昨晩、夕食を食べに行ったときに、神奈川大学のキャンパスの近くを通りかかったら、鈴虫の声が聞こえた。妻が最初に気がついた。「夜の蝉の声ではないよね」と自信なさそうであった。私も半信半疑で耳を凝らすと確かに鈴虫が鳴いていた
団地の中では夜中過ぎても蝉の声が圧倒的に大きいので、鈴虫の声はまだまだ聞こえない。場所によって蝉と秋の虫の勢力が違うのであろう。
店を出てからもその場所でふたたび「リーンリーン」という微かな声を聞いた。聞き耳を立てなくとも耳に入って来るというのは、それだけ人間の耳が反応しやすい音域なのだろう。あるいは秋を待ち焦がれている意識の反映かもしれない。
夕食後団地に戻ってみてあらためて蝉の声ばかりが聞こえてくることに、「少し飽きたな」と同時にため息が出た。ため息は蝉の声に対してよりも、暑さに「飽きた」思いの方が強かったかもしれない。
★鈴虫のいつか遠のく眠りかな 阿部みどり女
こんな秋が早くやってきてほしいものである。そんなことを思いながら蝉の声に包まれて眠りについた。