガッテン」 (4) メカノレセプター(体性感覚)の機能低下

2012年12月08日 |  誤認誘導の疑い

〔更新履歴:12/9用語訂正〕

 

 今回は、気分が乗らないときのガッテン頼みでいこう。

(A) 関連する大衆の誤認誘導効果を有する報道の類型

 今回紹介する放送内容に関連するのは、

・ある病気(現象)は冷えが原因であることをことさらに強調して報道するパターン
及び
・ある病気(現象)は老化が原因であることをことさらに強調して報道するパターン

で、ここでの「ある病気(現象)」とは、骨折(あるいは転倒)を想定している。

 前者については、下痢などの症状を「節電反動冷え」として紹介した報道に関する以前の記事(ココ)で触れたパターンに、後者は、骨粗しょう症の報道に関する以前の記事(ココ)で触れたパターンに類似しているといえるだろう。


(B) 放送内容

 NHKの同番組のサイトから、

40代からすでに危険! 転倒死をホントに防ぐ
2012年12月05日放送
http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20121205.html

 年間7000人を上回る人が命を落とす転倒事故。その死者数はいまや交通事故を上回っています。
 ためしてガッテンでもこれまで何度も転倒を取り上げており、その原因として「筋力低下」「注意力低下」などを指摘しました。今回、転倒事故の原因をさらに詳しく調べてみると、思いもよらない意外な原因が見つかりました。
 その手がかりとなるのが「女性」「歩く」という転倒とは結びつきそうにない2つの言葉。しかし、私たちが転んでしまうメカニズムと深く関係していたのです。できれば誰もが遭いたくない 転倒事故。そのホントの原因をお伝えします。


 これは、上記URLの記事の冒頭部分なのだが、この放送内容の背景として、最近転倒が増えているとも理解できる次の指摘がある。同記事から、
 
 街頭でみなさんにお話を聞くと本当にたくさんの方が筋トレストレッチウオーキングなどの転倒対策を していました。でもそのわりには「全く転ばない」と答えた人は非常に少なく、むしろ転ぶ回数が最近増えていると答えた方がほとんどでした。


 上記記事を読んでみて個人的に理解したところでは、このような転倒は、メカノレセプターの機能低下に由来するもので、それは主に

(a) 足の冷えによるバランス力の低下
(b) 加齢による歩行時の足の高さのバラツキ
(c) 2つ以上の動作を並行して行う「ながら」状態下での、歩行時の足の高さのバラツキ

に原因があると指摘していたようだ。

 ちなみに、「メカノレセプター」というのは、全身にある感覚受容器で、関節の角度や筋肉の収縮の情報を脳に送っているものであり、例えば、足の裏では、足の裏にかかる圧力の情報を脳に送ってるらしい。
 
 (a)については、足裏の温度が低いと、メカノレセプターからの情報が脳に伝わりにくくなり、バランスをとるのが難しくなるらしい。「女性に多い冷え性の人は足裏が冷えやすく転倒しやすいので気をつける 必要があります」と指摘している。

 (b)と(c)については、メカノレセプターの情報が脳にうまく伝わらないと、歩行時の足の高さにバラツキが生まれ、知らず知らずのうちに足が下がって転倒してしまう、ということのようだ。(b)は、加齢によってメカノレセプターからの情報が脳に伝わりにくくなる場合で、また、(c)は、「ながら」状態だと、脳がメカノレセプターからの情報の処理に専念てきなくなるので、メカノレセプターからの情報が伝わりにくくなる場合ということらしい。


(C) コメント

 以前の記事(NHK番組「ためしてガッテン」 (2) ビタミンD欠乏症 2012/11/5)で紹介した放送内容では、高齢者の転倒について、「足腰フラフラ病」と称しつつ、

ビタミンD不足 →筋力低下 →バランス能力の低下 →転倒・骨折

という流れで、ビタミンD欠乏症が原因であるとするものがあった。

 この放送内容が想定していたのは、主に養護施設に入居しているような高齢者だろうから、高齢者以外の人々の転倒・骨折を説明できるものではなかったので、今回の放送内容に繋がっているのかもしれない。放送内容のタイトルからすれば、40歳代の中年の転倒・骨折までを説明することを意図したものであろう。

 
 転倒が何故起こるかについては、姿勢制御の問題であり、姿勢制御には、体性感覚、前庭系(いわゆる耳の三半規管)、視覚の3つの感覚が主に関係するとされている。メカノレセプター(機械受容器)から得られる感覚は体性感覚の一つであり、それぞれウィキペディア日本語版から、

機械受容器
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A9%9F%E6%A2%B0%E5%8F%97%E5%AE%B9%E5%99%A8
体性感覚
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%93%E6%80%A7%E6%84%9F%E8%A6%9A


 今回の放送内容では、転倒が増加している旨の指摘があったようだが、実は、3.11後の現状において、転倒が増えているかどうかは、直接的にはよく分からない。ケガがない転倒が多くを占めるだろうから、なかなか調べることが難しい面がある。

 しかし、骨折が増えているらしいことからみて(過去記事は前出のココ)、骨折の主因は転倒であろうから、転倒自体も増加している可能性もあるだろう。「おくだ鍼灸整骨院」のサイトから、

骨粗鬆症について考える
http://www17.ocn.ne.jp/~okuda1/html/kotusosyousyou.html

はじめに

 最近、骨粗鬆症と診断され心配される方が多く見受けられます。多くの人は、骨折を心配されますが、大腿骨頚部骨折、前腕骨骨折、足関節外果部骨折や椎骨圧迫骨折などが、高齢者に多く発生しますが、なにも骨粗鬆症だからといって、わけも無くむやみやたらに骨折するわけではありません。

 最も大きな原因は、「転倒」によるものです。

 つまり、高齢者の骨折の多くは、体の柔軟性や反射神経、防御反射の低下も大きな要因になります。その他にも転倒時のタイミングと転倒方向の体重の係り具合が大きな要因ですので、むしろ総合的に考えるべきでしょう。・・・

 [中略]

なぜ転倒するのか?

 一般的な原因は脚が上がっていないことでしょう。・・・

 転倒の問題としてメカノレセプターの機能低下も問題視されています。・・・

 メカノレセプターは、全ての関節構成体に含まれていますが、二本足歩行のために、部位的にみると、足の裏や膝の関節に非常に多く含まれており、脊椎椎間関節や仙腸関節周囲では重心コントロールを行うように、上肢では緻密で複雑な動作を感知できるように進化発達しました。

 足の裏のレサプター→膝のレセプター→情報の入力→中枢神経系統→情報の出力→各部の筋肉、関節を制御し瞬時の適切な姿勢制御とし重要です。

 このメカノレセプターが機能低下した状態になってしまうと、重心移動を含め、歩行時の瞬時の反応が遅れるわけです。・・・

 
 最近の骨折の増加(あるいは転倒の増加)について、その原因を身近な「冷え」や「加齢」にしてしまい、他の要因が入り込む余地を残さないようにしたいとの意図があったのではないかと感じられるのだが、単なる思い過ごしであろうか。

 今のところ高齢者、中年と扱われてきたようなので、若者や子供が残っているような気がする。このあたりを説明するため、近いうちに何らかの企画がまた出てくるのかもしれない。


