ヒト遺伝子想定的生活様式実践法

2023年8月にテーマ・タイトルを変更(旧は外国語関連)
2015年4月にテーマ・タイトルを変更(旧は健康関連)

はじめに・・・

 外国語テーマも長く続かずなので、従来の健康ブログに戻してみようかと思いまして・・・ 備忘録的に残しておくと旧タイトルは「タイ語、漢字を使って覚えるの?」でした。(2023.8月記)

 従来の健康ブログ時に記事を書いていて、何故か、そろそろ外国語でも勉強した方がより良いかなーと思いつきまして、以来ちょこちょこと続けてきましたが、なんとなく、ある事を覚えると別の事を忘れてしまうモードに入ってしまったようで、知識量が停滞しつつあるような感じになりました。

 そこで、本ブログを外国語学習ブログに変更して、自分の備忘録的にまとめておこうかなと思いまして・・・。

 しかしながら、少し飽きたのか内容を増やしすぎたのか、書くのに手間がかかるようになり、時間がとれない時は、別ブログ「単語帳の素材?」にてライトな記事を書くことにしました。(この別ブログも徐々にライトでなくなり、記事を500本ほど書いたところで滞り中・・・)

 なお、健康ブログ時代の記事は、コチラの 入り口 からどうぞ。(2015.4月記)
 最近の健康系記事はカテゴリー「タイ語以外(健康2019)」からどうぞ。

〔推測〕 タバコ、アルコールは隠れ蓑だったのか? (5-2/5)

2013年05月29日 |  推測

 前回(ココ)からの続きで、牛乳有害説について補足から。

 前回記事で参考文献が不明とした2番目の記事は、記事をよくみると真弓定夫 氏(小児科医)の名前が出てくるので何か関連があるのかもしれない。彼には牛乳有害説を扱った著作があるようだ(タイトルがかなりオヤジギャグのようだが・・・)。それを解説した記事をブログ「ひだまり の トロピカル☆DAYS」から、

牛乳はモー毒? 真弓先生
2009年04月22日
http://hidamarine.ti-da.net/e2044529.html


 現状、個人的には牛乳有害説を支持している。3.11前は週に1リットル以上牛乳を飲んでいたけど(学校給食の名残りなのだろう、多分)、今は牛乳は止めてたまに外国産チーズを食べる程度となっている。このような評価に至るには、フランク・オスキー氏の本が参考文献リストもあって参考なったと思う。以下では、牛乳有害説が正しいものと過程して話を進めることにしよう。

 とはいえ、牛乳有害説にも幾つか腑に落ちない点が個人的にはあったし、現在もあるのである。その中で最も不可解な点は、牛乳は骨を弱くするという主張であろう。この点を少し眺めてみよう。

 
 何が不可解なのかというと、骨が弱くなるメカニズムが分からないからである。世間の多くの人は牛乳を重要なカルシウム源と認識しているはずなので、牛乳有害説の根幹はここにありそうな気がするのだが、論者によって言うことが違っていて困るのである。

 先ず、牛乳は骨を弱くするという主張の内容をみておくと、他力本願でいくと、例えばこんな感じの話である。「いけがみ小児歯科」(広島県所在)のブログ主のまとめから(記事「牛乳を飲むと歯が強くなりますか?②」 H24年3月14日 http://club-nuts.kids.coocan.jp/h240314.htmlにリンクされたpdfファイル http://club-nuts.kids.coocan.jp/milk-PDF.pdf 参照)、 

図1 牛乳は骨を弱くするとの主張
出典)前掲資料の1頁。



 こんな感じの主張を念頭に置いて、牛乳は骨を弱くするメカニズムの解説の具体例を幾つかみてみよう。最初はオスキー氏の解説を取り上げるべきだろうが、残念ながら忘れてしまっているので、パスしておこう(本は借りて読んだので、骨を弱くするとまで言っていたかどうかも定かでないし、ましてやメカニズムをや、という感じである。記憶力悪くてスミマセン)。


 次に移ると、誰の解説かは不明だけど、前回言及したサイト「るいネット」の記事から、

牛乳の害(ここにもアメリカとマスコミ支配の影が・・・)
05/12/06
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=102095

●牛乳に含まれるカルシウムは仔牛向けなので、分子が大きく人間には吸収しにくい。

●牛乳にはリンがたくさん含まれるため、骨のカルシウムは溶け出し、それまで体内にあった同量のカルシウムと結びついて、リン酸カルシウムとなって体外に排泄される→牛乳を飲めば飲むほど体内のカルシウムが減少していく。→アメリカで骨粗鬆症が多いのは牛乳の摂り過ぎからだと考えられる。また牛乳の飲み過ぎによりカルシウムが奪われ虫歯になり易くなる。


 このメカニズムはおかしいだろう。ここでは牛乳からリンが体内に吸収されるという前提が見受けられる。骨は、タンパク質の骨格にリン酸カルシウムがセメントのようにはりついて補強されてできている。骨からカルシウムが溶け出すなら、リンも溶け出すはずである。前者は牛乳由来のリンと体外に流れていったとして、後者(骨由来のリン)はどこへ行ってしまったのか疑問が残る。


 また、次に移ると、真弓氏の解説を冒頭言及の記事から、

牛乳はモー毒? 真弓先生
2009年04月22日
http://hidamarine.ti-da.net/e2044529.html

日本人の腸には、牛乳のカルシウムを吸収するために必要なラクターゼという酵素が少ない。
(ラクターゼが少ないから吸収できない)

この酵素は大人になると不足して、せっかく牛乳を飲んでもカルシウムは排泄されてしまう。

世界で一番牛乳を飲んでいる国はノルウェーだが、そのノルウェーの骨粗鬆症の発生率は、なんと日本の5倍!! 
(牛乳を飲んだら骨が強くなるはずなのに、かえって弱くなるという皮肉な現象が起こっている・・・)

 このメカニズムもおかしいだろう。ラクターゼというのは、乳糖分解酵素の一種で、日本人成人では少ない、あるいはほとんどない人が多いとされている。しかし、乳糖の分解の話とカルシウムの吸収の話が何故関係するのかよく分からない。乳糖分解酵素が不足するとカルシウムが体外に流れるというのでは、話を煙に巻き過ぎだろう。更に言えば、ノルウェー人は日本人とは違い長年乳製品を摂取してきたので成人でもラクターゼを持っている人が多いだろうから、彼らの骨が弱くなる理由になっていないだろう。この点については、このあたりの解説が参考になるだろう。サイト「1日2食健康法」から、

第3章 これがあなたの体を疲れさせている食品だ - 牛乳をやめる
http://www.2shock.net/article/0035.html

 さらに牛乳には乳糖が含まれているのが問題だ。
 牛乳を飲むと下痢をすることがあるが、その原因となっている成分がこの乳糖である。
 乳糖(ラクトース)を分解するにはラクターゼという酵素が必要だが、この酵素をつくることのできる日本人というのは15%しかいない(統計法によりバラつきがあり、5%との説もある)。
 体の中でも、腸のつくりは民族間でかなり異なる。人類の長い歴史の中で酪農民族であるヨーロッパ人は乳糖を分解できる小腸が形成されていったが、農耕民族の日本人は牛乳を飲む必要がなかったため乳糖を分解するような腸にはならなかったのだ。
 

