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バネスト中野さんインタビュー 後半

2005年12月01日 23時58分00秒 | TGF2005
テーブルゲームフェスティバル2005におきまして
ゲームストア・バネストの代表であり、名古屋EJFにも参加している、中野さんへのインタビュー後半。
前半インタビューはこちら

■・・・sirou  ・・・中野さん

■一番苦労したところ、大変なところを教えて下さい
苦労だらけです。
まず仕事から逃げ出すことができません。正直、サラリーマンの方がよかったかな、と思うこともあります。大きく行き詰まったこともあります。そういったときに仲間に助けられたので、そこはすごくありがたいと思っています。
とても大変なことを経験したので、多少ヘコむこともありますが、助けてくれる仲間やお客様がいらっしゃるので私はその方達に頭が上がりません。
色々と大変なこともありますが、そういった方達に助けられるので苦労なことも「やりがい」を感じます。

■面白いこと、楽しいこと を教えて下さい
面白いことはたくさんあります。
まず視野が広がりました。販売者という立場ですが、プレイヤーの感覚は捨てていないんです。2つの見方からゲームや人物、事柄を見ることができるのは面白いし、価値のあることだと思っています。
それにより現場を常に忘れないでいられます。現場の意見がやっぱり正しいと思います。お客様の意見を聞きながら、自分の糧にしていければいいと思っています。

■同人ゲームに対して教えてください
ただ同人作家に一つ聞きたいことがあります。自己満足で終わってしまうのであれば、私的にはそれまでの時間はもったいないと思うんです。
仲間内だけで楽しむだけなのであれば・・・正直なところあまり関心がもてません。
ゲームを考えて→作って→売る というのは、私が輸入して→和訳をつけて→売る ということより大変だと思います。それなら海外でゲームの公募を行っているところはたくさんあるので、そういったところに出してみるのもいいのではないか、という気もします。
なのでプレイヤーとしては関心はありますが、商品にならないものは販売者としては難しいですね。

■そこはシビアな方がいいとは思います。
同人と製品 という線引きもなかなか難しいと思いますが・・・
出版社が作ったら製品だと思います。自分で作るなら同人、出版社にお願いして100や500のロットを作ったら製品だと思います。同人ゲームの一番かわいそうなことは、ゲームがある程度有名になったときに万人に遊ばれないことだと思います。バネストとしては、そのゲームにある程度の説得力があればそれらを商材として考えています。

作られている方がどういった経緯で作られているのか分からないのですが、例えば作って遊ぶことが楽しいと思うなら、それはそれでいいかもしれません、ただそこで何か物足りなさや大変さを感じるならば次のステップを考えた方がいいと思っています。

良いゲーム、悪いゲームという判断は極端な話、半分はそのゲーム自体の良し悪しに、もう半分は話題性や売り方だと思います。
■たしかにHPの評価などはかなり重要ですよね
そうですね、HPで多くの人に見られている人はそれなりの自覚を持って欲しいと思います。
■例えば評価はプレイヤーの為にあって、自分が面白くないのは面白くないと言っていて、それをどう捉えるかは読み手次第、というスタンスなのですが、いかんせん影響力が大きいのはあるかもしれませんね。
一部、またはいくつかの意見に左右されるということは、まだこの趣味は育ってないのかもしれません。なのでそういった意見を述べるときは、ある程度その状況を理解していただきたいと思います。
書いてはいけない とは言いませんが、「よくない」と書くにはそれなりの根拠を持ってほしい。私は好みではない、ここが嫌いと書くのはまったく問題がありませんが、書き方によっては一般論になってしまうことがある。そのように書くのならばちゃんとした責任(根拠)を持って欲しいと思います。

中野さんのお話と私の考えをまとめてみました
食べ物で、あそこの店がウマいと評判になるとその店が繁盛する、それに似ています。でもボードゲームと違うのは評価を見る側が自分の好みと合うかどうかを判断できるか否か、という点である。ボードゲームはまだ趣味として育っていないため、一部の意見に流される傾向にある。
これは「そんなことはない、見る側で判断できている」という意見をお持ちの方も多いかもしれない。しかし私を含め多くの人は、ボードゲームを扱うホームページを見て、購入を判断しているのは無視できない。ボードゲームの現状を見たとき、ほとんど全ての人が自分の好みを自覚していてHPの評価を判断できてはいないと思う、ならば「ボードゲームはまだ未成熟である」と言えなくはない。ということである。
※これに関して、メビウスの能勢さんはまた別の考えをお持ちで、それはまた後日掲載することにいたします。

もっとくだけて言うと、評価を書くときに多くの人がそれに左右されることがあるので、その点を理解した上で評価を書いてね。ということである。さらに言うと読む側も、これはこの人の意見なのだ(私とは違うかもしれない)ということを念頭にいれて判断する必要がある。

■以上でインタビューは終了です。
バネスト中野さん、ご協力ありがとうございました。