大衆の誤認誘導報道の疑わしい例 (4) ツバメの減少

2012年11月29日 |  誤認誘導の疑い

 短く手抜きで。動植物は余り扱わないつもりだったけど・・・

(A) 該当する大衆の誤認誘導効果を有する報道の類型

 以前の記事で(ココ)、「ある病気の従来からの増加傾向をことさらに強調して報道するパターン」に触れたけど、このパターンの類似型で、

ある事象の従来からの減少傾向をことさらに強調して報道するパターン

についてである。今回は、病気についてはないので、「事象」と変更してみた。


(B) 疑わしい報道

 共同通信の記事を東京新聞のサイトから、

「ツバメ減少」4割が実感 野鳥の会調査に市民
2012年11月28日 18時19分
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012112801001322.html (*1)

 日本野鳥の会は28日、全国の市民にツバメの生息について尋ねた結果、分布は従来とほぼ同じだったが、この10年で数が減ったとの回答が約4割あり、減少傾向が示唆されたと発表した。

 ツバメを襲うカラスの増加や、環境の変化が原因とみられ、同会は「カラスは人間が出すごみを餌にして都市部で増えているとされる。人の生活がツバメの減少に関係している可能性がある」としている。・・・ (強調は引用者)


(C) コメント

 上記の記事は、調査を実施した「日本野鳥の会」のサイトをみると、プレスリリースがあり、その要点をまとめたもののようだ。

日本野鳥の会のツバメ全国調査2012 結果報告
プレスリリース 2012.11.28
http://www.wbsj.org/press/121128.html (*2)


 3.11後に鳥類に異変があるのではないか、という指摘はよくみかける。例えば、ツバメの場合だと、「つりきち三平のブログ」から、

放射能汚染地帯ではツバメ減少中?
2012-07-04
http://ameblo.jp/turikiti-3pay/entry-11294341151.html (*3)

今年、ツバメを見ましたか?

千葉県成田周辺では、ほとんど姿を見せなくなりました。
まったくいないわけではないのですが、かなり減少しているように感じます。・・・


 従って、このような点をきちんと調査するなら、3.11前後での状況を比較して調べなければならないだろう。しかし、上記の調査結果の詳細をみると、3.11前後での変化が読み取れないような設問をして調査していたようだ。日本野鳥の会のサイトから、

消えゆくツバメをまもろうキャンペーン
「日本野鳥の会のツバメ全国調査2012 結果報告」詳細
http://www.wbsj.org/nature/research/tsubame/result2012_tsubame.html (*4)

2.調査結果
 ・・・
(2)ツバメの生息数について

 繁殖期の分布は大きな変化は見られませんでしたが、「最近(10年間)ツバメは増えた?減った?」の設問に対しては、回答者のうち39%が、ここ10年間でツバメが少なくなってきていると感じていることが明らかになりました(図4)。・・・ (強調は引用者)


 さすが、日本野鳥の会。次のような指摘を受けるだけのことはある。設問に手心を加えたと疑われても仕方がないだろう。ブログ「院長の独り言」から、

重い腰を上げた日本野鳥の会だが・・・法人会員には原発マネー企業がずらり
2012年05月11日
http://onodekita.sblo.jp/article/55776803.html (*5)


 ただ、日本野鳥の会も、後ろめたいと感じているのかもしれない。上記プレスリリースの方には、原発事故には全く言及がないが、上記の結果詳細の終わりの方に、一応次の説明がなされている。*4のURLの記事から、
 
2.調査結果
 ・・・
(5)経過報告:放射性物質の影響調査

 チェルノブイリ原発事故では、ツバメに部分白化や尾羽の異常が生じたことが報告されているため、当会では主に支部会員に呼びかけ、情報を集めました。その結果、ツバメの部分白化については全国平均で5.7%、尾羽の異常は3.1%の割合で発生していました。一方、福島では、部分白化の発生率が6.5%、尾羽の異常が0%。隣接する宮城県でも部分白化の発生率が6.5%、尾羽の異常が3.2%で有意に高くなる傾向は初年度の調査では、特には見られませんでした。

 しかし、2012年7月に、宮城県内で尾羽に異常のあるツバメが複数いるとの報告が寄せられ、巣立ち後の巣を持ち帰り汚染の有無を調べたところ、5巣中 2巣から、それぞれ7,200、6,700ベクレル/kgと比較的高濃度の放射性物質が検出されました。今後ツバメの被曝の有無や繁殖率などについても地域を絞って継続的な調査をする必要があると考えています。

 最終的に、継続調査をする必要があるとまとめている。設問の立て方が悪すぎて資産を無駄遣いしようとしているのではないかと個人的には感じられるが・・・


 なお、中には、調査結果の詳細まで読んで、この点を記事に盛り込んでいた記者もいたようだ。読むならこういう記事にあたりたいものだが・・・

ツバメ:全国規模で減少か 過去10年間に…野鳥の会調査
毎日新聞 2012年11月28日 21時16分(最終更新 11月29日 05時28分)
http://mainichi.jp/select/news/20121129k0000m040095000c.html (*6)

 ・・・
 このほか、チェルノブイリ原発事故後、繁殖率低下などが報告されているため、東京電力福島第1原発事故による放射性物質の影響も調べた。福島、宮城両県と全国平均で異常の発生率に差はなかったが、立ち入りが制限されている警戒区域などが含まれていないため、精査が必要という。【比嘉洋】


NHK番組「ためしてガッテン」 (3) 脳の過敏状態(「脳過敏症候群」)

2012年11月25日 |  誤認誘導の疑い

 お知らせも兼ねて、整理用のメモ。検索性を上げるためカテゴリー「誤認誘導の疑い」を新設し、関連しそうな記事を移動。


 今回は、気分が乗らないときのガッテン頼みでいこう。一応、一昨日の記事(ココ)の流れに配慮して、めまい・耳鳴りに関係するものをみておこう。昨年9月の放送で、少し古いけど・・・

 先ずは、テレビで放送は見ていないけど、NHKのサイトで確認しておこう。

(A) 放送内容

不眠・めまい・耳鳴り 不快症状を解消せよ!
2011年09月28日放送
http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20110928.html

不眠めまい耳鳴りなど、多くの人を苦しめる不快な症状。
その多くは、病院に行っても「原因不明」「年のせい」などと片づけられ、放置されてきました。
ところが、そうした症状の原因の1つが最新の研究で明らかになってきました。
脳がささいな刺激に過剰に反応してしまう「脳の過敏状態」になっていることが問題だったのです。・・・