 引き続き次に移ると、新谷弘実 氏の解説を前回言及したサイト「ageha was here」の記事から、

牛乳有害説
2006.08.20
http://agehatype0.blog50.fc2.com/blog-entry-36.html

--日本では牛乳でカルシウムが採れると栄養士は言います。
◆[新谷氏] 牛乳を飲むと血中のカルシウム濃度が確かに上がる。しかし、体温や血圧などを一定に保つホメオスタシス(恒常性)という機能が人体にはある。カルシウム濃度が一時的に上がるとまず、腎臓から急激にカルシウムや他のミネラル、ビタミンまで排せつされます。牛乳のたんぱく質も問題で、分子が小さいためにアミノ酸に分解される前に異物として腸から吸収される。体が抗原と認識して抗体ができ、アレルギー体質になります。栄養士にだまされてはいけない。 (2番目の記事から)


 このメカニズムもおかしいだろう。他力本願でいくと、仁木良哉 氏(北大名誉教授)の反論を同記事から、

仁木 牛乳を数百ミリリットル飲んでもカルシウム-バランスはマイナス。カルシウムのわずかな増加でどのようなメカニズムでホメオスタシスが働くのか。他のミネラルやビタミンまで排出されるという話も全く理解できない。 (3番目の記事から)


 仁木の反論は概ね支持できるだろう(ただ、カルシウム・バランスがマイナスかどうかはよく分からない)。一旦カルシウムが体内に吸収されたとするならば、あと体内でのカルシウム平衡の問題ととらえるべきであろう。しかし、牛乳固有の成分がどのように作用してカルシウムが体外に流れる方向に傾くのかは説明されていないのである。

 ちなみに、新谷氏が指摘するように、牛乳からカルシウムが吸収されるのは間違いないだろうと個人的には考えている。前掲の「いけがみ小児歯科」のブログ主のまとめから、

図2 牛乳からカルシウムが吸収されるだろう
出典)前掲資料の3頁。



 再度次に移ると、佐藤章夫 氏の解説を前回言及したサイト「生活習慣病を予防する食生活」の記事から、

牛乳カルシウムの真実
http://www.eps1.comlink.ne.jp/~mayus/lifestyle2/milkcalcium2.html

8. 牛乳は予防にならないどころか骨粗鬆症をかえって助長する

なぜ、牛乳や乳製品のカルシウムが骨粗鬆症の予防にならないのか。前項で、動物性タンパク質・カルシウムの摂取量の多い国ほど骨粗鬆症による骨折が多いというアベロウの研究[8]を紹介した。アベロウはその理由を次のように説明している。牛乳消費量の多い国では牛乳に加えて肉・チーズなどの高タンパク食品の摂取も多い。タンパク質を構成するアミノ酸の中に、メチオニン・システインなどの含硫アミノ酸がある。動物性タンパク質は植物性タンパク質に比べてこれらの含硫アミノ酸を多く含む。含硫アミノ酸は分解されて最終的に硫酸イオンとなり、体液の酸・塩基平衡を酸性側に傾ける。酸性になった体液をアルカリで中和して酸・塩基平衡を保たなければならない。中和に用いられるアルカリ源はカルシウムである。体内のカルシウムの99%は骨に存在する。中和にはもっぱら骨のカルシウムが使われる。実際、動物性であれ植物性であれ、タンパク質の摂取量が増えると尿中に排泄されるカルシウムが増えることは、1970年代に行われた代謝実験でよく知られた事実となっている[12-16]。


 このメカニズムもおかしいだろう。牛乳の話をしていたはずだが、いつのまにか高タンパク質食品の話になってしまっている。牛乳100 g あたりのタンパク質は3.15 g程度とされていて、それ程高タンパク質食品とは思えないのである(同記事中の図8によれば、問題となってくるのはタンパク質の摂取量が一日50gを超えるグループあたりのようにみえるのだが・・・)。

 仮にこれが正しいなら、骨が弱くなるのを防止するために高タンパク質食品の総量を規制する必要があるのかどうかを論じるべきと思われるが、そのような話は余り聞いたことがない。不勉強なだけかもしれないが・・・

 それに、次のような疑問も残る。牛乳、肉・チーズなどはもともと中性食品である。中性のものから化学変化のみで酸性のものが生じるには、どこかにアルカリ性のものが対生成されるはずだろう。仮に酸性のもののみが体液にたまるとしても(かなり考えにくいのだが)、どこかに生成したはずのアルカリ性のものはどこへ行ってしまったのだろうか(似たようなことは骨がとける部分でもいえて、骨のリン酸カルシウムが溶けたとして、リン酸はどこへ行ってしまったのだろうか)。


 以上眺めてみたように、論者によって言うことが違い、それぞれ簡単に突っ込めるのである。やはり、何かがおかしいだろう。牛乳有害説自体が間違っている可能性もあるが、ここではを正しいとの前提なので、論者たちは、意図的かどうかは分からないが、何かを隠しているのではないか、という気がするのである。


 余り各項目別に深堀りしてもいたずらに長くなるだけなので、二つ目の不可解な点を短く指摘しておしまいにしておこう。オスキー氏の著書と同名の、前回言及したサイトから、

『牛乳には危険がいっぱい?』
http://www.koumatsuba.zansu■.com/gyuunyuunihakikengaippai/top.htm (便宜挿入した「■」を削除してください。内容的には本の目次と要旨のみ。)

第9章 牛乳は青少年の精神面に悪影響を及ぼす
 慢性疲労を訴える子どもたち
 [以下略]


 えっー、慢性疲労。オスキー氏の著作を始めて読んだときには、あまり違和感がなかったのだが・・・


 以上をまとめると、「牛乳よ、オマエだったのか」という気がするのは、自分一人だけだろうか。上記に説明した二つの不可解な点については「牛乳容器説」なる呪文を唱えると(この呪文の意味するところは、各自で考えて欲しい)、他の人はどうか知らないが、個人的には多くの疑問点が氷解するのである。

 仮に牛乳容器説が正しいとすれば、理由はよくわからないけど、かつてから世界の各地域において、多量に摂取すると安全でない時期と少量でも安全でない時期とが交互にやってきていたのであろう。3.11後の我が国は、少量でも安全でない時期にあたる地域が多いのではないかと推測される。このような理解によれば、この記事もそれ程驚くこともないだろう。「OK FOOD」のサイトから

♪smile♪のつぶやき 海外産は安全?
2012-08-30 (15:49)
http://okfood.blog.fc2.com/blog-entry-669.html

さて、2012/8/28にsecuritytokyoさんの独自の調査により、ニュージーランド産イージーヨー(ナチュラル)[家庭向けヨーグルト粉末]から

ヨウ素131      不検出
放射性セシウム134  不検出
放射性セシウム137  0.37Bq/kg 検出

と微量ながらにセシウムが検出されました。


 やっとオチまでたどり着いたので、「やっぱ牧草は安全ではないのか」と疑いつつ、最後に、タバコとアルコールの話に戻って終わりにしよう。隠れ蓑だったのか、そうではなかったのかは決め手を欠くのでよく分からないが、それぞれの地域での土壌汚染度を思い出しつつ次のような報道を眺めると、いずれにせよ引き続き警戒した方がよいような気がするのは、多分考え過ぎのせいだろう。それぞれ福島民報と朝日新聞から、

