
昨日、本日と作業の間にかけていた曲はモーツアルトの「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲、2つのヴァイオリンのための協奏曲」の2曲。これまでと同じくヴァイオリンはヨゼフ・スーク、プラハ室内管弦楽団、前者は1972年、後者は1973年の録音である。
「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲」(1779、23歳)をFM放送で初めて聞いた時はヴィオラというのはこんなにもいい音色で表情が豊かなのかとびっくりした。それまで弦楽四重奏曲でしか聴いたことが無かったので独奏楽器として自己主張する楽器とは考えもつかなかった。弦楽器と云うとヴァイオリンとチェロの音色しか思い浮かばなかったのだから情けない話ではあった。演奏者も覚えていないのだからどのような聴き方をしたのかはわからないが、とてもびっくりしたことだけは記憶している。
私が特に特に気に入っているのが第2楽章である。モーツアルトならではの短調の旋律が印象的である。ヴィオラはヴァイオリンに従属的だが、ふたつの掛け合いの個所が実にいい。ヴィオラの音色の特質を生かして十分に響かせてあると感じる。このくらいのテンポがヴィオラの音色を堪能するのに適していると勝手に思っている。
第3楽章は雄大な曲想で、晩年の交響曲などを思い浮かべるような感じがする。ホルンの活躍が初めてこの曲を聞いた私には新鮮に聴こえた。当時はまだホルン協奏曲の存在を知らなかったが、それでもホルンの魅力の入門だったかもしれない。
初めて聞いたのち、同じく学生時代にFM放送でたまたま数回聴いたことがあるだけなのだが、ずっと印象に残っていて、当時はとても高かった洋版のLeaポケットスコアを購入したのをおぼえている。このスコアが横浜に引き上げてくるときにどこかへ行ってしまった。
「2つのヴァイオリンのための協奏曲」(1774、18歳)も前の曲と同じ時期に初めて聞いた記憶がある。前曲と同じく二つの楽器、しかも同じヴァイオリンのための協奏曲にもかかわらず第1楽章から第3楽章に至るまで終始オーボエが活躍する。2つのヴァイオリンとオーボエのための協奏交響曲といってもいいような曲である。
ソロ3者がそれぞれに対等に活躍する管弦楽の伴奏付きの曲というのはとても無ガスしいと思う。それぞれの楽器の特徴を発揮して統一感を持たせる、しかも伴奏の管弦楽団にも存在感を〆させるというのは、至難の業のように思える。さらにヴァイオリン、オーボエと音域は近い上に音色も分かちがたいものがある。
やはりスコアを購入しようとしたが手に入らず、ピアノ伴奏のヴァイオリンの教則本を購入している。


