本日の午前中は、Bunkamuraで開催している「ミロ展 日本を夢見て」(2.11~4.17)の見どころなどの解説をオンラインで聴講。
ジョアン・ミロ、パウル・クレー、ヴァシリー・カンディンスキーは、私の子どもが小さいころによく図版を見せて、子どもと一緒に空想を楽しんでいた。彼らの作品は子どもの空想をいろいろと駆り立ててくれるものである。
図版を見ながら子どもはいろいろと物語を作り上げて語っていた。私は相槌を打ちながらその空想が続くように一緒に物語の中に入り込んで一時を楽しんだものである。
今回の講座でも取り上げてもらった作品に「絵画」(1925年)という作品がある。この作品を子どもがまだ2つくらいだったときに見せたら、「むし、むし」と芋虫を想像したらしい。私が思わず「ケムンパスがいるね」といったところ、これにとても楽しく反応してそれ以来この作品を「ケムンパス」と指すようになった。
妻からは「この子はまだケムンパスを知らないのよ」と言われて、今度は私が笑ってしまった。子どもは「ケムンパス」は知らないものの、その語の響きに反応していたことに気がつかなかった。
私も子どももしばらくは「ケムンパス」を続けた。しばらくして子どもにミロの作品とは無関係に「レレレのおじさん」と「ニャロメ」と「ケムンパス」を見せたら、子どもは「ケムンパス」と言ってくすくす笑って、ミロの作品を思い出したらしく、図版を持ってきた。いたく気に入ってもらえた。「レレレのおじさん」も気に入ったらしいが、「ニャロメ」には関心は示さなかった。
子どもは成長していつの間にか、「ケムンパス」は忘れたようだが、私はよく記憶している。
こんなエピソードを思い出しながら、講座を聴いていた。
子どもが大きくなって独立したときに、図版を他の絵本と一緒に廃棄してしまったのが悔やまれるが、ぜひともこの展覧会で図録を再度手に入れたいものである。