ああ、やってしまった。
食事前のつまらない兄弟喧嘩に、つい口を出してしまった。
大荒れに荒れていたエジソン君、噴火。
「欽はいいよな、お母さんが味方についてくれるから」
12月初旬の夜、上着を着てお財布を握り締めたエジソン君が玄関から外へ出た。
私が外仕事に出かける日にちがじわじわと増え、土日に仕事を入れて子ども達だけで1日を過ごさせることさえあった上、数ヶ月前から自宅仕事も引き受け、欽ちゃんのサッカークラブの本部仕事でパソコンの前に座ることが増え、子ども達と話をする時間は当然減りました。仕事が入っていない土日にはサッカーの試合などが入って私は応援に。エジソン君は家でひとりでお留守番。これでは食事を作っているとはいえ、子どもが荒れないわけがない。
「お金が必要だから働かなきゃならないのよ」
そんな声、子どもには聞こえない、届かない。
そんな理由なんて、子どもには分からない。
私の知っている荒れている子って、みんな【淋しい子】だった。
中学生になったとはいえ、エジソン君なりの孤独・苦悩に気付いてはいた。
甘えたい。 甘えられない。
僕だけを見て。 僕は大切じゃない。
そんなの、大人の男だって同じだ。
気持ちに余裕があって落ち着いていれば、本当は、弟いじめなんかしないだろう。
分かってはいたけど、次から次へとなだれ込んでくる“やらなきゃならないこと”に翻弄され、「もう高学年と中学生なんだし、自立させなきゃ」という思いもあって、しばらく子ども達への対応が不十分だった。
私のいない間、子ども達がTVを見る時間がどれほど長かったか、想像するのも恐ろしい。
そして決壊。
エジソン君が家を出てから何10分経った?
寒いのに、夜なのに、まだご飯を食べていないのに、どうする気なんだろう…。
欽ちゃんは黙ったまま。
意地悪さえされなければ、欽はお兄ちゃんが大好きなんだ。
時計を見るのも忘れて、ただ黙って、何をしていたのかももう覚えていないけど、
そうしているうちにドアが静かに開く気配がして、エジソン君がそっと自分の部屋に戻っていった。
(2につづく)
食事前のつまらない兄弟喧嘩に、つい口を出してしまった。
大荒れに荒れていたエジソン君、噴火。
「欽はいいよな、お母さんが味方についてくれるから」
12月初旬の夜、上着を着てお財布を握り締めたエジソン君が玄関から外へ出た。
私が外仕事に出かける日にちがじわじわと増え、土日に仕事を入れて子ども達だけで1日を過ごさせることさえあった上、数ヶ月前から自宅仕事も引き受け、欽ちゃんのサッカークラブの本部仕事でパソコンの前に座ることが増え、子ども達と話をする時間は当然減りました。仕事が入っていない土日にはサッカーの試合などが入って私は応援に。エジソン君は家でひとりでお留守番。これでは食事を作っているとはいえ、子どもが荒れないわけがない。
「お金が必要だから働かなきゃならないのよ」
そんな声、子どもには聞こえない、届かない。
そんな理由なんて、子どもには分からない。
私の知っている荒れている子って、みんな【淋しい子】だった。
中学生になったとはいえ、エジソン君なりの孤独・苦悩に気付いてはいた。
甘えたい。 甘えられない。
僕だけを見て。 僕は大切じゃない。
そんなの、大人の男だって同じだ。
気持ちに余裕があって落ち着いていれば、本当は、弟いじめなんかしないだろう。
分かってはいたけど、次から次へとなだれ込んでくる“やらなきゃならないこと”に翻弄され、「もう高学年と中学生なんだし、自立させなきゃ」という思いもあって、しばらく子ども達への対応が不十分だった。
私のいない間、子ども達がTVを見る時間がどれほど長かったか、想像するのも恐ろしい。
そして決壊。
エジソン君が家を出てから何10分経った?
寒いのに、夜なのに、まだご飯を食べていないのに、どうする気なんだろう…。
欽ちゃんは黙ったまま。
意地悪さえされなければ、欽はお兄ちゃんが大好きなんだ。
時計を見るのも忘れて、ただ黙って、何をしていたのかももう覚えていないけど、
そうしているうちにドアが静かに開く気配がして、エジソン君がそっと自分の部屋に戻っていった。
(2につづく)
お辛いでしょう。男の子の思春期。異性だから測り知れないところが多くて。でも、silkyさんはエジソン君の気持ちを良く分かってあげていると思います。エジソン君もお母さんに甘えたい、独り占めしたい、と思っているんですね。男の子には、女の子にはない別の可愛さがあります。純真で、いじらしいくらいですね。いつか、エジソンくんと2人きりの時間が持てるとよいですね。
エジソン君は二人になると素直になってくれることもあるけど、他に誰かいるとなかなか難しいみたいです。
気持ちを素直に表現できないのは、本人としても大変だよね。