 上記URLの記事を読む限りでは、放送内容は、不眠、めまい、耳鳴りなどの不快な症状があって、専門の診療科で診てもらっても原因不明で症状が改善しない場合は、

片頭痛を過去に長期間放置 → 脳の過敏状態 → 不眠、めまい、耳鳴りなどの不快な症状

ということらしい。更に、この経路により発症しているなら、

脳の過敏状態の治療には、抗てんかん薬・抗うつ薬

がよいと紹介したらしい(なお、片頭痛の治療には、市販の消炎鎮痛薬ではなく処方薬のトリプタン(トリプタン製剤)を紹介した模様)。

 
 しかし、放送で紹介された事例では、抗てんかん薬・抗うつ薬を使って不眠、めまい、耳鳴りなどの不快な症状が改善したらしいけど、頭痛が出てきたらしい。上記記事から、

しかし、ある同じ薬で治療したところ、なんと3人とも症状が大幅に改善。
笑顔が戻りました。
一方で、症状がよくなるのと引き換えに頭痛に襲われるようにもなりました。
 
 頭痛もなくなったとの説明がないので不明だが、仮に頭痛が残るなら、それでよいのかという疑問が出てくるが・・・


 ついでに他の点もメモしておくと、片頭痛は神経伝達物質のセロトニンが不足すると起きやすくなるとしつつ、典型的な片頭痛の症状として、以下を指摘:

・光に対して非常に敏感
・皮膚に問題がないにもかかわらず顔や頭の皮膚がピリピリするナゾの症状
・生理時の頭痛(6~7割は、生理痛ではなく片頭痛という報告もあり)


(B) コメント
 
 放送のタイトルをみて先ず出てくる疑問は、「不眠」と「めまい・耳鳴り」が入っているのだが、この放送内容はたまたま立てた企画なのだろうか、あるいは当時このような症状で悩む人が増えていて立てた企画なのか、という点であろう。


 次に、上記の放送内容は何か凄く安易な気がして、大丈夫かと心配になるのだが、上記記事の終わりの方にちゃんと注意書きというか、「免責条項」(逃げ道)があるようだ:

※原因不明の不眠、めまい、耳鳴りの全ての原因が「脳の過敏状態」というわけではありません。

 更に、投薬を受けるため頭痛専門医を受診することをお勧めしますとしつつ、もっと凄い逃げ道も発見:

ただ、今回番組で紹介した考え方は、去年発表されたばかりのため、まだ全ての頭痛専門医の標準的な治療となっているわけではありません。

 冷静に見ればかなり混乱した放送内容だと思うのだが、一体全体、何を放送したかったのだろうか、という疑問が残るだろう。

 最近めまい・耳鳴りが増加しているので(不眠も増えてると思うけど、この点は別の機会に)、身近にみられる片頭痛のせいにどうしてもしておきたかった、ということなのだろうか。うーん、ちょっと違うか。


 ついでに、当時の状況をググッてみると、視聴者の理解にも混乱がみられ、巷の開業医に少なからず迷惑をもたらした可能性があるだろう(患者の要望どおりに処方するなら営業機会の増加ととらえられるが・・・)。ブログ「頭医者のつぶやき」から、

耳鳴の治療に「トリプタン製剤」?
2011/10/05
http://headache.blog.ocn.ne.jp/blog/2011/10/post_c5a3.html

 先月の末から今月にかけて、お年寄りの方々が、診察室に入るなり、「先生、トリプタン製剤を出して下さい」と言われるのです。それも、これまで「片頭痛の診断」をしていない 75~90 歳までの方々がです。だいたい、このように言って来られる方が毎日2,3名は、おられます。・・・

 耳鳴に「トリプタン製剤」を使うことは、まずありえない・・・

 ちなみに、トリプタン製剤の解説は、gooヘルスケアから、

トリプタン製剤 http://health.goo.ne.jp/medical/mame/word/372.html


 放送内容で出てきた「脳の過敏状態」というのは、清水俊彦氏(頭痛専門医。東京女子医科大学脳神経センター頭痛外来客員教授)が提唱している「脳過敏症候群」のことと思われる。この概念は、番組が「逃げ道」でも指摘しているように、2010年に提唱され出したもののようで、病態自体もまだはっきりしない状態にあるようだ。ブログ「Neurology 興味を持った『神経内科』論文」から、

「脳過敏症候群」のインパクト
2011年11月27日
http://blog.goo.ne.jp/pkcdelta/e/5f4043ecc0cba40f381e8c35f38a1c4c

 この記事によれば、「脳過敏症候群」の診断基準(案)は、

下記の項目のうち少なくとも1項目を満たす
・過去に片頭痛などの慢性頭痛の既往がある
・2親等以内に片頭痛などの慢性頭痛を持つ者がいる

上記を満たす者のうち下記のA-Cの項目を満たす
(なお脳過敏症候群の治療中に過去の頭痛が現れることがある)
A. 日常生活および社会生活に支障を来す程度の下記の症状を3項目以上満たす
 一側または両側性の頭鳴
 不眠
 不安の増強
 高次脳機能の一時的障害
 頭重感
B. 脳波所見に全般性過敏性を示唆する異常が見られる
C. その他の疾患によらない

 放送当時もこれと似た内容だったと考えられるが、「不眠」は一応診断基準案に明記されているが、「めまい」・「耳鳴り」は明記はされていないようだ。

 上記記事の中には「長く治療せず放置された例ではめまいが生じる」との記述はあるので全くないということではなく、「脳過敏症候群」によってめまいが出現するにしても、頻度は少ないのだろうと推測できるだろう(記事で耳鳴りは言及すらないけど・・・)。

 どうも、「脳過敏症候群」で起こり得るかなり頻度の少ない事象(めまい・耳鳴り)を無理に放送内容に仕立て上げたという疑いが出てくるのではないだろうか。


大衆の誤認誘導報道の疑わしい例 (3) 骨粗しょう症

2012年11月18日 |  誤認誘導の疑い

 手抜きで短く。ちょっと違うような気もするけど・・・

(A) 該当する大衆の誤認誘導効果を有する報道の類型

  こういう類型もあるかもしれない、という気がしてきた。●の影響によりその病気が増加する可能性は無視しつつ、

ある病気は老化が原因であることをことさらに強調して報道するパターン

である。 

 このパターンの問題は、チェルノブイリの知見に乏しい人々に対し、その病気を患ったときに「仕方がないか、老化なのだから」と思い込ませることにより、真の原因を探究するきっかけを失なわせ、あるいは探究の開始を遅れせてしまうおそれがある点だろう。


(B) 疑わしい例

 どちらか単独だと「こういう情報も必要とされているよな」と思う程度だと思うけど、短期間で複数出てくるとなると、状況が少し変わり、怪しくなるだろう。

  
株式会社産経デジタルのサイト「zakzak」から、
“骨粗しょう症”は立派な病気! 老化だと放置はダメ
2012.11.16
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20121116/dms1211160714012-n1.htm

 骨粗しょう症を老化現象の一種と考えている人は多い。しかしこれは思い違いで、医学的に見ると、骨粗しょう症は立派な“病気”なのだ。「年のせいだから仕方ない」と諦めるのではなく、積極的に治療をしていくことが重要になってくる。・・・


株式会社朝日新聞出版のサイト「dot.」から
自覚症状がない骨粗鬆症 YAM値70%未満は要注意
更新 2012/11/17 07:00 (週刊朝日 2012年11月23日号)
http://dot.asahi.com/life/lifestyle/2012111600012.html

 骨粗鬆症は、全身的に骨の強度が低下し骨折しやすくなった状態のことをいい、その結果として骨折などの症状が出る。折れやすい部位は、まず胸腰椎、そして大腿骨や腕である。

「骨粗鬆症による『骨折しやすい状態』というのは、一般的には立った状態から倒れて骨折するような場合です。これを『脆弱性骨折』といい、階段から落ちて折れたというような、通常の『外傷性骨折』と区別します」(竹内[靖博医師、虎の門病院の内分泌センター部長])