20戸増え377戸 今年耕作する県内葉タバコ農家
2013/05/16
http://www.minpo.jp/news/detail/201305168449

 日本たばこ産業(JT)が葉タバコ購買の際の放射性物質の畑の基準値を、前年の土壌1キロ当たり1157ベクレルから2226ベクレルに緩和したため耕作農家が増えた。乾燥済みの葉を対象に行う購入前検査のセシウムの基準値は引き続き、1キロ当たり100ベクレルとする。


黄金の二条大麦、もうすぐビールに 栃木南部、収穫間近
2013/5/24
http://www.asahi.com/national/update/0524/TKY201305240282.html (動画、写真付き)

コメント

〔推測〕 タバコ、アルコールは隠れ蓑だったのか? (5-1/5)

2013年05月28日 |  推測

 やっとオチに来たので、リハビリを兼ね短く分割して繋いでいこう。

 仮に、タバコやアルコールが何かの隠れ蓑だったとして、別に似たような物はなかったのか、という疑問が出てくるだろう。特に、隠れ蓑容器説(詳しくは過去記事ココ)が正しければ、特にタバコやアルコールに限る必要はほとんどないわけである。

 タバコやアルコールが選ばれたのは、次のような背景があると思われる。

(1) 有害なものと認識していた人々がもともと多かったこと、
(2) 喫煙又は飲酒する人は、今でこそ減ったが、かつては相当多数であったこと。

要は、この二つを手当てしておけば、他の物を利用する必要はなかったということであろう。個人的には、利用されなかった「他の物」があったのか、あったとして何だったのかに凄く興味があるのである。


 では、タバコやアルコールに似たような物があったと仮定して、どの辺りにあったのだろうか。これは、3.11後の経験を有する者にとってはかなり簡単な問題であろう。3.11後の現在、食べたりするのに躊躇するもので、かつてよりある種の有害説が流布していた物が、探している類似物に該当する可能性が高いだろう。

 個人的に食べるのに躊躇するのは、キノコ、底魚・小魚・淡水魚、産地不明であれば甲殻類・貝類・海藻類、牛乳、葉物野菜、山菜などあたりである。

 このうち、3.11前からある種の有害説があった物といえば、毒キノコもあるけど無視すると、やはり牛乳だろう。


 牛乳有害説というのは、牛乳は健康によい食品だとする立場(牛乳健康説)に対する概念なので過激な表現となっているけど、個人的には「牛乳は嗜好品」という意味だと理解している。長々とこれを解説する気力もないので、他力本願で幾つか関連のサイトをあげておこう。興味があれば、どうぞ。

 個人的に有害説について最初に触れたのはフランク・オスキー氏の著作なので、同氏の「牛乳には危険がいっぱい?」(弓場隆訳、東洋経済新報社、2003.4月)を解説した同名のサイト

『牛乳には危険がいっぱい?』
http://www.koumatsuba.zansu■.com/gyuunyuunihakikengaippai/top.htm (何故かアドレスをアップできないので便宜挿入した「■」を削除したものが正しいURL)


 参考にした文献がよく分からないけど、多分オスキー氏の本をベースにしたのかなと思われる記事をサイト「るいネット」から、

牛乳の害(ここにもアメリカとマスコミ支配の影が・・・)
05/12/06
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=102095


 有害説を唱える日本人だと、新谷弘実 氏(しんや・ひろみ。胃腸内視鏡外科医)あたりが最も有名なのだろうか(よくは知らないので適当だが・・・)。新谷氏と牛乳擁護派の論争をまとめた記事をサイト「ageha was here」から、

牛乳有害説
2006.08.20
http://agehatype0.blog50.fc2.com/blog-entry-36.html


 他に検索で引っかかったものだと、よく知らないのだけど佐藤章夫 氏(山梨医科大学名誉教授)も有害説を唱えているようで、同氏のサイト「生活習慣病を予防する食生活」の記事も参考になるだろう。

牛乳カルシウムの真実
http://www.eps1.comlink.ne.jp/~mayus/lifestyle2/milkcalcium2.html (有害面では骨粗鬆症と心筋梗塞を取り上げている)


(つづく。あと少しなのだが・・・)

コメント

〔推測〕 タバコ、アルコールは隠れ蓑だったのか? (4/5)

2013年05月26日 |  推測

 少しサボり過ぎたか・・・

 前回記事(ココ)では、タバコ・アルコールの害のリストが歪んで不正確になった理由として、タバコ・アルコールに別起源の有害物質が相当程度入り込んでいたため、これが害のリストの過大評価に繋がったのだろう(隠れ蓑容器説)という可能性を眺めてみた。

 今回は、タバコについては上述の容器説との関連で、肺がんと放射性ポロニウム210の含有との関係について触れておこう。

 先ずは、基礎知識とおさらいから。放射性ポロニウム210は、ウラン系列の自然放射性核種の一種で、その壊変系列は下図のとおりである。

図1 ウラン壊変系列(ウラン238)
注)「226Ra」はラジウム226、「222Rn」はラドン222。
出典)厚労省の資料(後述の資料4-1の12頁)。



 ウラン238(半減期44.7億年)は地殻に存在しつつ、少しづつ壊変をしている。ラドン222 (希ガスの一種)まで至ると気体化し、その一部は岩盤や土壌の隙間などから大気中に拡散してくることとなる。大気中に拡散したラドン222は、引き続き壊変を続け最終的に鉛206 (安定同位体)に至るが、その過程で半減期が圧倒的に長いのが放射性鉛210 (半減期22.3年)である。つまり、気化して大気中に拡散したラドン222 (同3.82日)は、放射性鉛210の形態で空気中に浮いていたり、地上に降り積もったりしている場合が多い訳である。

 理由がよくわからないが、植物は、その環境中から鉛を吸収するとされている。独立行政法人農業環境技術研究所(NIAES)のサイトから、

植物の金属元素含量に関するデータ集録
http://www.niaes.affrc.go.jp/techdoc/hvymetal/

6.鉛(Pb)
 植物の通常のPb含有量は、0.1 ~ 1.0ppm であるとされている35) 。・・・

  [中略]

 少量のPbの添加によって大麦、エンバク、トウモロコシ、小麦、水稲などの生育
が促進されるという報告19,21,42,44)があるが、Pbが植物生育の必須元素であるというこ
とは、まだ証明されていない。・・・


 植物に吸収された鉛の中には、わずかだ当然放射性鉛210が含まれることとなる。放射性鉛210やそれ以降の核種(放射性ポロニウム210を除く)はベータ崩壊だが、放射性ポロニウム210(半減期139日)は短期間でアルファ崩壊するので、これらの核種の中では生体への影響が大きいものと予想される。
 
 ちなみに、以前の記事
   自然放射線について(2) ホルミシス武田説と我が国における水準 2012/4/25
でも触れたように、人体にも放射性ポロニウム210が存在するとされている(日本人成人男性で18ベクレル。放射性鉛210は同15ベクレル)。長くなったので、基礎知識はこのへんまでにしておこう。


 さて、喫煙でタバコに含有されていた放射性ポロニウム210を吸引すると肺がんになるという話(肺がんタバコ含有放射性ポロニウム210原因説)は、理由はよく知らないが、定期的にお出ましになるような気がしている。

 検索してみると、前々回の例は、2006年12月にニューヨーク・タイムズ紙の記事がきっかけで盛り上がったらしい。ウェッブ上に関連記事があるので、サイト「MyNewsJapan」から、

マイルドセブンに「ポロニウム」 JT「入っていないと言い切れません」
01/25 2007
http://www.mynewsjapan.com/reports/521

