★石楠花に手を触れしめず霧通ふ 臼田亜浪
この句、登山経験のあるかたならば実感できる。石楠花の咲くころは梅雨直前。ガスが立ち込めるなか咲いている石楠花の薄い花弁は朝の露が表から裏に、裏から表に通り抜けていくように透けて見える。そんな花に手を伸ばしてみようとしてもガスがかかってきてさっと花を隠してしまう。湿度100%の空気、とはいえ決して不快ではない。
関東近辺では奥秩父の山々の石楠花が私には印象的であった。登山に行くと石楠花が山の奥深さを実感させてくれる。霧の中をひたすら歩くことで、人は回生する。石楠花に異性や友人や、夢や理想をダブらせるのは受け手の勝手である。
なお、「石楠」は臼田亜浪の創刊した俳句誌。
この句、登山経験のあるかたならば実感できる。石楠花の咲くころは梅雨直前。ガスが立ち込めるなか咲いている石楠花の薄い花弁は朝の露が表から裏に、裏から表に通り抜けていくように透けて見える。そんな花に手を伸ばしてみようとしてもガスがかかってきてさっと花を隠してしまう。湿度100%の空気、とはいえ決して不快ではない。
関東近辺では奥秩父の山々の石楠花が私には印象的であった。登山に行くと石楠花が山の奥深さを実感させてくれる。霧の中をひたすら歩くことで、人は回生する。石楠花に異性や友人や、夢や理想をダブらせるのは受け手の勝手である。
なお、「石楠」は臼田亜浪の創刊した俳句誌。