(C) 補足の解説

 仮に最近骨粗しょう症が増加しているなら、骨折も増加傾向にあると思われる。この点については過去記事で幾つか具体例に触れたところである。

「コルチゾール過剰症」とステロイド剤の副作用 (3)  2012/8/15 
http://blog.goo.ne.jp/site_epsilon/e/c56ebe106afab488b31c17cb3a750c11 (ココ


 最近の例だと、噂話ベースではブログ「院長の独り言」の主が作成した次のツイートまとめが参考なるだろう(ただ、同ブログ主はストロンチウム原因説を唱えているようだが・・・)。サイト「togetter」から、

増え続ける易骨折
2012/09/30
http://togetter.com/li/381926

 ストロンチウムの影響ではないかと昨年6月からずっと考えている


 他方、ここまで書いてアレだけど、冒頭でも触れたように少し違うような気もしていて、骨粗しょう症の治療薬の宣伝の一環の可能性もあるかもしれない。

 いずれにせよ、現時点ではどちらかよく分からないので、メモしておこうという趣旨である。


大衆の誤認誘導報道の疑わしい例 (2) らしさの喪失

2012年11月10日 |  誤認誘導の疑い

〔更新履歴:11/12補足〕

 

 興味深い報道をみつけたので、紹介しておこう。先ずは、どういう類型にあたるのか、みておこう。

(A) 該当する大衆の誤認誘導効果を有する報道の類型

 この類型は、これまでにも多数の例があったので、このブログの過去記事でも幾つか指摘してきたものであり、余り新規性はない。つまり、

ある病気の最近増加は「ストレス」が原因であるとことさらに強調して報道するパターン

のことである。

 ストレス(正確には「ストレッサー」)と言えば、一般的には「精神的なもの」「心理的なもの」と理解してしまうのではないだろうか。実は、前にも記事で触れた気がするけど、温度、気圧、酸素濃度とかは身体的なストレッサー、あるいは肉体的なストレッサーであって、当然に放射線(特に人工放射線)もこの一種に分類されるものである。

 このため、ストレスの意義に詳しくない人々であれば、仮に身の回りで異変が増加したとしても、「ああ、あの報道は正しかったのか」「(精神的)ストレスに気をつけよう」と思ってしまい、真の原因を探究するきっかけを失い、あるいは探究の開始が遅れて始めてしまうおそれがあるだろう。

 ついでに言えば、この類型の本丸はいわゆる「放射能恐怖症」であろう。ちなみに、これが何をすり替えたものであるかを分析しあぶり出していこうというが、「コルチゾール過剰原因説」を展開しているそもそもの理由である。


(B) 疑わしい報道

 前置きはさておき、今回紹介したいのは、株式会社産経デジタルのサイト「zakzak」内の「zakSPA!」に掲載されている特集記事

★[女のオス化]が止まらない!

である。現在、9頁にわたって展開されているようで、そのURLはそれぞれ、

日本人女性に異変!“オス化”する女が急増中
2012.11.06
http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20121106/zsp1211061401005-n1.htm (トップ頁)

 女性のオス化が進んでいる。仕事もバリバリこなし、職場やプライベートでの行動、物言いも男前になったのに加え、ヒゲが生えるなど身体のオス化を訴える女性も。このままでは日本から女がいなくなる!?

2 嫁の体臭がオッサンより強烈!まるでギョウザのニオイ
 http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20121106/zsp1211061400004-n1.htm (身体編 -体臭)
3 オス化で起こる“毛”の悩み…薄毛、ヒゲ、体毛の増加
 http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20121106/zsp1211061358003-n1.htm (身体編 -薄毛、体毛の増加)
4 言動がオス化する女が急増!飲み屋→おしぼりで顔拭きます♪
 http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20121107/zsp1211071401003-n1.htm (言動編)
5 怒りがオス化の引き金に!ウザいヤツには心で「黙れカス」 
 http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20121107/zsp1211071400002-n1.htm (言動編)
6 身体のオス化はストレスで起こる!生活リズム&睡眠を改善しよう
 http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20121108/zsp1211081400004-n1.htm (身体編 -対処法)
7 恋することでオス化を防止!“女性”を強く意識しよう
 http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20121108/zsp1211081359003-n1.htm (言動編 -対処法)
8 グラドルの身体に興奮するオス化女子!「お尻がいいよね~」
 http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20121109/zsp1211091401003-n1.htm (恋愛・セックス編)
9 オス化を食い止めるために男ができること…触ることも有効
 http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20121109/zsp1211091400002-n1.htm (対処法)


 先ず注目すべきポイントは、このような現象が増加していると報道されている点であろう。薄毛とか、体毛の増加などについては、噂話で個人的にもいろいろ耳にしていたが、「体臭」まではレーダーに写っていなかった。

 次に注目すべきポイントは、これらの異変が何故起こっているのか、ということであろう。それらの原因については、上記の記事では、婦人科医の談話と精神科医・心理専門コンサルタントの談話が取り上げられている。

 後者の方は、「精神面での『抑圧・否定・逃避』による」との原因分析だが、よくわからないので留保しておくとして、個人的には、性ホルモンの異常という前者の意見に同意したい。同特集記事から、

 こうしたオス化は、なぜ起こるのか。松村[圭子「成城松村クリニック」院長、婦人科・美容皮膚科医]は言う。

 「オス化の大きな原因は、ストレスなどによる女性ホルモンのバランスの乱れです。女性にも男性ホルモンは少量分泌されているのですが、女性ホルモンが減ると、相対的に男性ホルモンが目立ってきてしまい、そうなると、男性ホルモンが体の中でさまざまな“悪さ”をするんです」

 男性ホルモンの“悪さ”によって起こるのは、薄毛やヒゲ・体毛の増加、ニキビ、加齢臭など。

 「オス化は特に、仕事の影響が大きいですね。現代では、女性も男性と同等に仕事をしている人が多いのに、家事や育児などはいまだに『女性の仕事』とされていることが多く、女性の抱えるストレスが増え、種類も多様化しています。また、不規則な生活によって、身体の調子を整える自律神経が乱れ、自律神経と密接な関係にある女性ホルモンが影響を受けてしまうこともあります」(松村院長) (同特集3頁。強調は引用者)

 身体の異変だけでなく、記事で指摘されている言動の変化についても、同じ原因と考えてよいのではないだろうか。

11/12補足: 更に、性ホルモンの異常の原因ついて、記事では、女性が仕事を行うことにより多様化したストレスに曝されることが特に大きいとしつつ、不規則な生活(これは身体的ストレスの一種)も寄与している、と指摘しているものと理解できる。

 ついでに、また見かけるかもしれないので同特集記事の担当記者もメモしておくと、 

取材・文/田幸和歌子 桜田容子 増山かおり 藤村はるな 安田はつね(SPA!) (同特集9頁)


(C) 補足の解説

 上記のような性ホルモンの異常とみられる現象について、精神的ストレスの影響が全くないとは言わないけれど、そもそもの主要な原因は別にあるのではないだろうか。

 チェルノブイリにおける性ホルモンの異常については、YNNチェルノブイリ報告(詳細はココ)でも言及されている。例えば、昨年7月に某掲示板の緊急災害板でみかけたものを発掘しておくと(一部改変して部分的に和訳をイタリック体で挿入)、