 『ニューヨーク・タイムズ』では、

●たばこ産業は、少なくとも1960年代からたばこに相当量のポロニウムが含まれていることを知っていた。
●喫煙者はたばこ1本吸うたびに、平均0.04ピコキューリーのポロニウムを吸っている。
●初期の原爆に使われた核物質の何千倍もの放射能がある。
●1日に1箱半のたばこを吸う喫煙者は、年300回も胸部にX線をあびたに等しい。

 といったことが出ている。 (引用者注:ここでは「肺がん」と言及してないけど、念頭にあるのはそうだろうと推測。「0.04ピコキューリー」は換算すると1.48ミリベクレル(mBq))


 上記を主張したのは、プロクトールという人らしい(Robert N. Proctor。米国スタンフォード大学。正確な読みはわからないので不正確かも)。当時は「1日に1箱半のたばこを吸う喫煙者は、年300回も胸部にX線をあびたに等しい」の部分に読者がびっくりしたのかもしれないが、今では、我が国政府は年400回相当のところに子供達を住まわそうとしているのであるから、びっくり度も急減しているかもしれない。

 このプロクトール氏の主張に対する批判については、他力本願でいくと、実効線量換算ベースでの議論になるけど、ブログ「漂流地点報告」の次の2つの記事(後者の記事では、3.11後にプロクトール氏本人とコンタクトした結果の追記あり)があり、その主張に無理があるとの結論部分は個人的にも支持できる。

2007年01月26日(金) タバコにポロニウム
http://d.hatena.ne.jp/ayanami/20070126

 タバコにポロニウムが入っていてタバコを吸うと被爆して大変な事になる!と言いたいらしいんだけど、ポロニウムの出所を書いていないのがミソ(騙しの手口)。・・・


2007年01月28日(日) タバコを一日30本吸うと年間レントゲン300回分被曝するか(解決編)
http://d.hatena.ne.jp/ayanami/20070128

(2011年6月5日追記) 

   [中略]

2.Proctor先生はなぜ「タバコを一日30本吸うと年間レントゲン300回分被曝する」と主張しているのか

 では、なぜProctor先生は「タバコを一日30本吸うと年間レントゲン300回分被曝する」と主張しているのか、本人に訊いてみましたところ、データの出所を教えて戴きました(Thomas H. Winters and Joseph R. Difranza, “Letter to the Editor,” New Engl. J.Med 1982,306:364-365)。

 論文(Letter)を参照してみたところ、「喫煙による被曝量は年間8000ミリレム(≒80ミリシーベルト)である」という記述がありますが、これは実際の測定に基づいたものではありません(1965年の生体組織検査報告からの推定)。

 (データの出所を教えて欲しいとお願いした立場でこういう事を言うのは心苦しい事ではありますが)現在は実際に精密測定した論文が何報もあるのに30年前の大雑把な推定値を喫煙による年間被曝量であると主張するにはかなり無理があると思います。そもそもProctor先生がコラムなどで主張する通りタバコ一本あたりのポロニウム摂取量が0.04ピコキュリーであるならば(この摂取量は別の論文から値を持ってきたそうです)、年間被曝量はレントゲン300回分に達しないし、年間被曝量がレントゲン300回分であるならば、タバコ一本あたりのポロニウム量は0.04ピコキュリーでは計算が合いません。矛盾しています。


 このブログ主が指摘しているように、このプロクトール記事では、かなり作為的に放射性ポロニウム210による被曝の影響を過大に評価していた可能性が高いだろう。


 前回の例は、ちょうど3.11の前後だったようで、国内ではほとんど盛り上がらなかったようだ。2011年3月頃、日経サイエンスに次の翻訳記事(米国版サイエンス 2011年1月号から)が掲載されていたらしい。日経サイエンスのサイトから、

タバコに放射性物質
2011年4月号
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/1104/201104_066.html


 最新の例である3.11後の話に移ると、肺がんタバコ含有放射性ポロニウム210原因説が再度話題になったのは、2011年9月下旬らしい。契機は、カラギュージアン氏(Hrayr S. Karagueuzian。米カリフォルニア大教授)らの研究グループによる次の論文がウェッブ上で公表されたためらしい。同論文の要旨(英文)については、米政府系サイト「PubMed」から、

Nicotine Tob Res. 2012 Jan;14(1):79-90. doi: 10.1093/ntr/ntr145. Epub 2011 Sep 27.
Cigarette smoke radioactivity and lung cancer risk.
Karagueuzian HS, White C, Sayre J, Norman A.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21956761


 同論文の要点は、次の部分であろう。

According to the Environmental Protection Agency, the industry's and our estimate of long-term lung rad of alpha particles causes 120-138 lung cancer deaths per year per 1,000 regular smokers

 その趣旨は、著者らの被ばく線量評価によれば、通常の喫煙者1,000人につき毎年120~138人の肺がん死が引き起こされるということのようだ。正しいかどうかは別にして、聞いたこともないような大きなリスクであることは間違いがなく、びっくりしてしまった(我々をびっくりさせる基準を調べている人々でもいるのだろうか・・・)。

 同論文の公表についての報道は、国内ものがみつからなかったので(何かみかけたような気がするのだが・・・)、海外もの(英文)だと次の報道がみつかった。タバコ会社が関係データを隠蔽していたという点が強調されている記事なのだが、米ABC Newsのサイトから、

Tobacco Companies Knew of Radiation in Cigarettes, Covered It Up
Sept. 29, 2011
http://abcnews.go.com/Health/tobacco-companies-hid-evidence-radiation-cigarettes-decades/story?id=14635963


 個人的には、放射性ポロニウム210は自然放射性核種なので、たとえ喫煙により吸引したとしても危険かどうかは要検討であり、ちょっとよく分からない(なぜなら前掲の過去記事(ココ)で触れたように、自然放射性核種の場合は進化の過程で対応策を身に着けた可能性があるし、また、個人的には内部被曝については実効線量換算をすべきではないと考えているからでもある)。


 ただ、肺がんとタバコとの関係で言えば、以前の記事
   肺がんタバコ原因説は正しいのか?  2013/4/5
でも触れたように、武田邦彦氏の説(タバコは肺がんの原因の一つだが、喫煙者が肺がんになるのは交通事故死のリスクと同程度)を支持しているので、カラギュージアン氏らの論文が指摘する数値のようなことはあり得ないだろうし、実際の国内の肺がんのデータはそれを裏付けているように思われる。


 独自説だけだとあれなので、実効線量換算ベースでの議論による同論文に対する批判については、これも他力本願でいくと、「六号通り診療所所長のブログ」から、

タバコの放射線量が急増した謎を考える [科学検証]
2012-03-07 08:13
http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2012-03-07

 概ね自然放射線のレベルに留まり、単独で発癌を誘発する可能性は低い、という見解が一般的でした。
つまり、タバコによる肺癌を始めとする癌の増加は、放射性ポロニウムによるものではない、と考える意見が大勢を占めていたのです。

ところが…

 驚くなかれこの報告以降に書かれたものには、同じ1日20本のタバコを1年間吸った場合の実効線量が、10~60ミリシーベルトとなっています。
つまり、タバコの被曝線量が、昨年から一気に100倍以上になっているのです。

