Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

秋の気配

2022年08月22日 12時51分14秒 | 俳句・短歌・詩等関連

 昨日の最高気温はようやく30℃を下回り、29.6℃。本日も30℃に届かないという予報。少しホッとした。それでも蒸し暑いことには変わりない。
 昼間の蝉の合唱の中に、ツクツクホウシの声が混じり始めた。昨晩は深夜に、か細い秋の虫の音が聞こえてきた。何という虫なのかわからずじまいであったが、湯船の中で聞いていた。

 ようやく秋の気配を感じた。

★法師蝉啼く日となりて妻は亡し     臼田亞浪
★法師蝉煮炊といふも二人きり      富安風生
★なきやみてなほ天を占む法師蝉     山口誓子

 第2句、我が家も二人の暮らしになってもう20数年。60歳の定年まではそのような感慨は意識しなかった。膝痛であまり外に出られなかった今年、殊更このような感慨が身に沁みるようになった。法師蝉という季語が全体をしっとりと包んでいて好感が持てる。上五と中七の切れが柔らかである。
 第3句は法師蝉の鳴き声の別の側面。他の蝉よりも耳につくしつこさもある。鳴きやんで静かになる情景はすでに多数。鳴きやんでも自己主張が耳に残ってしまう。頭の中で響き続けている。自己主張の強い人間、あるいは僧の顔を思い出してしまう。



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