144 : 地震雷火事名無し(チベット自治区)[sage] :投稿日:2011/07/28 01:00:20 ID:oqFxRDR00 [1/1回(PC)]
  高校生の娘が生理不順。二週間毎にきてる、というか、いつも生理っぽい。
  鼻血も四月~六月にほぼ毎日だった。
  産婦人科に連れて行かなきゃいけないのかな、どういう病気なんだろう。

158 : 地震雷火事名無し(東京都)[sage] :投稿日:2011/07/28 03:10:03 ID:YNe2sFXz0 [1/1回(PC)]
  >>144
  生理不順関係は、ヤブロコフ・ネステレンコ報告を少しみてみると、よくみられた模様。
  ウクライナのある調査では、若い女性のうち14%に月経機能困難があった模様。
  汚染地域での月経異常の数は、事故前の3倍程の模様。

  >Soon after the catastrophe the majority of fertile women from the contaminated
territories developed menstrual disorders. (ベラルーシ、97頁右)
  [・事故の直後に、汚染地域の生殖可能な女性の大部分は月経異常を発症した。]

  >Menstrual cycle disorders are commonly diagnosed in the contaminated territories. (ウクライナ、98頁左)
  [・月経周期異常は、汚染地域でよく診断されていた。]

  >Among 1,017 female children of evacuees (aged 8 to 18 years) examined after the catastrophe, 11% had delayed sexual development (underdevelopment of secondary sex characteristics, uterine hypoplasia, and late menarche), and 14% had disturbed menstrual function (98頁右、ウクライナ)
  [・事故後に調査された避難民の女児1,017名(8~18歳)において、11%には性的発達の遅延(第二次性徴の発達不全、子宮発育不全症(uterine hypoplasia)、遅発初経(late menarche))が、14%には月経機能の乱れがみられた。]

  >The number of menstrual disorders in the contaminated territories tripled compared with
the pre-catastrophe period. In the first years after the catastrophe there was heavier menstruation, and after 5 to 6 years menstruation decreased or stopped. (ウクライナ、98頁左)
  [・汚染地域における月経異常の数は、事故前に比べ3倍となった。事故後1年目には月経が重くなり、5~6年後には月経が減り、又は止まった。]

  これには、内分泌(ホルモン)系の異常が関与している可能性が指摘されている。
  月経過多は、非悪性l甲状腺疾患の症状のうちの1つとされている模様。
  若い女性の特定の月経時期において血清中のセシウム濃度とホルモン濃度(黄体刺激ホルモン、
  プロゲステロン)に相関があったとの報告もある模様。

  >In all of the contaminated territories, there is a marked increase in nonmalignant thyroid diseases (Gofman, 1994; Dedov and Dedov, 1996). Associated illnesses include: delayed healing of wounds and ulcers, delay in growth of hair, dryness, fragility, hair loss, increased susceptibility to respiratory infections, night blindness, frequent dizziness, ringing in the ears, headaches, fatigue and lack of energy, lack of appetite (anorexia), delayed growth in children, male impotence, increased bleeding (including menstrual menorrhagia)(月経過多を含む出血の増加), lack of gastric hydrochloric acid (achlorhydria), and mild anemia. (83頁左)

  >There was a correlation between the level of incorporated Cs-137 and prolactin
concentration in the serum of young women continuing to live in an area with radioactive contamination of 1.5 Ci/km2 (Gomel City) during the first and second phases of their menstrual cycles, as well as a correlation between levels of incorporated Cs-137 and progesterone concentrations during the second menstrual cycle phase (ベラルーシ、79頁右)


 個人的な話をすれば、YNNチェルノブイリ報告書を眺めて知識を増やした後、何かの折に、とある幼児向けの歌の一節を含むツイートを知ってかなりショックを受けたのを覚えている。なぜなら、これが契機となり一つの筋が見えたからだ。

@UniqueTwit_bot
ライオンになりたい女の子♪女の子になりたい男の子♪」って弘道お兄さんが踊ってた頃の子供たちが大人になった今、「肉食系女子」と「男の娘」が流行ってる。NHKの影響力って素晴らしいね。 ryo_tam 1000favs
2012年4月7日 - 6:29 (強調は引用者)

 上記引用の歌は、「おかあさんといっしょ」のwikiによれば、1996年4月から2005年4月まで体操の歌として使われていたらしい。

おかあさんといっしょ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E3%81%8B%E3%81%82%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%A3%E3%81%97%E3%82%87

 上記歌の歌詞の全体は、株式会社ソングブックカフェのサイト「Hoick」でみられるようだ。

あ・い・うー 作詞: 日暮真三 作曲:渋谷毅
http://hoick.jp/mdb/detail/468/%E3%81%82%E3%83%BB%E3%81%84%E3%83%BB%E3%81%86%E3%83%BC

 上記のツイート主の解釈では、歌に影響を受けた結果としてある傾向を子供達が身に着けたとされている。 しかし、これでは先後関係が逆であろう。

 つまり、作詞者は日頃から小さな子供達に接する機会が多く、従来とは違った何らかの変化を感じ取り、それをスナップショット的に歌詞に落とし込んだのではなかろうか。かなり小さな子どもにも影響が出ていたのであれば、その変化の原因が精神的ストレスとか、社会的要因とかである可能性は低くなるだろうと思われる。


 次に気づいたのが、「オヤジギャル」なる用語。これがかつて流行ったのが、1990年の話。既に亡くなられているようだが、流行元のwikiから、

中尊寺ゆつこ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%B0%8A%E5%AF%BA%E3%82%86%E3%81%A4%E3%81%93

 1989年(平成元年)、OLを題材にした漫画『スイートスポット』を『SPA!』(扶桑社)で連載開始。同作で描かれた「オヤジギャル」は、当時の女性の「オヤジ化」現象を表した新語として話題になり、1990年(平成2年)の新語・流行語大賞新語部門・銅賞を受賞した。


 ここまで調べて来ると、近年よく言われる「男性の草食化、女性の肉食化」もこの文脈でとらえることができると個人的に理解して、あー、ここまで影響が大きい可能性があったのかと・・・


 なお、用語「オヤジギャル」については、冒頭の特集でも言及されている。

 精神科医のゆうきゆう医師[(「ゆうメンタルクリニック」の総院長)]は、「余裕のなさや意識の低下が影響している」と指摘する。

  「’90年代に『おやじギャル』という言葉がありましたが、この頃から若い世代の女性でも“異性の目を気にしなくなった”ように感じます。気持ちや体力的 に女性らしさを表現する余裕がないというのもありますが、大多数の男性を“異性”として意識していないのではと感じられる女性が増えたように思えます」と 言う。 (同特集4頁)


 かなり定性的な話だと分かりにくいと感じる読者の方もいると思うので、もう少し定量的に議論できるデータが必要であろう。定量的に観察される傾向としては、いわゆる「男性の草食化、女性の肉食化」のみではなくて、もっと幅の広い「両性の中性化(らしさの喪失)」ということになると思われる。