一体どのような驚天動地の発見があれば、このようなダイナミックな変化が起こるのでしょうか?
疑問に思い上記の論文を読んでみました。

結論から言うと、論文を読んでもどうも釈然とはしません。 (他にも鋭い指摘がいろいろあり、是非一読を)


 被曝線量の評価については、同論文では独自の評価方法を採用していてかなり大きめとなったようで、従来の評価体系の方法(多分ICRP体系か)から突然乖離していたため、このブログ主も全く納得していないように見受けられる。独自の手法というのは、以下のようなものらしい。同じく上記ブログ記事から、

 更にタバコの煙に含まれた、ポロニウム210と鉛210は、肺の全体にくまなく沈着するのではなく、気管支の分岐部に特異的に集積すると解説されています。これを原文でも「ホットスポット」と表現しています。放射性物質が雨樋や排水口に溜まるように、吸入された放射性物質が気管支の分岐部に溜まり、そこで120日間はα線を放出し続けるという推測です。

 これが仮に正しいとすると、従来の肺全体に放射性物質が拡散する、というモデルより、格段に肺の被曝線量は増え、計算上は従来の100倍という、びっくりするような数値となるのです。

 問題はこの計算が正しいという根拠が、何処にあるか、ということです。


 理屈はよく分からないが「ホットスポット」ができるというモデルらしい。何かどこかで聞いたことがあるような話になってきたけど、どこだっただろう(最近忘れっぽいな・・・)。

 付け加えておくと、カラギュージアン氏らの論文で一つ評価できるとすれば、問題となる核種の体内動態に応じてモデルを作るという姿勢は評価てきると思われる(ヨウ素、セシウム、ストロンチウム、プルトニウムあたりなら更によかったのだが・・・)。

 
 ちなみに、我が国当局(厚労省)の認識も、喫煙の際の放射性ポロニウム210のリスクは大きくないとしているのだろう。先月の厚労省の関係委員会での議論の模様を同省のサイトから
 
2013年4月11日 第1回たばこの健康影響評価専門委員会 議事録
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000031ub4.html

○多田羅委員長[(一般社団法人日本公衆衛生協会会長)] ポロニウムは当面この委員会で取り上げる順位としては、先生から見たらいかがなのですか。
○欅田委員[(けやきだ、国立保健医療科学院生活環境研究部長)] 今、放射性物質ということで、福島の事故との関連ですごく関心の高いところだと思うのですけれども、健康リスクとして見たときに、これがどの程度寄与するのかが次の課題になってくると思うのです。これを吸い込んだことによる被ばく線量がどの程度なのか。これについても評価がされているところであります。
○多田羅委員長 それはデータはあるのですか。
○欅田委員 それに関しましては、12ページのところ、日本の自然放射線源による被ばく線量を棒グラフに示したものがありましたけれども、これが原子力安全協会から生活環境放射線という形でまとめて出されて、そのデータが国連科学委員会(UNSCEAR)に大体、引用されていくわけですが、その中でたばこによるポロニウムの被ばくというものが評価されています。喫煙者におきましては、1パッケージを毎日吸う方で年間0.051ミリシーベルト。それを喫煙率で全人口平均にすると0.01ミリシーベルト/年という形ですので、被ばく線量からいくと、リスクとしてはそう大きくないというのが評価されているところです。
○多田羅委員長 ありがとうございます。
 今のところ、国民は放射性ということについて非常に関心が高いので、ポロニウムも話題に上がってくるということも聞いております。 (強調は引用者)


 また、カラギュージアン氏らの論文を受け、国内で含有量を測定したようなので、上記会合の資料から放射性ポロニウム210の関係部分を掲げておくと(第1回資料  たばこの健康影響評価専門委員会審議会資料 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002zljv.html)、


図2 国内当局の対応 - タバコ中の放射性ポロニウム210
出典)上記サイトの資料2の7頁。



図3 タバコ中の放射性ポロニウム210の測定研究の概要
出典)上記サイトの資料4-1の11頁。



図4 タバコ中の放射性ポロニウム210の分析結果
出典)上記サイトの資料4-1の13頁。




 図2によれば、タバコに放射性ポロニウム210が含有されている点は、1960年半ばには研究者の間では広く知られていた事実のように見受けられる。図4の国産たばこの測定結果(粒子成分のみで、1本あたり3.2mBq)は、従来の傾向とあまり変わらないらしい。


 最後に、カラギュージアン氏らの論文の関連でやっと思い出したので、アニー・ガンダーセン氏がとなえる説を紹介しておこう。その説は、次のような内容である。ブログ「みんな楽しくHappy♡がいい♪」の記事から、

「東京でも毎日10個ホット・パーティクルを呼吸していた」ガンダーセン博士  日本語字幕・内容書き出し
2011-06-24
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-510.html

[ガンダーセン氏の発言から] 我々の独立した科学者が、日本のエアーフィルターから発見したのです。東京でホット・パーティクル(プルトニウム含む微細高放射性物質)が、4月中でも毎日、日に一人当た­り10個呼吸したと計測されています。福島では、日に一人当たり10個 X 30~40倍呼吸したと思われます。

驚いたことに、シアトルのエアー・フィルターでも、日に一人当たり5個のホット・パーティクルが4月中毎日観測されました。


 仮にこの説が正しく、かつ、この「ホット・パーティクル」が原因である程度肺がんが多発するなら、カラギュージアン氏らの指摘した数値のような世界が、喫煙者かどうかとは無関係に、現実のものとなるのかもしれないと感じるのは多分疲れて眠たいからかもしれない。


(つづく)

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〔推測〕 タバコ、アルコールは隠れ蓑だったのか? (3/5)

2013年05月19日 |  推測

〔更新履歴:8/10追記〕


 前回記事(ココ)では、タバコ・アルコールの害のリストが歪んで過大評価となった理由について、動物実験に原因があるのではないか(動物実験原因説)という可能性から眺めてみた。今回はより影響が大きいであろう、別の角度から眺めてみよう。


 別の原因というのは、3.11後と似たような状況が3.11前にも存在していたのではないかということである。つまり、タバコ・アルコールは何かを体内に運ぶための単なる容器であって、その何かが混入した状態で吸引・摂取した結果、害のリストが過大評価となっているのではないかというものである(隠れ蓑容器説)。言い換えれば、タバコ・アルコールの固有の成分は人体にそれほど有害なのではなくて、何か別の起源を持った有害成分が混入したことが害のリストの過大評価に繋がっているのではないかというものである。


 読者の方々は既に3.11後の世界を経験しているので不要かもしれないけど、まずは3.11後の状況をおさらいをしておこう。アルコールについては、国内だと米・麦が問題になると思うけど、例として二条大麦(通称ビールムギ)でみてみると、他力本願でいくと、サイト「SAVE CHILD」の記事から、

【食品】茨城県産「麦」の放射性物質検査結果、最高1キロあたり460ベクレル
2011.8.20
http://savechild.net/archives/7460.html (最高値の460Bq/Kgは、二条大麦のデータ)


 3.11後のタバコについては、他力本願でいくと、ブログ「院長の独り言」から、

セシウムたばこを販売するJT
2013年05月10日
http://onodekita.sblo.jp/article/67016836.html


 タバコやアルコールは単なる器であって、真打ちは・・・


 3.11前の状況については、アルコールについては、麦由来(ウイスキー、ビール)でも似たような状況だったと思うけど、ぶどう由来でみると、数値データの入手も難しいので噂話のレベルだが、1990年代の赤ワインブームが関連していそうだ。某掲示板の緊急自然災害板から、

