予報が外れたか、朝から本降り。9月は雨がほとんどなかったが、季節は急に秋へと駆け出したようだ。
本日も22時半ころようやく帰宅。世の中は芸術の秋、感興を催す秋だが、この30年、ほとんど無縁の生活を送ってきたような気がする。
ただし美術館・博物館・音楽界、それなりにこの時期覗き歩いたり、聞き歩いたことがあるかもしれないのだが、記憶にない、と言うことなのかもしれない。
北山茂夫の「大伴家持」を数ページ読むのがやっと。しかし笠郎女との相聞の箇所に来て、白川静が「後期万葉論」で家持へ送られた笠郎女の24首を「明星派の女流をおもわせる、奔走な歌いぶり」と記したのを思い出した。
・我が形見見つつ偲はせあらたまの年の緒長く我も思はむ(587)
・我が屋戸の夕影草の白露の消ぬがにもとな思ほゆるかも(594)
女にこんな歌を寄こさせて、つれない名門の貴公子は一方で、次のように秋の月を歌う19歳。
・雨晴れて清く照りたるこの月夜またさらにして雲な棚引き(1569)
万葉の世界はいつ覗いてもつかみきれない。というか、万葉集に関係する評論は「全集」の解釈を見ながら、また他の評論も見ながら右往左往する。はっきり云って先に進まない。しかしそりが楽しい。読了しなくても万葉集の中をさまよい、彷徨することが楽しい。
本日も22時半ころようやく帰宅。世の中は芸術の秋、感興を催す秋だが、この30年、ほとんど無縁の生活を送ってきたような気がする。
ただし美術館・博物館・音楽界、それなりにこの時期覗き歩いたり、聞き歩いたことがあるかもしれないのだが、記憶にない、と言うことなのかもしれない。
北山茂夫の「大伴家持」を数ページ読むのがやっと。しかし笠郎女との相聞の箇所に来て、白川静が「後期万葉論」で家持へ送られた笠郎女の24首を「明星派の女流をおもわせる、奔走な歌いぶり」と記したのを思い出した。
・我が形見見つつ偲はせあらたまの年の緒長く我も思はむ(587)
・我が屋戸の夕影草の白露の消ぬがにもとな思ほゆるかも(594)
女にこんな歌を寄こさせて、つれない名門の貴公子は一方で、次のように秋の月を歌う19歳。
・雨晴れて清く照りたるこの月夜またさらにして雲な棚引き(1569)
万葉の世界はいつ覗いてもつかみきれない。というか、万葉集に関係する評論は「全集」の解釈を見ながら、また他の評論も見ながら右往左往する。はっきり云って先に進まない。しかしそりが楽しい。読了しなくても万葉集の中をさまよい、彷徨することが楽しい。