『愉悦の蒐集ヴンダーカンマーの謎 』

小宮 正安、2007、『愉悦の蒐集ヴンダーカンマーの謎』、集英社新書ヴィジュアル版
評者は子どもの頃「見るなの箱」名付けた箱を持っていた。これは、両親に見ちゃだめだよ、ということだったのだが、中はがらくたが入っていた。いまでは、何を入れたのかよくわからないが、なにやらごたごたと入れていた。おそらく、誰もがこれに類似した経験があったのではないか。なぜ、コレクションをしたくなるのだろうか。
もちろん、本書はすべてに答えているのではないが、ある種の人類普遍の収集癖といったものをかいま見ることができる。本書で取り上げられるのは子どもの秘密の箱ではなく、ある種の世界への支配欲も絡んだ王侯貴族の趣味ともいえるものではあるが、やがては、分類類別をへて現代の博物館美術館へと変貌を遂げる前の姿が紹介される。
偽物をつかまされる骨董癖や、怪しげな「秘宝館」が世の中絶えることがないのは、ひょっとして整理整頓の博物館美術館ではない、混沌としたものがへの志向が結構本源的なものであるというのであろうか。
評者は子どもの頃「見るなの箱」名付けた箱を持っていた。これは、両親に見ちゃだめだよ、ということだったのだが、中はがらくたが入っていた。いまでは、何を入れたのかよくわからないが、なにやらごたごたと入れていた。おそらく、誰もがこれに類似した経験があったのではないか。なぜ、コレクションをしたくなるのだろうか。
もちろん、本書はすべてに答えているのではないが、ある種の人類普遍の収集癖といったものをかいま見ることができる。本書で取り上げられるのは子どもの秘密の箱ではなく、ある種の世界への支配欲も絡んだ王侯貴族の趣味ともいえるものではあるが、やがては、分類類別をへて現代の博物館美術館へと変貌を遂げる前の姿が紹介される。
偽物をつかまされる骨董癖や、怪しげな「秘宝館」が世の中絶えることがないのは、ひょっとして整理整頓の博物館美術館ではない、混沌としたものがへの志向が結構本源的なものであるというのであろうか。
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