Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

桜の実・葉桜

2021年04月01日 22時04分12秒 | 俳句・短歌・詩等関連

 「桜の実」「葉桜」は夏の季語ということになっているが‥。

      

 

★実桜や少年の目の海の色        永方裕子
★葉の陰に揺れはそれぞれ桜の実     庄司たけし
★入園のお下げ揺れおり桜の実      菅原 涼
★実桜や桟橋揺する波の音        酒井誠三
★葉桜の中の無数の空さわぐ       篠原 梵
★葉桜の雨しづかなり豊かなり      九鬼あきゑ

 確かにソメイヨシノが4月に満開になれば、5月初めの初夏に桜の実が黒ずむ。それが「桜の実」の季節感が夏ということの根拠なのだろう。そうはいっても桜の実が目につくのは、早咲きの桜が実をつけたころ。さらに赤くなり始めたころが見栄えがする。
 葉桜は花が散った直後のイメージではなく、葉が若く、浅い緑色で木全体が覆われたころのイメージなのであろう。私もそのころの桜の木は好きである。しかし多くの人は花が散った直後に葉が出てきた時期を差すことが多い。
 植物のさまざまな姿のどの時点を、どの言葉で表すか、言葉が時代とともに変わるように、その意味も変化する。ことわざや、中国の古典の熟語を除いてひとつの意味に縛ってしまうのは難しいものである。意味を動かしてはいけない言葉、意味が時とともに動いていく言葉、峻別は難しい。

 



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