午後から陽射しの中を歩いて横浜駅まで。
喫茶店に入って本を読もうとしたら、読書用のメガネも、そして読みかけの本もリュックに入っていなかった。そういえば、家でリュックを背負ったとき、軽さに驚いたが、気にしなかったのが敗因。
スマホでニュースなどを見ながら過ごしていた。読書ができないならば、もう少し美味しいコーヒーを飲ませてくれる喫茶店に移っても良かったのだが、すでにコーヒーを一口飲んでいた。また財布が軽すぎて電子マネーが使えない店には入れないこともあり断念。
喫茶店を出たのち、書店で新潮文庫のコーナーに倉橋由美子の名を見つけた。「大人のための残酷童話」。昭和という年号の最後の年のころに単行本で立ち読みした記憶があるのだが、確かな記憶ではない。数ページないし1編ほどと思うのだが・・・。
著者のあとがきには「昭和59年」とあり、文庫の初版は「平成10年」となっている。悪い癖で思わず購入。近頃の文庫では珍しく安価で本体460円を支払った。
著者はあとがきに「古いお伽噺に倣って、論理的で残酷な超現実の世界を必要にして十分な骨と筋肉だけの文章で書いてみよう、という気になった・・・」と記している。さて26の掌編にどんな毒がちりばめられているのだろうか。
倉橋由美子の作品を購入して読んだのはデビュー作の「パルタイ」のみ。それも内容はもう忘れてしまっている。
休肝日とは何の関係もないのだが、童話に込めた「毒」を嘗めてみたい衝動にかられた。衝動買いは、最後まで読んだものはほんどない。この本はどうだろう。