Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

読了「国造(くにのみやつこ)」

2021年11月23日 11時06分11秒 | 読書

   

 昨晩は日付が変わってから「国造(くにのみやつこ)-大和政権と地方豪族」(篠川賢、中公新書)」を読み終わった。
 この書の論がいまどのような水準にあるのかは私にはわからないが、とりあえず私の興味の範囲内で新しい知識となったところは、読み終わってみると結局第1章の末尾であった。

「直木幸次郎によれば、継体(ヲホド)記の記述と神武天皇伝説との間には多くの類似点があり、継体(ヲホド)に関わる事実や伝承をもとに神武伝説が潤色・形成されたと考えられるという。大倭国造・葛城国造の任命は、継体のときの事実と考えてよいのではなかろうか。地方から大和に入って即位した継体であったがゆえに、畿内にたいしても、それをいくつかの範囲(クニ)に分け、それぞけれに国造を任命して統轄させる必要があった‥。いいかえれば、そのようにして即位した継体であったがゆえに、中央豪族の勢力が錯綜する機内地域においても、国造を設置することができた‥。一方、九州地方に国造制が施行されたのは、磐井の乱の鎮圧後と考えられること、磐井の乱の一因には、中央政権が国造制という制度をともなう形での支配を磐井の勢力範囲に及ぼそうとしていたこと。‥いまひとつの重要な契機として、朝鮮半島派遣軍のための軍丁(兵士)の確保ということがあったと考えられる。」(第一章「国造制はいつどのようにして成立したのか」の「3 国造制の成立過程と磐井の乱」)

 寄り道読書はしばらく終了。本日は「日本美術の歴史」(辻惟雄)に戻る。

 



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