35 名前:地震雷火事名無し(東日本) 投稿日:2013/04/29(月) 20:44:08.12 ID:NmB8oe250
 1995年にも、大企業の幹部で体を壊した人が多かったらしい。
 「急な円高になると企業経営が大変でストレスになるから」と言われたが…。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 企業トップ受難の年 円高が負担?重病や急死 経営戦列から離れるケース目立つ
 1995.09.01 読売新聞東京朝刊 6頁 表有 (全1,130字) 

 陣頭指揮に立つ現役経営者が健康を害し経営の戦列から離れるケースが目立っている。
 トヨタ自動車、沖電気工業でこの夏、現役社長が病気のため、相次ぎ退任したが、三十一日には、
 キヤノンの御手洗肇社長が急死した。「歴史的円高の後には、経営者“受難”の時代が待っている」。
 プラザ合意後の劇的な円高に一応の幕が引かれた後経営トップが相次ぎ倒れた八七年を思い起こし、
 そんなジンクスを口にする経済人もいる。
  〈87年の再来?〉
 八七年は、働き盛りの現役社長が相次いで急死し、経済界にとって、“のろわれた年”だった。
 服部一郎・セイコー電子工業社長、森山信吾・第二電電社長、中部藤次郎・大洋漁業社長、
 大野良雄・資生堂社長ら、現役社長の死は一般に名の知られた大企業だけで十四人を数えた。
 (中略)

 □…企業の現役トップが健康を害した最近の主な例…□

 氏名・企業名・ 当時の肩書  病名 その後

 金岡幸二・インテック社長兼会長 くも膜下出血 93年7月に倒れ、死去。
 盛田昭夫・ソニー会長  脳内出血   93年11月に倒れ、現在も療養中。名誉会長に退く。
 鳥海巌・丸紅社長   胃のポリープ 94年12月に摘出手術。今年4月に完全復帰。
 神宮司順・沖電気工業社長      脳こうそく  今年7月に倒れ、現在療養中。8月28日付で社長退任。
 塚原董久・三菱自動車工業社長   胃の病気   今年6月に体調を崩し、入院。8月下旬から適宜出社。
 豊田達郎・トヨタ自動車社長  高血圧症  今年2月に倒れ、現在療養中。8月25日付で副会長に。
 御手洗肇・キヤノン社長  間質性肺炎  今年8月31日に死去。


52 名前:地震雷火事名無し(西日本) 投稿日:2013/04/30(火) 01:04:05.59 ID:D5wBXV1QO
 >>25>>35
 1987年は前年のチェルノブイリによる影響だろうけど、
 1995年は1990年代前半の赤ワインブームが原因だと思われる。

 欧州の汚染されたブドウで作られたワインが、
 大量に日本で消費された時期だからね。


 ワインの場合の問題は、ぶどうを洗わない点にあるのではないだろうか。これは安物ワインなら当てはまらないかもしれないが、高級になればなるほど当てはまりそうな気がするのだが・・・。Yahoo!知恵袋から、

ワインを作るときは、ブドウは洗いませんか? ブドウの消毒液は、すごい量だと...
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1446713779


 ここでは1986年後の状況しか考えていないけど、1986年以前にもまた別起源の同種のものが混入していた可能性があるだろう。


 3.11前のタバコについても、アルコールと同様な状況が成立していたのではないだろうか。タバコでも、前出ブログ「院長の独り言」の記事でも指摘されているように、タバコの葉を洗わないようだし、更に葉のブレンドの問題もあるだろう。後者については、某掲示板の緊急自然災害板から、

743 名前:地震雷火事名無し(千葉県) 投稿日:2013/05/10(金) 02:36:30.73 ID:KFTssI7S0
 >>733
 >>外国産のタバコであっても40種類のブレンドの内に日本のタバコの葉が入っている可能性もあるとのこと。
 故に日本で流通する全てのタバコに放射性物質が入っている可能性が否定出来ないという内容だった。

 情報ありがとう
 外国産吸ってたけど、
 こりゃダメだね

 自分はタバコはそれ自体は言われているほど害はないと思っているけど、
 セシウム入りはダメ、お話にならない。
 遅いかもしれんが、
 止めます(グス・・)


 タバコの関連で思い出すのは、3.11後に起きた次の事件である。

モスクワの空港で、ベトナム人から「放射能」タバコを押収
20.04.2013
http://japanese.ruvr.ru/2013_04_19/111277401/

 首都モスクワの空港ドモジェドヴォの税関職員が、ハノイ―モスクワ便を降りたベトナム市民を制止した。その旅行鞄からは、放射線を放つ品物が発見された。アルミニウム箔で覆われたタバコのカートンだ。内部にはタバコ箱と謎の電子機器が隠されていた。税関職員の測定の結果、タバコが自然状態の 1254 倍高い濃度の電離性放射線を放っていることが分かった。・・・


 何だかよく分からない事件なのだけど、仮に事実とすれば、ベトナム人がロシアに持ち込むものが我が国製JTブランドというのも考えにくいので、上記引用で指摘されているように海外製でブレンドものという可能性があるのではないだろうか。


 以上、回りくどくなったような気がするが、まとめると、3.11前でも核実験あるいは日常的な原発操業や事故によりタバコ・アルコールという「容器」にある種の物質が相当程度入り込んでいたため、これが害のリストの過大評価に繋がっていたのではないかということである。


・8/10追記:
 タバコ容器説に関連するドイツの報道を紹介するブログ記事をみつけたので、貼っておこう。なお、同報道ではプルトニウムと放射性ポロニウム210に言及されているけど、このブログ主は、記事の終わりの方を読む限り、放射性ポロニウム210については自然放射性物質であり人体への悪影響はほとんどないとの立場とみられる(個人的にも支持。放射性ポロニウム210については、続きの記事(4)を参照してほしい)。ブログ「ライブノート LIVE NOTE」から、

南ドイツ新聞 『タバコで被曝をする理由』
2013.07.30
http://codenameo5.blog.fc2.com/blog-entry-1102.html


つづく

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〔推測〕 タバコ、アルコールは隠れ蓑だったのか? (2/5)

2013年05月18日 |  推測

 勢いだけで適当な構想で書き始めたりすると、文章にしてみると内容がスカスカになってしまうことがよくある。今回もその一つだろうかと思いつつ、一週間ほど内容を温めてやっとオチまでたどり着いた感じなので、再開しよう (こう書いておくと、春眠暁を覚えずの例の関連で、睡眠時間を確保のため早く寝てサボっていたとは気付くまい・・・)。

 いずれにしろ、短く繋いでいこう。


 前回記事(ココ)の終わりで、タバコ・アルコールの「害のリスト」的なものを掲げてみた。今回の記事の趣旨は、この害のリストが害の過大評価に陥っているのではないか、実態を反映していないのではないかという疑問に対し、それらしい背景を提示することにある。


 タバコやアルコールを隠れ蓑として使った目的は、個人的に推測するところによれば、1990年代の半ばには注意深い現場の医療関係者であれば、関係する病気において不可解さに気付いた可能性が危惧されたためではないかと推測される。仮に十分に注意深い者でも、そもそも日々多忙であり、その理由はこうですよと予め示されており、権威に従うことを倣いとしていれば、疑問を抱き続けることは難しいであろう。