 このようなデータをみかけたのは、例えば、今年8月の某掲示板の緊急自然災害板から、

495 : 地震雷火事名無し(茸)[] :投稿日:2012/08/04 21:39:39 ID:E4H5pDLd0 [1/1回(PC)]

  ”女子も「草食化」、経験率減る 日本性教育協会調査”
  1974年の調査開始以来、一貫して上昇傾向にあった女子大学生・女子高校生の性交渉の経験率が下落に転じたと、日本性教育協会が4日、公表した。調査委員会の片瀬一男・東北学院大教授(教育社会学)は「『草食化』の傾向が、若い男性だけでなく、女性でも進んでいることが見て取れる」としている。

  調査は、若い世代の性に対する意識などを探るために、ほぼ6年に1度実施。昨年10月から今年2月にかけて、全国11地点の中学、高校、大学生計約7700人を対象にした。

  その結果、性交の経験率は男子大学生が54%、女子が47%。前回の05年と比べると、男子は7ポイント、女子は14ポイント減り、女子の減り幅が大きかった。高校生も男子が前回の27%から15%に、女子が30%から24%に減少。大学生・高校生とも男子は93年、女子は99年の水準に下がった。

  図 性交経験率の推移
  http://www.asahi.com/national/update/0804/images/TKY201208040212.jpg

  この記事の続きをお読みいただくには、会員登録が必要です。
  朝日新聞
  http://www.asahi.com/national/update/0804/TKY201208040211.html

  日本性教育協会HP
  http://www.jase.faje.or.jp/

539 : 地震雷火事名無し(東京都)[sage] :投稿日:2012/08/05 13:04:40 ID:gWrP/0ub0 [1/1回(PC)]
 [中略]
  >>495
  いい資料だぬ。
  知能低下、男児の女性化、女児の男子化は、あることの影響だろうね。
  ちまたでは、それぞれ、ゆとり、草食化、肉食化といわれているけど・・・
  図でピークを打ったあたりの子供達が生まれた頃に何があったか、年表ででも調べるとよいよ。 (強調は引用者)


 かなり残念なこととは思うが、現役の子育て世代、特に若い女性は、1986年事故の影響を受けている可能性が高い上に、3.11後においては、●の影響が更に上乗せされた可能性が高いと思われる。


大衆の誤認誘導報道の疑わしい例 (1) 低出生体重児

2012年11月07日 |  誤認誘導の疑い

 手抜きで短く。早速、昨日の記事(ココ)で触れた類型

ある病気の従来からの増加傾向をことさらに強調して報道するパターン

のかなり理想的な例をみかけたので、メモしておこう。産経新聞の記事をYahoo!ニュースから、

低出生体重児、出生率が増加 女性の食生活改善が急務
産経新聞 11月7日(水)8時21分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121107-00000504-san-soci

 大人になったときに肥満などを発症するリスクが高い低出生体重児(出生時体重が2500グラム未満の新生児)の出生率が増加している。若い女性のやせ体形の増加や妊娠中の体重増加量が少ないことなどが原因とみられる。次世代の健康のためにも若い女性の食生活改善が急務となっている。(平沢裕子)

 ・・・

 日本で生まれる子供に占める低出生体重児の割合は、約30年前の昭和55年の5・2%から平成21年は9・6%とほぼ倍増。背景に、日本女性の強いやせ願望によるやせ体形(BMI=体格指数、体重「キロ」を身長「メートル」の2乗で割った数値=18・5未満)の増加や妊婦に対する厳格な体重増加制限などがあるとみられる。・・・ (強調は引用者)


 チェルノブイリでも、事故後に低出生体重児の増加がみられた。YNNチェルノブイリ報告(詳細はココ)から、例えば英国では、

3. General Morbidity, Impairment, and Disability after the Chernobyl Catastrophe
第3節 チェルノブイリ大惨事後の一般的な罹患率、機能障害、能力障害
3.4. Other Countries
3.4節 その他の国

2. GREAT BRITAIN. In Wales, one of the regions most heavily contaminated by Chernobyl fallout, abnormally low birth weights (less than 1,500 g) were noted in 1986–1987 (Figure 3.6). (同報告書50頁)
2. 英国:ウェールズ州は、チェルノブイリの降下物により最も高度に汚染された地域の一つであるが、1986-1987年において、異常に低い出生体重(1,500g以下)が記録された(図3.6)。


 冒頭URLの記事は、「妊娠中の栄養摂取に牛乳活用」の項でまとめて終わっている。仮にこの記事が善意で書かれたものであったとしても、汚染牛乳の存在を注意喚起しないのであれば、意図したことと正反対のことがおきる可能性が高いのではないだろうか。


大衆の誤認誘導効果を有する報道の諸類型 (1)

2012年11月06日 |  誤認誘導の疑い

 番組制作者に個人的恨みがあるわけでもないので、ガッテン頼みの一本足打法ではよくないと反省し、後から見返してもう少し付加価値が出てきそうな方向に整理していこう。なんとなく、やろうとすることは変わらないのだけど・・・


 先ず用語の意味を解説しておくと、「大衆の誤認誘導効果」とは、この場合、ある事象(病気の増加)に関し、予断なくとらえれば関連性が自ずと浮かび上がってくるはずのところを、チェルノブイリの経験に関する知識の乏しい人々が示唆された枠組みでその事象を認識するよう誘導することによって、●の影響が原因である可能性に気づかせない、あるいは気づくのを遅らせること、ということができるだろう。


 さて、シリーズ第1回目で指摘したい「大衆の誤認誘導効果を有する報道の類型」は、

ある病気の従来からの増加傾向をことさらに強調して報道するパターン

である。長々と抽象的な話をするより、具体例を交えてみてみよう。gooニュースから、

高血圧型からメタボ型へ 若年層の脳卒中が増えている
2012年11月5日(月)09:00
http://news.goo.ne.jp/article/diamond/life/diamond-27344.html

 秋の健診シーズンもそろそろ終盤へ。忙しいから、と逃げ回っている方へ少々厳しい報告を一つ。中高年男性が予防したい疾患の筆頭は心筋梗塞と脳卒中だが、脳卒中に関してはどこかに「お年寄りの病気」という気持ちがある。ところが、米国神経学会誌「Neurology」に報告された調査研究によると、近年、脳卒中の発症が若年齢化しているというのだ。

 ・・・

 一方、国内に目を転じると高齢患者の増加に隠されがちだが、この数年、70年前後に生まれた世代の脳卒中患者が増加傾向にあることが明らかになっている。この世代は高度経済成長期真っただ中の生まれ。この時期を境に日本人は小児期から欧米型の食生活にどっぷりつかり、社会や生活文化もガラリと変化した。・・・


 近年、米国及び我が国で、若年性の脳卒中が増えていると指摘する記事である。指摘内容自体には、それ程言うことはない(でもやっぱり一言だけ言っておくと、大気圏内核実験の影響とかを考慮した上での分析なのだろうか?)。

 しかしながら、受け手側にチェルノブイリの経験について予備知識がないと(事故後に脳血管系の病気が増加)、仮に今後受け手の周囲で脳卒中が増えたとしても、「ああ、いつか聞いたニュースは正しかったな」と理解していまい、真の原因を探求する気がおきないよう誘導してしまう一定の効果があるであろう。

