FEEL ambivalence

毎日、いろんなことを思います。
両極端な感じで。

両面価値。
同一対象に対する愛憎共存。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』.

2009-07-08 22:42:20 | 映画
ネタバレ注意。
と言っても、ググってたどり着いているなら、覚悟してますよね。


やっと観られた。EVANGELION:2.0 YOU CAN (NOT) ADVANCE.
平日15時って時間だったけれど、思っていたよりもお客様がいた。
結構年配の人から、高校生まで。

今作を見る前に、Blu-ray版の「1.11(以下、『序』)」も観た。
十分に期待を高めてからの観覧。

まず、観終わったあとの脱力感がすごい。
ほっとする。
そのインパクトが強すぎて、開放されたことへの安心感が強い。
それほど物語に引き込まれる。
引き込まれるが、柔和な物語ではない。
ひどく痛く、つらい。
けれど、目を逸らせない。意識はスクリーンに固定されてしまった。

前回の劇場版(THE End of EVANGELION、以下『EoE』)よりもストーリーはわかりやすい。だからと言って、すべてを理解できるわけではない。相変わらずの作りこまれた世界観は、いまだ全貌を現さないように描かれている。登場人物の心情も、より人間らしくなっている。そして、人間らしさを強調するストーリー仕立て。(レイも、ゲンドウも人間らしく描かれている。アスカは死亡フラグ立てちゃってるんじゃない?真希波はまだ良くわからん。シンジくん、鳥肌モノ。パネぇっす。)

『序』でも圧倒的だった映像はさらに美しく仕上がっていた。
戦闘シーンは圧巻である。CICにあるモニター群の映像は特に秀逸だ。
あの作りこみは本当に美しい。

そして、演出が巧みなのだ。
ああ、ぼくは映画を観ているんだなぁ、としみじみ思わせる演出。
テレビ版の延長であった『EoE』とは異なる仕上がりだ。

冒頭でも書いたとおり、観終わるとほっとした。
それは98分という時間の中に、これでもかと詰め込まれた内容の濃さも要因の一つ。
なにしろ展開が速い。
そして使徒との戦闘シーンが多い。
何回だろ?4回?
山場が多いので、文字通り、手に汗を握る。

鷺巣氏の音楽も健在だ。
彼の音楽なくして、EVAはありえない。
宇多田ヒカルの『Beautiful World』は今作でもエンディングテーマを飾っているが、『序』とは別のMix。この辺もうまい演出だなぁ。


『EoE』のように、観終わってからブルーになるようなエンディングにはして欲しくない。
ここまで広げた物語がどう収束していくのか、今から『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(Quickening)』が楽しみ。
でも、今すぐ続編が観たいというわけじゃない。
もう少し時間が欲しい。
消化するのには時間が必要だし、できればディスクメディアになってから『破』を繰り返し見たい。
劇場にもう一度足を運ぶかどうかは微妙だが、巷の評判どおり、非常に良くできた作品だと思う。


事前情報をまったく耳に入れないほうが楽しめる。
このところ、劇場で映画を見ることが多いが、どれも事前情報を極力避けている。
ハズレだろうが、当たりだろうが、事前情報によって期待させられるのが本当に嫌なのだ。

つまり、この作品はプロモーションも大成功と言えるだろう。
「エヴァを超えるのはエヴァだけ」、という言葉も真実味を帯びてきた。