 
 さて、害のリストは捏造であると正面から陰謀論を展開すると議論が全く進まず有益ではないので、害のリストが歪んだ、不正確になったそれらしい理由を考えいくことにしよう。

 先ず、最初に思いつくのは、動物実験の問題だろう。つまり、本来ヒトに対してはかなり危険性の低いものなのだが、動物実験の結果が関与したため過大な害として喧伝された可能性があるだろう(動物実験原因説)。

 動物実験が物事を歪ませるのは、何やら作為的な香りがするけど、よくあることだろう。個人的におどろいたのは、「卵のようなコレステロールを含む食品を食べると血中コレステロール値が上がる」という神話(コレステロール神話)の件だろうか。三石 巌氏の解説を、例によって他力本願でサイト「最先端現代栄養学・健康」から、

三石 巌さんの著書のご紹介
http://www.02.246.ne.jp/~zinc/mitui.htm

◎鶏卵とコレステロール

 1908年頃、ロシアにアニチコフという医学者がいた。彼は、食生活と血中コレステロール値との
関係を動物実験でつきとめようとした。実験動物にウサギを選んだ。アニチコフは、実験
動物に鶏卵や牛乳を与えてみた。血液を採って調べると、案の定コレステロール値が高くなっていた。
医者の先生方が、卵のようなコレステロールを含む食品を食べると血中コレステロール値が上がる
だから卵を食べてはいけない、といっている間違ったコレステロール神話のみなもとはここにあった。
ウサギは元々草食性動物だから、コレステロールを含む餌をとらないのだ。コレステロール神話に
いちばん迷惑した鶏卵業者は有志を募って毎日10個の鶏卵を食べてみたが、コレステロール値に
有意の上昇はなかったのだ。コレステロールの役目は、細胞膜の形成のみならず、ステロイド
ホルモン(副腎皮質ホルモン、性ホルモン、ビタミンDなど)の材料になる。コレステロールの
需要は多く、食事から得られる量の3~4倍が体内で作られているといわれている (強調は引用者。この部分は、多分三石 巌著「医者いらず、老いしらず」(PHP研究所、1995年)からの引用)


 この場合、実験者に問題があるというより、実験の設定を隠したままこれを重要な内容と位置づけて喧伝した点に問題があるのではないかと考えられる。コレステロール神話が語られる際に、体内でコレステロールが合成される点にはほとんど触れられないし、実験に使われた動物が草食動物であることはなお更だろう。


 動物実験が物事を歪ませるもう一つの例あげておくと、ダイオキシンの危険性に関しブログ「武田邦彦(中部大学)」から、

ダイオキシンは危険なのか?(3)
http://takedanet.com/2007/04/post_21fc.html (2007.4月頃の記事か?)

 総じて、まとめると、
「ダイオキシンは一部の動物に毒物として作用する」
ということができます。このことを直ちに「人間は注意するべきか」ということに結びつけるのは危険です。

 ある動物に強い毒性を示すが人間には無害であるというものも多いですし、反対に、サリドマイドのように動物で無害だから人間も同じと考えて大きな間違いを起こした例も有ります。動物は動物、人間は人間と考えなければなりません。


 なお、武田氏の言説によれば、一時期世間に喧伝された危険性はまやかしで「ダイオキシン毒物伝説」と評価できるらしい(「ダイオキシンは危険なのか?(8)」 http://takedanet.com/2007/04/post_012e.html。現状個人的にはこの説を支持)。


 タバコ・アルコールの害の話に戻ると、上記コレステロールの話の一文を借りれば、次があてはまるだろう。

 実験動物は元々人間でないのだから、タバコもアルコールも吸引・摂取しないのだ。


 定期巡回しているサイトでも、最近タバコと肺がんとの関連で記事が掲載されていて、動物実験に関し解説されていたので紹介しておこう。「地震・原発・災害情報のまとめブログ」から、

「タバコを吸うと肺がんになる」は大ウソ!喫煙者のうち肺がんで死ぬ確率は0.1%未満!!タバコの統計と実験に隠されたトリック
2013/05/10 Fri. 23:14:15
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-188.html

 今や「タバコは肺ガンの原因になる」というのは常識になっていますが、この学説の根拠について調べてみるとネズミを使用した動物実験に行き着きます。この動物実験ではネズミを動けないように固定した上で、口に無理やりタバコをくわえさせて火を付けて、多数のタバコをネズミに吸わせました。その結果、ネズミは肺ガンにさせられ、これがこの学説の根拠となって、今日まで語り継がれているのです

 ただし、この実験で使用したネズミは数百匹もおり、肺ガンになったのはそのうちの数匹だけでした。人間よりも小さくて体の構造も違うネズミに人間と同じ量のタバコを吸わせれば、癌になるのは不思議ではありませんし、また、総数で見るならば、武田教授の言うように発ガン率が低下することになります。 (強調は引用者)


 タバコ・アルコールは、人類にとって長い歴史があるだろう。ドキュメンタリーなどでインディオの生活をみてかけても、ドブロクのようなお酒の類いがでてくるし、タバコもよくみかける。ちなみに、アルコールは少なくとも9000年前から存在が確認でき(中国の遺跡)、タバコは3千年前から(マヤ文明が起源)らしい(それぞれウィキペディア日本語版から「酒」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB%E9%A3%B2%E6%96%99#.E9.85.92.E3.81.AE.E6.AD.B4.E5.8F.B2、「木村さのブログ」の記事から「タバコの起源 マヤ文明」 2012-08-14  http://blog.goo.ne.jp/aip0616/e/8e05c2011ac418a479f60d15f08fc859)。


 タバコ・アルコールはかなりの歴史があるようなので、好んで吸引・摂取する人は遺伝子的な対応がなされている可能性があるだろう。また、タバコのみに関連して言えば、人類は火を扱い煮炊きをしてきた長い歴史があるので、煙に対する一般的な耐性について、ある程度の遺伝子的な対応が期待できるであろう(この点からすれば、肉に塩をかけて焼けばダイオキシンが出易いらしいから、ダイオキシン耐性のないヒトの個体はそもそも淘汰されている可能性があるだろう)。

 実際にも遺伝子対応の例がみられる。アルコールについてみれば、コーカソイドはアルコール分解酵素を十分持っているのでモンゴロイドよりもアルコールに強い人が多いといわれている。煙については、逆にモンゴロイドの方がコーカソイドよりも煙に強いとされている。しかし、タバコ、アルコールはそもそも嗜好品なので、すぺてのヒトに遺伝子的な対応がなされてはいないというのも事実であろう。

 思うに、タバコ・アルコールが人工の食品添加物や遺伝子組み換え食品などど違う点は、次の点だろう。

・ヒトが意味のある量を吸引・摂取する際には、通常その自覚がある。
・従って、苦手なヒトはこれらを避けることができる(選択可能性あり。いわゆる嗜好品)。
・吸引・摂取の歴史も長く、遺伝子的な対応がなされている人々もいる。

 吸引・摂取しても自覚がないもの(食品添加物や遺伝子組み換え食品など)については、表示が問題となるだろう。表示がなされて初めて、選択可能性が存在することとなる。(これ以上脱線すると転覆しそうだな・・・)


 他方、実験動物では、タバコ・アルコールの吸引・摂取の歴史や火を扱った歴史は皆無と断定して間違いがないだろう。また、実験動物を個体レベルでみると、タバコ・アルコールが苦手な個体がいると推測されるが、このような個体に実験に参加しないという拒否権があり得るだろうか。