 上記の記事は、例示であげたものなので悪意があって「ことさらに強調」しているかどうかは不明だけど、掲載媒体や記者・ライターの立ち位置、報道のタイミングなどからみて、「従来からの増加傾向をことさらに強調して報道するパターン」に該当すると判断するのが妥当な可能性もあるだろう。

 
 以上のような感じで不可解な報道を類型化しつつ、疑い事例を蓄積していけば、何か意味のあることが見えてくるのではないだろうか、という企画のシリーズなのである。

 企画倒れになりそうだが、とりあえずはネタを探すエリアを広げることができるので、一本足打法は解消できそうだ。


NHK番組「ためしてガッテン」 (2) ビタミンD欠乏症

2012年11月05日 |  誤認誘導の疑い

 気が抜けているときの、ガッテン頼み。

 以前の記事〔メモ〕被災地の高齢者における歩行困難の増加  2012/10/30に関連して、怪しげな放送内容を思い出したので、メモ代わりに個人的に不可解と感じた点をメモしておこう。先ずは、その放送内容をNHKの番組サイトから、

女性の5割が危険領域 謎の足腰フラフラ病!
2012年10月03日放送
http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20121003.html

 今、日本で知らぬ間に「あるビタミン」の不足におちいる人が増えているといいます。
 その数、なんと女性の2人に1人!
 しかも、その状態を放置していると、筋肉や骨に異常をきたし、足腰がフラフラに!最悪の場合、寝たきりになってしまうというのです。

 名付けて“足腰フラフラ病”

 ・・・
 知られざるビタミン不足が引き起こす「足腰フラフラ病」の実態と、超カンタンな対策をお伝えします!


 上記URLの放送内容をみると、子供、若い女性、高齢者の場合についてその影響を論じていたようだ。注目すべきは、多分高齢者の場合で、そこで問題となる現象として転倒・骨折が取り上げられていた。放送内容によれば、その原因は、

ビタミンD不足 →筋力低下 →バランス能力の低下 →転倒・骨折

ということらしい。


 放送内容全体を眺めると、何だか不可解と感じるのである。第一に、内容のバランスが悪いのではないだろうか。ビタミンD欠乏症の主な症状は、骨軟化症、あるいは骨粗しょう症な筈だけど、放送では「筋力低下」が強調されたものの、骨の異常の点にはほとんど触れられていなかったようである。

 ビタミンDについての一般的解説をみておくと、国立健康・栄養研究所のサイト『「健康食品」の安全性・有効性情報』から、

ビタミンD解説 - 話題の食品成分の科学情報
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail221.html

E.ビタミンD不足の問題

ビタミンD不足はどのような時に起こるのか?
 食事から充分な量を摂取できなかった時、消化管からの吸収が不十分な時、腎臓でビタミンD活性型 (1,25 (OH) 2D) に変換されない時、日光に当たる時間が不十分な時などにおこることがあります (11) 。

ビタミンD不足の判断基準
 血中25ヒドロキシビタミンD (25-OH-D) は血液中のビタミンD代謝物の中で最も濃度が高く、ビタミン補充状態をよく反映するため、体内ビタミンDレベルの指標となっています。血中25-OH-D の基準値は15~40 ng/mL、10 ng/mL以下は潜在性ビタミンD欠乏症であると判断されます (17) 。

ビタミンDが不足すると、どのような症状が起こるのか?
 ビタミンDが不足すると、カルシウムや骨代謝異常を引き起こします。代表的な症状として、子供ではくる病、大人では骨軟化症が起こることが知られています (11) (17) 。くる病になると、くるぶし、ひざ、手首などの関節が肥大して二重関節になります (17) 。しかし、最近ではビタミンD不足によるくる病はほとんど見られません。高齢者では、ビタミンD不足状態が長期間続いた場合、骨密度が低下し、骨粗しょう症や骨折のリスクが高まると言われています (11) 。 (強調は引用者)

 ついでに、gooヘルスケアから、

ビタミンD欠乏症
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10L61000.html

骨軟化症
http://health.goo.ne.jp/medical/search/109A0200.html

 
 ビタミンD不足は、成人であれば骨の異常がメインであって、筋力低下はその他多数の一つではないのだろうか。


 第二に、高齢者の筋力低下と言えば、主に加齢によるものであろう。3.11後であれば別の影響も考慮する必要があると思うのだが・・・

 確かに、ビタミンDと転倒については、かつて話題になったこともあるようだ。日経メディカルの記事から、

【日本骨粗鬆症学会速報】 ビタミンDが高齢者の転倒を4割減少、Ca製剤の併用で転倒による骨折も予防--特別講演より
2003.10.11
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/271133.html


 しかし、何故このタイミングでビタミンD欠乏症に着目したのかという疑問は、解けないままである。たまたまなのだろうか。例えば、ビタミンDに転倒を予防する効果でもあるのであれば理解できるのだが、この点も両論の報告があり、それほど明確ではないらしい。サイト「RICHBONE(リッチボーン)」から、

転倒予防と骨粗鬆症(4) ビタミンDの転倒予防効果/作用機序の解明 
http://www.richbone.com/medical/tento_kotuso_iryo/04.htm

1. ビタミンDの骨折・転倒予防効果
 ・・・
 現在のところ、ビタミンD投与による脆弱性骨折予防効果や転倒予防効果については、一定の見解は得られていない。・・・

 想像するに、ちまたで足腰フラフラ病というか筋力低下が、何らかの理由で顕著になりつつあり、これについて安心してもらうため、わりと身近なものに関連付けてみた、ということなのであろうか。うーん、良くわからない。


 第三に、これは高齢者とは直接関係ないけど、判断基準の設定に関して、いつの間にか誤魔化されるおそれがあるだろう。「ビタミンD欠乏症」は病気とみなせるけど、「ビタミンD不足」では漠然としていてよく分からないからである。国立健康・栄養研究所のサイトの上述の記事では、

基準値は15~40 ng/mL、10 ng/mL以下は潜在性ビタミンD欠乏症であると判断

となっていて、放送で触れられた基準値「20 ng/mL以下」とは開きがある。

 10 ng/mL以下を基準とすると、本来これを満たす人はかなり少ないようで(約2%)、このうち関係の症状が出る人は更に少ないだろうと推定される。日経メディカルの記事から、

【日本骨粗鬆症学会速報】 日本人女性の半数はビタミンD不足、厚生労働科学研究が示唆
2003.10.11
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/271181.html

 以上から岡野[登志夫氏(神戸薬科大学衛生化学研究室)]らは、血中ビタミンD濃度が10ng/ml未満の人は“ビタミンD欠乏症”、20ng/ml未満の人は“ビタミンD不足状態”とみなせると結論。「欠乏症」は全体の2.2%とわずかだが、20ng/ml未満の「ビタミンD不足状態」の人は全体の55%にも達することから、「これまで考えられていた以上に、日本人ではビタミンD不足の人が多い可能性がある」と話した。 (強調は引用者)

 他方、20 ng/mL以下を基準とすると、少なくとも「ビタミンD不足」のため要治療と評価できそうな人々の数が増えるので(約半数)、好都合だと考える人々がいるのかもしれない。


