今月号の「婦人画報」に載っていた勘三郎さまの奥様、
波野好江さんと大竹しのぶさんの対談を
興味深く読みました。
内容はもちろん、
故中村勘三郎さんについてです。
勘三郎さんのガン闘病と最期の様子をつづった
「中村勘三郎 最期の131日」(集英社)を
刊行なさったことから、
今回の対談になったようです。
大竹しのぶさんといえば、
かつて中村勘三郎さんと噂があった(らしい)。
その二人が、勘三郎さんをあいだにして、
どんなお付き合いをしたかを語っています。
「--彼は22歳のときに大竹さんと共演して、
たちまち恋に落ちたと聞いております」
こんな話を皮切りに太地喜和子さん、
宮沢りえさんなどなど、噂のあった(らしい)人たちの話が
どんどん出てきます。
「哲明さん(勘三郎の本名)にとっての恋は、
生きていく上のエネルギーでした」
という好江さん。
さすが、というか、中村芝翫を父にもち、
橋之助の姉という中村屋一門の出だけあって、
多少のことには動じない大きさです。
もちろん本音は人知れず。
心穏やかでない日々もあったでしょうが。
特集のきものは、鳥の子色の色無地に白の袋帯、
同じ鳥の子色帯締め。
飛び絞りの帯揚げだけに、わずかに臙脂を効かせています。
先に紹介した雑誌「エクラ一月号」
(集英社)にもインタビュー記事が載っています。
このときには媚茶色の、これは鮫小紋でしょうか。
それに黒の銀杏模様の帯。
心なし、大竹さんとの対談のほうが
華やかさを感じますが、
これはうがち過ぎというものでしょう。
歌舞伎役者の妻といえば、
夫のために周囲への気遣い、気配りは
尋常ではなく(と、思える)、
少し腰を低くして挨拶される姿には、
女優さんとは違う抑えた色気があります。
そのきもの姿も、主役ではなく、
控えめななかにも
華やかさは必要という趣味の良さ。
この方、ある美術展でお見かけしたことがあります。
決して派手とはいえないきもの姿なのですが、
動きや所作が作る雰囲気は、
辺りを圧倒していました。
きれいな着付けではありますが、
自分で着つけたと思われる自由さ。
この雰囲気は、
やはり歌舞伎という伝統ある場所が作るんでしょうね。
対談を読んだばかりのときには、
「こういう風に勘三郎さんの女性関係を臆せず話すことで、
ある禊(みそぎ)をしたいのかな」と思いましたが、
彼女の立居振舞が目に浮かんだとき、
やはりこの人、本当に、
「ほかの女性のことは、もう、どうでもいい。
本名の哲明さんのことだけを見てきたんだなあ」
と、尊敬を感じつつ、羨ましく思いました。
それにしても
写真だけではわからない、
写真以上の美しさってあるんですね。
「最後の131日」読んでみます。
励みになります。
応援ポチ嬉しいです。
そう割り切らないといけない世界に居られのですね。
私は小さな器かも・・・
主人の本気は許せない、
でも、数々のデートは大目に見ています。
本気は許せないのは当然だと思いますが、数々のデートは大目? いや、決して器小さくないです(笑)
歌舞伎の世界は特殊ですね。それを一般人に当てはめることはできないと思います。
私たちは歌舞伎を観て楽しめばいいですよね。
ご無沙汰しております
年末には暖かいメッセージを頂いてありがとうございました。
年末年始の一月ほど闘病中の母と
緩和ケアセンターで終末を迎えようとしている姑を自宅に迎え慌ただしい毎日でした。
束の間のコーヒータイムに紫苑さまをはじめ素敵なきものブロガー様のところへお邪魔するのが唯一の楽しみです。
毎回読み逃げのようで心苦しく思っていますが 本年もどうぞよろしくお願いいたします。
大変な日々をお過ごしのなか、お気遣い、ありがとうございます。お二人のお母様をご自宅にお迎えしてのお正月、aoitukiさまの優しさが思われます。
まだ気を抜けない日々が続くと思いますが、お身体だけではなく、ご自愛ください。