Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

中秋の名月

2018年09月24日 22時18分22秒 | 俳句・短歌・詩等関連
 本日は旧暦8月15日、中秋の名月。本日は十五夜だが、満月は明日。十五夜と満月が一致するは50%以下とのこと。
 横浜では雨ないし曇り空か、と予報されたものの、晴間に月が美しい。この時間になってごく薄い雲が空を覆っているが、月はその雲を胃に会することなく姿を巣せてくれている。

★名月や故郷遠き影法師     夏目漱石

1895(M28)年の作であるから、漱石が東京から逃れるように松山中学校に英語教師として赴任し、正岡子規を知り、俳句を始めた頃の作品。極度に精神的に追い詰められた状況となった東京での生活から「故郷」は東京を指すと思われる。影法師は漱石自身の影と解釈したい。名月に照らされながら松山市内を歩いているのであろう。満月の照らされた俯き加減の漱石の影が、その後の漱石の足跡の厳しさを予感させる。東京という故郷を懐かしむ、という心境とはいえない状況である。故郷を想う、とはこれまでの生き方、松山に来た由来など自身の生の軌跡を噛み締める心境なのだろう。
 中秋の名月には、見る人の心を照らし出し、そして人を内省的にする力がある。

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