ザオ・ウーキー氏が亡くなったとのこと。92歳だったという。
「ハロルド」というブログ”http://blog.goo.ne.jp/harold1234”で知った。
ブリヂストン美術館に行くと必ず最後はザオ・ウーキーの絵をじっくりと見てから、館をあとにする癖がついている。
「07.06.85」のあの青の印象は深い。さまざま表情見せる海のようでもあり、空のようでもあり、果てしない宇宙空間の奥を覗くようでもあり、見る度に自由に想像できる。白もまた引き込まれる。原初の海での生命の誕生や、人の営み、人工の都市景観の象徴のようにも見える。
次から次に湧いてくる想像に身を遊ばせることができる。時間があっという間に過ぎていく。その時間がうれしい。あの絵の前に立つとそのような自由な飛翔に意識がすぐに移行するから不思議である。この意識の飛翔をもたらしてくれる絵、これだけが私の絵に対する評価軸だ。
「21.Sep.50」

「07.06.85」

初めて見たのは「21.Sep.50」。パウル・クレーの絵かと思ったのだが、作者を見てビックリ。ザオ・ウーキーという名をしっかりと頭に刻み込んだ。そしてその後「07.06.85」を見てこの絵がもっとも好きになった。
経歴を見ると、
1921 北京に生まれる。生後6ヶ月のとき、上海に移る。
1935 杭州美術学校に入学。
1948 パリへ移住、アカデミー・グラン・ショミエールに通う。
1951 ヨーロッパ各地を旅行。
1957 アメリカを旅行。同地の作家たちに影響を受ける。
1958 スーラージュとハワイ、日本を訪問。香港で二度目の妻メイと出会う。
1964 フランス市民権を取得。
1972 妻メイの死により、制作意欲を喪失。24年振りに祖国を訪れる。
1977 フランソワーズ・マルケと再婚。
1982 京都国立近代美術館にて回顧展。開会式に出席。
1985 母校の杭州美術大学で講義を行う。
「水墨画など東洋の伝統を踏まえた抽象絵画」、「東洋と西洋が融合した叙情的な抽象画」とマスコミは紹介しているが、技法的なことはわからないが、これらの評はどうなのだろうか。生前に言われているとして本人は納得していたのだろうか。もし技法上のことならば教えてほしいと切にお願いしたい。
絵として、一枚の作品をとおして前にたたずみたくなるその絵の魅力を言い表すのはなかなか難しい。上のような評を言ってすべて言いおおせたような気になるのがもっとも怖ろしい。
ブリヂストン美術館はザオ・ウーキーのコレクションに力を入れている。いくつか見た作品、どれも私は同じように好きだ。
亡くなったと聞いて、また近いうちに見に出かけよう。
「ハロルド」というブログ”http://blog.goo.ne.jp/harold1234”で知った。
ブリヂストン美術館に行くと必ず最後はザオ・ウーキーの絵をじっくりと見てから、館をあとにする癖がついている。
「07.06.85」のあの青の印象は深い。さまざま表情見せる海のようでもあり、空のようでもあり、果てしない宇宙空間の奥を覗くようでもあり、見る度に自由に想像できる。白もまた引き込まれる。原初の海での生命の誕生や、人の営み、人工の都市景観の象徴のようにも見える。
次から次に湧いてくる想像に身を遊ばせることができる。時間があっという間に過ぎていく。その時間がうれしい。あの絵の前に立つとそのような自由な飛翔に意識がすぐに移行するから不思議である。この意識の飛翔をもたらしてくれる絵、これだけが私の絵に対する評価軸だ。
「21.Sep.50」

「07.06.85」

初めて見たのは「21.Sep.50」。パウル・クレーの絵かと思ったのだが、作者を見てビックリ。ザオ・ウーキーという名をしっかりと頭に刻み込んだ。そしてその後「07.06.85」を見てこの絵がもっとも好きになった。
経歴を見ると、
1921 北京に生まれる。生後6ヶ月のとき、上海に移る。
1935 杭州美術学校に入学。
1948 パリへ移住、アカデミー・グラン・ショミエールに通う。
1951 ヨーロッパ各地を旅行。
1957 アメリカを旅行。同地の作家たちに影響を受ける。
1958 スーラージュとハワイ、日本を訪問。香港で二度目の妻メイと出会う。
1964 フランス市民権を取得。
1972 妻メイの死により、制作意欲を喪失。24年振りに祖国を訪れる。
1977 フランソワーズ・マルケと再婚。
1982 京都国立近代美術館にて回顧展。開会式に出席。
1985 母校の杭州美術大学で講義を行う。
「水墨画など東洋の伝統を踏まえた抽象絵画」、「東洋と西洋が融合した叙情的な抽象画」とマスコミは紹介しているが、技法的なことはわからないが、これらの評はどうなのだろうか。生前に言われているとして本人は納得していたのだろうか。もし技法上のことならば教えてほしいと切にお願いしたい。
絵として、一枚の作品をとおして前にたたずみたくなるその絵の魅力を言い表すのはなかなか難しい。上のような評を言ってすべて言いおおせたような気になるのがもっとも怖ろしい。
ブリヂストン美術館はザオ・ウーキーのコレクションに力を入れている。いくつか見た作品、どれも私は同じように好きだ。
亡くなったと聞いて、また近いうちに見に出かけよう。