FEEL ambivalence

毎日、いろんなことを思います。
両極端な感じで。

両面価値。
同一対象に対する愛憎共存。

イノセンス -INNOCENCE.-

2007-05-03 23:03:53 | 映画
見ようと思いながら、なかなか手に取れない作品。
ぼくにとっては押井監督作品がそれだ。

映画は他人の思考や視界を共有する手段。
どこまでも不安定で、どこまでも引き込まれる。
押井監督の作品は見終わった後にぼんやりとする時間が長く、自分の思考に負荷がかかる気がする。

劇場公開はもう3年も前だ。
当時コンビニで前売り券発売のポスターを眺めたりしていたのだが、興味は全くなかった。まさに物事には機会がある。あの頃見たとしても今のように受け止めることはなく、もしかしたら駄作と思っていたかもしれない。

なぜ、人は自らに似せて人形を作るのか。

この問いには関係ないが、思い浮かんだことがあるので書いておく。
幼い頃、車のフロントが顔に見えて仕方がなかった。
メーカーによって、車種によって顔が違い、優しい顔、怖い顔、怒っている顔など眺めているだけでいろんな顔が浮かんでいた。
ヘッドライトが二つでなければならない理由はどこにもなく、また左右対称でなければならない理由はない。効率や美観を考えれば納得しかけるが、そもそも美観とは何だろう。

遺伝子によって導かれるものはそれを模倣する。

このテーゼは正しいのだろうか。


この作品は映像の美しさや音楽のすばらしさが際立っている。
何度見ても引き込まれるだろう。

そして、何よりもその美しい表層に隠れている、果てのない問答を自分なりに解釈するために、何度でも見直したくなる作品だと思う。