『大江戸曲者列伝:幕末の巻』
野口武彦、2006、『大江戸曲者列伝:幕末の巻』、新潮新書
「太平の巻」の続編とのことだが、そちらは読んでいない。
本書をよむ読者は、歴史がほんのちょっとしたすれ違いで動いていくこと、その中でうごめく一人ひとりの動きは時に今から見るとこっけいに見え、結果的には流れに乗れた(途中がどうであれ)者だけが、生き延びるということがよくわかるだろう。
幕末の大者小者の右往左往は今になってみれば、いろいろだろうが、苦笑いということになろうか。たとえば、吉田松陰が小船に乗って黒船にたどり着き、幕禁を押してアメリカに連れて行くよう頼むが、黒船の軍医は、疥癬が乗組員に感染するのを恐れて乗船を拒否(という別の説)。結果として、軟禁中の松下村塾において倒幕に関与する一味を養成することができたことなど、まさにその際たるものであろう。
本書に触れられる登場人物、たとえば、徳川慶喜や河井継之助の評価など、別の見方もあることを知るだろう。その意味でも本書がもう一つの幕末史と読めて、楽しめた。
「太平の巻」の続編とのことだが、そちらは読んでいない。
本書をよむ読者は、歴史がほんのちょっとしたすれ違いで動いていくこと、その中でうごめく一人ひとりの動きは時に今から見るとこっけいに見え、結果的には流れに乗れた(途中がどうであれ)者だけが、生き延びるということがよくわかるだろう。
幕末の大者小者の右往左往は今になってみれば、いろいろだろうが、苦笑いということになろうか。たとえば、吉田松陰が小船に乗って黒船にたどり着き、幕禁を押してアメリカに連れて行くよう頼むが、黒船の軍医は、疥癬が乗組員に感染するのを恐れて乗船を拒否(という別の説)。結果として、軟禁中の松下村塾において倒幕に関与する一味を養成することができたことなど、まさにその際たるものであろう。
本書に触れられる登場人物、たとえば、徳川慶喜や河井継之助の評価など、別の見方もあることを知るだろう。その意味でも本書がもう一つの幕末史と読めて、楽しめた。
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