 
 長々と書いたけど、要は、タバコ・アルコールの有害性を評価する動物実験においては、ヒトと実験動物では大きな相違があると蓋然性が高いので、実験では多種類の動物を使い慎重に計画する必要があるだろう。

 害のリストを作成する際に、果たしてこのような点が十分に考慮されていたのだろうか。考慮されないのであれば、害のリストが歪むのも当然なのかもしれない。


(つづく)

コメント

〔推測〕 タバコ、アルコールは隠れ蓑だったのか? (1/5)

2013年05月10日 |  推測

〔更新履歴:5/19追記、7/27関連記事追加〕


 短く、さわりだけ。

 先ずは、少し脱線。心臓病シリーズは前回で一段落ついたことにしようと思ったけど、予定を変更しよう。昨日、●の影響による典型例と疑われる著名人の例が出てきたようだ。スポニチの記事から、

天海祐希 心筋梗塞で降板「軽度も安静要する」 代役は宮沢りえ
2013年5月9日 06:00
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2013/05/09/kiji/K20130509005766200.html

 所属事務所によると、6日の公演終了後、体のだるさを訴えて、劇場からマネジャーとともに都内の病院へ行き診察を受けたところ、医師から「軽度の心筋梗塞で1週間から10日の安静治療を要する」と診断され、そのまま入院した。


 噂では、かなりのタバコ好きということらしい。また、3.11の復興関連で東北へ行っていたらしく、好物がしじみや海草類と見受けられる。後者の2点については他力本願でいくと、ブログ「みんな楽しくHappy♡がいい♪」から、

天海祐希さんの心筋梗塞「被災地訪問と食生活」
2013-5-10
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2968.html


 いずれにせよ、40代半ばの女性が心筋梗塞になることは、かなり珍しいらしい。他力本願でいくと、某掲示板の緊急自然災害板から、

697 名前:地震雷火事名無し(千葉県) 投稿日:2013/05/09(木) 22:12:33.90 ID:ByOW8qvY0
 45才女性の有名芸能人が心筋梗塞になった。
 すこし、統計的に考えてみます

 10万人対の疾病数データーによると、40代女性の心筋梗塞は10万人対1~3人ぐらいですね。
 http://www.koshu-eisei.net/hekichi/y3%20s2.pdf

 我が国の40代女性の人口は約800万人です。
 http://memorva.jp/ranking/japan/soumu_population_2010.php

 したがって、40代女性の心筋梗塞患者は「毎年80人から240人」となります。
 コホート分析だと、45歳女性の年間患者数は「8人から24人」です。

 45歳の女性は約80万人いて、そのうち年間8名~24名が心筋梗塞になります(かなり稀な病気です)。
 天野さんがこれに該当する確率は、宝くじに当たるぐらい低いです。

 むろん、母数が多くなれば、有名芸能人が心筋梗塞にかかる可能性も高くなります。
 宝くじをたくさん買えば、当選する見込みが多くなるのと同じです。

 つまり、通常では起こりえない異常事態が起きているということです。
 タバコやストレス、飲酒は、3・11以降に40代女性の喫煙率、飲酒率などが有意に高くなったという
 統計がないかぎり、原因と考える根拠にはなりません。

 セシウムが筋肉に蓄積し、心筋が破壊されることはチェルノブイリで確かめられています。
 まずは、セシウムを疑うのが、普通の合理的思考です。


・5/19追記: やはり稀な事例らしい。関連報道をおいておくと、infoseek楽天ニュースとサイト「dot」の記事からそれぞれ、

天海祐希、ヤセ型なのに心筋梗塞のナゼ… 専門医が語る発症リスク
夕刊フジ(2013年5月9日17時09分)
http://news.infoseek.co.jp/article/09fujizak20130509016

心筋梗塞 天海祐希は医師も驚く稀なケース
(更新 2013/5/15 16:00)
http://dot.asahi.com/life/lifestyle/2013051500009.html


 本題に戻ると、せっかくなので今回は、前回記事(ココ)の終わりで少し触れた点

喫煙やアルコールの害というのが何故か●の影響と似ているような気がする

に関し、その延長線上でもう少し掘り下げてみようという企画である。生煮えなので今書く必要が薄い気もするけど、忘れてしまうといけないので。


 仮に、上記指摘のとおり似ているとすれば、1990年代半ば頃におけるタバコとアルコールの害として喧伝されていた内容を確認しておく必要があるだろう。その理由は、各人で想像してみてほしい。他力本願でいくと、ちょと時期がずれるてるような気もするけど、「武田病院グループ」(京都府所在)のサイトから、

健康のために: 健康相談Q&A: タバコとお酒
http://www.takedahp.or.jp/healthcare/question/qa02.html

健康日本21

 厚生省(現厚生労働省)は1999年、「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」と題する政策課題を策定しました。 その目的は「壮年期死亡の減少」および「健康寿命の延伸」とされ、運動期間は2010年までの10年間で、2005年には中間評価を行うことが決められています。

 そして、運動の基本方針として、(1)一次予防の重視、(2)支援環境の整備、(3)目標設定と評価、(4)連携運動の推進が示されています。 そして、具体的な目標として、(1)栄養・食生活、(2)身体活動・運動、(3)休養・心の健康づくり、(4)タバコ(5)アルコール、(6)循環器病、(7)がんを掲げ、それぞれの改善の到達目標が明示されているのです。即ち、今後10年間の国策として、全国規模の一次予防の具体化運動が展開されることになります。

 [中略]

 こうした背景の下で、今回の施策にもタバコとアルコールの弊害が具体的に例示され、その節減が求められています。 (強調は引用者)


 長い記事なので上記URLで確認してほしいがが、最も不可解なものは、「タバコの害」として指摘されている次のものだろうか。個人的には、初めて聞く話で驚いてしまったものである。

 また案外知られていない現象ですが、「タバコ弱視」という視力低下が認められています。


 とりあえずメモ代わりに、症状が連想できそうなキーワードを適当に抜き出してみると、次のとおりである。

【タバコの害】
・心臓・血管系に有害に作用
・血圧を上昇させる筈(実際には下降させるというデータがあり。一種の心不全状態の表われ)
・胃粘膜障害を誘発
・食道炎によるむねやけ
・食物の消化が阻害
・「タバコ弱視」という視力低下
・喉腔咽頭がんや肺がんの発生率はそれぞれ非喫煙者の20数倍、食道がんは10倍
・喫煙女性の早・流産の原因の一つ
・副流煙の問題

【アルコールの害】
・アルコール性肝炎、脂肪肝、さらにアルコール性肝硬変へと進展
・胃粘膜障害作用
・(発泡炭酸ガスにより)胃酸分泌が亢進、そして酸による粘膜障害
・最も恐ろしい合併症はマロリーワイス症候群
・嘔吐、急激に大量の吐下血
・アルコール性膵炎
・アルコール性心筋症
・アルコール性弱視
・コルサコフ精神病


 「アルコールの害」で不可解なものを一つだけ指摘しておくと、発泡炭酸ガスによる粘膜障害だろうか。仮にこれが正しければ、炭酸ガス入り清涼飲料水でも同様なことが起こることになってしまうのではないだろうか(個人的にはこれまでにそのような話を聞いたことかないのだが、単に不勉強なだけだろうか)。


 やはり、かなり似ているような印象を気がするのだが・・・

(つづく)

 

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