 ビタミンD欠乏症の話題自体はいいと思うけど、内容のバランスが悪いと、あらぬ疑念を呼び込むのではなかろうか。例えば、筋力低下については、被災地で出れば生活不活発病へ誘導できて、仮に被災地以外なら、足腰フラフラ病に誘導したい、とか。あるいは、増加しているとみられる易骨折性についてもビタミンD欠乏症のせいと言い出すための布石なのであろうか、とか。


 いろいろ書いたけど、やはりなんと言っても怪しさ満点なのは、(原爆)ぶらぶら病と(足腰)フラフラ病とはなんとなく音が似ているような気がする点だろう。


NHK番組 「ためしてガッテン」 (1) ドライアイ

2012年10月24日 |  誤認誘導の疑い

〔更新履歴:10/25追記など、11/21関連記事追加〕

 

 昨日の記事に引きつづき目の関連だけど、今日も短く、かつ、他力本願で。

 テレビは個人的に持っていないのだが、NHK総合の水曜夜の45分番組「ためしてガッテン」には、最近ある意味で注目している。今日も放送があったようなので、メモしておこう。NHKの同番組のサイトから、

5日でメガネいらずに!? 新・視力回復法の正体
2012年10月24日放送
http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20121024.html (リンクはココ

 今回、ご紹介するのは…視力が回復しちゃう超画期的な方法。
 といっても、毎日のトレーニングや、レーザーを使う手術ではなく、とっても簡単なある方法で視力を回復できるんです!
 しかも、この方法で、よくなる可能性がある人は…なんと 2200万人!!!


 放送はみていないので、上記リンクの記事を読んだ限りでは、

・夕方になると目がかすむなど視力が低下する感じがする、
・見え方が不安定で、なんとなく見えづらく感じる …など

の、実用視力の低下があると、何故か「ドライアイ」のようだから、目薬をさしましょう、という内容と理解されるのだが、果たして・・・

 しかし、仮にこの理解で正しいとして、これではかなり無理があるのではなかろうか。普通ドライアイなら、上記リンク記事でも指摘されているように、「目の乾きや疲れ、かゆみなど」が出て、言われなくとも目薬をさすような気がするのだが・・・。

 今回の放送の目的は、別のところにあるのではないか、と思わず疑ってしまう。多分考えすぎだろう。


 ついでにドライアイについて、いろいろメモをしておこう。

 目の周囲での内部被曝だと、何が起こり得るだろうか。サイト「がんサポート情報センター」の記事から、

放射線の副作用対策 - 放射線治療の副作用は日常生活の過ごし方次第で軽減可能
2011年09月号
http://www.gsic.jp/radioactive/ra_10/01/02.html (リンクはココ

副作用は放射線があたった部位に現れる
 ・・・
 目への照射では目やにやドライアイ、まつ毛の脱毛などが起こります。目の周りをこすらない、目やには目専用の清浄綿にて湿らせてやさしく拭う、まつ毛の脱毛で目にゴミが入りやすい場合や日焼け対策としてサングラスをかけるなどで対処します。メガネの留め金が照射部位に触れる場合は注意が必要です。(強調は引用者)


 ドライアイの解説については、gooヘルスケアから、

ドライアイ(乾性角結膜炎、涙液減少症)
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10A30500.html (リンクはココ

 更に詳しくは、帝京大学医学部のサイトから、

乾燥感 dry eye  vs.  流涙 epiphora
http://www.med.teikyo-u.ac.jp/~ortho/med/pat/patho2-10.html (リンクはココ

・ドライアイ
 ドライアイとは,涙液と眼表面上皮の相互作用が慢性的に障害され,表面の粘膜(角膜および結膜の上皮)が異常をきたした状態の総称である.
 発症メカニズムにより,涙液量が減少しているもの(涙液減少型ドライアイ)と涙液の蒸発が亢進しているもの(蒸発亢進型ドライアイ)に大別されるが,重症例では,しばしば双方が合併している.
 症状として,目の疲れ,目が重い,目が熱い,目の異物感,目が充血する,流涙など様々であるが,直接的に「目が乾く」という表現で訴える人は意外に少ないらしい.


 最後に、直接に視力の低下についてではないけれど、某掲示板の放射能板でみかけた投稿を紹介しておこう(視力低下の増加、あるいはドライアイの増加があるとしたら、どちらの増加が顕著なのだろうか?)。

70 : 名無しに影響はない(神奈川県) : 2012/01/16(月) 20:22:45.76 ID:jzatSWj2 [1/1]
    若い女性に首がつったとか聞くぜ。足もだが。
    今日は野田が眼帯しもう片目は赤く腫れていたが
    自分も目がしばしばする。奴と同じとは不覚で
    悔しい。はやく解散しろ。

73 : 名無しに影響はない(WiMAX) : 2012/01/16(月) 21:09:44.29 ID:zg4ZytdR [4/4]
    >>70
    多分診断はドライアイ。薬処方されて帰される。
    被曝だなんて口が裂けても言わないのが医者の本懐。


 何故か、大衆の誤認誘導、という言葉が浮かんだので、メモしておこう。


・10/25追記:
 場つなぎで適当に書いたので、考え方が整理されていなかった気がする。少し反省。ついては、記事の内容を整理しておくと、今回の放送内容の意図は、

・実態として視力低下が増えていて、この件をありふれたドライアイのせいにしてみた(ドライアイ誤認誘導説)、

という可能性が高いだろうと思われるけど、あるいは、

・実態としてドライアイが増えていて、とりあえず目薬をさす方向に誘導してみた、又は
・実態として視力低下とドライアイの両方が増えていて、両者をからめてみた、

ということの可能性も少しはあるだろう。

 とりあえず、ドライアイ誤認誘導説があてはまると仮定してみると、視力低下が疑われる事例にも触れておく必要があるだろう。上記の「目がしばしば」の例も視力低下の例かもしれないけど、ドライアイが先ず疑われるので、別の視力低下が疑われる例にも触れておこうという趣旨である。例えば、昨年7月頃の「目がかすむ」との報告を、某掲示板の緊急自然災害板から、

980 : 名無しさん@お腹いっぱい。(内モンゴル自治区) [] : 投稿日:2011/07/11 22:57:32 ID:CuZ5Os/qO [1/1]
  なんか目がかすむ。アレルギーの目薬をさしても3.11以前よりも利きが悪い。
  ももに黒っぽいあざができたり、腕にひっかいた覚えのないあとがある。
  1ヶ月たっても、アトピーの薬をぬっても治まらない。
  だんだん無気力になってくる。

10 : 名無しさん@お腹いっぱい。(チベット自治区) [sage] : 投稿日:2011/07/12 08:47:32 ID:RkmVkvDA0 [1/1]
  前スレの980さんと同じ。目が霞む。
  視力落ちてる。老眼だと思ったんだけど、遠くも見えない。
  白内障だと思うわ。(40代前半だけど、右目は手術済み)
  近くも遠くも見えないのはちょっと困る。
  進む前にパート事務の仕事を止めなきゃ・・・。


〔関連記事〕
子供の視力の推移 (1989-2011)  2012/10/25
〔メモ〕 子供の視力低下  2012/10/23
目の異常 〔YNNチェルノブイリ報告から〕  2012/4/15